MmMorRS OF SAGAMI
IN6層ITUTE eF TnCHNOLOGY Vol
.
19,
Ne.
1,
1985非 線
形 発
展
方
程 式
の
数
値 解
法
二
見 尚
之
*・
水 島
二郎
* *・斎 藤
善
雄
* * *An
Algorithm
for
the
Numerical
Solution
ofNonlinear
Dynamical
Equations
Naoyuki
FuTAMI
,*Jiro
MIzus
且IMA ** andYoshio
SAITo
* * *An algorithm
for
the numerical solution of nonlinear dynamical equationsis
proposed.
The
essentialingredient of the new algorithm
lies
in
the point that the position of mesh pointsis
changed , accord・
ing to a notion of the Lagrangian type speci 丘cation of the flow field
,
The algorithmis
applied toBurgers
’
equation as an example,
and the numerical calculation is performed.
The accuracy and thestability of the solution and the magnitude of the CPU time and the memory area needed
for
the computation are compared with those by three other computational methQds , which are the second−
orderexplicit method , the fourth
・
orderimplicit
method and the pseudospectral method.
The
applicability ofthe algorith 皿 to two
・
dimensional or three−
dimensional 丘eld problem is also discussedbriefly
.
1.
は じ め に最 近の電 子 計 算 機の発 達, 特に ス
ー
バー
コ γ ピ=
.
一
タ (CRAY ・
1 お よ び CRAY−
2,
FACOM VP−
100 お よ びVP
−
200, HITAC S810)の出 現に より,
物 理 学・
工学・
気 象 学 等に おける数 値シ ミュ レー
シ ョ ン の 果たす 役 割は ますます大き くなっ て きた。 流 体力学の分野 に お い て も, 二 次元 の流れ だ け で な く, 三 次 元の流れ も直 接に数 値シ ミ=
レー
シ ョ ソに よ り解くこ とが 可 能に な りつ つ あ る (Moin
&Kirn,
1982)1) 。 そ の中で も重要 な もの は乱 流の物理的 性質を解明 する た め の 数値シ ミ= レー
シ ョ ン で ある。 流れ が乱 流である か,
層流である か に か か わらず,
非 圧縮 性 流 体の 運 動は (1.
1)式 で 表 わ さ れ る Navier−
Stokes
方程式と (1.
2)式で表わ さ れ る連 続の式で支 配 さ れ る :卑
+@.
7
)。。
=_!7P
+。du ,
(1
.
1} σt P (7・
u)=
0,
(1.
2
) * 情 報工 学 科 * 林 情 報工 学科 育助手 助手 * * 情 報工 学 科 助 教 授 非常勤 講 師, 東邦 大学医学 部一
般教・・
俵
毒
妾
戸
r
嘉
券
・籌
・
こ こ で,
U=
U(X,
t)は速 度ベ ク トル,
ρ は流 体密度,
P は圧 力,
p は動 粘 性 率,
X[≡ (X,y,2)]お よ び t はそれ ぞ れ 空 間 座標と時 間である。 流れ の代表的な長さ を L,
代 表 的 流 速を U とする と, 流れ は次 式で定義され る無 次 元パ ラ メー
タ (Reynolds 数)R で特 徴づけ られる: R = UL 〆v.
(1.
3
)一
般に R が 小さい とき , 流れは層流で あ り, 速度の 空 間変化は 比較 的な め ら か であるが,1
〜が 大 き くなるにつ れ,
流 れの ようすは 複雑に な り,
速 度の空間変化は急 激 に な る。 乱 流の 構造は間 欠 的 (intermittent)で あると いわれるよ うに (Anselmet
et al.
,1984
)2),
乱 流の大 部 分の 領域に おい て は速 度の 空 間 変 化が ゆ るやか で あっ て も,
速 度の空 間 変化 が急激な領域が必 らず存在する。 こ の た め , 流れ の数値シ ミ= レー
シ ョ ン を行な う際 に はReynolds
数 が 大 き け れ ぽ 大 きいほど空 間 分 解能を 大 き くし, 細かい構造まで 正しく計算する必 要があ る。 三次 元 乱 流の直 接 数 値シ ミュ
レー
シ ョ ソを 差 分 法で行 な う場 合,一
方向の 座 標ig
N
分 割し た とすると, 格 子 点 は全部でN3
個と なる。
た とえばN=
64 (三 次 元 乱 流の シ ミ=
レー
シ ョ ソ に は 不十 分だ が)と し,
各格子 点に お一 27 一
い て速 度の 三成 分と圧 力 を単精 度 (4パ イ ト)で計算す る とし て も 4
,
194,
304=
4MB (メ ガ・ミイ ト)の記 憶 容 量を 必要と し, 速 度の 時 間発 展を計算 するため に必要な計 算 時間は莫 大にな る。 そこ で
,
よ り少ない計 算 点 (格 子 点 )で, 高い Reynolds 数の流れ を精度 よく計算する数 値計算法が望 まれる。 本論文で はLagrange
の定 式 化に 基づ く数 値 計算法を提 案 し,
この方 法に よ れ ぽ乱 流が細 かい 構 造 を持つ 領 域では大 きい空間 分解 能を 持 ち,
全体 として は少ない計算点 で 正 し く乱 流がシ ミュ
レー
トで き る可 能 性 を 示 す。 実際に はNavier−Stokes
方 程 式の一
次 元モ デル で あるBurgers
方程 式 (Burgers,
1948)3) ∂u ∂u 1 ∂2π万
z
+% 厩=
π 万
(1
・
4) に こ の方法 を 適 用 し, 数 値シ ミュ レー
シ ョ ン を 行 な う。 さらに,
これま で よ く用い られて きた数 値解 法の う ち, 異 なる精 度を持つ 二 つ の差 分 法 と, 最 近よく用い ら れる ようになっ てきた擬ス ペ ク トル 法 (Orszag ,1971
)4)にっ い て も数値シ ミュ レー
シ ョ ン を 行ない , そ れ ぞ れに つ い て数 値解 法の安 定 性, 計 算に必 要 なメ モ リ の大 きさ,
計 算 時 間につ い て比 較 する。 ま た,
数 値 シ ミ= レー
シ ョ ン に よ り得られた速 度の デー
タ か ら速 度微分 (∂U/∂X)の skewness :。。
.
(
∂u ∂x)
s>
膿
が
を 計算し, た skewness と比 較 する こ と に よ り, (1.
5
)これを Burgers 方 程 式の厳 密解か ら計 算し
各数 値 解法の 計 算精 度につ い て検 討する。 た だし
,
(1.
