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<論文>小学校の生物学習―5・6年の動物学習を中心に―

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1.はじめに

1.1 自然科学を何のために学ぶのか 自然科学(理科)教育の目的は、教育基本法(1947年)のいう「人格の完成」をめざして、 科学的な自然観を身に付けてもらうことである。その内容は、①自然科学の基礎的な事実・法 則、概念を学ぶこと。②自然科学の基礎的な方法を習得すること。③自然科学の社会的機能を 認識することである。※1 そして、科学的なリテラシーを身に付け、社会的・政治的な問題に於 いても、正しい判断ができる未来の主権者に育ってもらうことである。私は、科教協の掲げて きた「自然科学をすべての国民のものに」は、こうした内容を指しているものと考えている。 1.2 小学校の理科教育 小学校の理科教育の学習対象は、(量子力学や iPS 細胞などに代表されている)現代の先端 の自然科学ではない。(ニュートンやガリレイ、ラボアジェ、パスツールなどが確立してきた) 近代科学の基礎を学び取ってもらうことだ。 たとえば、物質の世界では、物にはすべて重さがあり、物が付け加わったり取り去られたり しない限り、その形や様子・状態が変わっても、重さは保存されているという「物質不滅の法 則」につながる論理性を体得してもらうことだ。 5年生の学習単元に「ふりこ」がある。そこでは、糸に繋がれたおもりが、その固定された 支点を中心に、重力を受けて、規則的な往復運動を繰り返すことを観察する。ここでは、「ふ

小学校の生物学習

―5・6年の動物学習を中心に―

井 裕

和*

The Study of Biological Education

at the Elementary School:

Learning About Animals in the 5

th

and 6

th

Grades

(TAMAI Hirokazu)

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りこのきまり」を探究するのであるが、単に「ふりこのきまり」がわかればよいのではない。 規則的な運動の背景には、何か規則的な法則が潜んでいることをつかんでもらう。このことを 通じて、物質世界には、因果関係で結ばれた法則的な世界があるという自然科学的認識の入り 口に立ってもらうことが大切なのである。 1.3 小学校の生物学習の構想 生物の世界では、生物は無生物と違って、①呼吸をしている。②栄養を採って成長している。 ③子孫を残している。④成長・発達し、(世代を超えて)進化する。という4つの共通した特 質を持っている。これらを多様な生物の暮らし方の中に見いだし、具体的な姿をとらえる中で、 学んでもらうことだ。 その中で、動物と植物では、次の二つの点で、大きく異なっている。そのひとつは、②の栄 養の採り方である。植物は、自ら光合成をして栄養物を生産している。他方、動物は、栄養を 生産して成長した植物を直接採取している草食動物と、その草食動物を狩って栄養採取してい る肉食動物がいる。また、肉食動物を捕食している肉食動物もいる。いずれにしても、餌を見 つけるため、あるいは自分が餌にならないように動くというのが動物である。その動物の栄養 の土台は植物であり、すべての栄養は植物が生産しているのである。そうした動物群(消費者) と植物群(生産者)は、(小学校では明確に学ばないが)微生物の分解者とともに、食物連鎖 の中に存在している。 もう一つは、③の子孫の残し方である。植物は、種(または胞子)で子孫を残している。他 方、動物は、卵や赤ちゃんで残している。小学校の教育課程ではそうした違いになる。生物学 的には、いずれも有性生殖をしているので、そうした生物群は、受精して遺伝子を混じり合わ せ、両親から受け継いだものではあるが、それぞれの親とは違う新たな遺伝子で生まれ育って いる。他方、(小学校では明確に学ばないが)無性生殖もある。 これらを踏まえて、小学校の高学年の生物学習(動物学習を中心に)の展開をまとめていく。 高学年理科・5年生の授業開きでは、上に述べた生物と無生物との対比を、続いて動物・植物 の対比で、生物の世界の法則性とその中での多様性を大まかに掴んでもらいたいと考えている。 それは、児童が人間としての今後の生き方の支えとなる科学的な自然観を身に付けていくこと の土台になると考えている。 そこで、本稿では、近畿大学附属小学校などで行ってきた私の授業実践から、5 ・6年の動

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物学習を中心にとりあげ、小学校での生物学習の構想を紹介する。 その骨子は次の通りになる。 小学校5・6年の生物学習 5年:植物の繁殖 動物の繁殖 動物の捕食 ヒトの体と誕生 6年:ヒトの直立二足歩行 食物連鎖から光合成・植物の体とくらしへ 以上を論じる上で、2019年度文部科学省検定済教科書で小学校理科の教科書の一つ「啓林館」 で示されている、教科書での生物学習の単元名とその学習順序の表(表1)と、学習内容系統 表(表2)を資料として示しておく。なお、啓林館の教科書の5年生には、9 個の単元があり、 6  年生には、10個配置されている。表1の単元名の前の数字は、その単元の登場順位である。 表1 「小学5・6年生の教科書(啓林館)の生物学習の単元名とその学習順序」 6年生 5年生 2.ヒトや動物の体 3.植物のつくりとはたらき 4.生物どうしのつながり 10.自然とともに生きる 1.植物の発芽と成長 2.メダカのたんじょう 3.ヒトのたんじょう 4.花から実へ

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2.私の行ってきた授業の到達目標と学習展開

     ―教科書の展開と対比して― 子どもたちの科学的認識を鍛え、豊かな自然観を育む優れた授業の質は、学習教材の系統性 と子どもの認識の順次性をふまえた上で、次の三つの階層の内容構成で保障される。すなわち、 Ⅰ到達目標 Ⅱ学習内容 Ⅲ学習課題 である。 到達目標とは、義務教育9年間の見通しの上に立って、どうしても教えなければならない基 礎的で本質的なものに、ぎりぎりしぼって練り上げられるものである。少なくとも、89割 の子どもたちが獲得できることをめざす。 次に、その到達目標を支える学習内容は、到達目標が基礎的本質的なものに絞られることと は反対に、具体的で多様な物質や事象で、内容が豊かに肉付けされる必要がある。そのことで、 学んでいることの法則性や多様な適用性に実感を伴って学ぶことができるのである。このこと ではじめて授業が、すべての子どもにわかる楽しいものとなる。目標は少なく、取り上げる教 材はできるだけ豊かに多くすることである。 そして、学習課題とは、その1時間の授業で子どもたちに問う具体的な主発問である。子ど もたちに示す学習課題には、具体的な発問で、考える手立てを持てる点で予想可能であること。 かつ、意外性があるとともに、検証可能であり、認識の飛躍を問うものが求められている。学 びがより深くより広くなり、確かな自然科学の科学的認識を得ることを導くものである。 現場での授業研究は、ともすると、学習内容や教材は固定的に決められているものとして、 それを如何に教えるかということのみにとどまるきらいがある。授業が成立するかどうかは、 授業技術も必要であるが、根本的には、「何を」「どう構成するか」の問題にかかわっている。 もちろん、「何を」は「いかに教えるか」に密接にかかわっていて切り離せない問題であるが、 常に、「何を」に立ち返って検討することが必要なのである。より本質的なぎりぎりにしぼら れた内容を、より多様で豊かな教材で肉付けし、具体的な発問で問いかけるという教材の再構 成をする仕事が重要となる。 ここでは、それらを具体的に小学56年生の生物の学習について、私の行ってきた小学校 の生物(動物)学習について、何が大事な内容かについて述べ、それぞれの単元の到達目標と 学習内容の概要を述べる。そして、授業での具体的な学習課題を紹介する。 それぞれの節の終わりに、参考として、文部科学省の検定済教科書(啓林館)の生物領域の 単元名と小単元名を図で示し、教科書での学習展開についても簡単に紹介しておくことにした。

