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日本人の国内旅行に関する統計的分析

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Academic year: 2021

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日本人の国内旅行に関する統計的分析

2016SS072杉山一輝 指導教員:松田眞一

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はじめに

私はバイクに乗り始めたことや写真を撮影するように なったことをきっかけに,日本中様々な場所へ足を運んだ. そうしていくなかで,ツーリングや写真撮影を目的に自分 が訪れた観光地にいる他の観光客は,どのような目的で観 光地に足を運んでいるのかに興味がわいた.そこで,統計 的分析を用いてどれくらいの観光客が,どの都道府県に, どのような目的で訪れているのかを調べることにした.

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データについて

本研究では,日本交通公社が管理するwebサイト[1]の 2014年∼2017年における日本人の旅行市場データに基づ き研究を行う.各年のデータから ・宿泊者数 ・旅行先別の同行者「家族」「カップル」「友人」「一人旅」 ・旅行先別の現地活動「グルメ」「自然景観」「文化財の訪 問」「温泉」「買い物」「テーマパーク」 ・満足度「大変満足」 以上12個の成分について全47都道府県のデータを読み込 み分析を行っていく.なお2∼12番のデータについては回 答者の割合である.

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研究で用いる解析方法について

主成分分析とクラスター分析を取り扱う.クラスター分 析においてはもっとも精度が高いといわれているウォード 法を用いる.(田中・脇本[2]参照)

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主成分分析 結果

紙面の都合上,2017年の結果のみ示す.主成分係数表 を表1に,主成分得点プロットを図1に示す.第5主成分 で累積寄与率が70%を超えたため,ここまでの分析結果 を示す. 第一主成分(26.6%) 人が多い都市部に観光に行くか,人 が少ない自然豊かな場所に観光に行くか判別する軸 第二主成分(15.7%) 家族で温泉やテーマパークに行く 旅行か,文化財を見て回る観光旅行かを判別する軸 第三主成分(12.9%) グルメを目的に観光に行くか,友人 とアクセスのいい都道府県に観光に行くか判別する軸 第四主成分(11.2%) グルメや買い物を目的とするか,満 足度の高い都道府県か判別する軸 第五主成分(7.9%) カップル,一人旅の割合が高いか否 か判別する軸 表1 主成分係数表(2017) 変数 PC1 PC2 PC3 PC4 PC5 宿泊者数 0.404 0.033 0.009 0.059 0.083 家族 −0.033 0.512 0.330 −0.279 −0.308 カップル −0.408 −0.027 0.125 0.131 0.348 友人 −0.013 −0.125 −0.614 0.132 −0.537 一人旅 0.371 −0.322 0.124 0.000 0.385 グルメ 0.015 −0.167 0.501 0.417 −0.429 自然 −0.367 −0.251 0.204 −0.312 −0.100 文化財 −0.204 −0.484 0.062 −0.142 −0.278 温泉 −0.343 0.366 0.140 0.187 0.034 買い物 0.316 −0.053 0.314 0.406 −0.169 テーマパーク 0.308 0.340 −0.063 −0.233 −0.162 満足度 0.206 −0.199 0.255 −0.582 −0.115 -2 0 2 4 6 -4 -2 0 2 4 result2017$sco[, 1] result2017$sco[, 2] 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 図1 第一,第二主成分得点プロット(2017)

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主成分分析 考察

ここでは,4年間のデータを通して特徴的であった2成 分について示す.第一主成分は「都市部に行くか,自然豊 かな土地で観光するか判別する軸」であることがわかった. 都道府県としては,東京都,大阪府,福岡県,愛知県など の日本全国でも有数の都市部が挙げられる.反対に自然豊 かな土地としては,観光客数は少ないが,その中でも温泉 を目的に観光に訪れる観光客数の割合が多い島根県などが 挙げられた.第三主成分では,家族,一人旅以外の旅行の 同行者の変数が見られ始める.このことから,家族旅行や 一人旅に比べ,カップルや友人との旅行は少ないことが分 かる.また,グルメ目的の観光が第三主成分で含まれた要 因として,メインは自然景観を楽しんだり,文化財を観光 し,そのおまけとしてグルメを楽しむ観光客が多いのでは ないかと考えた. 1