5
)式で 〈 〉は 空 間平 均 を意 味して い る。
Burgers
方 程 式はNavier−
Stokes 方程式の 特徴である 非 線 形性と散逸 性 を 備 え, し か も簡略 化 され た
一
次元 モ デルで ある た め , 数々 の乱 流 理 論の テ ス トや数値 解法 の テス ト に用い ら れて きた。 ま た,Tatsumi
& Toku.
naga (1974
)5)は一
次 元の 圧縮性 流 体 中に 発生 するシ ョ ッ ク乱流の 統計 的 性 質はBurgers
方程 式の解の統 計的 性質に帰着できるこ と を 示 し て お り,
そ の 意味 で Burgers 方程 式は 現 実の 自 然 法 則を支配して い る式でも ある。2節で は二 つ の差分 法 (二 次精度イ クス プ リシ ッ ト差 分 法 [空間二 次 中 心 差 分, 時 間
一
次 前 進 差分 】と 高精度 イソ プ リシ ッ ト差分 法 [慣性 項 空 間四次中心 差分,
粘 性 項二 次 中 心 差 分,
時 間一
次 イン プ リシ ッ ト法]) を 紹 介 し, これ をBurgers
方程 式に 適 用し, 数 値シ ミェ レー
シ ョ ン を行なっ た結 果 を 示 す。3
節で は擬ス ペ ク トル 法 の紹介とBurgers
方程式に適用した結 果につ い て 述べ ,4
節でLagrange
の定 式化に基づ い た Burgers 方程式 の数値シ ミ = レー
シ ョ ン の方 法と その 計算結果につ い て 述べ る 。 5節で 各 数値 解 法の比 較を行ない ,Burgers
方 程 式の 厳 密 解との比較も行な う。2.
差 分法 に よ る数値
シ ミュ レー
シ ョ ンBurgers
方程 式の よ うな一
次元偏 微分発 展 方程 式を数 値的に解 こ うとする場 合,
通 常, 連 続 的な空 間 変 数 X=
[O,
五】 を (N
+1
)個の離 散 的な 格子点 x。=
O< x、<…
くXN−
、く x.
v=
L で 代 表 さ せ, 時 間変数 t= [0,
T 】を (M
+1
)個の離散 的 な 時 刻 t。=0
くt、〈…
〈 tM_
、くtM=T
で 代 表させ る。 そ して za(x, t)の代わ りに (N +1)・
(M +1)個の格子点上の ti(x, t)の値 u(Xt, td)≡ Ul,
Y [i=0
,1,
… ,N
;ノ=0,
1,
2,
… ,
M ]のみ を考 察の対 象とする。 次に偏 微分 発 展方程式を 差 分 化し,
上 で定義した 格 子 点で の eri,
ゴ の 値の みで 閉じ た 差分 方程式を導 く。 こ の とき, 得られ た差 分 方 程 式は, 元の偏 微 分 方 程 式が持つ 保 存則を その ま ま継 承 することが,
差分法の安定性お よ び数値 解の 精 度か ら みて も望ま しい (Roache ,
1976)6) 。Burgers
方 程 式 (1.
4
)は右 辺の粘 性 項が な い と きに は運 動 量 保存 則を持つ の で,
次の よ うに 書 ぎ換 えて お く と,
差 分 化 し た と きにも 同 じ運 動 量 保存則 を 持つ 差 分 方 程式を容易に得る こと ができる: ∂u1
∂”21
∂2u万 +万 万
=
万 房(2
・
1) さら に,一
般に, 偏 微 分 発 展方 程 式の差分 化に は, 時 間 微 分は前 進差 分 商,
空 間微 分は 中心差 分商を用い て差分 化する方が数値 解の 安定性に よ い こ とが知 ら れ て い る (Roache
,1976
) e) の で , こ の こ と を 念 頭に おい てt 具 体 的な差 分 化の 作 業を行なっ た。
こ の 論 文 を 通 し て,
Burgers
方 程 式の数値シ ミ= レー
シ ョ ン に お い て はL
=
1,
T=
1 と し,
境 界 条 件は u(0,
t); ”(1,
t);O
と し, 初期 条 件は u(x,0
)= sin (2π κ) を採用 し た。2.
1
二 次 精 度 イ クスプリ シ ッ ト差分 法 (2 .
2
) (2.
3
)まず初め に基本的 な二次精度イク ス プリ シ ッ ト差分 法 を 用い て (
2 .
1)式を差分化 する。 す なわち,
時 間 微 分は一 28
非 線形 発 展 方 程 式 の数 値 解法 (二 見 尚 之
・
水 島二 郎・
斎 藤 善 雄 ) 前進 差 分商で, 空 間 微 分は中 心 差 分 商で近似する:∂es(
券
’塗
・
計歪
・
’,
(・
・
4)atWt
t). !
7
・・蠹
量一L・
・1 ,
・・…梺
の垂
1・
厂詮
ll
怖・
ゴ・
・・… こ こ で, 時 間 t と空 間 X は等 間 隔に差分化し, そ の間 隔 を そ れ ぞれdt,
dx
と おいた。 これ らを (2.
1) 式に代 入 して・、
.
」.、==
” i,
ゴー
、当
。 ( ・1
+1,
、一
・蹇
一
、,
P
・
圭
,蒜
・u・+ ・,
厂 ・u… +・ ・一
… ) … 7・ を 得る。 (2 ,
7
) 式か ら非 線 形 項を除いた差 分方程 式の解 の安 定 条件 は よ く知 られて い るよ うに÷
(轟
・吉
( ・
・
8) で与 え られる (矢嶋・
野木,1977
) 7) 。 差 分 方 程 式 〔2.
7) 式 を (2・
2
) 式 の 境 界 条 件 と (2,
3
) 式の初 期 条 件 の 下 に数 値的に解い た。 数 値 計 算 で は N = 128,
dx= 11N,
dt
=
=
(1!2)(dx
)2R と し ,R =100
,200,
400 につ い て計 算 を実 行し た。 結果の一
例と し て R・
・
400 の場 合の速度 u{x,t)の時間 変 化の ようす を 図 1に示 す。 こ の図から 明 らか なよ うに シ ョ ッ クの近 くで数 値 解の振 動 現 象が生 じ て い る。2.
2 高精度インプリ シッ ト差 分 法 前節で は慣性 項の差分と し て (2.
5)式を用いた。 こ の 差 分 近似の 精 度は0
((nx
)2) であっ た。 こ の差 分を よ り 精 度の高い0
((ax
)うの差 分: ∂”2(x,
’)1
∂x12・
Ax
×(
一
璋+2,
i+8ul
+、,
厂8
κ1
−
1,
ゴ+π1
_
2,
ゴ) (2.