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2.1 「植物の繁殖」5年生 教科書では、図1に示したように、単元名 0.「アブラナの花」 1.「植物の発芽と成長」 4.「花から実へ」とされている。これらを、私は、「植物の繁殖」の単元に組み替えて指導す る。 アブラナという植物は、ひとつの株で、花と実の時間的な経過に沿った花序が一時に観察で きる良い素材である。株の一番上には蕾がある。蕾のすぐ下には開花した花がある。そして、 花弁の落ちかけた花や子房だけになった花が観察できる。その下方には小さな実があり、より 大きな実はさらに下方にある。そして、葉と茎があり、地下には、主根と側根の根が張ってい る。 アブラナ以外の植物では、花が実に育つことの観察に、子房が実に熟する時間が必要になる。 しかし、アブラナでは、子房と実を縦に切って、胚珠と種を同時に観察できる。そこで、他の 植物についても、花から実に育って行くビデオを活用して時間的変化を見せたりすることと合 わせると、1 時間の授業の中で、「花の中のめしべの子房が実に育ち、子房の中の胚珠が種に なる」という受粉と結実に関わる認識を育てることができる。 このように、アブラナの素材としての有用性は確かだが、ここでは、アブラナを学ぶだけに とどめない。アブラナに並べて、台所で出会うことのできる野菜の、ダイコンやキャベツも (野菜の図鑑やビデオで)取り扱う。 私たちは、ダイコンは根を食べ、キャベツは葉を食べているが、それぞれ収穫しないで花ま で育てると、アブラナと同じく花びら4枚でがくも4枚の十字架植物になることが(実際に育 てないなら図鑑を見せて)わかる。ダイコンやキャベツも、アブラナと同じアブラナ科である ことを知らせ、教科書の枠から外の世界に飛び出ていく。 アブラナの花の学習の後の順序については、教科書では、「1.植物の発芽と成長」から、 「4.花から実へ」と進んでいる。しかし、それよりは、「植物の繁殖」という単元を起こし、 「4.花から実へ」を先に扱い、花が子孫を残す繁殖器官であることを学んでから、結実した 種の発芽と成長を扱うという学習順序の方が、内容の系統性をふまえた学習ができるし、子ど も達の認識の筋道に叶っていて良いと考えている。 だから、ツツジやチューリップなど他の花も使って、花のつくりとはたらきの一般化への認 識を進める。その中で、アブラナのように、めしべ・おしべ・花弁・がくの4要素が揃った完

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全花の仲間と、カボチャの雌花・雄花のように一部に欠けている不完全花の仲間。花びらが1 枚1枚バラバラになる離弁花と花弁がつながっている合弁花などを知らせていく。 花弁があり蜜を出したりする植物は、昆虫を呼び寄せ、昆虫に花粉を運んでもらっている虫 媒花であることを知らせる。他方、花弁が無いトウモロコシなどは、昆虫ではなく風で花粉を 運ぶ風媒花であることや、花粉を水が運ぶ水媒花などの暮らし方をしている植物があることを 知らせる。こうした学びが、花弁が無い花でも子孫を残す仕事をしていれば、それは花と言え るのだということも学んでいく。 「植物の繁殖」の 到達目標 1.花は、実(種)をつくる器官である。 1)花の中のめしべが実(種)になる。 2)おしべの花粉がめしべにつくと、子房は成長して実(種)になる。 2.植物は、たくさんの種を散布し、発芽して、仲間を増やす。 1)1株の植物(タンポポ)がたくさんの種を作る。 2)種は、広く散布される。 3)発芽できる条件がそろわないと、種は発芽しない。 4)種は、種の中に含まれている栄養分を使って、発芽する。※2 指導過程と 学習課題 (全12時間) 〔5年生の理科の授業開き〕 野球の硬式ボールを手に持って、理科室に子ども達を迎える。次のようボールを使って、理 科を構成する4つの学問=物化生地の領域や対象を紹介する。 ・ボールを転がし衝突させる運動→物理学の対象 ・硬式ボールは牛皮から鞣して作る→タンパク質を鞣す薬品は化学の対象 ・このウシを研究する→生物学の対象 ・ウシを含めた生物を育んでいる地球→地学の対象 合わせて、理科室と理科準備室における注意などを示し、授業の進め方など説明する。※3

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[課題1] どんな生き物を知っていますか。〔生物と無生物、動物と植物〕 生き物の名前を、できるだけ多く(3分間で)書き出しましょう。 12 生き物と生きていない物とでは、どこがちがいますか。」3 生き物を大きく二つに分けると、○○と△△に分けられます。○○と△△では、 大きく違うことは何でしょうか。 多様な生物の種名を挙げて、自然界の生物の姿を思い描くとともに、生物の特性についての 認識を形成する。そして、しばらくは生物の中の植物についての学習を進めていくことを知ら せる。※4 [課題2] アブラナの身体を大きく4つに分けましょう。 アブラナ(植物)の身体は、根・茎・葉と花(実)に分けられる。根は身体を支え、水や肥 料を吸収する。茎は、身体を支え、根で吸収した水や肥料を葉に送る。葉は太陽の光を受け、 根で吸収した水や肥料を材料に身体を作る。これらの三つは、栄養をつくるはたらきをしてい ることを語る。 次に、花を児童一人ひとりに配り、調べていく。アブラナの花をピンセットや爪楊枝を使っ て分解させる。外から、がく(4枚)、花びら(4枚)、おしべ(6本)、めしべ(1本)と、 花の4要素がそろっている。完全花ということを知らせる。花びらのついているところに蜜腺 も見つけられる。分解したアブラナの1つの花を、セロテープでノートに貼らせ、名前と簡単 な役割を記入させる。がくと花びらが4枚ずつなので、十字架のように見え、十字架植物と呼 ばれていることも知らせる。 [課題3] アブラナの花の下にある棒のようなものはなんでしょう。 アブラナの株で、花の下には、棒状のものがある。下に行くほど大きくなっている。花の中 を調べると、同じ棒状で小さい形の物が見つけられる。めしべである。だから、棒のようなも のは、めしべが育ったものかもしれないとの予想が持てる。棒のようなものの中を切って調べ てみると、種のような粒がある。だとしたら、めしべの中にも粒があるかの予想を持ち、調べ てみる。すると、めしべの子房には種の赤ちゃん、胚珠があることが見つかる。だから、棒の ようなものは実で、粒は種になるのだ。子房が実に育っていくのだ。花は、めしべが実に育っ て種を作り、子孫を残すはたらきをしていることを明らかにする。

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2 ナズナの実はハート型です。ナズナのめしべの形もハート型でしょうか。 めしべが実に育ったのだから、めしべもハート型に違いない。という予想を持たせた上で、 小さいナズナの花の中のめしべの形をルーペで確かめさせる。 [課題4] アブラナの実で、ところどころ枯れたようになって、育っていない実があります。 これは、どうしたわけだと思いますか。 そこだけ、栄養が届かなかった。虫に食べられた。などの意見とと もに、めしべの花粉がおしべに受粉しなかったので、結実しなかった のだという説も出される。 カボチャの花で「花粉のはたらき」を知らせる VTR を見せて課題 の解決をする。 [課題5] チューリップに種はできますか。 近小では、1 年生の秋、チューリップの球根を植えて春に花を咲かせ、翌年の1年生を歓迎 する行事を行ってきた。だから、5 年生の子ども達は、チューリップの花を球根から咲かせた 体験がある。花の種は球根であると思っている児童も多い。一方、花の中を覗いて見ると、お しべとめしべがある。チューリップもおしべの花粉がめしべの柱頭について、受粉し実を作っ ているのだろうか。種ができるとして、種から 植えないのはなぜなのか。子ども達が抱くこの ような疑問を解決する課題である。 球根は、もちろん種ではない。球根は、タマ ネギと同じように、剥いていくと何も残らない。 実は、球根と言っても根ではなくて茎である。 茎だから、周りの根や葉や花と遺伝子は同じで ある。だから、球根はクローンなのである。だ から、翌年、親と同じ色で同じ形の花が間違いなく咲く。園芸植物として、決まった花の形や 色を求める人間には好都合なのである。 花の中にあるおしべとめしべも他家受粉であるが、受粉し受精すると結実する。子房を切っ てみると、その中にたくさんの胚珠が認められる。種に熟すると発芽する。他家の花粉をつけ

