2.メダカのたんじょう 1)メダカのたまご
メダカの産卵行動の連続写真を示し、メダカのオスとメスの見分け方を示し、受精、
受精卵を教える。
「メダカのたまごは、どのように育って行くのだろうか。」
顕微鏡・解剖顕微鏡・双眼実体顕微鏡の使い方を示し、受精後のメダカのたまごの 経日変化を観察させている。
2)魚が食べるもの
「自然の池や川にすんでいるメダカは、何を食べているのだろう。」
メダカとプランクトンを拡大した写真を示し、顕微鏡での観察を促している。
3.ヒトのたんじょう 1)ヒトの受精卵
卵と精子が結びつくことを受精といい、受精した卵を受精卵という。
「ヒトは、母親の体内で、どのように育ってたんじょうするのだろうか。」 図鑑、ネット、DVD・VTR で調べる。保健室の先生や医師に聞く。
子宮、たいばん、へそのお、羊水を知らせる。
“学習をつなげよう”:いろいろな動物(魚類・哺乳類)のたんじょう
6 年生 人の体
2.ヒトや動物の体 1)食べ物の消化と吸収
消化管(食道・胃・小腸・大腸)の紹介
「食べ物は、体内でどのように変化するのだろうか。」 実験:だ液による食べ物の変化
「食べ物にふくまれる養分や水分は、どのように体に吸収されるのだろうか。」 2)呼吸のはたらき
「『吸う空気』と『はき出した息』では、どんなちがいがあるのだろうか。」 実験:石灰水、気体検知管で調べる
3)心臓と血液のはたらき
「血液は、どのように全身を流れ、どんなはたらきをしているのだろうか。」
「不要なものはどこに運ばれ、どうなるのだろうか。」 4)生命を支えるしくみ
「体の各部分には、どんなつながりがあるのだろうか。」 理科の広場:ヒトの体のくわしいつくり
図2
2.7 「食物連鎖から光合成へ」6年生
【教科書6年生の生物単元の学習順序】
教科書6年生の生物単元の学習順序を見てみると、東京書籍では、「動物のからだのはたら き」
→
「植物のからだのはたらき」→
「生き物のくらしと環境」という順序である。この順序 は、大日本図書と学校図書も同じである。しかし、啓林館は、「植物のつくりとはたらき」→「ヒトや動物の体のつくりとはたらき」→「生物どうしのつながり」となっている。このよう に、教科書の順序は、動物が先か植物が先かという違いがあるが、いずれも、「生物どうしの つながり」や「生き物のくらしと環境」の単元は、最後に学ぶという共通点がある。
そこで私は、「生物どうしのつながり」や「生き物のくらしと環境」の単元に当たる「生物 の食物連鎖」の学習を、一連の最後に置くのではなく、動物学習から始めて植物学習へ繋げる 学習の中間に置くようにしたい。そのとき、「思い違いの科学史」(朝日新聞社)を活用して、
人類が思考してきた植物と動物の見方についての科学史を紹介し、学習活動を展開する。
1 6年生の動物学習
・昆虫・哺乳類などで、《動物の捕食活動が、身体のつくりや仕組みに直接関わっている》
ことをとらえさせる学習(教科書にはない)
←
私は、5年生「動物の捕食」で学習済み・《哺乳類の身体の成長を支える仕組み》について、消化器官・呼吸器官・循環器官・排出 器官の学習(教科書は6年生) ←私は、5
年生「ヒトの体」で学習済み
・ヒトの誕生(教科書は5年生) ←私は、5
年生「ヒトの誕生」で学習済み
・ヒトの直立二足歩行(教科書にはない)
←
私は、6年生で新単元を挿入する
2 森の生物の食物連鎖の学習 ←私は、動物学習と植物学習との中間に位置付ける
・《植物には、動物にあったような成長を支える捕食活動や身体の仕組みがない?!》
植物での光合成の必然性と必要性を導入するに当たり、『思い違いの科学史』の『6 植物 は土を食べる』を使って、人類の(科学)思想史をふりかえる。そこで、アリストテレスとヘ ルモントの思考を活用する。
2.8 「植物のからだとくらし」6年生
食物連鎖の授業後に、『植物のからだとくらし』の学習を進める。
「植物のからだとくらし」の 到達目標 植物は自分で栄養をつくって生きている
1.緑の葉で、光合成によって栄養分を作っている。
2.植物は、いろいろな場所で、いろいろなすがたで、光合成をして生きている。
3.植物は水や無機物を、体外から取り入れている。
4.植物は、水や栄養分を体全体に運んでいる。
指導過程と学習課題 (13時間)
[質問0] 動物の食べ物をたどっていくと、最後は何になるだろう。
[課題1] 植物はどのようにして栄養を取っているのでしょうか。
ここで、動物学習と植物学習との間に位置付ける、上の質問0と課題1について、「食物連 鎖と植物の栄養」の学習の1時間の授業記録を基に、やや詳しく紹介する。※10
『 食物連鎖と 植物の栄養』