9
) で置 き換え る。 粘性 項につ い て は前 節 と 同 じ差 分 近似を 用い るこ とにする。
こ の よ うに慣性 項の近似 精度を粘 性 項の近 似精度よ り上 げる と数値解が よ り安 定に求め られ るこ とは 今 回の数 値シ ミュ レー
シ ョ ン に よ り判明 し た が, その数 学 的 根 拠は必ず しも明らか で は ない。 時間微 分は前節と同じ差分 商 (2.
4)式で近 似 するが, (2 .
1)式の左 辺 第2
項 と右 辺の 評 価に は 二 段イ ン プ リシ ッ ト差 分 法 を 用い る。 す なわ ち,
差分化さ れ たBurgers
方 程 式は,
At
uτ
’
ゴ+1=
Ui・
ゴー
48
.
dx
×{(
一
峨
2,
ゴ+縅
+1,
厂8
μ1
_
1,
ゴ+瞬一
2.
ゴ)+(
一
峨
師 + 、+8κ署+L,
竏 1−
8u:
・
_
1,
ゴ+1一
トu羣
_
2,
ゴ+1)}dt
+ 2R ω。)・{( Ui+1
・
」−
2”・・
d+ Ut一
の一
ト(Ui+1,
」+t−
2Ui.
j+1十麗乞_
L ゴ+1)}(
2・
10
)1
0
( ρ軸
× ) づ一 1
0
。0
0
.
5
1
.O
x 図 1 二 次 精 度イ クス プ リシ ッ ト差分 法に よ るR =
400 の 場 合の u(x,t)の時 間変 化一 29 一
1
C
( p謁
)一 10
.0
0
.
5
1
.0
X 図2
高 精 度イ ン プ リシ ッ ト差分 法に よ る R=400
の場 合の u(x, t)の 時間 変 化 と な る。 こ の差分方 程 式を 反復法 (iteration
method ) に よ り数値的に 解い た (反復の回数は 無条件に 3回 と し た )。 数値 計算に用いたパ ラ メー
タ の値は全て , 前 節と 同じ である。 結果の一
例 (R=
400 の場合)を図 2に示 す。
こ の図で も二 次精度イ クス プ リシ ッ ト差 分 法 と 同 様, 数値 解の振動 現 象が 生 じ て い る。 こ こ で は最も基 本 的な 差分法と非線形 項の精 度を粘 性 項の精度 よ り も高くし た差分法を とりあげ, 数値シ ミュ レー
シ ョ ン を行なっ た。
これ らの 方 法 以外に , 特に時 間 微分に対 する差 分化を 工夫 し た 方 法にFriedrichs・
Lax
の差 分ス キー
ムやLax ・
Wendroff の差 分ス i=
一
ム な ど 〔矢嶋 。野木,
1977)7) が あ り,
数 値 解 析の 専門書にそ れ らの特 徴と欠 点が指 摘さ れ てい る。3 .
擬スペ ク トル法 2節の差 分 法で用い られた空 間 微 分の差 分 近 似に よる 誤 差は,
(2.
5
),
(2 .
6
)式で は0
((dx
)2)であ り,
(2.
9
)式 で は0
((4
κめ で ある。
したがっ て,
差 分 近似では空 間の 差分 間隔Ax
に よっ て近似の精 度は規定 され てい る。 微 分の精度を 上げる に は こ の差 分 間 隔 dx を小さ くすれ ば よ い の で ある が,
そ うする と記 憶 容 量 及び計 算 時 間の点 で不 利に なる。 そこ で,
空 間の差 分 間 隔を固定し て,
し かも 微 分の精度を よ くする た めにFourier
級数 展 開を用 い て微分を計 算する方法が考え ら れ た (Orszag,
1971)4) 。 こ こでは, 与え られた境 界 条件 (2・
2)式を考慮し て,一
般の
Fourier
級 数 展開ではな く,
Fourier・
Sine
級数展開 を 用い る
。
速 度 u(x,t)のFourier・
Sine
級数 展 開 co−
( U(X,
の=
Σb
,(t) sin {πkx
) 3.
1) k=
1 を導入すると, U(X,
t)の微分は ∂x で与え られる。一
方,
∂U(”・ t)一
量
。fe6、(、)。。、(。k
。) k=
1 (3.
1)式の逆 変 換は5
… )・=
・∫
1
啣 ・… 〈・k
・… (3 .
2
) (3 ,
3
) である か ら,
X 軸 上の全て の 点で速 度の 値が与え られて いれ ばOu
/∂x は (3 .
2) 式に よ り,
全て の 点で正確に 求 め られ る。 ところが, 実 際の数 値シ ミュ レー
シ ョ ンで は X 軸上 の全て の点で の速 度 を 与 えるこ とは で きず,
各 格 子 点 上で の速度の値が与え られてい るにすぎない 。 2節 と同 様に空 間 【0,
1】を N=
21 等 分し,
格 子 点の x 座 標を Xi {i=
0,
1,
…
, N,
N +1)とする。 ま た, 格 子 点 Xi で の 速 度 π軌,
t) を Ui(t) と書 く。 数値シ ミ= レー
シ ョ ン で は各格子点での速 度 Ui(t)だけ が デー
タ と し て与え られるの で,Fourier・
Sine
級数 展 開 (3 .
1)式 の代わ りに離散 Fourier・
Sine 変換を導入す る。 u・(・)一
誹
・・ …(
rrkiN)
(3 .
4)式の逆変換は : (3 .
4)一 30 一
非 線形発展方程式の 数 値 解 法 (二 見尚之
・
水 島二 郎。
斎藤善雄 )飯ω 一
÷
捧
…(
π虍∫ N)
…5
・ である。 (3 .
1)式と (3・
4)式の違い は, (3.
1
) 式 で は6
遼)が 与え られ れ ばた とえk
が 有 限 個で あっ て も,
X 軸上全ての点で速度の 値が求め ら れ る の に 対 し て,
(3 .
4
) 式で は たか だか各格子点での速度の値が求め られ る にす ぎない ところにある。 一
方,
Fourier 係数bk
(t) とb
,(t)の関 係は のb
,(t)=
b、(t)+ Σ bk+2m.
v(t) (3・
6) m=
1 と なっ て お り,
(3.
6)式の右辺第2
項は“
aliasing”
項 と呼ばれて い る (Orszag,
1972)B) 。 こ の 項は, 空間を離 散化し た ため に波 数 々 の 成 分 と波数 k+2mN (m は整 数)の成分を区 別で きなくなっ た ことに よっ て 生ずる 誤 差で ある。 ところ で, Burgers 方 程 式で は,
粘 性 項の た め に非 常に大 ぎな波 数 を 持つ 成 分は 指 数関数的に減 衰し て しま うの で,
aliasing 項に よ る誤差はN
を 大 き く と るこ とに よっ て 通常無視する こ とがで きる.