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るということは、遺伝子が変わるということで、花の色や形は咲いて見ないと分からない。何 よりも、種から発芽したチューリップが、花をつけるだけの大きな球根を作るようになるには、 5  年以上かかるのである。※5 [課題6] (実(種)を食べている)トウモロコシに花はありますか。 62 (お米で食べている)イネの花はどこですか。 多くの日本人は、毎日のようにイネの種の米を食べているだろうし、トウモロコシを食べた ことのない子どももまずいないであろう。どちらもそれぞれの植物の種である。 種ができているなら、花があるはずだ。おしべとめしべがあって、受粉・結実しているはず だ。しかし、トウモロコシの植物のいったい どれが花なのだろう。上に花のようなものが 見えるが、トウモロコシの実は茎の間から出 ている。 上の花に見えるのは、雄花の葯である。ト ウモロコシの実についている黒いひげのよう なものが、実は、種の一つひとつとつながっ ていて、これがめしべの柱頭なのである。 イネも、夏に黄色く見えるが、イネには花びらがない。えいと言って、がくに当たるものだ。 黄色く見えるのは、花粉ができた頃のおしべの花粉で、その下にブラシ状の柱頭を持っためし べがある。トウモロコシもイネも、虫に花粉を運んでもらわないので、花弁の無い花、花びら が要らない花なのである。 [課題7] タンポポ1株には花がいくつありますか。 タンポポは1つの花に見えているのが、実はたくさんの 花の集合花なのである。その中の1つの花びらに見えてい るのが、1 つの花である。花弁は5枚の合弁花であるが1 枚に見えている。その下のところに、めしべと子房がある。 上に出ているのが柱頭である。 種が熟すと、がくだった毛が伸びて風を受けて飛ぶことができる。1 つの花に見えたのが200

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個の花の集まりであるから、タンポポ一株にできる種の数は、2,000個以上にもなる。 [課題8]トウモロコシの種を発芽させます。新しい芽と根はトウモロコシの種のどこから出 てきていますか。 トウモロコシの種を一晩水に浸けて軟らかくしておく。種をスライスして、種の中の観察を させる。種の中は、二つの部分に別れているのがわかる。ヨウ素液をかけると、周りの部分だ け紫色に染まる。 1週間前に水をしませた綿にセットした種から芽と根が発芽したものを持ち出して、芽と根 がどこから出ているか観察させる。芽と根は、新しく芽生えたトウモロコシの小さい身体であ ることから、その体が出てきたところを「胚」と言うことを教える。ヨウ素液をかけると種で 染まっていたところはもう染まらない。発芽に使われて無くなったのだ。そこは胚を育てる栄 養だったのである。「胚のお乳」=「胚乳」ということを教える。 [課題9] インゲンマメの種を発芽させます。新しい芽と根はインゲンマメの種のどこから出 てきていますか。 水に一晩付けたインゲンマメの種は、簡単に種皮が剥けて、二つに割れる。そのひとつに、 小さい根と若い芽がついている。ここで、ヨウ素液を付けてみると、芽と根以外の全体が染ま る。 やはり、1 週間前にセットした種から芽と根が発芽したものを持ち出してきて、観察させる。 すると、トウモロコシと違って、綿の上には種の実体が残っていない。根が出ているだけであ る。そして、根の上には、大きな双葉と本葉がある。もう少し育った物も用意しておき、観察 させる。今度は、双葉が枯れかかっている。 インゲンマメの種の発芽の栄養は、胚乳ではなく、はじめに出て来た葉=子葉=双葉に蓄え られていたのである。胚乳はない。種は、胚と胚を育てる栄養分であり、お弁当持ちの赤ちゃ んであることは同じだが、二つのタイプの種があるのである。 [課題10] ダイコンの種を、右の試験管の図のようにして、A・B・Cの三つの位置にまきま す。発芽するのは、どれですか。 102 同じようにした試験管全体をアルミ箔で包みます。発芽するのは?

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103 同じようにした試験管を冷蔵庫の中に入れておきます。 発芽するのは? Aには空気があるが、水がない。Cには水があるが、空気はごく 少ない(イネなどは水中の少ない空気でも発芽できる。)。だから、 AとCは、発芽しない。 Bには、水と空気の両方があるので、試験管が発芽に適当な温度 の場所にあれば発芽する。 102で、発芽には光が要らないので、101と同じ結果になる。 103では、水と空気はあっても、適当な温度になっていないので、Bも発芽できない。 植物の(ダイズやダイコンの)種が発芽するには、空気・水・適温の三つの条件がいる。種 の種類によっては、冬の休眠や光の条件が必要なものもある。 [課題11] ハツカダイコンを牛乳パックで育てよう。 1リットルの牛乳パックの底を5寸釘や千枚通しなどで数か所、穴をあける。牛乳パックに 土を入れ、ハツカダイコンの種を35粒おき、土をかぶせる。はじめは、たっぷりと水をあ げる。土の表面が乾かない程度に、ときどき水をあげる。

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2.2 「動物の繁殖」5年生 植物は、根から吸収した水と空気中の二酸化炭素を材料にして、光のエネルギーを使って、 葉の葉緑体の工場で、デンプンを合成して副産物として酸素を排出している。このことを光合 成という。植物はこのように、光合成をして自ら栄養を作っている。こうした内容は、食物連 鎖と結びつけて後で詳しく学習する。 一方、動物は、捕食活動をして栄養を獲りいれている。植物のように栄養を合成することは できない。従属生物であり消費者である動物は、植物の光合成の営みの恩恵を受けることで生 命をつないでいる。

教科書の学習単元  5 年生  植物の学習

0.「花のつくり」 〈←小単元名〉   「アブラナの花には、実になるところがあるのだろうか。」 1.「植物の発芽と成長」 〈←単元名〉  1)種子が発芽する条件 〈←小単元名〉    「種子が発芽するには、どんな条件が必要なのだろうか。」 〈←教科書の主発問〉    水・空気・温度について、変える条件と同じにする条件を指定し、実験をする。      〈←教科書の学習展開の簡単な紹介:以下同じ〉  2)種子の発芽と養分    「発芽に必要な養分は、どこにあったのだろうか。」    ヨウ素-デンプン反応で発芽の前後の種を調べる。  3)植物が成長する条件    「植物がさらに成長するには、どんな条件が必要なのだろうか。」    日光や肥料と植物の成長の関係を、条件制御して実験する。 4.「花から実へ」  1)花のつくり    アブラナ・アサガオ(両性花)、ヘチマ(単性花)    「ヘチマの花は、どんなつくりになっているのだろうか。」    ヘチマの雄花とおしべ、雌花とめしべ。花粉、柱頭。  2)花粉のはたらき    「受粉しなければ、実はできないのだろうか。」    “ひろげよう”:いろいろな花粉の運ばれ方      こん虫(コスモス)、水(クロモ)、風(トウモロコシ) 図1