(食物連鎖の1時間目の授業の展開)① たとえば、アフリカのサバンナに棲むライオンとシマウマを想像させます。ライオンに 追いかけられ捕まったシマウマは、ライオンに食べられます。ここで、シマウマの体の 肉は、ライオンの栄養になります。このことを、シマウマとライオンの間にある=に矢 印の向きをつけてみます。シマウマ⇒ライオンとなります。
ここで質問します。「動物の食べ物をたどっていくと、最後は何になるだろう。」 長野県の森に棲む動植物の図を配ります。この図に描かれた動植物の間に線が引かれて います。先ほどのシマウマとライオンのときのように、栄養の移動の矢印の向きを書き 込みます。
この作業で、イヌワシが頂点に居ることと共に、「すべての動物の栄養の土台は植物で ある」ことがわかります。
② そこで、「植物はどのようにして栄養を取っているのでしょうか。」の課題を出します。
子ども達から、「植物は根で栄養を吸収している」と応答があるだろう。それを受けて、
二人の先人の見解を示します。
名は伏せて、はじめに、A君(アリストテレス)の見解を知らせます。
「植物の根は、動物で言うと口になる。根から栄養分をとっている。しかし、植物には、
動物のような消化管はないし、動物のように糞をしない。それは、土が消化管の代わり に消化をしてあげているのだ。だから、植物は栄養分だけを土から吸収するので、糞を しなくても良いのだ。」
同意する子ども達も多いであろう。討論します。
そのあと、A君とは、今から2300年前の古代ギリシャの偉人、「万学の父」と呼ばれた アリストテレス(384B.C.
322B.C.)であることを知らせ、感想を聞きます。次いで、H君(ヘルモント)の見解を知らせます。
H君は、想像だけでなく、栄養物の出入りを重さの測定で検証しようと考えたことを伝 えます。すなわち、「2kg のヤナギの苗を90kg の土に植え、土の周りを囲った。5
年 間、水だけをあげて育てた。すると、ヤナギは76kg に育ったので、74kg 増えた。もし、
アリストテレスの考えが正しいとすると、土の重さは90-74=16kg になっているはず である。しかし、土は、0.056kg しか減っていなかった。だから、植物の栄養は、土で はなく、水である。」
重さの測定に基づく実証的な事実を示された子ども達の中には同意する子もいるでしょ う。しかし、判然としない子もいます。
「だって、みんなも1年生の時から、アサガオやチューリップに水をあげてきたでしょ。」 と追い打ちをかけます。
H君とは、ベルギーの医者で化学者であったヘルモント(1579
1644)であることを知 らせます。最後に、ドイツの科学者ザックス(1832
1897)が、現代科学の光合成の内容を解明し たことを伝えます。③ ヘルモントの時代からザックスの時代に至るまで、約250年かかった。この250年の間に あった大きな発見があったことを知らせ、どんなことかを想像させます。
それは、気体(酸素・二酸化炭素・窒素)の発見である。気体は、目に見えないし、重 さも感じないから、アリストテレスはもちろん、物の出入りの重さを測ったヘルモント も分からなかったのだと解説し、光合成の現在の認識を知らせます。
二つの材料 葉緑体という工場 二つの製品 二酸化炭素 + 水 = デンプン + 酸素
『空気中の二酸化炭素と根で吸収された水を材料に、葉の葉緑体という生産工場で、デ ンプンが作られ、そのときに酸素も一緒に副産物としてできている。』
3 食物連鎖を補うこの後の展開で次の内容を説明する。
:連鎖とは何か、ピラミッド型の生物個体数、生物濃縮⇒水俣病、地球温暖化と二酸化 炭素、大気汚染と酸性雨。
[課題2] 緑の葉に日光が当たるとデンプンができることを確かにするには、どのようにした らよいですか。
2
2 アサガオの葉で、斑入り(白い部分=葉緑体がない)のところもデンプンがで きているかしらべよう。ジャガイモやアサガオなどの植物で、アルミ箔で葉を覆い、日光を当てない葉を作る。これ を、半日以上日光のあたった葉と比較する。実験は日照の良い日に行う。
エタノールで湯煎すると葉の緑色(葉緑体)が溶けだされるので、そこに、ヨウ素液をつけ て、ヨウ素-デンプン反応を確かめる。
2
2では、葉の葉緑体が日光を受けないと、光合成が行なわれないことを確かにする。[課題3] アカジソの葉は赤いです。この赤い葉でもデンプンを作っているでしょうか。
葉緑体は葉が緑色のところにある。アカジソは葉が赤い色をしているので、緑ではない。し かし、アカジソも光合成をしないと生きていけないはずだ。
アカジソの葉をエタノールで湯煎する。すると、赤い色が溶けだして、葉は緑色になる。やが て、緑色も脱色される。アカジソも葉緑体を持っているので、光合成していることを確かにする。