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第13回日本助産学会学術集会集録ワークショップ

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Academic year: 2021

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ワ ー ク シ ョ ップ1:「 助 産 婦 教 育 と ク リテ ィ カル シ ン キ ン グ」

助 産 婦 教 育 とク リテ ィ カ ル シ ン キ ング

コーデ ィネー ター:徳 島大学 医療技術 短期 大学部 専攻科 竹 内 美 恵 子 助 産 は 、 特 殊 専 門 的 な サ ー ビス を提 供 す る ため に、 ず っ と以 前 に社 会 に よ って つ く り出 さ れ て き た。 ま た、 あ る時 期 に お い て は 、 科 学 的 な継 承 を もた な い一 つ の 実践 領 域 と して 存 在 して きた こ と もあ る。 以 来 、 助 産 婦 の業 務 は 常 に発 展 しつ づ け て い る。 今 、 助 産 婦 に期 待 され る 能 力 は、 女 性 と新 生 児 の ケ ア に必 要 な判 断力 と技 術 を養 う こ とで あ り、 理 論 的 な基 盤 を もつ 専 門 職 業 と して 、 常 に実 際 的 な 目的 に到 達 す る た め に活 用 され る科 学 と して 発 展 させ る こ とで あ る 。 特 に、 開 業 権 を もつ 助 産 婦 業 務 は 、実 践 に お け る熟 練 、役 割 遂行 と意 志 決 定 の 自律 性 を必 要 と して い る 。 助 産 婦 教 育 は 、専 門 職 者 と しての 責 任 を果 たす こ とが で きる よ うな理 論 的 で技 術 的 な 手段 を発 展 させ る義 務 が あ る 。女 性 や そ の 家族 の 安 全 と満足 を保 証 す る た めの 助 産 サ ー ビス を提 供 す る た め に 、 情 報 を も とに し、仮 設 を設 定 し、 結 論 を導 き、 そ れ らの根 拠 を 明 らか にす る な ど、個 人 的 な意 志 決 定 を行 うた め の基 礎 、 基 本 を核 と した教 育 が 行 わ れ て い る 。 学 習 は 、 ケ ア に とっ て 重 要 な基 盤 で あ る判 断 が 重視 され 、 思 考 力 を 高 め る必 要 を知 り、 「良 く考 え る」とい う こ とが 行 わ れ て きた 。 常 に理 由 づ け を学 び、 教 えて き た もの で あ る。 さ て、 ク リテ ィ カル シ ン キ ン グ は、 全 米 看 護 連 盟(NLN)が 加 盟 大 学 の看 護 学 教 育 カ リキ ュ ラ ム の核 と して位 置付 け る こ とを要 請 した の を受 け 、我 が 国 で も活 発 な検 討 が 行 わ れ て い る と こ ろで あ る。 この 定 義 は さ ま ざ ま で あ るが 、 ク リテ ィ カル シ ン キ ング の 第 一 人 者 と され る ポ ー ル は 、 「適 切 な思 考 が で きる た め に 自分 の 思 考 につ い て思 考 で きる ア ー ト(技 術)で あ る と同 時 に、 自分 の 思 考 を よ り明 確 に、 よ り正 確 に、 そ し て批 判 に 耐 え られ る よ う に す る た め に思 考 す る 過 程 で あ る 」 (Paul,1992)と して い る 。 ま た、 「理 にか な っ て熟 慮 す る こ と」(Ennis,1987)と す る定 義 もあ る 。 さ て、 こ の ワ ー ク シ ョッ プで は、 助 産 婦 教 育 に お い て、 ク リテ ィカ ル シ ンキ ング は 、 す で に知 り 行 っ て きた とい う こ と と も関 連 させ て、 助 産 婦 教 育 の更 な る発 展 に 向 け て 、 ク リテ ィ カル シ ン キ ン グ を焦 点 と した助 産 婦 教 育 の あ り方 を考 え て み た い。 発 言 者 と して 、 三 重 県 立 看 護 大 学 の村 本 淳 子 氏 か らは 、助 産 実 践 に お け る ク リテ ィ カル シ ン キ ン グ を 中心 に 、育 成 の 重 要 性 とそ の 方 法 に つ い て語 っ て い た だ く予 定 で あ る 。 また 、 長 崎 大 学 医療 技 術 短期 大 学 部 の 岩 木 宏 子 氏 に は 、 臨床 教 育 に お け る ク リテ ィ カル シ ン キ ン グ 育 成 へ の 援 助 の視 点 を関 連研 究 や 教 育 経 験 を重 ね て語 っ て い た だ く予 定 で あ る。 この ワー ク シ ョ ップ を通 じて 、 参 加 さ れ る方 々 の積 極 的 な意 見 交 換 を基 に 、助 産婦 教 育 へ の 新 た な挑 戦 を見 い 出 して い た だ きた い と願 っ てい る。

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ワ ー ク シ ョ ップ1:「 助 産 婦 教 育 と ク リテ ィ カ ル シ ン キ ン グ」

助 産 婦 教 育 と ク リテ ィ カ ル シ ンキ ング

三重県立看護大学 村 本 淳 子 「看 護 の 向 上 」 とセ ッ トと な っ て 「ク リ テ ィカ ル シ ン キ ン グ(批 判 的 思 考 ま た は 批 判 的 思 考)」 とい う こ とばが よ く使 わ れ る 。 こ こで は、 看 護 の質 の 高 い 助 産 婦 育 成 の た め の教 育 と ク リテ ィカ ル シ ンキ ング との 関係 性 、助 産婦 教 育 に なぜ ク リテ ィカ ル シ ンキ ン グ が重 要 で あ る か につ い て考 え て み た い。 〈ク リテ ィカ ル シ ンキ ング とは 〉 ク リテ ィカ ル とい う こ とば は 、 古 くカ ン トの 時 代 か ら批 判 的 哲 学 とか批 判 的 社 会 学 とい う こ と ば で 使 用 され て きた とい わ れ て い る 。 そ して その 定 義 に つ い て は 多 様 な定 義 が な さ れ て い る。 一 般 的 な定 義 と して、 武谷 は 「技 術 、 人 間 実 践 に お け る 客観 的 法 則 性 の 意識 的 適 応 」 と して い る。 ま た ゴ ー ドンは状 況 の説 明 が 明確 で 、 分 析 が 論 理 的 で 、 現象 の 原 因 が 説 明 で き る と し、 看 護 にお い て は患 者 の ケ ア の論 理 と して働 く もの で あ る」 と して い る 。 ま た、松 木 は 「ク リテ ィカ ル シ ンキ ン グ と は、 看 護 に お い て は 臨 床 判 断 の根 拠 と な る現 象 の 記 述 、 分析 、 説 明 、 推 論 を含 む もの とす る」 と してい る。 <助 産 実 践 にお け る ク リテ ィカ ル シ ンキ ン グの 重 要 性> 助 産婦 には リ プ ロ ダ ク テ ィブヘ ル ス に焦 点 を 当 て た確 か な基 本 的 能 力 と高 く複 雑 な職 業 能 力 が 求 め られ て い る。 この 能 力 を高 め る た め には 論 理 的 な 質 の 高 い 思 考 と そ れ に基 づ い た看 護 実 践 が 重 要 で あ る 。看 護 と は この 思 考 と実践(行 動)の プ ロ セ ス で あ り、 ク リ テ ィカ ル シ ン キ ング は 看 護 の プ ロ セ ス の どの段 階 にお い て も活 用 で き る もの で あ る 。 質 の 高 い 看 護 実 践 に は ま さ に ク リテ ィ カ ル シ ンキ ング が 活 用 され てい る と考 え て よい 。 そ して、 ク リテ ィカ ル シ ン キ ング の 活 用 に よっ て 正 確 な 臨床 判 断 とそ れ に基 づ く助 産 実 践 が可 能 に な る と考 え られ る 。 <専 門 性 追 求 の ため の助 産 婦 教 育> 「看 護行 為 は 思 考 の 結 果 で あ り、 質 の 高 い 看 護 行 為 に は 質 の 高 い 思 考 が 重 要 で あ る 」 とい わ れ て い る 。 質 の 高 い 思 考 に基 づ く看 護 行 為 、専 門 職 の人 で な け れ ば 実 践 で きな い よ う な看 護 行 為 、 これ が ま さ に プ ロ フ ェ ッシ ョナ ル と して の行 為 で あ る。 助 産婦 教 育 は看 護 の ジ ェ ネ ラ リス ト教 育 で は な く、 リ プ ロ ダ ク テ ィ ブヘ ル ス に焦 点 を当 て たス ペ シ ャ リス トの 教 育 で あ る。 この よ う な リプ ロ ダ クテ ィ ブヘ ル ス に対 す る 正確 な 臨 床 判 断 と的確 な 実 践 の 基 礎 が 助 産 婦 教 育 に 求 め られ て い る。 助 産 過程 で い う な ら ば正 確 な助 産 診 断 と的 確 な助 産 技 術 で あ る。