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この動物の個体維持のための捕食活動に必要な道具は、獲物を探し求め、反対に自分が獲物 にならないようにするための、目・耳・鼻、そして皮膚や舌などの感覚器官である。この感覚 器官で得た情報を基に、捕食活動や避難行動で働くのが運動器官である。 栄養として取り入れた食物は、消化器官で消化・吸収され、血肉とされる。その栄養に加え て、肺で取り入れた酸素を全身にめぐらせる循環器官も大切だし、不要物を排出する排出器官 も必要だ。このように、動物の体に備えている諸器官は、動物の暮らしぶりと密接な関係があ る。 このような意味で、「動物のくらしと体」の単元を起こし、動物の個体維持を学ぶ。具体的 には、教科書の「2.メダカのたんじょう」での小単元「1)メダカのたまご」を、拡げて、 魚類だけでなく鳥類と哺乳類も扱い、「動物の繁殖」として学ぶ。動物の一員であるヒトの生 殖も動物の繁殖の学習に続けて行い、ヒトの性を生物学的に学ばせる。 「動物の繁殖」の 到達目標 1.動物は受精した卵が育って繁殖する。 2.卵を産んで、なかまをふやす動物と、子を産んで育てて、なかまをふやす動物がいる。 3.卵の数や子どもの数は動物の生活と関っている。 指導過程と学習課題 (全8時間) [活動1] メダカの飼い方を調べよう。 教科書で、メダカのオスとメスの身体の違いを教える。飼育して産卵させるために、注意し ておくべきことを押さえておく。 [活動2] メダカの卵の育ち方を調べよう。 教科書の写真などを使って、産卵されたタマゴの観察方法などを確認しておく。毎日、産卵 された卵を順次シャーレに入れていく。卵の経日変化を解剖顕微鏡や実体顕微鏡で観察してい く。 [活動3] プランクトンの姿と食物連鎖。 教科書の写真や VTR・DVD などを使って、メダカの身体の特徴を押さえる。目高という名

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の通り、水面近くに棲んでいて、水上を流れてくる餌になるものを見つけ、食べている暮らし に役立つ身体をしている。 オスは、背びれの切れ込みと尻びれの広がった平行四辺形で、メスの体をつかみ、産卵され た卵を受精させている。 動物プランクトン、植物プランクトンの主な物の名称や形状、大・小の違いを知らせ、ス ケールをつかませる。また、余裕があれば、顕微鏡を使って、校内の池の水などから採取して きたプランクトンを観察し、見つけたプランクトンのビンゴゲームを行う。 [課題4] タラコは海の魚の鱈の卵です。鱈のメスは一度にいくつの卵を産んでいると思いま すか。また、できるだけ早く・正確に数えるには、どうしたらよいですか。 タラの卵から0.1g の卵を測りとる。測りとったタラの卵の数をクラス全員で分担して数え、 全体の重さから卵の数を計算する。産みっぱなしのタラなど魚類の産卵数の多さ(20万個)に 驚く。 その後は、魚類のマンボウ(2.8億)、フナ(9万)、トゲウオ(100)について、産卵などの 様子と産卵数を知らせ、魚類の子孫の残し方戦略を考え合う。 [課題5] サケのメスは子孫を残すため、(約6,000個の)卵を産みます。そのときオスは、子 孫を残すため何をしますか。 オスは、産卵しているメスを守るという予想が多い。課題の検証には、知床の川でのサケの 自然産卵の様子を扱った VTR を見せる。 サケの卵が受精卵になって育つためには、オスの精子との受精が必要であることを、植物で の受粉-受精を思いだして確認する。 [課題6] ニワトリの場合、卵は、いつどの段階で受精しているのでしょうか。 陸上生物の卵は、水から離れたことで、卵から水分が蒸発し干からびてしまう危険がある。 乾燥から身を守るために、陸上に産卵する動物は、卵膜と殻を備えた。しかし、同時にこれは、 受精の障害ともなる。ここで、陸上動物の進化の必然性と新しく編み出された受精方法を知る。 タマゴが受精卵に育つには、サケと同じように、オスの精子による受精が必要である。この ことは子ども達も予想できる。しかし、ニワトリのタマゴには、硬い殻(と精子が通れない卵

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膜)がある。この殻(と卵膜)がなければ、ニワトリのタマゴは形を保持できなくて乾燥して しまうのである。そこで、水中動物では、生みだされた卵に精子をかけるという体外受精で済 んでいたが、陸上に上がった動物では、新たに体内受精を獲得することで、矛盾の克服をする という進化を遂げていく。 [課題7] タラと違ってツバメは、4 6個の卵で子孫を残すことができます。その秘密は、 どこにあると思いますか。 魚類に比べると、鳥類は産卵数が極端に少ない。鳥類などは、産卵数の少なさを子育てなど 必要な手立てを編み出して繁殖している。 [課題8] ヤギ・ネズミ・ゾウなどは、子どもを産む動物です。これらの動物の体の中には、 子孫を残すためのどんな「器官」があるのだろう。 82 体長50cm で産まれるヤギの受精卵の大きさはどれくらいだと思いますか。3 受精卵が子どもに育つまで必要な栄養は、どのようにして与えられていると思 いますか。 哺乳類は、鳥類が「発明」した体内受精に加えて、受精卵を子どもに育てていくための生殖 器官を「発明」した。それは、子宮という胎児を育てる特別の袋、胎児に栄養を供給するため 胎盤という臓器、胎児と胎盤を結ぶ=へその緒という特別な血管の束である。そして胎児をショッ クや温度変化から守る羊水を備えたことである。 ここで、[課題6]ニワトリのタマゴの受精の1時間の授業を、2004.6.14. に行った授業記録 を基に、やや詳しく紹介する。※6 まず、ニワトリが卵を産んでいるビデオ(3分)を見せる。そして卵の中に、何があるかと 質問する。 子どもたちは、卵黄と卵白は知っているが、卵黄の上にある小さな胚を、意識していないし 知らない。実際にスーパーで買ってきた卵を割り、卵黄の上にある胚を見せて解説する。卵か ら命が芽生えるには、植物と同じく胚が必要である。胚の存在を意識させる。また、卵膜や気 室(卵の呼吸のための空気の部屋)、カラザ(卵黄を卵白の中で支えている白い紐のようなも の)も知らせる。

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次は、殻の役割である。また、殻は何のはたらきをしているのかと質問する。子どもたちは、 「敵の動物から卵を守る」と発想しがちだが、ニワトリの卵の殻は、他の動物からではなく、 殻の内側の薄い卵膜と合わせて乾燥から卵を守っているのである。陸上に上がった動物の宿命 だ。これを、一週間前に割って干からびた卵を見せて、気づかせる。 ところがここで、固い殻を持つニワトリの卵の矛盾にぶつかることになる。卵が、新しい命 として芽生え育つためには、魚類のように受精が必要である。だから、陸上動物のニワトリの 卵も受精しないと新しい命は芽生えない。しかし、陸上動物に必要となった殻は、乾燥から卵 を守れるほどだから、受精の障害になってしまうのである。この矛盾の解決に当たって、また 新たな「発明」がされたのである。 ここで、メスの体内の図を見せて発問する。その問いかけとは、『ニワトリの場合、卵は、 次のいつの段階・どの場所で、卵が精子と出会う受精を しているのでしょうか』である。 ① 卵が体外に産み出されたあと ② メスの体内で殻がついたあと ③ メスの体内で卵白がついたあと ④ メスの体内で卵巣から出たあと ⑤ メスの体内の卵巣の中で このとき、オスの精巣と精管、メスの卵巣と卵管とい う言葉も図を見せて知らせる。 子ども達の予想を聞いた後は、意見を出し合い、討論する。 検証は、科学のアルバム「たまごのひみつ」(あかね書房)で答えを確かにする。そして、 ニワトリの卵からの発生を、科学絵本の写真と実物標本を見せて紹介する。 サケで学んだ魚類の体外受精と比較して、陸上に上がったニワトリなどの動物は、乾燥して 乾涸びるのを避けるため卵膜や殻を備えたが、それと同時に体内受精という方法を「発明」し たのである。 次に、爬虫類のプヨプヨ卵の特徴も紹介する。 このあとは、『課題7 鳥類の子育て』『課題8 哺乳類の子宮と授乳、子育て』という授業 が続く。そして、次の単元、ヒトの体(消化・呼吸・循環・生殖)の授業に発展していく。

