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液状ゴム/水/四塩化炭素/銅(II)イオン系によるメタクリル酸メチルの重合

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(1)

可 t

液状ゴム/水/四塩化炭素/銅(][)イオン系に

よるメタクリル酸メチルの重合

原 稿 受 付 昭 和51年10月15日

P

o

l

y

m

e

r

i

z

a

t

i

o

n

o

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Methyl M

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Rubber/Water/Carbon T

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i

d

e

/

C

u

(

n)

I

o

n

K

a

z

u

o

SUGIYAMA

両末端lこ水酸基を有する液状ゴムーポリブタジエン

(LBR)

存在下におけるメタ クリノレ酸メチル

(MMA)

の重合を水,四塩化炭素,銅

00

イオン共在下で

8

5

'

C

で 試みたところ,高重合率でポリ

MMA

を与えた。重合速度は

LBR

MMA

それぞれ の初濃度の

1

乗に比例した。また重合速度におよぽす水,四塩化炭素,および銅

(

T

I

)

イオン iの濃度の影響を検討した結果,それぞれ 10~ぢ, 3 %および1

x

10-5 gr/dlが重 合系中にあるとき,最大の重合率を与えた。重合におよぽす微量金属イオンの添加効 果は,

Cu2

+>Zn2

+>Co2

+

の序列であったが,種々の金属イオン存在下における

L

BR

のテトラヒドロフラン溶液粘度の挙動から得た錯体形成のしやすさは

C02+>

Zn2

+>Cu2

+

となった。 また本開始剤系による

MMA

の重合はラジカノレ機構で進行 しており,みかけの全、活性化エネノレギーは

8

.4

6

k

c

a

l/

m

a

l

と推算した。 1 . 緒 雷 雨末端に反応性の官能基をもっ種々のテレキ ーリックポリマーの合成およびその利用ζl関す る研窓は

Uranek

ら1)以来,各方面で注目され ており,近年多数の報告がみられるものの用途 に見るべきものがないのが現状である幻。 一方,天然および合成高分子存在下における メタクリル酸メチノレ〈以下

MMA

と略記する〉 の重合については,井本らによって一連の研究 がなされている九これら高分子/水系による

MMA

の重合では微量の銅

(

T

I

)

イオンの共存 は重要であるがその作用機作は明確でない4.5)。 本報では,これらに関連してテレキーリック ポリマーの構造に注目し,両末端に水酸基をも っ液状ゴムーポリブタジエン〈以下

LBR

と略 記する〉存在下において

MMA

の重合を試みた ところ,重合が容易に生起することを見い出し た。また開始剤系の成分として他に水,四塩化 炭素および銅

(

T

I

)

イオンの共存が必要であっ たので,重合におよぽすそれら各成分の添加効 果を検討した。

2

.

実 験

2

.

1

試 薬 テレキーリックポリマーは株式会社ヒロタニ .CH2 '1

r

CH=CH_ /CH=CH/ 、 l

HO~CH2/…\町七十CH2一?H

;

CH( じ /

OH │ 、 CH置 CH2 )n 仰=50

(2)

-72

近畿大学工学部研究報告 NO.I0 から提供された下記の構造をもった液状ゴム Paly bd⑧ R-45M (以下LBRと略記する〉 をそのまま用いた。 水はアンバーライト 1R-120および IR-410を通したイオン交換水を2回蒸留して用い た。 四塩化炭素,ジオキサン,ベンゼンなどは常 法にしたがって精製した。塩化第二銅は試薬特 級をそのまま使用した。 MMAは常法によって精製し,使用直前窒素 気流中で蒸留した。 2.2 重 .,6.. Q 重合は既報6)にしたがって行ない,重合速度 は得られたポリマーの乾燥重量より求めた。 2.3 重合度の算出 ポリMMAの重合度 (Pn)はベンゼン中, 30 土0.02'Cで Ubbelohde型粘度計を用いて極限 粘度〔心を求め,