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<ク リテ ィ カ ル シ ンキ ン グ育 成 の 重 要 性 とそ の 方 法> ク リテ ィ カ ル シ ンキ ン グの 育 成 に は 、助 産婦 の 思 考 力 の 育 成 と判 断 力 が 重 要 な カギ で あ る。 一 つ の物 事 を あ らゆ る 方 向 か ら(多 方 面)か ら系 統 的 に考 えて い く思 考 力 ・思 考 の プ ロセ ス とそ こ に潜 ん で い る真 の 問 題 を徐 々 に追 い込 み な が ら明確 に して い く思 考 プ ロ セ ス と一 つ一 つ 的確 に判 断 して い く判 断 力 の 訓 練 が 重 要 で あ る と考 え る。 これ か らの 助 産 婦 教 育 に は これ らの 思 考 と判 断 力 の 強化 が大 切 で あ る と考 え る。

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ワ ー ク シ ョ ップ1:助 産 婦 教 育 と ク リテ ィカ ル シ ン キ ン グ

臨 床 実 習 教 育 に お け るCriticalThinkingの

育 成

長崎大学医療技術短期大学部 岩 木 宏 子

は じ め に

批 判 思 考(CriticalThinking)は 、 米 国 に お い て 激 し く変 化 す る 医 療 政 策 に 対 応 す る た め に1980 年 代 後 半 よ り教 育 プ ロ グ ラ ム の 中 で 検 討 さ れ 、 つ い に1996年 、 全 米 看 護 連 盟(National League for Nursing;NLN)は 、 加 盟 す る 大 学 ・看 護 学 部 の カ リ キ ュ ラ ム の 中 に 必 ず 核 と し て 盛 り込 む こ と を 決 定 し た1)。 日本 で も こ こ 数 年CriticalThinkingの 概 念 、 意 義 、 教 育 方 法 論 な どが 紹 介 さ れ 、 そ の 重 要 性 が 注 目 れ て き て い る2)3)4)。 助 産 の 分 野 に 関 し て は 、 わ が 国 は 、 現 在 、 か つ て な い 少 産 の 時 代 に あ り 、 助 産 婦 は 妊 産 婦 の 多 様 な ニ ー ズ や 高 度 医 療 に 敏 感 に 反 応 し 、 質 の 高 い 看 護 を 提 供 す る こ と が 求 め ら れ て い る 時 代 と い え よ う 。 こ の よ う な 時 代 を 担 う助 産 婦 学 生 の 臨 床 教 育 にCriticalThinkingを 導 入 す る こ と は 、 非 常 に 重 要 だ と 考 え る 。 そ こ で 、 関 連 研 究 や 日 頃 の 教 育 経 験 を も と にCriticalThinking育 成 へ の 援 助 の 視 点 に つ い て 述 べ て み た い 。 批 判 思 考 の 概 念(Critical Thinking)と 看 護 過 程 批 判 思 考 は、 自分 の 推 論 過 程 を意 識 的 に 吟 味 す る反 省 的 な思 考 で あ り、 問 題 解 決過 程 に お け る思 考 方 式 で あ る4)。 ま た 、看 護 実 践 に お い て対 象 に適 切 か つ そ れ ぞ れ の 個 別 性 や 多 様 性 に応 え うる 質 の 高 い看 護 を提 供 す る う え で有 用 だ と考 え られ て い る。 Guilfordに よ る知 的 問 題 解 決 モ デ ル は 、 認 知 、 記 憶 、拡 散 的 思 考 、 評 価 、 収 束 的 思 考 の5つ の思 考 プ ロ セ ス が 問 題 解 決 に とっ て重 要 と考 え て い る2)。 看 護 過程 を大 まか に診 断 過 程 と実 践 過 程 に大 別 す る と診 断 過 程 に お い て 、 認 知 は デ ー タ と診 断 を 認 識 す る 能 力 で あ る。 記 憶 は、 必 要 時 想 起 す る よ う にデ ー タや 診 断 に 関 す る情 報 を と りい れ る積 極 的 思 考 プ ロ セ ス で あ る。 拡 散 的 思 考 は、 可 能 性 をで き るだ け あ げ て考 え を広 げ る こ とで あ り。 評 価 は、 診 断 に対 す る重 要性 や 適 切 性 を判 断 す る能 力 で あ る。 収 束 的 思 考 は 、 可 能 性 をで き る だ け あ げ て思 考 す る こ とで あ る。 そ して 、 実 践 過 程 に お い て も 目標 や 計 画 を拡 散 的 に可 能 性 を広 げ て考 え 評 価 し、 そ の うえ で 収 束 的 に現 実 可 能 性 を考 え て絞 っ て 、 判 断 した計 画 を実 施 し、 そ の 成 果 を評 価 してい く2)。 以 上 の よ うに批 判 思 考 は 、 看 護 過 程 に と っ て不 可 欠 の もの で あ る 。