離 散
Fourier・
Sine
変 換を用い る と各格子点で の速 度 の微 分は胤
・繰
’)L
一
Σ
1
蜘 ・c・s(
πkiN)
(3.
7) と求められ る。 (3 .
7)式で与 え られる各格子点上の速 度 の微分の精度 は 各格子点で 与え ら れ る速度の精度に 等し い。 し たがっ て, 離 散Fourier−
Sine 変換に よっ て得ら れる微分の精 度は差 分 近 似の精度か ら見る と 飛躍的に 向 上 し てい る。 ところ で, 微 分を求め る ため の計 算 量を比 較 する と, 二 次の中心 差分に よ っ て全ての格子点での速 度の微 分を計算するに は /> の オー
ダー
の 計 算 量を必 要 とする。一
方,
(3.
5)式と (3.
7
)式か ら全て の 点で の速 度の微 分を求め るに は高 速 Fourier 変 換 (FFT )の アル ゴ リ ズ ム (Cooley
&Tukey ,1965
)9) を 用 い る と,2N
log N の1−
一
ダー
の計 算量 を 必 要 と す る。
し か し,
こ の計算量の増 加は 微 分の精 度の 飛 躍 的 向 上か ら考え る と大き な欠 点で は ない。
擬ス ペ ク トル法に よれば,
Burgers 方程式は,∂
餐
’) 橘 ω(
∂u ∂x)
、一
(
券
い
・… で近 似 される。
こ こで,
非線形 項の (∂u1∂呱 は (3 ・
7
) 式で与え られる。(
3.
8)式の 粘 性 項の (∂2uf∂x2)は離 散 Fourier−
Sine 変 換 を 用い る と,
(
1
睾)
i ・ ∂讐
乳
.
x、一一
Σ
1
・…b
…1
…鰐 )
(3.
9) と なる。
(3・
4),
(3.
7),
〔3.
9
)式 を (3.
8
)式に代 入 する と 波 数k
を持つ 成 分b
,(t)の方程式が得られる:撃
・一
・・rk[
Ut・・傷
)
、ト
π咢
・・t) (・・
… (3.
10)式 で 左 辺 の 第2
項 は 積 u,(t)(∂uX ∂x)i の離散Fourier・
Sine
変 換に よる波 数 k の 成分を表わして い る。1
0
( ρ膏
)一 1
O
.0
0
.5
1 .0
X 図 3 擬ス’
a ク トル法 に よ る R=
・400 の 場合の u(x,
t)の時 間 変化一 31 一
(
3。
8
) 式 ま たは (3。
10
) 式の ように 離 散 Fourier 変換 を 用い て数 値計 算 する方法は,S。
A.
Orszag
に よっ て は じめ て数値シ ミ ュ レー
シ ョ ソ に 応 用 さ れ (Orszag,
1969)1°),
擬ス ペ ク トル法と呼ば れ て い る 。 こ こで は方 程 式 (3.
10) 式の時 間 微 分を前進 差 分商で置き 換 え た式b
・,
…一
転 厂 ・’囚
吮儂
)
」
一
響
転・}
(3 .
11) に従っ て数 値 計 算を行なっ た。 た だ し, こ こでbk.
」は 時 刻 ノ・
At に おける波数 々 を 持つ成分 婦 ノ・
dt
)を表わ し ている。 ま た, (∂u!∂X)珂 は時 刻 」・
dt
におけ る格子 点 i上で の速 度の微分を表わ してい る。計算の 手 続 きは以 下 の 通 りで ある。 まず初期 条件 (2
,
3)式 を (3 ・
5
)式に代入するこ とに よ り,
初期 値b
,,
。 を計 算す る。 (3 .
11) 式 の 右 辺 { } 中 の 非 線 形 項 ノ 洫匿,
ゴ(∂U1∂X)司
は , 波 数成 分b
,.
」 の デー
タ か ら (3.
4), (3.
7) 式に従 っ て Ui,
d と (∂u1∂め吋 をFFT
に よ り求め,
次に Ui,
」 と (∂u!∂X)i.
」 との積を各 i につ い て と り,
そのデー
タ か ら再度FFT
を用い て求め ら れ る。 こ の よ うに して求め た デー
タを (3.
11
) 式の右 辺に 代 入し てb
,,
ゴ+ 、 を各 々 につ いて計算する。 数値計算に用い た パ ラ メー
タ の値は 全て前 節まで と 同 じ である。
結 果の一
例 (R =
・
400 の場 合 ) を 図 3に示す。 こ の図で も前節 と 同様, 数 値 解の振 動 現 象が 生 じ て い る。4
.Lagrange
法 前 節 まで の数値 計 算 法は 全てEuler
的 な 定 式 化に基 づ く方 法,
すな わち,
空 間格子点を全て 固 定し て方 程 式 を数値的に解く方法であっ た。 これ に対 し て本 論 文で新 た に提 案 するのはLagrange
的 な 定 式 化に基づ く数 値 解 法で ある。 1節で も述べた よ うに,
大 きな Reynolds 数R
を持つ乱流の構造は間 欠 的である。 し た がっ て , 乱 流 の大 部分に お いて は速度の空 間 変化はゆ る やかなの で,
その よ う な領域で は空 間 格 子 点を多 く取る必要は ない。一
方,
速 度の空 間変 化が急激 な 部 分は乱 流の 中の小さな 領域に限 られて お り, し か も その 小さ な領 域 内で は空 間 格子点を多く取る必 要があ る。 層 流の場合に は速 度 変 化 の ゆるや か な 部分と急 激な部 分の領域は時間的に ほ と ん ど変 化し ない ので, あらか じめ流 れの よ うすがある程 度 予 測で き,
空 間 格 子 点の配 置の仕 方を決定 するこ と も 容 易で あ る。 とこ ろ が,
乱 流の場 合に は 現象 が非 定 常で あ る た め に, 速度変化の急激 な部分 が どこ に発 生 す るか 予 測でき ない 。 その ため に, これ まで の乱流の数値シ ミ= レー
シ ョ ンで は全て の空 間を一
様に小さ な メ ッ シ ュ に分 割 す る方 法 が取られ てきた。 し か し, 速度の空 間 変化が ゆる やか な領 域で は多 くの格 子点を取る必 要 は な い の で, こ の方 法はその ような領域で必要以 上の計算を行な っ てい る こ とに な る。 そこで,
我々はこ のむ だ な 計 算 量 を減 らすため に,
空 間格子 点の 位 置 を 流れ と共 にLaglange
的に変 化さ せて,
速 度 変 化の急激な領域に は 多くの 格子 点 が,一
方 , 速 度 変化の ゆるやか な 領 域に は 少 ない格 子 点が 自然に配 置さ れ る よ う な計算 法の アル ゴ リズム を二 種 類 考 えた。
4,
11
.agrange 法1
こ こ で は , 時刻 t= 0 で, 空間 [O,
1】をN
等 分 し,
ヱV
+1
個の格 子 点 を考え る。 格子 点 は 流 体粒子と共に移 動 する もの と し, 格子点の位置と その 点で の速 度を そ れ ぞ れ 孟 (の, Ui(t) とする と:dXt
(t)=
uら(t) (4.