η

C

〕から次式にしたがって 求めた7)。 log Pn =3.346+ 1.32 log

C

7J

ただし,得られたポリマーは一部がLBRに よって架橋したゲノレ化物も含まれていたため, ベンゼンに溶解して不溶部を分離したのち,可 溶部のみ再沈,精製をくりかえして粘度測定に 供した。 3. 結果と考察 3.1 MMA量の影響 LBR存在下におけるMMAの重合速度(Rp) におよぽすモノマー濃度の影響を調べるため に,銅(I[)イオン,水,四塩化炭素共存下, 85 ℃でMMA濃度を変化させ重合を行なった。重 合時間と重合率の関係より得られた

R

pと仕込 みMMA濃度の関係を図1,乙示す。図1より各 プレットは原点を通る直線となったととから, Rp は MMA濃度の1乗に比例することが分 る。また重合時間90分で得られたポリMMAの 重合度の測定結果も図1にあわせて示す。とζ ( ロ

E

)

d

ロ 仏 。a 10

6

v司 × Amount of MMA (ml)

Fig. 1 Relationship between amount of IVIMA

v

s

.

Rp and P n

respectively. LBR:0.1 gr

H20:O.6 ml

CCl..:0.5 ml

CuC12 :lx 10-5gr/dl

85 0 C. l乙重合物は一部がゲソレ化していたため, 2. 3 項にしたがって処理し,ポリMMAを再沈精製 した。 3.2 LBR量の影響 つぎにMMAの重合における液状ゴムの濃度 依存性を調べるために,種々の量のLBR存在 下.MMAの重合を銅(TI)イオン,本,四塩化 炭素共存下で行った結果, RFと仕込みLBR 濃度との関係は図2,乙示すように, RFはLB Rの濃度の1乗に比例した。また比較のためジ オキサンを加えて均一系で重合を行なったとこ ろ, Rpは小さくなるがやはりLBRの1乗に 比例した。さらに不均一系で重合時間90分で得 られたポリMMAの重合度は, LBRの添加量 の増大につれ,しだいに小さくなっている。これ よりLBRはMMAの重合の触媒となっている 事が推察される。以上の結果から Rpα CMM AJ CL BRJが成立する。なおLBlRとほぼ 同粘度のポリエチJレングリコーノレ〈重合度200) 存在下,図2と同条件でMMAの重合を試みた がほとんど重合は生起しなかった。乙れらのこ とからLBRは単に重合系の高粘度成分として 働いているのではなく的開始反応に重要な役割

(3)

-73ー 液状ゴム/水/四塩化炭素/銅く!)イオン素によるメタクリル酸メチルの重合 ( 渓 ) 回 。 百 ﹄ ωP ロ 。

υ

N i o H × ロ 仏 10 0 0.5句 1.5 e 1.0 g 、 、 渓 ; 0.5

2 0.5 1 1.5 Amount of water (ml) Relationship between amount of waterVS. converslOn. MMA:3 ml

LBR:0.1 gr

CC14: 0.2 ml

CuC12: 1 X 10-5 gr/dl 85 OC

3

h

r

in dioxane. Fig.3 0.2 0.3 0.4 Amount ofLBR ¥gr) Fig. 2 Relationship between amOunt of LBR VS. Rp and Pn

respectively. MMA:3 ml

H20:O.6 ml

CC14 :0.5 ml

CuC12 :1x 10-5gr/dl

85 0C.

C

D

;

dioxane: 0 m

.

l

0;

dioxane: 2 m

l

.

0.1 め銅 (II)イオン,水共存下で四塩化炭素量を 変化させてM M Aの重合を行なった。結果を図

4

t

こ示す。 これより四塩化炭素はO.2m1(約3 %)付近で最大の重合率を与え,それ以後は添 を果しているものと思われる。また末端の水酸 基とともに,後述のようにLBR連鎖中の

π

結 合が Cu(II)イオンや水との錯体形成に寄与 し重合触媒となっていると思われる。 問。同×ロ仏 10 ( ぷ ) ロ O 叩 ω ! Z ﹀ ロ 。 υ 水の影響 井本らは高分子存在下におけるM M Aの重合 では水の共存が重要であるととを述べている ω。LBR存在下でのM M Aの重合でも水が効 果的な開始剤系の一成分となっていることか ら,水の添加効果を調べた。 M M A3 ml, L BRO.l gr,四塩化炭素0.5ml,CuC121X 10-5 gr/dlで水の添加量を変化させ850 C, 3時間 重合を行なった縞果を図 3に示す。 ζれより水 のない場合も重合は起こるが重合率は水の量に つれ増大し約0.6ml (10%)付近で最大値を与 える。

3

.