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2.3 「動物の捕食」5年生 動物の繁殖に続く動物学習の内容は、教科書の「2.メダカのたんじょう」での小単元「2) 魚が食べるもの」に代えて、「動物の捕食」である。具体的には、昆虫の独特な餌に見合う特 殊な口に気付かせる。次に、肉食動物と草食動物のそれぞれが持っている歯と目の位置を考え させる。そして捕食や餌にならないための肉食動物と草食動物の走り方の違いなどの特徴も扱 う。 「動物の捕食」の到達目標 1.動物は食べ物を見つけ、捕えて食べる。動物によって食べ物が決まっている。 2.食べ物によって、口のつくりが違う。 3.背骨のある動物の体には、食べ物を見つけて、捕えるための発達した器官がある。 指導過程と学習課題 (全3時間) [活動1] どんな動物が、何をどれくらい食べているか調べよう。 資料:「動物が(動物園で)一日に食べる量」 ライオン 体重200kg  餌 クジラ肉5kg 鶏の頭2kg ゾウ   体重5,000kg    青草50100kg ヒグマ  体重200kg    いも5kg 魚粉200g モグラ  体重70g      ミミズ70g 読み物「天然記念物ニホンカモシカの一日のくらし」⇒動物は寝ている時間以外の全てを 使って、栄養を採っている。 [課題2] ライオン(肉食動物) とウマ(草食動物)では、 口のつくりは同じでしょう か。 22 この頭骨の動物は、 どんなものを食べて いるでしょうか。

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予想の段階では、具体物や資料を与えない。(広島の安佐動物園では頭骨などの動物標本を 貸し出してくれます。) 実物や図などで検証するとき、次のポイントに注目させる。 どんな歯(牙歯と臼歯)が、どこに、どのようについているか アゴの長さや横の拡がりはどうか、アゴと頭骨についている筋肉の量、鼻の長さと嗅覚の 能力の関係、目の位置(両眼視と単眼視―距離感と視野の広さ) 22では、動物名(イノシシ)を伏せて頭骨だけを見せて問う。 [課題3] 昆虫のバッタ、ハエ、チョウはどんな口を持っていると思いますか。 32 次の鳥の嘴(くちばし)を見て、何を食べているか考えましょう。(オウム、ワ シ、サギ、ツグミ、ハチドリ) 子ども達の中には、昆虫を知らない児童も多い。しかし、バッタ、ハエ、チョウについては、 それぞれの餌とそれに見合う口の形状の予想を持てるだろう。 32の課題では、鳥名を伏せておき、嘴だけを見せて予想を問う。※7

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2.4 「ヒトの体」5年生 この単元では、ヒトは、生きるために呼吸をすると共に、外から栄養を取り、消化・吸収し て成長の糧にしていることを学習する。このようにヒトは、個体を維持し、成長・発達するた めのさまざまな器官を備えていることをまず学ぶ。 次に、それを動物の世界にやや広げる。動物の繁殖のさまざまな姿の学習の中で、ヒトも動 物の一員であることを押さえておく。そうすると、成長した動物はやがて子孫を残す営みを行 うことが自然の理であることから、種族維持としての「ヒトの誕生」の内容を生物学的に学ぶ ことができる。 小学校理科教育に、生活科が創設されたとき、生活科との関連で人の学習が全学年で行われ ることになった。そして5年生にヒトの性の教育が理科教育に初登場した。 ヒトの性の教育は、はじめはメダカのたまごの学習との選択学習であった。今は、選択学習 ではなくなったが、赤ちゃんの誕生だけを5年で取り扱い、6 年で、人の消化・呼吸・循環器 官を学ぶというように、ヒトの「性の学習」がヒトの成長に関わる内臓のはたらきなどの「生 の学び」と分離された構成や順序は変わっていない。 5年生でのヒトの誕生の学習で、子宮・胎盤・へその緒を学んでも、それでは胎盤を持つ母 体は、いったいどうやって栄養や酸素を得ているのかは、児童はまだ未学習である。そのしく みや全身にそれらを循環させて成長していくシステムは、6 年生で学ぶことになっているから である。よって、5 年生でのヒトの性の学習は、胎児の成長の生の学習の土台を欠いている学 びにならざるを得ない。 問題はそれだけではない。ヒトの優れた各器官のシステムと切り離された性の教育は、「生 命誕生の神秘さに気付かせ、生命を尊重する態度を育てる」(指導書)といったように、科学 を欠いた道徳的な世界に児童を導く教育が強調されているのである。道徳的教育を避けたとし ても、科学的な内容を欠いているから、ただ性器を教えるだけの性教育になりかねない。 だから、私は、5 年生で学ぶ、動物の繁殖や動物の捕食の学習に続けて、6 年生で学ぶヒト の体の学習を位置づけ、栄養や酸素を取り入れるための身体のシステムの学習を「ヒトの誕生」 の学習の前に行うことが必要であると考えている。そこでは、学習対象をヒトだけでなく動物 全般に広げることも大切である。だから、「(ヒトも含めて)動物は、食べたものを消化し、吸 収し、栄養をとっている」学習に続けて、ヒトの体の学習を取り扱う必要があると考えている。

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その上で、やがて成長した動物が子孫を残す営みをするのと同じように、ヒトも子孫を残す という生物学的な位置づけを持たされた性の学習が成り立つのである。 「ヒトの体」の 到達目標 1.ヒト(動物)は、食べた物を消化し、吸収して栄養を取っている。 2.ヒト(陸上動物)は、口・鼻から空気を取り入れ、肺の肺胞で酸素と二酸化炭素を交換し ている。 3.体内に吸収された栄養や酸素は、血液に吸収され運ばれている。 4.体にできた不要物は、尿にして捨てている。 指導過程と学習課題 (全10時間) [活動1] 赤ちゃんで産まれてきたときの体重や身長を聞いてこよう。現在の自分は、生まれ たときの何倍に成長していますか。(親の欠けている児童などに配慮は必要) たとえば、母子手帳には、身長50.3cm 体重3,216g などと誕生の記録が記されている。また、 保健室には、5 年生4月時の身長152.4cm 体重36.4kg などの記録が有る。 この例では、身長は3.02倍、体重は、11.3倍に成長している。 しかし、人は、それぞれの個性的な表情を示している顔が違うように、成長してきた事実は 同じだが、成長のスピードや形状には個性があることも押さえておきたい。(「みんな違って、 みんないい。」という金子みすずの詩の世界) [活動2] 食べ物を口から取り入れ、うんちとして肛門から出されるまでの道筋を調べよう。 消化管は、口⇒食道⇒胃⇒十二指腸⇒小腸⇒大腸⇒肛門  まで1本道になっている。 小腸が最も長くて、消化管全体では身長の4-5倍の長さ (約7m)がある。 各消化管は、それぞれ独自なはたらきをしている。栄養を 吸収しているのは、小腸の絨毛である。これは、栄養吸収の 壁の面積を大きくしている。絨毛をすべて拡げると、テニス コート1面分の広さ(200m2)があるという。