1}dt
で あ る。 一
方, Burgers
方 程 式 (1.
4) 式 の 左 辺 をLagrange
微 分DIDt
[=
∂〆∂t+u(x, t)∂1
∂x]を 用いて書 く と,
萼
}
り一一
÷馨
’)(… ) と なる。 し た がっ て , 時 刻 t>0 で , 位置 Xi(t)に あ る 流 体 粒子の加速度は
dUi
(t) 1)”(x,
t)dt
DtL
。 、 で与 え られ, (4・
2) 式に よ り,dUi(の
_⊥
∂2u(x・
t)dt
R
∂x2L 。 , (4,
3} (4.
4) と な る。Burgers
方 程 式 を Lagrange 的に解くとい う こ とは,
結 局 (4.
1)式と (4.
5)式を連 立させ て解くと い うこ と に帰着する。
(4
.
2)式の 右 辺の補 間 式 を二回 微分し, x=Xi
(t)の近 傍で, u(x, t)を 四次のLagrange
補間に よ り求め,÷
弩
盞
のL
。 ・÷
轟
畿
・
[
浸
諞
i
黔
,、・
剃
し
、 ・… ) を得る。 ま た (4.
4)式の時 間微 分を前 進差 分商で近似す る:一
32一
非 線形 癸 展方 程 式の数 値 解法 (二 見尚之
。
水 島二郎・
斎 藤 善 雄 )弩
’) ・ 礁誓
殉ω ,(・
・
6
) た だ し, (4.
6
)式の時間間隔 魂 は等間 隔と は限ら ない 。 (4.
5)式と (4.
6)式に よ り (4.
4) 式 を 近似する が,
そ の際,
(4.
4) 式の右 辺を二 段イ ン プリ シ ッ ト法で評 価す る。 す なわ ち,
(4・
4} 式は (4・
5
) 式の右 辺 をAi
(t) と 置い て,
u・(・+ ・・)・= ui(t)・
咢
脚 ・dt
)+A
・(t)】 (… } と近似される。 ま た, (4.
1
)式 も (4.
4)式と同 様に差分 化 する と,
At
x
・(t+dt
>= 瓦ω+ =IE
” [ui(t+ 「it
)+・・(t)】 (4・
8
> となる。 (4.
7) 式 と (4.
8)式 を 連 立 させ,
そ れ ぞ れ 2.
2 節 と同 様に反 復 法に より数 値 的に解い た (反 復 回 数は 無 条 件に 3回 と す る )。 数値計算に用い た パ ラメー
タは,
N =128
, 時 刻 t=0
に おける空 間 間 隔dx
を 「ix=11N
と し,
時 間間隔 dtをAt
= (1!4)(dx
)2R と し た 。 t>0 で の時 間 間隔 dt を 拡 散 方 程 式の数 値 解の 安定条 件 (2.
8) 式を満たすよ うにdt=
(1/4)[dXmi 。
(t)PR
で与える。 た だ し,
dXm エ。(t);
min 【dXi(t)】, dX ‘(t)= 瓦+、(t)−
X,(t) と す る。 し か し格子 点は流体粒子 とと もに 移 動 する ので dXmt 。 (t) は時間 と 共 に変 化 す る。 4Xm
、。
ω が 時 間と 共に小さ く なると,dt
はその2
乗で小 さ く なる。 した がっ て,
格子点 間 隔に下 限を設 定 し ない と 計算が 進ま な くな っ て しま う。 これを避 ける た め に, こ こ で は格子 点間 隔に下 限 δを 設定して ax ,(t)が δ より も小さく なっ た場 合に は,
位 置Xi
(t) と 瓦+ エ(t)に ある2
つ の格 子 点の うち,
[o,
N12 】 区 間で は 左 側 (位 置 Xi(t))の格 子 点,
匸N12,
胡 区 間で は右 側 (位 置 Xi+i(t))の格 子 点 を捨て, それ ぞれの区 間の最大の 格 子 点間 隔を持つ 2つ の格子点の中点の位 置に新た な格子点を そ れぞ れ入 れ る とい う操 作を施す。 すなわ ち,
格 子 点の数は常にN
+1
個である。 こ の操 作 を 行なっ た後で最小の格 子 点間 隔 」Xmi
。 ω を 求め る。 次の ス テ ッ プに 進 むた め の 時 間 間隔は At の既 定 値 (114)(1
!N )2R と (1!4)[AXmin
(t)]2R と を 比較し,
小 さい 方の値を 採 用 する。 境 界条件, 初期 条 件は,
前 節まで と同 様である。 空 間格子点間隔の下 限 δと して は δ=
1!〔2R )を 採 用 した。 結果の一
例 (R=
400 の 場 合 ) を 図4
に 示 す。
こ の 図で は,
他の数 値 解 法 とは 異 な り数 値 解の振 動 現 象は生 じて い ない。 4.
2Lagrange
法2
格 子 点 間 隔 が 下 限 δよ り小さくなっ た 場 合に は,
Lagrange
法 1で は 格 子 点 の入れ替えの操 作を施し た が,Lagrange
法2
で は,
格 子 点 間 隔が その下限 δ よ り 大きい場合はLagrange
法1
と同 様に空 間 格 子 点を流れ と共にLagrange
的に変化させ て数 値 計算を 行 ない,
格 子点間 隔がその下 限 δよ り小さく なっ た時 刻以降は空間 格 子点を 固定し,Burgers
方 程式 (2。
1)式をEuler
的 に解 くもの とする。
こ こで は, 格子 点 間 隔 が 下 限 δ よ りも 大 きい場合の数1
O
( p、
× )一 1
0 .
○0 .
5
X 図 4Lagrange 法 1 に よ るR =
400 の 場 合の u(x, t)の 時 間 変 化一 33 一
1 .
