ビブリオ・トーク -私のオススメ-:生体用センサと計測装置(ME教科書シリーズ)
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(2) 連載. ビブリオ・トーク. ─ 私のオススメ─. 第 5 章は生体の温度計測に関して解説している.. ら足を踏み入れる学生の教科書としてもよいと思わ. 人の生体の温度には,ほぼ一定に保たれる体内深部. れるし,生体医工学の知識がなくても初歩的な工学. の核心温と,部位や環境によって大きく変化する皮. 的知識があれば,十分に学べるような経験や知見の. 膚温がある.本書では,体温計測の目的や用途に応. 体系化に役立つ.. じたさまざまな温度センサが紹介されている.また,. 近年,センサや記録デバイスの小型化,無線技術. 口内,直腸などのさまざまな部位での核心温計測に. の発展により,人体の動作や生体活動に関する情報. おいて気を付けるべきことや特徴についても解説し. を長期間収集することが可能になった.ウェアラブ. ている.. ルなヘルスケア機器が相次いで市場に登場したこと. 第 6 章は生体からの電気現象の計測に関して述. により,生体計測は注目を集めている.しかし,ハ. べており,心電や筋電,MRI などの非侵襲な計測方. ードウェアや無線技術の進歩と比較するとき,何か. 式の基本的な考え方を解説している.. もう 1 つ飛躍があってしかるべき気がする.理由. 第 7 章は化学量の計測を解説している.ph や血. はいろいろあり,生体計測システム開発のためのソ. 中 pO2,分子やイオンの計測原理を説明している.. フトウェアサポートが大幅に欠如していたことが原. 正直に言うと,化学の知識が乏しい私には難解で,. 因の 1 つだと思う.しかし,私は,生体計測に関. 本章に限っては具体的に生体計測の利用イメージと. する良書が少なすぎて,そのために,経験や断片的. 結びつけるのが難しかった.. な知識を学問的なレベルにまで体系化する流れが弱. 本書は,あらゆる生体計測において共通の重要課. いように思う.この意味で,本書は,初心者には簡. 題である(1)生体信号の検出, (2)生体信号の変換・. にして要を得た入門書として,専門家には知見の体. 処理, (3)利用者へのインタフェースの 3 ステッ. 系化の手段としてお薦めしたい.. プに関して,図を多用して分かりやすく解説してい. (2015 年 7 月 3 日受付). る.また,実際の計測における留意点や機器の扱い 等にも触れられているため,計測の目的や用途に応 じた手法・機器を選ぶ際にも参考になる.本書の前 書きで著者が述べているように,生体計測にこれか. 村上知子(正会員) [email protected] 1998 年慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了.同年(株) 東芝入社.同社研究開発センター勤務の後,2014 年より同社でヘルスケ ア機器,特に生体計測のための研究開発に従事.博士(政策・メディア) .. 情報処理 Vol.56 No.10 Oct. 2015. 1023.
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