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助 産 診 断過 程 に お け る学 生 の 思 考 過 程 の発 展 人 間 の 認 知 過 程 は、 感 覚 、 知 覚 、 表象 、 思 考 の段 階 を経 て行 われ る。 助 産 課 程 学 習 中 の 学 生 の 分 娩介 助 実 習 にお け る助 産 診 断 の認 知課 程 の 発 展 過 程 も、 まず 、 正 確 な情 報 を把 握 す る 感覚 の段 階 、 得 た情 報 の 意 味 づ けが で きる知 覚 の段 階 、 過 去 の 経 験 を も と に 自分 が 体 験 して い る現 象 に つ い て の 新 た な意 味 づ け を行 う表 象 の段 階 へ と発 展 して い た 。 しか し、 さ ら に新 しい考 え や像 を生 み 出 す 思 考 の 過 程 は認 め ら れ な か っ た 。 思 考 プ ロ セス の発 展 過 程 は 、情 報 を把 握 す る感 覚 の 過 程 で は まだ 認 め られ ず 、 知 覚 の段 階 に お い て い くつ か の情 報 を 集 め て判 断 す る段 階 が 認 め られ 、 表 象 の 段 階 にお い て様 々 な情 報 の重 みづ け を しなが ら総 合 的 に思 考 す る段 階 が 認 め られ た 。 拡 散 的思 考 は 、学 生 が 分娩 介 助 経験 を積 み 重 ね る こ とや 指 導 者 か らの 知 識 の 提 供 を得 る こ とで 、 ま た、 ク ラ イ エ ン トか らの フ ィー ドバ ッ ク を受 け る こ とで 発 展 して い た 。 しか し、 学 生 自 ら得 た情 報 につ い て の フ ィー ドバ ッ クが 得 られ ない 状 況 にお い て は、 学 生 は 、 自分 の 経 験 に確 信 が もてず 、 拡 散 的思 考 が広 が らな い 状 況 にあ った5)。 収 束 的思 考 は 、学 生 が 指 導 者 の 思 考 過 程 を一 緒 に経 験 した り、 指 導 者 か らの 発 問 で 発 展 が 促 進 さ れ る傾 向 に あ っ た 。 以上 の こ とか ら、 学 生 の 視 座 に基 づ く認 知 過 程 の 発 展 を理 解 し、 指 導 者 の 働 きか けが 学 生 に どの よ うな学 習 効 果 を与 え るの か を意 識 化 して 関 わ る こ とが 学 生 の 批 判 思 考 の 育 成 に重 要 だ と考 え る。 引 用 文 献 1) 森 山 美 知 子: 批 判 的 思 考 育 成 の 方 法. Quality Nursing2(10), 4-13, 1996. 2) 松 木 光 子: 看 護 に お け る 批 判 的 思 考 能 力 の 重 要 性. Quality Nursing2(9), 4-7, 1996. 3) 鈴 木 敦 子: 看 護 診 断 に 必 要 な 批 判 的 思 考 能 力 の 育 成.Quality Nursingg2(9), 8-13, 1996. 4) 大 谷 英 子: 批 判 的 思 考 育 成 の た め の 臨 床 実 習 指 導 の 実 際 例. QualityNursing2(10), 37-49, 1996. 5) 岩 木 宏 子: 助 産 婦 学 生 の 分 娩 介 助 実 習 に お け る 学 び の 積 み 重 ね に つ い て -学 生 の 視 座 に 基 づ く学 び の 積 み 重 ね の プ ロ セ ス- . 日本 助 産 学 会 誌, 10(1), 36-45, 1996.

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ワ ー ク シ ョ ップ2:地 域 母 子 保 健 と助 産 婦 活 動

地域 母子保健 と助 産婦 活動

コーデ ィネ ー ター:日 本助 産婦 会 事務 局 岡 本 喜 代 子 近 年 、 地 域 に お け る 開 業助 産婦 の 激 減 、 母 子 保 健 事 業 の 市 町 村 へ の移 管 、 ハ イ リス ク母 子 へ の 訪 問 活 動 へ の保 険 適 応 等 々 、地 域 母 子 保 健 に お け る 助 産 婦 を と り ま く状 況 は大 き く変 化 して きて い る。 平 成9年4月 に従 来都 道府 県 の 保健 所 で 実 施 さ れ て い た 正 常 領 域 の母 子 保 健 事 業 が全 面 的 に市 町 村 に移 管 さ れ た。 よ り住 民 に 身 近 な所 で 母 子 保 健 サ ー ビス が 提 供 さ れ る とい う点 で は好 ま しい動 向 で あ る と言 え る 。 しか しなが ら、財 政 規 模 か ら言 う と市 区 町 村 は都 道 府 県 に 比べ て 小 さ い た め 縮 小 さ れ た事 業 も あ る と考 え られ る。 例 え ば 、地 域 の 開業 助 産 婦 に委 託 さ れ て い た新 生 児 訪 問 事 業 が 一 般 財 源 化 され 、 委 託 さ れ な くな っ た り した市 区 町村 が 出 て きて 必 ず し もメ リ ッ トだ け と は言 い難 い 面 も出 て き てい る。 平 成10年4月 か らは、 診 療 報 酬 の制 度 が 改 正 され 、 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン等 で の助 産 婦 に よ る訪 問 が 可 能 に な っ た。 同様 に病 院 か らの 訪 問 も可 能 で あ る。 こ の こ とか ら、 今 後 、 病 院 等 施 設 勤 務 助 産 婦 が 施 設 か ら地 域 に継 続 的 な ケ ア を提 供 す る 道 が 拓 か れ た と言 え る 。 また 、地域 にお け る助 産 婦 活 動 を考 え る上 で重 要 な 役 割 を果 た して い る の が 、開業 助 産 婦 で あ る 。 昭和30年 には55,356人 い た開 業 助 産 婦 は 、平 成8年 で は2,539人 と な り、昭 和30年 を100%と す る と、 平 成8年 で は4.6%に ま で激 減 して い る 。 育児 不 安 、 乳 幼 児 虐待 等 へ の対 応 と して親 へ の 精神 的 サ ポ ー トへ の 地域 で の 助 産 婦 の役 割 は大 き い 。特 に、 最 近 乳 幼 児 虐 待 の 予 防 に助 産 婦 の果 た す役 割 の 大 き さが よ うや く認 識 さ れ て き た。 母 子 お よび 家 族 へ の 継 続 的 な サ ポ ー トが 重 要 で、 特 に24時 間、365日 対 応 可 能 な 助 産 所 で の 活 動 が 期 待 され て い る 。 また 、 自然 分 娩 へ の ニ ーズ も高 ま っ て きて い る 。 そ こ で 、今 回 、保 健 セ ン タ ーお よ び助 産 所 に お け る助 産婦 活 動 の 現 状 ・問題 点 ・今 後 の 課 題 等 に つ い て お二 人 の演 者 に ご報 告 をい た だ く。 よ り充 実 した 地域 にお け る助 産 婦 に よ る母 子 支 援 活 動 を 目指 し、 フ ロ ア の皆 様 との 活 発 な 意 見 交 換 を期 待 して い る 。

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ワ ー ク シ ョ ッ プ2:地 域 母 子 保 健 と助 産 婦 活 動