0
値計算法Ot Lagrange 法 1 と同じなの で, 格子 点間 隔が 下 限δ よ りも小さくなっ た場合の数 値 計算法につ いて述 ぺ る。 時 間変数 t
=
【O,
1]を (M
+1)個の離散 的な時 刻 t。=
0<t、〈…
くtM−
、<tM=1
で代表 させ, tn [h
=0
,1
, 2,… ,
M ]と お く。 た だ し時間間隔dt
は一
定で は な い。 格 子 点 間 隔 が下 限 δ よ りも 小 さ くなっ た時 刻 を 献0<k≦M )とする と,
時 刻 tk 以降の空 間 格 子 点の位 置を時 刻 tk−
1 で の (N
+1
)個の 空 間格子点の位置で固 定 し, そ れを Xf [ゴ=0
,1
,…
,Nl
とお く。
その 格子 点 で の速度を u(Xi,
の嵒 κ耐 [i= O,
1,
… ,
N ;ノ=k,
k
十1,… ,
M ]と おき,
X・
・
Xi の近傍での Ut,
」を 四 次の ラ グラ ソ ジ=
補間 に よ り求め (2.
1)式の左辺 の第 2項 と右辺 を それぞれ告幣
’)L
・昜
、毟
[
鼠
煢
・
擁,
・L
(4,
9}器梺
’1
レ
講
、剿
鼠
慧
・
司
1
柚 (4.
10
)G
1
膏
o
)一 10
.0
0
.5
1 .
0
x (a)R
=400
の揚合1
0
( ρぼ
) づ一 10
.
0
0 .5
X (b) R= 1000 の場 合 図 5Lagrange 法 2に よ る u(x ,t)の 時 間 変 化1 .0
非 線 形 発 展 方 程 式の数 値 解法 (二 見 尚之 。 水島二 郎 ・斎藤善 雄) と近 似 する。 また, (
2 ,
1) 式の時 間微分を 4・
1 節と同様 に前 進 差 分 商で近似するが,
その際 (2.
1)式の左 辺の第 2項 と右辺 を そ れ ぞ れ二 段 イ ン プ リ シ ッ ト法で 評価す る。
(2.
1
) 式は (4.
9
) 式の右 辺 を B,」, (4.
10)式の右 辺をCi.
.
i とそれ ぞ れ置い て,
u・
,
・+1一
弊 ・多個
耐 嗣一
(Ct,
ゴ+1十Ci,
j)}
(4.
12) と近似さ れる。 こ の差分 方程式を 2.
2 節と 同様に反 復法 に よ り数 値 的 に 解 い た (反復回 数は無 条 件に3
回とす る )。 数 値計算に用いた パ ラ メー
タは,
空 間 格 子 点 間 隔 の下 限 δ を δ= 1!R と し た以外は , 4.
1 節と 同 じであ る。 境 界 条 件, 初期 条 件は, 前節まで と同 じで ある。 結 果の 例 (R・
=400,1000
の 場 合 ) を 図5
に示 す。
こ の 図 で は,
Lagrange 法 1 と同様に数値 解の振 動現 象は生 じ てい ない。5.
各 数 値
解
法の比 較と検 討 こ こ で は,
各数値 解法に よっ て得られ た数 値 解の 安定 性 お よ び 数値 解の精度,
さ ら に, 数 値 計算に要し た CPU 時 間と使用 さ れ た メ モ リ量につ い て 比 較と検討 を 行 な う。 ま た, 本論 文で提 案し た Lagrange 法の 二 次元 お よ び三 次 元問題へ の応 用の可 能 性に つ い て も 簡 単に述 べ る 。 まず, 各数値 解法に よ る解の安定性を 調べ る。 そのた めに , 二 次精 度イ クス プ リシ ッ ト差 分 法,
高精度イン プ リシ ッ ト差 分 法お よ び擬ス ペ ク トル法で は, 格 子 点の数N
をN =128
, 空 間 間 隔Ax
をdx
; 11N に固 定し て, Reynolds 数 R を R = 100,
200,
400 の場 合につ い て 数値 計 算を行 な っ た。 ま た, Lagrange
法 1お よ び Lagrange 法 2で は , 格子点の数 N を1
>=
128, 初期 時 刻 t=0
に おける空 間 間 隔dx
をdx =
11瓦 格 子 点間 隔の 下 限 δを Lagrange 法 1で は δ=
1!(2R)また は δ=
:
11R ,Lagrange
法 2で は δ= lfR と し て,R =1GO
,200
,400
,1000
の 場 合に つ い て 数値 計 算 を 行 なっ た。 二次 精 度イ ク ス プ リシ ッ ト差分法,
高 精 度イソ プ リシ ヅ ト差分法お よび擬ス ペ ク トル 法につ い て は ,R =400
の 結 果か ら考えて R = 1000 の場合に 安定 な 数値解が得ら れない こ と が 明 らかなの で, R・
=
1000 の数 値 計 算は行 な っ て い ない。
表1
は各 数値解 法の 安 定 性 を ま とめ た もの で ある。 表 中の ○印は安定な数 値 解が得 られ た こ と を, ×印は数 値 解に振 動 現 象が現わ れた か, または 計算中に オー
パー
フ ロー
エ ラー
が 生 じ て し ま うこ と を 示 して い る。R =200
の場 合まで は全ての数 値解法 が 安定な数 値 解を与え るが, R = 400 の 場 合に は Lagrange 法を除い た他の 数 値解 法で は数 値 解に 振 動現 象が現わ れて い る。 こ の振 動現 象は空間の分 解能 (格子 点の数) が足り ない ため に 生じ たの である。 した がっ て ,Lagrange
法 を 除 いた他の 数値 解法で R;
400 の 場 合に安定な数 値 解を得 る ため に は,
空 間の分 割 数N
を128
よ りも大 き な 値に する必 要がある。 R=
1000 の場 合に は , Lagrange 法を 除い た他の数 値 解法で は空 間分 解 能が 足 りない ため に,
数値計算中に オー
バー
フ ロー
エ ラー
が生 じて しま うで あ ろ う。一
方,Lagrange
法1
は オー
バー
フ Pt一
エ ラー
を 生 じ るこ と な く数値計算を終了する が, 得られた数値解 がBurgers
方 程 式の厳 密 解 と大 き く異 なっ て しま うこ と や,
Skewness の 時 間変 化 が なめ らか で ない こ とか ら,
得 ら れ た 数 値 解 を 信頼するこ と がで き ない。 こ の原 因 は,
格 子 点 間 隔が空間間 隔 δ よ り も小さ く な っ た ときに 格子 点 を 抜 き取 り,
新たな 格 子 点 を 最 大の格 子 点 間 隔 を 持つ ところに挿 入 す る際に生じる誤 差が大 き く影 響して い る と思わ れ る。 実際に, 格子 点の抜き取りの操作を施 さない Lagrange 法 2は安 定で信頼で きる数 値 解を与え てい る。
っ ぎに, 各 数 値 解 法に よ り得られ る数 値 解の精度にっ い て調べ る。
R = 100 での 各 数 値 解と Burgers 方程式 表1
数 値 解 の 安 定 性 数 値 解 法 二 次精度 イクス プ 高 精 度イ ンプ リReynolds
数 リ シッ ト差 分 法 シ ッ ト差分 法 擬 ス ペ ク トル法 Lagrange 法 1 Lagrange 法 22004001000
0
× ×O
× X OX × ○OX
○ ○ ○ ○ 印は安定 な数値解が 得 られ,
× 印は数値解に振動 現 象が現われた か, また は計算時 にオー
バー
フ ロー
し て しま っ た こ と を 示 す。 た だ し, 各計 算におい て, 格子点の数N
は Reynolds 数に よ ら ず 128 に 固 定さ れて い る。一 35 一
の厳 密解を そ れ ぞ れ (
1.