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各消化管の動きや働きを、NHK「驚異の小宇宙 人体」などの VTR・DVD で見る。 [課題3] 水に溶けないデンプンをヒトが成長に使える栄養にするにはどうしていますか。 デンプンは砂糖などと違って水に溶けないのでろ過できな いことを見せる。⇒水に溶けないから血液にも溶けない。⇒ デンプンのままでは栄養にできない。 消化管は1本の管でできている。1 本の管⇒サランラップ の芯のパイプと同じ。また、小腸の壁は、水に溶けているも のだけが通過できるので、ろ過のろ紙の壁と同じ。⇒消化管 の中は、パイプの中だから、実は、そこは人体の内部ではな い。⇒ろ紙の上と同じ。⇒人体に栄養として取りこまれるた めには、デンプンは水に溶ける物に変わって、ろ紙を通らな いといけない。 デンプンを糖に消化するための消化酵素のはたらきを消化酵素・ジアスターゼを使った実験 をして確認する。※8 [課題4] ヒトは生きていくのに呼吸をして酸素を取り込むことが必要です。ヒトの呼吸器官 は、たくさんの酸素をとりこむためのどのようなしくみがあると思いますか。 ヒトの呼吸の入り口は、口や鼻であることと、吸い込んだ息は、胸を膨らませていることで、 胸の中に肺という呼吸器官があることは分かる。呼気と吸気の違いについて、呼気には、石灰 水が白濁することから、二酸化炭素が含まれていることを実証的に示す。 肺では、喉の気管から続いている気管支がどんどん枝分かれしている。気管支の先についた 細気管支の一つひとつの先に肺胞という小さな袋が、ブドウの房のように付いている。こうし た内容を写真や VTR・DVD で見せる。大人の肺では、肺胞をすべて拡げると、テニスコート 半面分の広さがあるという。肺胞という組織で、血液が空気と触れる表面積を大きくしている ことを語る。 ここで、本物のブタの肺を雌型にして、シリコンを流し込んで作った肺の模型をみせる。ま た、活きた豚などの肺を入手できれば、気管から肺胞に酸素を送り込む実験を見せる。すると、 肺の肺胞は、みるみる膨れ上がり、どす黒い色だった肺が鮮烈な赤色に変色する。肺に残って

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いる血液のヘモグロビンが酸素と結びついたのである。 [課題5] ヒトは取り入れた栄養や酸素をどのようにして全身に送っていますか。 血液が運ぶ⇒水に溶ける物に変えて運ぶ。酸素は水に溶けにくいので、赤血球のヘモグロビ ンが結びついて運ぶ。 全身の60兆個の細胞に血液を巡らせるポンプが心臓である。心臓は、肺循環と体循環の二つ の循環系を、2 つずつのペアになった部屋(心房と心室)の収縮を組み合わせて、血液を循環 させている。安静時には、1 分間に5リットルの血液を送り出している。また、全身の血液量 は、約5リットルである。つまり、血液は、1 分間で、全身を一巡りしているのである。 この全身を巡る血管網は、動脈⇒細動脈⇒毛細血管と枝分かれして行く。そして毛細血管⇒ 細静脈⇒静脈と集まってくる。心臓の各部屋の境や静脈には、逆流を防ぐ弁がある。 こうした内容を語りながら、水槽を掃除するポンプに色水を使って、血液を送り出すポンプ の役割の模擬実験を示したり、写真や VTR・DVD を見せたりする。 [課題6] ウンチは食べ物の残りかすです。ではおしっこ(尿)は、どんなものだと思います か。 62 ヒトの尿は、体内でできた不要物です。尿はどこにあるどんな内臓が作ってい ると思いますか。 子ども達の多くは、尿は食べ物や飲み物で吸収した水分で要らなくなったものと答えます。 だから、尿の出るところや膀胱の存在は知っていますが、その元につながっている内臓が、小 腸や大腸だと思っていたりします。尿の大部分は不要な水分であることは間違ってはいません が、重要なことは、人体に有毒な毒素を水に溶かして排出しているのです。 この仕事を背中にある腎臓が行っています。腎臓にある200万個のフィルターが、毎日、1,700 リットルもの血液をこしとって、1.5リットルの尿をつくっています。このように、腎臓は肝臓 とともに、肝腎な臓器です。この機能が低下した人は、人工腎臓で血液を透析するため、毎週 34回、病院に通っています。こうしたお話とともに、写真や VTR・DVD を見せます。

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2.5 「ヒトの誕生」5年生 「ヒトの誕生」の 到達目標 ヒトは子どもを哺育して、子孫を残している。 1.男と女は、異なる生殖器官を持っている。 2.精子と卵子が合体(受精)した受精卵が成長して胎児になる。 3.胎児は、母体から栄養を取って成長して生まれる。 4.生まれた赤ちゃんは母乳で育てられる。 指導過程と学習課題 [課題7] 私たちは成長して大人になると、やがて子どもを産んで子孫を残します。私たちの 体の中には、子孫を残すどんな器官があると思いますか。 サケ(魚類)で、生殖器官について、オスの精巣と精子、メスの卵巣と卵子があって、卵と 精子の受精で命が芽生えることを学んでいる。 ニワトリ(鳥類)では、交接という体内受精の方法の発明を学び、ヤギ(哺乳類)では、交 尾と体内受精、子宮と胎盤、へその緒の生殖器官を学んできた。哺乳類の一員であるヒトも、 ヤギと同様な生殖器官を備えていることは、子ども達も予想できる。すなわち、精子と精巣、 卵子と卵巣。子宮・胎盤・へその緒・羊水などである。 こうしたことを写真や VTR・DVD を見てふりかえる。 [課題8] 男性の精子と女性の卵子は、どのようにして一緒になるのだろう。 先に取り上げたような「動物の繁殖」の学習があれば、ニワトリの交接やヤギの交尾と同じ ように体内受精をしているであろうという予想は持てる。 しかし、動物でいう交尾は、ヒトでは性交というように、人間の世界の性文化がある。そし て、世の中には、エロ・グロ・ナンセンスで商業的な性産業もある。そうした中で、小学5年 生の子ども達に、性教育も生物学的な科学の流れの中に位置付けて学び取ってもらうことが大 切だと考えている。※9

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[課題9] 受精卵が子どもに育つのに、どのようにして栄養をとっているのだろう。 やはり、ヒトも哺乳類の一員である。だから、同じ哺乳類のヤギと同じで、子宮の中で、胎 盤という特別な臓器からへその緒の血管を通して、栄養や酸素を受け取り、老廃物や二酸化炭 素を渡していることなどは、既習事項を整理していく中でまとめられていく。 「驚異の小宇宙=人体」という NHK が編集した VTR・DVD を見せる。受精卵が卵割し、 細胞分裂を繰り返す中で、卵管を運ばれる中でも栄養と酸素が供給されている。子宮に着床す ると、母体には新しい臓器=胎盤が成型される。胎盤の中では、胎児の毛細血管に母体から血 液のジェット流が吹き付けられる。ここで、必要な成分の交換が行われるが、血管の壁がある ので血液そのものは混じらない。だから、母子で血液型が違っていても血液は固着しない。母 体は、胎児の分の老廃物も処理するため、「つわり」が起こることなども伝える。 [課題10] サルは、ウマと似て丸型の肋骨で、背骨は横から見るとI型をしています。ヒトの 大人は、横に広がった肋骨で、背骨が肋骨の中心の方に移動しS字型をしています。そ れでは、歩き始めの赤ちゃんの肋骨や背骨は、サル型とヒトの大人型のどちらだと思い ますか。 出産のとき、赤ちゃんは母体の産道を通るため、児 童の児の字の旧字体のように、頭頂部に穴が開いてい て、頭骨が重なりあい、頭を窄めて生まれてくること を話す。 また、母体内では羊水の中に居るので、酸素の吸入は母親頼みで、自分の肺では行っていな いことも伝える。だから、赤ちゃんの心臓は、大人と同じように2心房2心室ではなくて、2  つの心房に穴が開いていて、肺循環を行っていないことも語る。 それが、出産直後に、心房に残った穴がふさがれて、肺循環を開始すること。つまり自分の 肺で呼吸し始め、それができたときの証しが、産声の第一声であることなどを伝える。このよ うに、出産自体が母子ともに、命がけの大事業であることを語る。 そんなお話の後で、課題を出す。意見を出し合い、討論をする。 検証は、赤ちゃんの胴体に見立てた茶筒などの円筒形の端に、背骨に見立てた割りばしなど をテープで固定したものを見せる。赤ちゃんの肋骨と背骨はサル型なのである。直立させても、 前が重くて、前に倒れてしまう。このように、歩き始めの赤ちゃんも、よく、前にドテッと倒