3

Fig. 4 Relationship between amount of CC14 VS. converSlOn.

MMA:3 ml

LBR:O.l gr

H20:O.6 ml, CuC12 :lx 1O-5gr/dl, 850C, 3hr, in dioxane. 0.5 Amount ofCCl4 (ml) 四塩化炭素の影響 通常のラジカノレ開始剤を用いない本開始剤系 のような場合,しばしば四塩化炭素の適当量が 共存すると重合速度が増大することが知られて いる10)。そこで.LBR存在下におけるM M Aの 重合における四塩化炭素の添加効果を調べるた

3

.

4

(4)

- 74- 近畿大学工学部研究報告 No.lO 加量lこしたがって急速に重合率は低下する。ま た生成するポリM M Aの重合度は四塩化炭素量 の増大とともに単調に小さくなる。とれは重合 系中に生じたトリクロノレメチノレラジカノレによっ て連鎖移動がおこっているためであろう1

3.5 銅(ll)イオンの影響 LBR存在下におけるM M Aの重合速度にお よぼす銅 (rr)イオンの影響を調べるために, b仏r1A 3ml, LBRO.lgrとし,水および四塩 化炭素は,それぞれすでに最適量と知れた10% および3%と一定にして,銅 (rr)イオンの添 加量を変化して, 85'C, 3時間重合を行なっ た。 図5よ り 銅 (rr)イオンを添加しない場 合,重合率は3 %であるが,銅 (rr)イオンが 1 x 10-5 gr/dl付近で最大の重合率を与える。 さらに十分量の銅 (rr)イオンが共存すると重 合は起こらなくなる。乙れは (1)生成ラジカ ルが塩化第二銅から塩素を引き抜いて停止反応 が起ったか11), ( 2 )後述するように銅(rr) イオンとLBRが強く錯体を形成するためM M Aの重合に触媒作用を示さなくなったためと推 測できる。ととで重合系における銅 (rr)イオ ンの作用機作を明らかにするため種々の金属 3 2ぞ 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 Amount of CuC12 (g/dl ) Fig. 5 Relationship between amount of CuCl2

v

s

.

conversion. MMA:3 ml

LBR:O.l gr

H20: 0.6 ml, CC14:O.2 ml, 850C, 3hr, in dioxane. 40 __ 30 ま ロ

.uj 20 h ω > E

υ101 180 Time (min) Fig. 6 Time-conversion curves for the poly. merization of MMA. MMA: 3ml

LBR: O.lgr

H20: 0.6 ml

CC14 : 0.2 ml

Metal (

)

I

I

chloride : lx 10-5gr/dl

850 C

in dioxane.

:

Cu++, (): Zn++,

0 :

Co++,①: Cd++,

e:

Ba++,⑨ Mg++. 、 ‘ 、

0.20ト1

υ I

¥

... Q. ω ~ 0.10 0.05 00

'2.7XI0孟吾 2. 7X 10-3 2. 7X 10-1 2. 7X 10-4 2.7 X 10-2 [MeC12]/[LBR] Fig. 7 Viscosity of LBR in the presence of metal ( ll)chloride (MeC12) in tetrahydrofuran at 30o C.

(5)

- 75

液状ゴム/水/四塩化炭素/銅

C

H

)

イオン系によるメタクリノレ酸メチノレの重合 』 む 日 〉、 色

υ ロ0.5 〈 冨 苫 0.5 MMA infeed

Co

mposition curve for the copoly -merization of M M A with styrene. LBR: 0.1 gr

CC14 : 0.2 ml

H20 : 0.6 m,l CuC12 : 1 x 10-5 gr/dl

850 C, 3hr, in dioxane. 2.80 2.85 2.90 2.95 Fig. 8 0.8 0.7 F h u 司 t 円 L FHU A U 同 十 島 一 回 切 。 ︻ イオンの添加効果を調べたo CuC12, ZnC12,

Co

C1 2• CdC12, BaC12および MgC12をそれ ぞれ1x 10-5 gr/dl加え,他の添加物は上と同 条件でM M Aの重合を試みた。その結果,金属 イオンの種類によって重合の開始能が異なり, 図6に示すように開始剤系の一成分としての触 媒効果は Cu2十>Zn2 +> Co 2 +>Cd 2 +> Ba 2 +