札幌市 における地域母子保健活動の中での助産婦の役割

札幌市中央区保健福祉部地域保健課 高 本 厚 子 1.は じめ に 札 幌 市 は人 口約180万 人 。行 政 ・経 済 ・文 化 な ど あ ら ゆ る分 野 を通 じて、北 海 道 の 中心 都 市 とな っ て い る ば か りで な く、我 が 国 にお け る北 の 一 大 拠 点 都 市 と して 、 重 要 な地 位 を 占 め て い る。 近 年 、高 齢 化 の 問 題 と と も に 「少 子 化 」 につ い て も大 き な社 会 問 題 と な っ てい るが 本 市 に お い て 「合 計 特 殊 出生 率 」 は全 国平 均1.39に 対 して、1.08と な って お り、 政 令 指 定都 市 の 中 で も最 も低 く 少 子 化 対 策 は今 後 の い ろ い ろ な 行 政 政 策 を展 開 す る う えで も重 要 な 課 題 とな って い る。 さ らに 、 本 市 の 特徴 と して は 、 (1)人口移 動 が 激 し く、 全 人 口 の 約7%は1年 以 内 の 転 入 ・転 出 者 と な って お り地 域 で の つ なが りが 希 薄 で 身 近 に 相 談 者 が い ない 人 が 多 い 。 (2)核家族 化 が 進 む 中 、 家 庭 内 に育 児 体 験 者 が い ない 人 が 多 い 。 (3)人口 妊 娠 中 絶 が 全 年 令 層 に わ た って 高 く、 特 に若 年 者 にそ の 傾 向 が み られ る。 こ れ らの こ と よ り、 子 育 て に関 す る情 報 や 育 児 支 援 が 得 られ に くい とい う点 、 ま た、 性 に関 す る 正 しい知 識 が 得 られ て い ない こ と な どの 課 題 が 母 子 保 健 活 動 を行 う上 で の 留 意 点 と な って い る。 2.札 幌 市 の 概 況 平 成9年4月 に 「地 域 母 子 保 健 法 」 が 全 面 施 行 され た こ と に伴 い 、 保 健 所 を一 カ所 に集 約 して機 能 強化 を は か る一 方 、 これ まで の 保 健 所 を保 健 セ ン タ ー と して 整 備 し、 区 の 機 構 に編 入 す る新 地 域 保 健 体 制 を実 施 して 、 生 活 者 の 立 場 に立 った よ りきめ 細 や か な保 健 サ ー ビス の 充 実 を図 る こ と と し た 。 ま た 、保 健 と福 祉 の 連 携 を さ ら に強 化 す る ため 、 平 成9年11月 の 清 田区 の 新 設 に伴 い、 各 区 の 保 健 セ ン ター と福 祉 部 を統 合 して 保 健 福 祉 部 を設 置 し、 市 民 サ ー ビス の 向 上 を図 る こ と と した。 こ の こ とに よ り、 母 子 保 健 活 動 は 、 保 健 領 域 だ けで な く福 祉 との 連 携 を よ り一 層 撮 っ て い く こ と が で きる よ う にな った 。 現 在 、各 区 の 地域 保 健 課 には 常 勤 助 産 婦 が1名 ず つ 配 置 され 、10名 の 助 産 婦 が 連 携 を と りな が ら、 安 心 して 子 供 を生 み 育 て る こ とが で き る よ うに 、 地域 で の 母 子 保 健 事 業 を展 開 して い る。(参 考 資 料1) 3.助 産 婦 の業 務 活 動 (1)妊産 婦 健 康 相 談(2)母 性 健 康 相 談 (3)電話 相 談(4)母 親教 室 (5)両親(父 親)教 室(6)思 春 期 教 室

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(7)母子 保 健 訪 問 指 導(妊 産 婦 ・新 生 児) (8)ワー キ ング マ タニ テ ィ ース ク ー ル (9)その 他(参 考 資 料2) 4.行 政 にお け る助 産 婦 の果 たす 役 割 行 政 の 中 にお け る助 産 婦 の 役 割 と して は 、 母 子 保 健 活 動 の専 門 職 と して 、 妊 娠 ・出 産 ・育 児 及 び 思 春 期 、 更 年 期 を含 む、 生 涯 を とお して の 女 性 の 健 康 づ く りの た め の視 点 か ら関 わ っ て い くこ とで あ る。 少 子 化 や 夫 婦 共 働 き家 庭 の 一 般 化 、家 庭 や 地 域 の 子 育 て機 能 の低 下 な ど、子 供 や 家 庭 を取 り巻 く 環 境 が 変 化 して い く中 で 、母 子 保 健 事 業へ の ニ ーズ を的 確 に把 握 す る と共 に 、 働 きな が らの 妊 娠 、 出 産 、育児 へ の 支 援 、妊 娠 中 か ら子 育 て ま で続 く仲 間 づ く り支 援 、育 児 へ の 父 親 参 加 へ の働 きか け、 子 供 や 親 へ の 思 春 期 教 室 な どの きめ細 か な保 健 サ ー ビ ス の支 援 体 制 を強 化 し、保 健 、 教 育 、福 祉 な ど の関 係 職 種 ・関係 機 関 との連 携 を密 に して 、母 と子 の 心 身 両 面 か らの健 康 増 進 を 図 って 行 きた い 。 特 に、 こ れ か らは 、少 子 化 、高 齢 化 な どの社 会 変 化 に伴 い 、女 性 の ラ イ フ ス テ ー ジ にお け る ニ ー ズ が 大 き く変 化 して くる と思 わ れ るの で 、 これ らの ニ ー ズ を 的確 に と ら え 、新 しい 時 代 の 母 子 保 健 活 動 を展 開 して い く必 要 が あ る と感 じて い る。 ま た、 行 政 の 中 で の助 産婦 が 、 市 民 に と って 身 近 な相 談 者 と して 地 域 に根 付 い て い きた い と考 え て い る。 (参考 資 料1)母 子 保 管 対 策 にか か わ る組 織 機 構 に つ い て 区 区 役 所 市民部 税務部 土木部 保健福祉部 保 健 福 祉 サ ー ビス 課 地域保健課 保 護課 国保年金課 保健担 当部長(福 祉 担当部長) 本庁 保 健 福 祉 部 医務 監 総務部 高齢保健福祉 部 保健 医療 部 障害保 険福祉 部 児童家庭 部 児 童 福 祉 総 合 セ ン ター 保健 衛生部 保健所

(9)

(参考資料2)札 幌市 にお ける母子保健事 業内容 ア 健康診 査等

イ 保健指 導

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ワ ー ク シ ョ ップ2:地 域 母 子 保 健 と助 産 婦 活 動