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れることを話す。 歩き始めの赤ちゃんは、大人のヒト型の肋骨と背骨になってから歩くのではない。サル型の 直立二足歩行するには不安定な肋骨と背骨のままで、それでも立とうとして、歩こうとして、 失敗しながらトライする中で、やがては、立ち上がり歩ける能力を自ら獲得するのだ。 赤ちゃんの時に、歯が生えていなくても、親は歯固めとして、口にくわえるものを与え、歯 が生えてくるのを促す。消化酵素ができていなくて、食べたものをきちんと消化できていない 排便をしても、離乳食を食べさせる。 「這えば立て、立てば歩めの親心」というように、親が外から励ます言葉を受けながら、赤 ちゃんは、DNA で組み込まれた上での身体の発達ではあるが、自ら立とうとして立ち、歩も うとして歩む試行を繰り返し、数多くの失敗をする中で、能力を獲得してなおかつ人体の構造 を変革して成長してきたのである。 だから、5 年生の君たちも、毎日の学校生活の中で、絶えず失敗する。それでも、失敗にめ げずにトライし続けることで、新たな知識を学び取り、運動能力を獲得してきたのであるし、 大人に向けて、まさに、今も成長しているのだということを語る。 2.6 「ヒトの直立二足歩行」6年生 教科書には無い単元だが、6 年生で、ヒトの体について学ぶ大切な内容があると考えている。 その内容は、次のとおりである。 私は、サル等の他の霊長類や哺乳類との比較において、直立二足歩行しているヒトの身体の 特徴を次のようにとらえている。まず、①ヒトはサルに比べて足が長い。これは、それぞれの 動物で、胴の長さを同じにして比較するとよりはっきりする。②ヒトは踵の骨が発達したアー チ型をしている。このアーチ型を備えることで、ヒトは、直立して二足で全体重を支えられる のである。③ヒトは手の親指が他の指と対向しているので、体操競技に見られるように鉄棒を 握ることができる。サルは4指を引っ掛けることしかできない。だから、ヒトは指の巧緻性を 獲得することができたのである。④ヒトの骨盤は横に広がっている。これは、四足歩行してい る他の哺乳類が、背骨からぶら下がった肋骨で内臓を支えているのに対して、直立二足歩行の ヒトは内臓を下から骨盤で支えているのである。また、下肢で骨盤を支えるため、ヒトは臀部 の筋肉は著しく発達している。⑤ヒトの背骨はS字カーブしている。これは、二足で直立した ヒトの頚骨の上に乗った頭骨を支えるとき、衝撃を緩衝するはたらきをしている。⑥背骨に続

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く脛骨で前に倒れないように支えている他の哺乳類などに比べて、ヒトは二足で直立したので、 大きく重い脳を持つことができた。この脳の発達が大変大きいことである。⑦先の脳の発達を 持って、ヒトは火も含めて道具を使えるようになり、さらに、言葉が使えるようになったので ある。 しかし、全宇宙史137億年、生物史35億年の中の人類史は、たかだか数百万年に過ぎない。 ヒトの発達史は、他の哺乳類る比べても大変短いのである。このため、ヒトにはヒト特有の、 難産、肩こり(五十肩)、腰痛、痔、胃下垂、脱肛などの病気や障害などに悩まされることに もなったのである。 「ヒトの直立二足歩行」の 到達目標 ヒトは直立二足歩行している。 1.ヒトには、手と足の区別がある。 2.ヒトの骨盤は横に広く、背骨はS字をのばした形をしている。 3.ヒトは大きな脳を持っている。 指導過程と学習課題 (全11時間) [課題1] ヒトも動物ですが、他の動物(ライオン、シマウマ、サルなど)と比べると、体つ きに大きな違いがあります。それは、どんなところだろう。 動物の多くは、四足歩行している。背骨から肋骨がぶら下がり、その中に内臓が収まってい る。サルも走るときは、手を足のように使って四足で行っている。ヒトは赤ん坊のときを除い て、直立二足歩行している。 [課題2] ヒトの手と足の長さは、サルと比 べてどう違うでしょう。 日本人は、西洋人より胴長短足だなどと言 われるが、それでも、ヒトは手より足の方が 長い。しかし、サルは、ヒトに比べるとずい ぶんと短足で手の方が長い。

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[課題3] AとBは、ヒトとサルの足です。どちらがヒトの足だろう。 ヒトの足は、直立二足歩行をして いるから、土踏まずが発達したアー チ形をしている。踵の骨が極端に大 きい。サルの足はまるでヒトの手の ように物をつかむことができる。 [課題4] ヒトの手は、サルの手と同じつくりになっているだろうか。 サルの手と足は、どちらも木の枝な ど物を握ったり掴んだりする仕事がで きる。ヒトの足は物を握る仕事はでき なくなって、もっぱら全身を支え、歩 くための足になっている。一方、ヒト の手は、親指が他の指と対向できる母 指対向性を持っているので、ドライバーなどを握って回すことができる。 [課題5] サルとヒトの骨盤です。どちらがヒトの骨盤だろう。 52 どちらが女性の骨盤だろう。 サルの骨盤は、下肢を支える だけでよいので、幅が狭い。直 立二足歩行の生活をするヒトの 骨盤は、内臓を下から支える仕 事もあるので、横に広がってい る。ヒトの女性は、子宮の中の胎児を支えるため、より横に広がるつくりに進化した。 これをトイレの男女のマークに見ることができる。ヒトの女性は、子宮の中の胎児の空間を 確保するため、肋骨と骨盤の間が空いているので、腰にくびれができる。また、骨盤が大きい。 よって、マークは、底辺が下の三角形の形。男性は、胸板の発達もあって逆三角形の形。

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[課題6] 図のような3つの骨盤で、Aはチンパンジー、Cはヒトの骨盤です。Bは、直立歩 行をする動物だろうか、それとも、四足歩行する動物のものだろうか。 Bは、(股関節の上の) 骨盤が横に広がっている ので、ヒトに似ている。 Bは、二足歩行をしてい たアウストラロピテクス の骨盤である。 [課題7] ヒトの背骨は、A、B、Cのどの 形に似ているだろうか。 背骨の形状は、Aは直立しているが直線状 である。Cは、直線状だが、前に傾いている。 それに対して、Bは、骨盤の真上に頭骨の重 心が位置するように、背骨がS字を縦にのば した形状でついている。 [課題8] ヒトの体は、かたい骨で支えられているが、身体を自由に動かすこともできる。こ れは、骨組みがどんな仕組みになっているからですか。 一つひとつの骨は硬くて丈夫である。そんな骨がヒトには、約200個ある。自由に動かすこ とができるのは、肘や膝で分かるように、骨と骨とが軟骨をはさみ、靭帯で守られた関節でつ ながっているから、1 方向だけだが90度曲がる。肩の関節や股の股関節は、球状の骨を御椀が 包むような形になっていて、回転できる。背骨や首の骨は、ある程度曲がるつくりになってい る。一方、頭骨は、縫合という縫い合わせで骨が繋がって脳を守っている。 [課題9] ヒトの頭骨は、サルと比べて、どんな ところが違いますか。 ヒトの歯には、サルと違って牙がない。サルは、 アゴの骨が発達している。ヒトは、アゴは貧弱だ