>

l

¥

1g2 +であった。ところがLBRのTHF溶 液に金属イオン (Cu2+,Zn2+ ,C02+)を加えて 溶液粘度を測定したところ図7の結果を得た。 金属イオンと LBRのモノレ比が大きくなると 7}sp/cがしだいに低下している。とれはLBR が金属イオンと錯体を形成してLBRの連鎖が 収縮したため溶液粘度が低下していると考えら れる∞。したがって Co2+>Zn2+>Cu2+の順 に強い錯体を形成する。この錯体形成には,水 酸基以外l乙LBR中の多数のだ結合が関与して いると思われる。この結果と重合の場合とから L BlRと金属イオンが錯体を強く形成するほど 触媒能力は低下するととがわかる。銅 (rr)イ オンの場合, 1 x 10-5 gr/ dlで最大の重合率 を与えたが, これは (Cu2+J/(LB RJが2.4 X

1

0

-

5にあたり,わずかにむp/Cが低下して ほとんどLBRの連鎖が収縮していない場合で ある。 ζの時,水,四塩化炭素が同時に関与し てM M Aの重合の場を形成する。また重合系で 銅 (rr)イオンの濃度が増大すると重合率が急 速に小さくなるのは

LBR

と銅 (rr)イオンが 強く錯体を形成したため触媒作用を示さなくな るととも一因と考えられる。 1000/T Fig. 9 Arrhenius plot for the polymerization of MMA. MMA : 3 ml

LBR: 0.4 gr

HaO: 0.6ml

CCl. : 0.2ml

CuC12 : 1xI0-a gr/dl in dioxane.

3

.

6

活性化エネルギー 本開始剤系によるM M Aの重合の見かけの全 活性化エネヤギーを推算するために,すでに得 た各成分の最適量をそれぞれ仕込み70から90'C の温度範囲でM M Aの重合を試みた。各温度に ラジカル機構 LBRの存在下,銅 (TI)イオン,四塩化炭 素,水共存在下でのM M Aの重合がラジカル機 構で進行していることを確認するため, M M A とスチレンの共重合85・'C, 3時間ジオキサン中 で行なった。得られた共重合体の組成は元素分 析値より計算した。図8より共重合組成曲線は ラジカノレ機構に特徴的な逆S字型であったので 本開始剤系によるM M Aの重合はラジカノレ機構 で進行していると思われる。

3

.

5

(6)

- 76- 近畿大学工学部研究報告 No.10 おける時間一重合率曲線の時間・における接線 から算出した重合速度の対数と絶対重合温度の 逆数の関係を図9

t

ζ示す。図 9の直線の勾配か ら算出した活性化エネヤギーは 8.46kca

l

;

mol であり,とれはレドックス系開始剤によるピニ ノレ重合で得られる値に近い。 付記 本報は日本化学会第33秋季年会にて口 頭発表した。 文 献

1) C. C. Uraneck, H.L.Hsieh, O. G. Buck, J.

Polymer Sci., 46, 535(1960) 2) 山下晋三,高分子学会編「高分子の設計, 3巻」 P ]14, 1972 3)伊勢ら編,

r

高分子化学と生化学の境域J化学同 人,第 2章, ]97] 4)伊木,木下,井本,工化, 74, 295 (1971) 5)上野,木下,井本,工化, 74, 192] (1971) 6) K. Sugiyama, T. Nakaya, M. Imoto, Polymer

J.

2

, 709(197])

7) F.J.Welch, J.Polymer Sc., i61, 243 (1962)

8)木下,伊本,井本,大阪市立大学紀要,

1

0

, 173

(1968)

9) M. Imoto, K. Ree, T. Ouchi, Chem, utt., 435

(1973)

10)M. Imoto, K. Takemoto, H. Sutoh, Makromol Chem,

1

1

0

.

3](1967)

11) M. Imoto. T. Ouchi, Y. Nakamura, H.Ogu・

shi, Pol ymer Lett,

1

3

.

]

4](1975)

12)西出,出口,西川,土田,第24回高分子学会年次

参照

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