開業助 産婦 と して 、地 域 母 子保 健 にか か わ って

助産 院 マ タニ テ ィ ・ア イ 春 日 井 六 実 道 東 に位 置 す る この 釧 路 管 内 は 、 人 口約29万 人 の1市8町1村 か らな る広 い 地 域 で あ る 。 農 業 、 漁 業 の 第1次 産 業 が 主 で あ る が 、 ほ か に石 炭 産 業 、紙 パ ル プ工 場 が あ り、 道 内 で は4番 目 に大 きい 釧 路 市 を中 心 に生 活 圏 、 医療 圏が 集 中 して い る 。 しか し、広 大 な 釧 路 失 言 を有 す る豊 か な 自然 環 境 は 、 観 光 地 と して の魅 力 も十 分 に備 え て い る と思 う。 釧 路 管 内 に あ る病 院 ・診 療 所 合 わせ て149ヶ 所 の 内 、106ヶ 所 が 釧 路 市 に あ り、 特 に 産科 医 常 駐 施 設 は、市 外 で は1ヶ 所 あ る の み 。あ とは 、釧 路 町 とい う釧 路 市 の とな り町 に当 院 が1ヶ 所 あ るだ け で 、 異 常 緊 急 時 に は ほ とん どが 釧 路 市 内 の 病 院 に搬 送 され る とい う現 状 で 、 地 域 に お け る母 子 にか んす る医 療 環 境 は、 厳 しい状 態 で あ る 。 釧 路 管 内 の平 成9年 度 の 出生 数 は2494人 で 、 出生 率8.7で あ るが 、 これ は 平 成8年 の9.1に 比 較 す る と著 名 な減 少 とい え る。 そ の様 な 中 で 、 当助 産 院 マ タニ テ ィ ・ア イ は開 業 して10年 とな り、 現 在 年 間150程 の 分 娩 を扱 っ て い るが 、 ほ とん どが家 族 立 ち会 い の 分娩 で あ り、 現 在 は 自宅 出 産 も取 り扱 っ て い る。 開業 助 産 婦 を志 して 、14年 間勤 め た 公 立 病 院 を退 職 した10年 前 、 ち ょ う ど出生 率 も10.5と 全 国 平 均 を上 回 っ て い た 。病 院 で も計 画 出 産 が90%以 上 に な っ て い た 頃 に 、 地 域 で 開業 して い た助 産 所 の 最 後 の1ヶ 所 が 閉鎖 した厳 しい状 況 だ った 。 そ の 様 な 中 で家 族 主 体 の 出 産 、 女 性 本 来 に生 理 的 能 力 を最 大 限 に生 か した 出 産 を求 め て 開 業 した の で あ るが 、今 思 え ば 、随 分 勇 気 の い る事 だ っ た と思 う。 しか し、 助 産 婦 は もっ と地域 の 中 に入 り込 ん で 、 家 族 を支 え る 立 場 にい るべ きで あ る とい う、 当初 の 目的 は少 しず つ 実 現 して い って 、 現 在 は地 域 の子 育 て支 援活 動 と して 育 児 サ ー クル を作 った り、 福 祉 課 の 主 任 児 童 委 員 と して の 活動 、 ボ ラ ンテ ィ ア活 動 を行 う こ とが 出 来 る よ う に な っ た 。 当 院 は 入 院 ベ ッ ド6床 で 、現 在 は 月 平均13人 程 の 出生 数 を 、助 産婦2名 、 看 護 婦1名 、 他2名 の ス タ ッフ で 扱 っ て い る、 家 族 ぐる み の 入 院 や 家 庭 訪 問 な ど家 族 支 援 に 力 を入 れ て い る 。核 家 族 が 多 くな っ て い るの は全 国的 な現 象 で あ る が 、 特 に当 地 域 は 自衛 隊駐 屯 地 が あ り、 ま た釧 路 市 のベ ッ ドタ ウ ン と して新 興 住 宅 地 が 多 く、子 育 て 世代 が 多 い ため 、 育 児 支 援 、 家 族 支 援 と して の 当 院 の役 割 も大 きい と考 え る。 出産 育 児 に 限 らず 地域 の教 育 機 関 で の性 教 育 や 、 母 親 学 級 な どの 講 義 を受 け 持 っ た り、 育 児 情 報 誌 の 発 行 と して 「子 育 て マ ッ プ」を作 成 した り、育 児 支 援 活 動 に も力 を入 れ てい る 。現 在 、 子 育 て ネ ッ トワ ー ク 「い る か フ ァ ミ リ ー」 は、 ま だ活 動 を開 始 した ば か りで あ るが 、事 務 局 と して 今 後 、 地 域 の 中 で子 育 て情 報 の 発 信 の 場 を提 供 した い と考 えて い る 。 平 成9年 よ り母 子 保 健 活動 の 実 施 主 体 が 、 都 道 府 県 か ら市 町 村 に一 元 化 され た が 、 そ の 事 は各 市 町村 に よ る母 子 保 健 事 業 の バ ラツ キ を生 み 、地 域 に よ るサ ー ビス 内 容 の格 差 が 出 来 る こ とが 懸 念 さ

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れ る。 実 際 に釧 路 町 で は母 親 学 級 が 中 止 にな り、 新 生 児 訪 問 は初 産 だ け に な る等 、 母 子 支 援 活 動 と して は 、 質 の 低 下 とい わ ざ る を獲 な い 現状 が み られ る。 今 、 エ ンゼ ル プ ラ ン と言 わ れ る育 児 支 援 活 動 に力 を入 れ て い る 中 で 、 そ の活 動 の 一 端 と して 主 任 児 童 委 員 の 役 割 を持 つ 自分 と して は 、 育 児 支 援=母 子 支 援=家 族 支 援 と考 え る 。 そ の た め 育 児 の 原 点 を家 族 支 援 と考 え る の で 、妊 娠 ・出 産 の援 助 は重 要 な ポ イ ン トを しめ る と思 う。 助 産 婦 の 活 動 の場 を もっ と地域 に浸 透 させ 、 地 域 か らの声 を行 政 に生 か して行 け る よ うに な らな けれ ば と考 え る。

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ワ ー ク シ ョ ッ プ3:施 設 内 に お け る助 産 婦 活 動 の 改 革

施設内 における助 産婦活動 の改革

コ ー デ ィ ネ ー タ ー:日 本 赤 十 字 社 医 療 セ ン タ ー 村 上 睦 子 産 科 学 の 進歩 の 影 で 、 医 療 者 に も医 療 サ ー ビス の 安 全 性 だ け で な く、 よ り 自分 ら し く納 得 した 出 産 を した い とす る女 性 た ちが 増 え、 出 産 に対 す る 「自然 と 医療 の 調和 」 につ い て 消 費 者 と と も に語 り合 う機 会 が 増 えて い た。 産 科 医 療 に あ らず 医療 の 高 度 先 端 技 術 の 導 入 が 、 人 々 の 生 活 上 、 健 康 上 の 変 化 を もた ら し、 か っ て の 医療 に対 す る価 値 観 で は対 応 で きな い 複 雑 な健 康 問 題 へ と発 展 して い る事 実 は承 知 の こ とで もあ る。 特 に、 周 産 期 医療 に お け る 、専 門 的 で 高 度 な生 殖 医 療(不 妊 治 療 と多 胎 妊 娠 等)の 発 達 は 、 女 性 の人 権 の保 証 、生 れ て くる こ ど もの権 利等 、健 康 とい う概 念 に よ り複 雑 な重 み が か か っ て きて い る 事 実 を経 験 す る。そ して 、女 性 の健 康 問 題 に適 切 に対 処 で きる助 産 婦 の 力 量 が 問 わ れ る現 実 が あ り、 助 産 婦 の専 門性 とは何 か 、 を明確 に し なけ れ ば な らな い 問題 に 直 面 して い る とい え る。 課 題 は、 周 産期 医療 を受 け る女 性 へ の ア ウ トカ ム を最 大 にす る た め の 、 助 産 婦 と して担 うべ き役 割 は何 か を問 わ れ て い る の で あ る 。 産 科 医 、 小 児 科 医(新 生 児 科)と 助 産婦 が 協 働 で 仕 事 をす る際 の様 々 な問 題 を 日常業 務 か ら感 じ と るの は筆 者 だ けで は ない だ ろ う。 助 産婦 の 自律 が 叫 ば れ て 久 しい が 、 何 が 大 切 で 、何 が 問題 なの か は 助 産 婦 た ちの 認 識 に待 つ こ と多 大 で あ る。 今 、 妊 娠 、 出 産 、 育 児 が 自然 な 出 来事 と して 扱 われ てい た時 を懐 か しみ、 家 族 全 体 の健 康 に タ ッチ して きた 先 輩 助 産 婦 の 活 動 に、 ま さ に母 子 ケ アの エ キス パ ー トと して の助 産婦 像 の あ り方 を学 んで い る 。病 院勤 務 助 産 婦 た ち の 「変 革 」 の 始 ま りが そ の 所 以 で もあ ろ う。 助 産 婦 の 多 くは 受 け て の 女 性 た ち か らの 意 見 を 十 分 に吸 収 し な が ら、 助 産 婦 と し て の 知 識 、 ス キ ル を 高 め あ っ て い る 。 昨 今 の 話 題 、EBM(evidence based medicine)が 出 産 ケ ア の ガ イ ドラ イ ン と して紹 介 され 、 臨床 の 現 場 で は 多 くの 関 心 を もっ て い る 。 患 者 に始 ま り患 者 に終 わ る プ ロ セ ス がEMBの 基 本 で あ り、 こ れ か らの 助 産 婦 の 活動 評 価 に期 待 さ れ る も の と して活 用 され つ つ あ る 。 産科 医 の 出 産 へ の 介 入 が あ た り ま え とい う風 潮 の 中で 、 お 互 い が それ ぞ れ の立 場 か ら主 張 す る の み で は 問 題 は 解 決 しな い。 助 産婦 は 、 補 助 的業 務 、 助 手 的業 務 に 徹 す るべ し とい う観 念 か ら ど う逸 脱 す るか は 助 産 婦 個 々 の意 識 にか か っ て い る の で あ る。 マ ニ ュ ア ル化 した産 科 医療 か らい か に脱 出 す るか で あ る。「お 産 の ピー ク は火 曜 日の 午 後 二 時 」 とい う イ メー ジ を解 消 させ た の は 、 出 産 した 母 親 や 家 族 た ちで あ っ た 。 医療 の 受 け て の ア ウ トカ ム を最 大 に評 価 した事 実 と して 意 識 して お きた い 。 臨 床 の 助 産 婦 は 、子 供 は 、 産 ま れ た い と き に 、産 まれ や す い 、 ゆ っ く り時 間 をか け て 出 て くる、 とい う確 か な 「技 」 を実 感 して い る 。 助 産 婦 の キ ャ リ ア形 成 に は こ の よ うに安 全 な 「卓 越 した 技 術 」 と安 楽 な 「人 間観 」 を き り離 す 提 供 す る能 力 が備 わ っ て い る こ とが重 要 で あ る 。 この 原 則 こそ が 助 産 婦 の果 た す役 割 で あ り、 責 務 で あ る。 た だ じ っ と 「改 革 」 を 待 っ て い て は 、 行 動 をお こす こ とが で きな い の で あ る。 助 産 婦 と して の ア イ デ イ ンテ ィテ ィが キ ャ