5
}式に代入 し て skewness を 求め, そ れ らの値を比 較する こ とに よ り各 数 値 解の精 度 を議論し よ う。
箋界 条 件 (2.
2) 式, 初期 条 件 (2.
3) 式 を満たすBurgers
方 程 式の厳 密 解は π(x,
t) co−
2
一
認
IC ・ ”π゜
si・ (綱倉
exp ←n2π2t!R
) R。
。
’
C
。+ ΣCn・
cos (nπx)・
exp (−
n2 π 2tfR ) n;
1 (5.
1) た だし,C・−
1
:
・xp[
畫
… (・…]
dx1
5
.
4 .
5
口 の O 臼 津 O 詞 092 。1
。0
.
C
・一
・∫
:
・xp[
4 cos (2
π π]
・
・… …呵
(5’
2
> と表わ せ る。 二次 精 度イクス プ リシ ッ ト差分法, 高精度 イ ンプ リ シ ッ ト差 分 法 及び, 擬ス ペ ク トル 法で は空 間 間 隔dx
をdx =lfN ,
Lagrange
法で は初 期 時 刻 t=0
に おける空 間 間隔dx
をAx ≡11N
,格子 点間隔の下限δ を Lagrange 法 1で は δ= 1!(2R),
Lagrange
法 2で は δ; 11R とし, R=
100 につ い てそれぞれ数 値 算計を行なっ た。 図6
に厳 密 解 と各 数 値 解の skewness の時 間 変 化を 示す。 ま た, 時刻 t=O .
25
か ら t・
=O.
40
ま で の範囲 を拡 大 し図 中の 右 下に示す。 図中の番 号は, 1は擬ス ペ ク ト ル法,
2は Lagrange 法 1,3 は高 精 度イン プ リシ ツ ト0
・
0 0
。
5 1
.
〇 七 図 6R =100
の場 合の 各 数 値 解と厳 密 解の各 skewness の 時 間 変 化 右下 の図は時 刻 t=
0.
25 か ら t;O.40
まで の 範 囲を拡 大し た もの 。 番 号は,1
は擬ス ペ ク トル法, 2はLagrange
法 1, 3 は高 精度イ ン プ リシ ッ ト差分 法,4
は厳 密解,5
はLagrange
法2
,6
は 二 次精 度イ クス プ リ シ ヅ ト差 分 法 を 表わ し て い る。非 線 形 発展 方程式の 数 値 解法 (二 見尚 之
。
水 島二 郎 ・斎藤善 雄 ) 差 分 法, 4 は厳 密 解, 5はLagrange
法 2, 6 は二 次精 度イ クス プ リシ ッ ト差 分 法を表わ して い る。
時 刻 t が 0.
0くtく0.
2 で は 各数値解 法は 同 程度の 大 き さの skew−
ness を 与 えて お り,
差はほ と ん ど ない。 時 刻 t がO .
2
< t〈0 .
7 で は, 各数値解 法に よる skewness の 差が生 じてい る。 時 刻 t が t>O.
7 で は時刻 t が 大 き く なる に従 っ て各 数値 解法に よ るskewness の差は しだい に小 さ くな る。 二次 精 度イクス プ リシ ッ ト差分 法は各 数 値 解 の う ち で最も小 さな skewness を与える。 これは微 分を 差 分 商で近似し た と きの誤 差が,
数 値 粘 性とし て働 くた め で あると 考 え ら れる。
高精 度イ ンプ リシ ッ ト差 分 法は 各 数値 解法の う ちで 最も大 き なskewness を与え る。 擬 ス ペ ク トル 法と Lagrange 法 1の数値解の skewness は ほ と ん ど一
致 し て お り, 二 つ の数 値 計 算 法は 同 程度の精 度 を 持ち, しか も厳 密 解か ら計算された skewness に近 く,
精 度の点で は実用 上 十 分である。 Lagrange
法 2は 厳 密 解か ら計算さ れた skewness に 最も近い値を与え, 良い 精 度を持っ てい る。 各 数 値 解 法の計 算 時 間 及び使用 メ モ リ量を,
格 子 点の 数 N を一
定(1>= 128)に し,
時 間 間 隔は計 算時の オー
バー
フ ロー
も数値解の 振動現象 も生じ ない 上限の値で数 値計算を 行な うこ とに より調べ た。 数値計算に おい ては R= 200 と し,Lagrange
法1
の 格 子点間隔の下 限 δを δ=1
!(2R
} とし た以外は精 度の比 較の際に用い た パ ラ メー
タ と 同 じ に し て数 値 計 算 を 行 なっ た。
各数 値 解法で必 要と な っ た計 算時間 と使 用 メ モ リ量を表 2に 示す。 計算 時 間の単 位は分 :秒 :111 秒であり, 使用メ モ リ の単 位はKB
(キ ロ・
バ イ ト)で ある。 二 次精度イ クス プ リ シ ッ ト差 分 法はR =
200 の とき, 線形 安 定 性か ら決ま る時 間の 差 分 間 隔 dt≦(112X」ザR の 最 も大 き な 値で安定な 数 値 解が得ら れ るが, その 他の数 値 解 法で はそ れ よ りも もっ と小さ な 差 分 間 隔で ない と, 安定な数値 解は得ら れ ない。
二 次精 度イ ク ス プリシ ヅ ト差分法は最 も少ない 計 算 時 間で計 算を終了する が, 前に述べ た ように 得ら れた 数 値解の精 度 が 十分でない の で, こ のス キー
ムがよい と は 言 え ない。
高精度 イソ プリシ ッ ト差分法は 二 次精 度イ クス プ リシ ッ ト差 分 法と比べ て計算 時 間を費や し た割り に得 ら れた数値 解の精度 は 良 く ない。
擬 ス ペ ク トル 法は 計 算時 間 と精度 を 考 えて効率の 良い ス キー
ム である と言 える が,R
がもっ と大 きく なっ た と ぎ に は,
Lagrange
法と比較し た場 合に 計算 時 間に 関し て 劣る で あろ う。 Lagrange 法1
とLagrange 法 2は, 計 算 時 間に関し て は ほぼ同 程度と なっ て い る。
R=
200,
N =
128 の と ぎに は他の数値 解法 と比べ ると多 くの計 算 時 間 を 必 要 とす る。 各数値 解 法で使用 さ れた メ モ リ量は , どの 数値解 法 でも100〜150KB
程度であ り,R =
200, N=