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クラスター分析 結果

紙面の都合上,2016年,2017年の結果のみ示す.2016 年のデンドログラムを図2に,2017年のデンドログラム を図3に示す. 鳥取県 熊本県 宮崎県 秋田県 新潟県島根県山形県 福島県 岩手県 富山県群馬県 岐阜県山梨県長野県 静岡県 茨城県 宮城県 神奈川県兵庫県 佐賀県 青森県 福井県 滋賀県 愛媛県 長崎県 三重県 和歌山県 石川県 山口県 栃木県 大分県 鹿児島県 千葉県 東京都 大阪府高知県 徳島県 香川県 埼玉県 岡山県 広島県 愛知県 福岡県 京都府 奈良県 北海道 沖縄県 0 5 10 15 20 Cluster Dendrogram

hclust (*, "ward.D")dist(s2016)

Height 図2 デンドログラム(2016) 各年の比較が行いやすいよう,左の群から順番に第二群, 第三群,第四群,第一群とする. 第一群 グルメ,文化財が高い群 第二群 カップル,温泉が高く,宿泊者数,グルメ,買い 物が低い群 第三群 温泉が高い群 第四群 宿泊者数,一人旅,買い物,テーマパークが高く, 自然,文化財が低い群 東京都 大阪府 千葉県 長崎県 愛知県 福岡県埼玉県宮崎県 熊本県 鹿児島県 北海道 沖縄県 奈良県 高知県 広島県 香川県京都府 島根県岡山県 宮城県 愛媛県青森県 石川県 山口県富山県 岐阜県 茨城県 徳島県 山梨県 兵庫県 神奈川県新潟県 静岡県 福島県 長野県 滋賀県 三重県 和歌山県 福井県 佐賀県 秋田県 大分県 鳥取県 栃木県 群馬県 岩手県 山形県 0 5 10 15 20 Cluster Dendrogram

hclust (*, "ward.D")dist(s2017)

Height 図3 デンドログラム(2017) 各年の比較が行いやすいよう,左の群から順番に第四群, 第一群,第三群,第二群とする. 第一群 グルメ,自然,文化財,満足度が高い群 第二群 宿泊者数が少ない群 第三群 温泉が高い群 第四群 宿泊者数,一人旅,買い物,テーマパークが高く, 自然,文化財,温泉が低い群

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クラスター分析 考察

第一群はどの年もグルメの割合が高い群となり,北海道 や沖縄などグルメと一緒に自然景観も楽しめる都道府県の 群となった.第二群と第三群は,どちらも温泉の割合が高 くなる傾向が見られた.第二群では4年間を通して宿泊者 数の少なさが目立ち,年によって温泉の変数の割合が高い 割合を示した.第三群は4年間を通して温泉の変数が高い 割合を示した.群に含まれる都道府県に着目すると,第二 群は本州からアクセスしにくい都道府県が集まっているの に対し,第三群は本州からアクセスしやすい都道府県が多 く含まれていた.このことから,立地や公共交通機関が豊 富にあるかどうかも重要であることが分かった.また第三 群には静岡県,栃木県,群馬県など全国的に有名な人気の ある温泉地を有する都道府県が多く含まれていることが分 かった.

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まとめ

両分析を通していくつかの都道府県の特徴を掴むことが できた.そのひとつとして千葉県を取り上げる.千葉県は テーマパークの変数において高い割合を示した.東京ディ ズニーランドがあるため高くなったと考えられるが,ユニ バーサルスタジオジャパンを有する大阪府は千葉県ほどの 反応を示さなかった.東京ディズニーランドの方が入場者 数が多いからと考えたが,2017年以降ユニバーサルスタ ジオジャパンの方が入場者数が多いことが分かった.その 結果から,千葉県の観光資源はテーマパークに集中してい るが,大阪府は観光資源を数多く有しているため,このよ うな結果になったと考えられる.

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おわりに

統計的分析を用いなければ気付くことができなかったこ とが多々あり,統計的分析の大切さを身をもって感じた. 今回の研究を通して,自分が旅行を行う際の選択肢が大き く広がった.自然景観だけでなく,事前にご当地グルメや 温泉地も確認してから旅行に行きたいと思った.

参考文献

[1] 公 益 財 団 法 人:日 本 交 通 公 社:https: //www.jtb.or.jp/research/theme/statistics/ statistics-tourist/ (2019年6月20日閲覧) [2] 田中豊・脇本和昌: 『多変量統計解析法』,現代数学社, 1983. 2

参照

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