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まえがき

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Academic year: 2021

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まえがき

著者

重冨 真一

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

シリーズタイトル

研究双書

シリーズ番号

560

雑誌名

グローバル化と途上国の小農

ページ

i-ii

発行年

2007

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00011791

(2)

ま え が き

 途上国からの農産物輸出は1980年代半ば以降,急速に増大している。種類 ごとの重量伸び率を平均すると約2倍,輸出総額では実質3倍以上にもなる。 伝統的な熱帯農産品だけでなく,食料消費の高度化,多様化にともなって, 様々な新しい農産物が輸出向けに生産されるようになった。また外国籍企業 が農村出自の労働力を調達することも珍しくない。途上国農村は世界市場の インパクトを素早く,強く,受けるようになった。  その市場に生産物や労働力を供給する主体の多くは,いまでも小農である。 家族労働力を基本に所得確保を目標として農業を営むこの伝統的経済主体は, 途上国農村のもっとも厚い層をなす。貧困者の7割が住むとされる途上国農 村の開発を考えるうえで,小農を無視することはできない。グローバル化は 小農の生活をどう変えつつあるのだろうか。  これまでの研究は,「グローバル化が彼らを幸福にするのか,不幸にするの か」という,いわばグローバル化の評価に急なあまり,小農経済の実態分析 にまで踏み込んでこなかった。どのような農家が,どのような形でグローバ ル化の影響を受け止めたのか,我々はまだよくわかっていないのである。本 書では,途上国農村での実地調査をもとに小農の経営分析をおこなって,こ の疑問に答えたい。  本書はアジア経済研究所において2005∼2006年度に実施した「グローバリ ゼーションと途上国農村経済主体の変容」研究会の最終成果である。途上国 農業をめぐるマクロの状況については,同研究会の中間報告書,重冨真一編 「グローバリゼーションと途上国農村市場の変化―統計的概観―」(調査研究 報告書200505 アジア経済研究所 2006年)を参照されたい。本研究会では

(3)

メンバーに若手研究員が含まれていたこともあって,現地調査経験豊富な研 究員の調査地(タイ,ミャンマー)を共同で調査し,調査手法や分析視点の共 有化を図ろうとした。途上国農村を研究するうえで,日本農村に関する知識 は共通の知的土台であろうと考えて,島根県雲南市,奥出雲町,大田市でも 共同調査をおこなった。さらに各研究員は担当国調査地で,数多くの人々か ら計り知れぬ助力を受けている。この他に,東京農業大学の大島一二教授, イスラエル・ヘブライ大学の 准教授からそれぞれ中国とイスラエ ルの農業,農村について,またタニヤマ・サイアム(株)の慶田純一氏には タイのアスパラガス契約栽培に関して,ご講義を賜った。これらの調査や研 究会運営にご協力いただいた方々に,心からお礼を申し上げたい。また海外 での共同現地調査など我々の新しい企画提案に対して,前向きに対応し支援 してくれたアジア経済研究所の管理スタッフにも感謝したい。  「グローバル化が途上国農村にどのような影響を及ぼしているのか」という 問題設定は,実は共同研究者の一人,児玉由佳のアイデアである。本来なら ば児玉がこの研究会の主査をするはずであったが,予期せぬかな新たな生命 を育むことになり,重冨が急遽代打を務めることになった。児玉がいなけれ ば本書が誕生しなかったことを最後に記しておきたい。   2007年3月 編  者  ii

参照

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