128 とい うパ ラ メー
タ値の場 合に 関 する 限り, 大 ぎな差は認め ら れ ない。 Reynolds 数 R がもっ と大 き くなっ た場 合の 計 算 時 間 及び使用メ モ リ量の評 価をする。 Lagrange 法を除いた 他の数 値 解法は,
空間 及 び 時 間の差 分 間 隔 を 固 定して い るの で ,R
が大 きく なっ た 場 合 には そ れ に応 じて空間 及 び時 間の差分間 隔 も小 さ く し な け れ ば な ら な い。
Burgers 方 程 式の 場 合に は,
空間間隔4x
は 1fR に比 例して 小 さ く し な け れ ば な らない こ とが 知 られて お り, 格子 点の数 N は R に比 例し て大 きく とる必 要がある。 数値解 法の線 形 安定性か ら得られる時間 間隔dt
はrit
≦ (112)(Ax
)2R なの で ,dt
は11R
に比 例して小さ くしな け れ ば な らない 。 し た がっ て , 全 体の 計算量はR
を大 きくし た と きR2
に比 例 し て増 大する。 ま た, 擬 X ペ ク 表 2 各 数 値 解法の計 算時 間 及 び使 用メ モ リ量 二 次 精 度イ クス プ 高 精 度イ ン プ リ リ シヅ ト差分 法 シ ッ ト差 分 法 擬 ス ペ ク トル法Lagrange
法 数 値 解 法1
2
時 間 間 隔dt
(dx
)2R12 (Ax
)2R !2
(dx
)2R !5
(dx)21〜14
− 一
(riXmt
。(の)2R ノ’4− 一
δ2R14 計 算 時 間 00:09:810
01:00:77402
:06
:49942
:33
:363
30:18:175 使用 メモ リ量 (KB
) 116 119 136 136 142表中の数 値は
R =
200,AX
;11128
の と きの 計 算か ら 得 られ た もの で ある。 た だ し・
δ の 値 は・
Lagrange 法 1で は δ=
11(2R ),
Lagrange 法2
で は δ=
11R で あ る。
計 算 時 間の単位は,
は じ め の 数 値が分, つ ぎの数値が 秒, 最 後の数値が1
!1000
秒で ある。一 37 一
(a )
正反対の 流れ
(b)
時 刻 t に お ける XtS(t>の
(c)
時刻 t十
dt
にお ける 近傍 点 XtJ(t)の近 傍 点 図 7 正 反 対の流れ の 揚合の 格子点の ふ る まい ← は 流 れ の向 き,
● は 瓦ゴ(t)の位 置, ◎ は 渇 ゴ(t十dt
)の 位 置, ○ は 瓦 メのの 近傍点, は時 刻 t十dt
に お け るXiy
(t)の近傍 点 トル法に よる全 体の計算 量はRa
log
R
に 比 例し て増 大 す る。一
方,Lagrange
法で は空 間格 子 点の数N
をR
に よらずに 固 定 して い る の で, 時 間 間 隔 Atだ け がR に 依 存して変 化 する。
こ こ で行なっ た計算で は空間 間隔の 下 限 δ を導入 し, δ を 1/R に 比例さ せ てい るので,At
はやは り 11R に比 例し て小 さくなっ て い る。 し た がっ て , 全 体の計算量はR
を大 き くした とき R に 比 例し て増 大 する。 ま た,
使用メ モ リ量はLagrange
法で はR
に よらずほ とん ど一
定で あ り,
その他の数 値 解 法で は R に比 例して増大 する。 各 数 値 解 法の全 体 的な評 価 をま とめ る と以 下の ように な る。 二次 精 度イ クス プリシ ッ ト差 分 法はア ル ゴ リ ズ ム が 単純である反 面,
精 度の 点で は十 分で はない。 高精度 イ ンプ リシ ッ ト差分法は二 次精度イ クス プリシ ッ ト差 分 法 より も微 分の差 分に よ る近 似 精 度を高めて い るの であ るが,
数値 解の skewness に関 する限 りそ れ程の 効 果を 上 げてい ない。 擬 ス ペ ク ト ル法は十 分 な精度 を 持っ て お り,
実 用が可 能で ある。
た だし,
計 算 量はReynolds
数 R が大き くな るに 従っ て,R2
log R に比 例し て増 大 す る。Lagrange
法1
は R が大き くなっ た と ぎ, 使用 メ モ リ量及 び計 算量に関し て他の 数 値解法よ りも優れてい るが, 格子 点の抜 き取 り法につ い て課 題 が 残され て い る。Lagrange
法2
はLagrange
法1
と同 様に使 用メ モ リ量及び計算量に 関して他の数 値 解 法よ りも優 れて い る が, こ こ で行 なっ た例の よ うに速 度 変 化の激しい領 域が 変化 し ない場 合に の み有 効で ある。Lagrange
法を二 次元の流 れの 問 題に応 用 する 場 合を 考え る。 まず,
二次 元 空 間を格 子 状に分 割 し,
時 刻艸 こ おけ る格 子 点に 番 号 を 付 け,
格子 点の位置 と 速 度 を そ れ ぞ れ 瓦ゴω, Uij (t)と し,
時 間 間 隔 をdt
と お く。 時 間ス テ ッ プを 進め る に従っ て, ”{J(t)を格子 点の位置Xi
ゴ(t) の近傍 8個の格子 点に より二次 元の ラ グ ラ ンジ = 補間式 を 用い て求め る。 しか し,
流 れの 向 きが 正 反 対 (図7
(a), → は流 れの 向 きを示 す )の場合に は,
時 刻 t に お い ては, 格子 点の位置Xi
」(t) (図7
(b
), ●印 )の近 傍で あっ た8
個の格 子点 (図 7(b
), ○印) が, 時 刻t+At
で は格子点の 位 置 Xw (t+At) (図 7(c),
◎ 印 ) の近 傍 8個 の格 子 点 とはな ら ない 位 置に 移 動し て しまい (図7
(c),
印),
位 置 孟 ,(’+4t
)の 近 傍8個の格 子 点を再 定 義 す る手 続 ぎが必 要となる。 これ は今後の課 題 で あ る。 ま た, 三次元の流 れの場 合 も同 様の手 続 きで数 値 解 を 求め るこ とは,
可 能で ある。
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