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リ ア形 成 を促 す こ と も、 こ れ か らの助 産婦 へ の 期 待 で あ る。 今 回 の ワ ー ク シ ョ ップ で は 、社 会 の 動 向 を考 え なが ら、 医 療 の受 け手 と、担 い 手 の 立 場 か らの 連 携 の重 要性 と、 チ ー ム との 協 働 に つ い て の あ り方 を、 助 産 とい う領 域 に縛 ら れ な い で助 産婦 自 らの 課 題 と して 整 理 で きれ ば と考 え て い る 。本 日は 、佐 藤真 澄 氏 ・清 野 喜 久 美 氏 か ら話 題 を提 供 して い た だ き、科 学 に勝 る 「自然 と医 療 の調 和 を創 る 」 た め に建 設 的 に現 実 的 に取 り組 ん で い る こ と を話 して い た だ き、 助 産 婦 業 務 の 将 来 を具 体 的 に議 論 で きれ ば と考 えて い る。

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ワ ー ク シ ョ ッ プ3:施 設 内 に お ける助 産 婦 活 動 の 改 革

母乳 育児 推 進 に向 け て の取 り組 み

天使病院 佐

1.は じ め に 生 ま れ た ば か りの 赤 ち ゃ ん を母 親 の乳 房 に 近づ け る と、 ご く 自然 に母 乳 を吸 い 始 め る 。 母 親 な ら 誰 で も 「赤 ち ゃん は 、 自分 の お っ ぱい で 育 て た い」 と願 っ て い る の で は な い だ ろ う か。 当 院 は 、 長年 に 渡 り、 母 乳 育 児 を推 進 して きた 。 昨 年 度 、WHO・ ユ ニ セ フ に よ る 「赤 ち ゃん にや さ しい病 院」の 認 定 を頂 くこ とが で き、こ こ に 、 当 院 の母 乳 育 児 の取 り組 み と、 認 定 に至 る準 備 、 経 過 につ い て 紹 介 し、 施 設 内 に お け る母 乳 育児 推 進 につ い て 、皆 様 とご 一 緒 に考 えて ゆ き たい と思 い ます 。 II.当 院 の 概 要 当 院 は 、札 幌 市 東 区 の 中核 病 院 で 、 ベ ッ ド数297床 を要 す る カ トリ ック系 の 総 合 病 院 で す 。 産 婦 人 科 ベ ッ ド数37床 、NICU6床 、 ス タ ッ フ数 は、 産 婦 人科 医 師5名 、 新 生 児NICU担 当小 児 科 医 師2名 、 助 産 婦 常 勤30名(桶 谷 認 定 者3名)で 、 非 常 勤3名 、 保 健 婦1名 、 看 護 婦6名 、 准 看 護 婦1名 で あ る。産 婦 人 科 外 来 、分 娩 室 、病 棟 合 わせ て1看 護 単 位 とな っ て い る。年 間分 娩 数 約1200 件 で 、 母 体 搬 送26件(平 成9年)で 、 年 間 早 産 件 数106件(平 成9年)で あ る。 III.母 子 同 室 の 変 遷 表1母 子 同 室 に 至 る 過 程 当 院 は 、 明 治23年 開院 以 来 、完 全 母 子 異 室 制 を とっ て きた 。 母 乳 育 児 を成 功 させ る た め に は 、 出 産 直 後 か らの 母 子 同 室 は、不 可 欠 な 条件 で あ る。15年前 よ り母 子 同 室 制 を 目指 し、プ ロ ジ ェ ク トチ ー ムが 結 成 され 活 動 開 始 したが 、 ス タ ッ フの 移 動 な ど で 、 一 時 中 断 した時 期 もあ っ た。 1993年 、 岡 山 で 開 催 され た 「助 産 婦 の た め の 母 乳 育 児 セ ミナ ー」 に ス タ ッ フ2名 が参 加 した こ と が 動 機 づ け とな り、検 討 が 再 開 さ れ た 。 部 分 的 母 子 同室 か ら開 始 し、段 階 的 に改 革 し、1996年10月 生 後2時 間 か らの完 全 母 子 同 室 に至 っ た 。 母子 同 室 開 始 に 当 た って の 問 題 点 と して 1.ス タ ッ フ間 の 意 志 統 一 、特 に心 理 的 負 担 と不 安 2.夜 間 の児 の 安 全 性