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が、反対に脳の入る空間が大きい。 [課題10] 人には、大きな頭があって、大きな脳があります。脳のうち、どんなはたらきをす る部分が大きいのだろうか。 脳のはたらきの部分で比べると、ヒトはものごとを考えて想像【イマジネーション】したり、 考えた新しいことを創造【クリエーション】したりできる部分(前頭葉)が大きい。ヒトは他 の動物と違って、過去に学び、思考して、未来を予測できる。ネズミは匂いを感じる部分が大 きい。メガネザルは見る部分が大きい。 [課題11] 青森県の下北半島に棲むニホンザルは世界で最もきたに棲んでいるサルです。一方、 ヒトは、下北半島より北にも棲んでいますし、地球上のいたるところで暮らすことがで きます。ヒトがこんなことができるわけはなぜですか。 ヒトは、寒さに耐えるため、身体の外の条件で、衣服を着たり、家屋を作って暖房を工夫し たりできるが、サルは、身体の外の条件を変えたりすることはできない。

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教科書の学習単元  5 年生  動物の学習

2.メダカのたんじょう  1)メダカのたまご メダカの産卵行動の連続写真を示し、メダカのオスとメスの見分け方を示し、受精、 受精卵を教える。 「メダカのたまごは、どのように育って行くのだろうか。」 顕微鏡・解剖顕微鏡・双眼実体顕微鏡の使い方を示し、受精後のメダカのたまごの 経日変化を観察させている。  2)魚が食べるもの 「自然の池や川にすんでいるメダカは、何を食べているのだろう。」 メダカとプランクトンを拡大した写真を示し、顕微鏡での観察を促している。 3.ヒトのたんじょう  1)ヒトの受精卵 卵と精子が結びつくことを受精といい、受精した卵を受精卵という。 「ヒトは、母親の体内で、どのように育ってたんじょうするのだろうか。」 図鑑、ネット、DVD・VTR で調べる。保健室の先生や医師に聞く。 子宮、たいばん、へそのお、羊水を知らせる。 “学習をつなげよう”:いろいろな動物(魚類・哺乳類)のたんじょう

6 年生  人の体

2.ヒトや動物の体  1)食べ物の消化と吸収 消化管(食道・胃・小腸・大腸)の紹介 「食べ物は、体内でどのように変化するのだろうか。」 実験:だ液による食べ物の変化 「食べ物にふくまれる養分や水分は、どのように体に吸収されるのだろうか。」  2)呼吸のはたらき 「『吸う空気』と『はき出した息』では、どんなちがいがあるのだろうか。」 実験:石灰水、気体検知管で調べる  3)心臓と血液のはたらき 「血液は、どのように全身を流れ、どんなはたらきをしているのだろうか。」 「不要なものはどこに運ばれ、どうなるのだろうか。」  4)生命を支えるしくみ 「体の各部分には、どんなつながりがあるのだろうか。」 理科の広場:ヒトの体のくわしいつくり 図2

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2.7 「食物連鎖から光合成へ」6年生 【教科書6年生の生物単元の学習順序】 教科書6年生の生物単元の学習順序を見てみると、東京書籍では、「動物のからだのはたら き」→「植物のからだのはたらき」→「生き物のくらしと環境」という順序である。この順序 は、大日本図書と学校図書も同じである。しかし、啓林館は、「植物のつくりとはたらき」→ 「ヒトや動物の体のつくりとはたらき」→「生物どうしのつながり」となっている。このよう に、教科書の順序は、動物が先か植物が先かという違いがあるが、いずれも、「生物どうしの つながり」や「生き物のくらしと環境」の単元は、最後に学ぶという共通点がある。 そこで私は、「生物どうしのつながり」や「生き物のくらしと環境」の単元に当たる「生物 の食物連鎖」の学習を、一連の最後に置くのではなく、動物学習から始めて植物学習へ繋げる 学習の中間に置くようにしたい。そのとき、「思い違いの科学史」(朝日新聞社)を活用して、 人類が思考してきた植物と動物の見方についての科学史を紹介し、学習活動を展開する。 1 6年生の動物学習 ・昆虫・哺乳類などで、《動物の捕食活動が、身体のつくりや仕組みに直接関わっている》 ことをとらえさせる学習(教科書にはない) ←私は、5年生「動物の捕食」で学習済み ・《哺乳類の身体の成長を支える仕組み》について、消化器官・呼吸器官・循環器官・排出 器官の学習(教科書は6年生) ←私は、5 年生「ヒトの体」で学習済み ・ヒトの誕生(教科書は5年生) ←私は、5 年生「ヒトの誕生」で学習済み ・ヒトの直立二足歩行(教科書にはない) ←私は、6 年生で新単元を挿入する 2 森の生物の食物連鎖の学習 ←私は、動物学習と植物学習との中間に位置付ける ・《植物には、動物にあったような成長を支える捕食活動や身体の仕組みがない?!》 植物での光合成の必然性と必要性を導入するに当たり、『思い違いの科学史』の『6 植物 は土を食べる』を使って、人類の(科学)思想史をふりかえる。そこで、アリストテレスとヘ ルモントの思考を活用する。 2.8 「植物のからだとくらし」6年生 食物連鎖の授業後に、『植物のからだとくらし』の学習を進める。

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「植物のからだとくらし」の 到達目標 植物は自分で栄養をつくって生きている 1.緑の葉で、光合成によって栄養分を作っている。 2.植物は、いろいろな場所で、いろいろなすがたで、光合成をして生きている。 3.植物は水や無機物を、体外から取り入れている。 4.植物は、水や栄養分を体全体に運んでいる。 指導過程と学習課題 (13時間) [質問0] 動物の食べ物をたどっていくと、最後は何になるだろう。 [課題1] 植物はどのようにして栄養を取っているのでしょうか。 ここで、動物学習と植物学習との間に位置付ける、上の質問0と課題1について、「食物連 鎖と植物の栄養」の学習の1時間の授業記録を基に、やや詳しく紹介する。※10

『 食物連鎖と 植物の栄養』

 (食物連鎖の1時間目の授業の展開) ① たとえば、アフリカのサバンナに棲むライオンとシマウマを想像させます。ライオンに 追いかけられ捕まったシマウマは、ライオンに食べられます。ここで、シマウマの体の 肉は、ライオンの栄養になります。このことを、シマウマとライオンの間にある=に矢 印の向きをつけてみます。シマウマ⇒ライオンとなります。 ここで質問します。「動物の食べ物をたどっていくと、最後は何になるだろう。」 長野県の森に棲む動植物の図を配ります。この図に描かれた動植物の間に線が引かれて います。先ほどのシマウマとライオンのときのように、栄養の移動の矢印の向きを書き 込みます。 この作業で、イヌワシが頂点に居ることと共に、「すべての動物の栄養の土台は植物で ある」ことがわかります。 ② そこで、「植物はどのようにして栄養を取っているのでしょうか。」の課題を出します。 子ども達から、「植物は根で栄養を吸収している」と応答があるだろう。それを受けて、 二人の先人の見解を示します。

参照

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