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3.児 の脱 水 、 黄 疸 、 低 血 糖 に対 す る 配慮 、異 常 の 把 握 4.部 屋 の 構 造 5.分 娩 数 へ の 影 響 6.小 児 科 医 師 、 産 科 医 師 、 看 護 ス タ ッ フの共 通 理 解 7.同 室 で きな い褥 婦 の心 理 的負 担 な どが あ げ られ検 討 され た 。 IV.認 定 を受 け る 経 過 1997年 、 完 全 母 子 同 室 と な り一 年 が 経 過 し、 母 乳 率 が82%と ア ップ し、 「赤 ち ゃん と一 緒 に居 る こ とが 嬉 しい 、母 乳 が た さ ん出 た」 とい う母 親 の 声 が 多 く聞 か れ る よ うに な り、 退 院 後 の 相 談 電 話 が 減 る な ど効 果 が 表 れ た 。 そ こで 、 当 院 が 目指 した 母 乳 育 児 の ケ アの 評 価 と して 、BFH申 請 す る こ とが 決 定 され た。 準 備 と して まず 、プ ロ ジ ェ ク トを結 成 し、天 使 病 院 の基 本 方 針 を成 文 化 し、「母 乳 育 児 成 功 の た め の10カ 条」 に 沿 っ た ケ ア の 実 際 、 妊 娠 ・分 娩 ・産 褥 期 の 取 り組 み を ま とめ た。 困難 で あ った こ と 1.ゴ ム の乳 首 を使 用 しな い こ と ス ポ イ ト、 シ リ ンジ 、 カ ッ プ と試 み た が 、 母 親 の 不 安 、 見 栄 えの 問 題 が あ り、 離 乳 ス プ ー ン を 使 用 す る こ と に した。 今 まで 糖 乳 追 加 は 、 全 例 哺 乳 瓶 を使 用 して い た た め 、 な ぜ ゴ ム の乳 首 が 不 適 当 な の か理 論 的 な裏 付 け と、行 動 に 移 す ス タ ッ フの動 機 付 け に時 間 を要 した 。 2.医 学 的理 由 の な い 限 り糖 水 追加 を しない こ と 出生 当 日 よ り児 の 啼 泣 、 分 泌 不 足 、母 親 の 希 望 、 ス タ ッ フの 各 々 の 判 断 で糖 水(5%)を 追 加 して い た た め 、 当 院独 自の糖 水 投 与 の 医 学 的基 準 と して児 側 、 母側 の基 準 を制 定 した。 糖 水 の必 要 の な い児 に対 して 、 母 親 が希 望 した場 合(生 後3日 目の 母乳 分 泌 不足 な ど)、 母 親 が 安 心 で きる個 々 に応 じた エ モ ー シ ョナ ル サ ポ ー トが重 要 とな っ て きた 。 そ の 他24時 間 同 室 で きな い ケ ー ス の対 応 、 帝 王 切 開 の母 親 の対 応 が 課 題 とな っ た 。 V.申 請 の た め の 準 備 1.申 請 書 2.第 一 次 ス ク リー ニ ング の た め の チ ェ ッ ク リス ト(ユ ニ セ フ作 成) 3.施 設 にお け る母 乳 育 児 へ の取 り組 み と、 そ の 変遷 を ま とめ た もの 4.10ヵ 条 の 実 施 を裏 付 け る 資料 、 写真 な ど 5.母 乳 育 児 の社 会 的教 育 的活 動 の 実施 資料 な ど (第一 次 審 査(書 類 審 査)後 、 第 二 次 審 査(現 地 審 査)が あ る) VI.今 後 の 課 題 1.妊 婦 へ の 母 乳 育 児 の動 機 付 け と妊 娠 中 の ケ ア の 充 実 2.退 院 後 の 母 乳 育 児 支 援 シ ス テ ム の 充 実(退 院 後 の 育児 不 安 、 母 乳不 足 の 支援 シス テ ム) 3.ゆ と りあ る母 子 同室 の環 境 づ く り 4.看 護 ス タ ッフの 教 育 プ ロ グ ラ ム の充 実 と母 乳 育児 に対 す る 熱 意 とそ の継 続 5.エ モ ー シ ョナ ル サ ポ ー トの 充 実 VII.ま と め 母 子 が よ り良 い 人 間 関 係 を形 成 で き る よ うサ ポ ー トす る こ とが 、 助 産 婦 の役 割 で あ る。 施 設 内 に お い て は、医 師 とス タ ッ フの コ ンセ ンサ ス を取 りなが ら、意 識 と行 動 の 改 革 が 必 要 で あ る と考 え る。 赤 ち ゃん の 健 や か な成 長 を願 い 、 母 乳 育 児 を支 援 して 行 きたい 。

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ワ ー ク シ ョ ッ プ3:施 設 内 に お け る助 産 婦 活 動 の 改 革

施設内 における助 産婦活動 の改革

-家 族 中心 ケ ア の徹

底-月寒 グ ロリア ク リニ ック副 院長 ・総婦 長 清 野 喜 久 美 1.は じめ に 人 は生 れ た と きの健 康 状 態 が そ の 人 の 一 生 に大 きな 影響 を与 え る と言 わ れ て い る 。 そ の ため に は 出生 前 後 の保 健 行 動 が 重 要 で あ り、 生 涯 の 健 康 作 りの基 礎 は 母 子 保 健 にあ る とい え る。 しか し、少 産 時代 を迎 え、 家 族 形 態 が3世 代 か ら核 家 族 に変 化 した い ま、 実 際 的 な 育 児 の知 識 や 方 法 が 伝 承 されす 、親 にな るた め の 準 備 や 経 験 が 不 足 した ま ま 出産 とな り困惑 して い る女 性 が多 い 。 ま た勤 労 妊 婦 へ の対 応 の 遅 れ と保 育 所 お不 足 が あ る 。 さ ら に子 供 に とっ て 父 親 の存 在 が 希 薄 化 してい る こ とや両 親 の育 児 力 の 低 下 等 、 多 くの問 題 を抱 え て い る。 特 に産 後 の ブ ラ ッ クホ ー ル と言 わ れ て い る退 院後1-2週 間 の 援 助 の不 足 は余 り改 善 され て い な い現 状 で あ る 。 こ れ らの こ と をふ まえ て 当 院 で 実 施 して い る家 族 関係 を支 え る援 助 の 実際 につ い て述 べ た い と思 う。 2.月 寒 グ ロ リア ク リニ ッ クの 特 徴 「小 さな い の ち が 守 られ る」 と 「キ リス トの愛 を もっ て仕 え る」 を理 念 に、 人 工 妊 娠 中 絶 は して い な い。 個 室 を基 本 と し、 お 子 様 や ご主 人 も宿 泊 で きる 。全 館 禁 煙 で 、 ア メ ニ テ ィ を考 慮 した 設 備 を整 え て い る。 分 娩 室 が1階 にあ り夜 間の 分 娩 で も他 患者 に 騒 が し くな く、 分 娩 第 一 期 か ら助 産 婦 が マ ンツ ー マ ンで助 産 に当 た り、 産 婦 を1人 に しな い を モ ッ トー に して い る 。夫 や 産 婦 の 望 む 家 族 の 立 ち会 いが で きる 。 分娩 時 は 全 例 産 婦 人 科 医 と小 児 科 医 が 立 ち会 う。 退 院 時 に は ア ンケ ー トを書 い て い た だ き、受 け 手 の 評価 を参 考 に、 よ りよ り医 療 を 目指 して い る。 退 院後 の フ ォロ ー 体 制 は退 院 後1週 間 で母 子 の 受診 を勧 め 、 必 要 時 家 庭 訪 問 を して い る 。 そ の 後 は1ヶ 月 健 診 、 そ して 毎 月 開 催 され る育 児 教 室 へ の参 加 を勧 め て い る。 3.当 院 にお け る周 産 期 の具 体 的 内 容 1)妊 娠 期 … 妊 娠 ・出 産 ・育 児 の 準 備 が 可 能 *母 性 ・父 性 ・兄 弟 姉 妹 の胎 児 感情 の 肯 定 的意 識 の高 ま りを促 進 す る 。 妊 娠 初 期 か らの 胎 児 エ コー の ビデ オ撮 影 や 夫 が 同伴 時 は 一 緒 に診 察 室 に入 っ て も らい 母 親 と同 じ臨 場 感 を味 わ っ て も ら う。 *バ ース プ ラ ン ニ ング の作 成 … … ご夫 妻 の考 え て い るお 産 の イ メ ー ジ を高 め る。

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*母 親 教 室(木 曜 日午 後)・ 両 親 学 級(土 曜 日午 後) 2)分 娩 期 *基 本 的 に は 自然 分 娩 の た め夜 間 の 分 娩 が 多 い 。 *第1期 は、 入 浴 、散 歩 、 ア クテ ィ ブチ ェ ア、 個 室 で リ ラ ック ス してす ごす 。 *夫 ・家 族 立 ち会 い の勧 め … … 夫 ・家 族 ・子 供 な ど産 婦 の 希 望 す る人 の立 ち会 い に よ り、 い の ち の 尊 さ を知 る機 会 とす る。 *バ ー ス プ ラ ンニ ング の調 整 … … 出 来 る限 り希 望 を叶 え る よ う 目標 設 定 し助 産展 開 す る 。 *分 娩 体 位 … …側 臥位 、 四 つ 這 い な どの フ リ ー ス タ イ ル *出 生 直 後30分 以 内 の 直接 母 乳 3)産 褥 期 *母 乳 栄 養確 立 の た め に… … 産 褥 早 期 か らの 頻 回 授 乳 と乳 房 マ ッサ ー ジ の励 行 。 産 褥1日 目か ら母 子 同室 にす るが 、 母 体 の疲 労 を考 慮 し、夜 間 は 児 をベ ビ ー室 へ 収 容 し授 乳 時 の み 児 を母 親 の所 へ 連 れ て行 く。 *育 児 行 動 獲 得 へ の援 助 … …段 階 に応 じた個 別 指 導 に よ る育 児 リズ ムの 獲 得 。 4.退 院 後 の サ ポ ー ト体 制 *退 院 時 サ マ リー を書 き病 棟 と外 来 カ ル テ に添 付 す る。 必 要 時 地 域 へ 継 続 す る。 *退 院1週 間 で 母 子 と も に受 診 … … 車 社 会 で 母 子 に負 担 が 少 ない 。 *退 院後1週 間 以 内 に電 話 す る こ とが あ るが ケ ース か らの 電 話 はい つ で もOK! *必 要 時 に家庭 訪 問 す る。 *1ヶ 月健 診 … … 毎 週 金 曜 日、 午 後 *育 児 教 室(グ ロ リア キ ッズ ク ラ ブ)… … 毎 週 木 曜 日午 後 、OB会 は火 曜 日午 後 5.今 後 の課 題 ぶ ど う房 運 動 の展 開 *育 児 力 をつ け る場 … … 育児 力低 下 に よ り育 児 不 安 の 強 い 母 親 が 育 児 に 自信 を持 つ た め に は仲 間 作 りを し、励 ま し合 う場 が 必 要 。 *保 健 行 動 獲 得 の た め の 地域 組 織 … … グ ロ リ ア キ ッズ ク ラ ブのOB会 が 発 展 。

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ワ ー ク シ ョ ップ4:母 子 ケ ア の 質 の 評 価

母子 ケ アの 質 の評 価

コーデ ィネ ーター:神 戸大 学 医学部 保健 学科 新 道 幸 恵 我 が 国 の社 会 に お い て、 量 か ら質 へ の 価 値 観 の転 換 が 見 ら れ る よ う に な っ て久 しい 。 ク オ リ テ ィー ・オ ブ ・ラ イ フ とい う言 葉 の普 及 に そ の様 子 の 一 例 を見 る こ とが 出 来 る。 質 の 高 い保 健 医 療 、 看 護 へ の 要 望 や 期 待 は、 そ の コ ン シュ マ ー で あ る ク ラ イ エ ン ト他 の み な らず そ の 提 供 者 で あ る専 門 家 に と って も大 い な る関 心 事 に な っ て きて い る。 1995年 に は 「財 団法 人 日本 医療 機 能 評価 機 構 」 が 設 立 さ れ 、 第 三 者 に よ る 医療 機 能 評 価 が 開 始 さ れ る よ うに な っ た。 一 方 、看 護 に お け る質 評 価 の 努 力 は 、1987年 に、 日本 看 護 協 会 の 「病 院看 護 機 能 評 価 マ ニ ュ ア ル」 の刊 行(1993年 に 改訂)に 見 る こ とが 出 来 る 。 この マ ニ ュ ア ル は 、 個 々 の 病 院 にお け る看 護 部 門 で、 活 用 され る事 に よ っ て、 それ ぞ れ の病 院 の 全 般 的 な看 護 の 質 の 評 価 へ の 努 力 に貢 献 して い る こ とが推 測 され る。 しか し実 際 的 な看 護 の質 の維 持 、 向 上 の た め には 、 そ の 評価 の 結 果 を具 体 的 な改 善 へ とつ な げ て い くた め の 方 略 が 看 護 の領 域 別 に明 らか に され る こ とが 必 要 で あ ろ う。 母 子 ケ ア の 質評 価 は 、上 述 の 質 評価 の 流 れ の 中 で考 え て い く こ と に加 え て 、少 子 化 の社 会 現 象 も 視 野 に入 れ る こ とが 、 必 要 で あ ろ う。 例 え ば、 妊 娠 、 出 産 、 育児 とい う経 験 は 、 女 性 の一 生 の うち で、 わず か に1∼2回 しか経 験 され ない 。 その こ と故 に 、 同 じ経験 を して い る仲 間 を周 辺 に 見 い だ し、親 し く交 流 す る こ とが 困 難 に な っ て きて い る。 ま た 、 出 産 は、 生 理 的 な経 過 を た どる の が 当 然 で あ りなが ら、医 療 医 学 の進 歩 を背 景 と して 、医療 介 入 を受 けや す い状 況 に もお か れ て い る。近 年 、、 母 子 ケ ア の 質 を維 持 向 上 させ る に は、 困難 な状 況 が少 な か らず あ る。 そ れ故 に一 層 、 質 の 評 価 に基 づ い た 質 の改 善へ の 努 力 が 重 要 な課 題 とな っ て い る と思 わ れ る。 母 子 ケ ア の 質研 究 につ い て は、看 護QA研 究会 出 産 検 討 グ ル ー プ(堀 内 成 子 氏 他)の 研 究 が あ る。 こ の研 究 グ ル ー プで はAvedisDonabedianが 提 唱 した 、構 造 、 過 程 、 結 果 の3つ の要 素 か ら分 類 す る方 法 を用 い て い る 。Donabedianは 、構 造 評 価 とは 、 ケ ア の 手 段 や ケ ア が 行 わ れ て い る 組 織 の評 価 を指 し、 過 程 の 評価 と はケ アそ れ 自体 を評 価 す る こ とで あ り、結 果 と は、 ケ ア結 果 で あ り、 患 者 の 健 康 度 や 安 楽 度 、満 足 度 な どに よ って 評価 す る と述 べ て い る。(看 護 ケ ア の 質 評 価 に お け る課 題 、 1968) 本 ワ ー ク シ ョ ッ プで は 、 こ れ ら の研 究結 果 を も参 考 に し、野 口真 弓 氏 、大 山 愛 子 氏 の ご発 表 を基 に、 母 子 ケ ア の 質評 価 につ い て、 全 体 的 な討 論 を展 開 で きた ら と考 え て い る 。 即 ち、 母 親 と子 ど も の 生 命 の 安 全 を最 低 基 準 と しな が ら、 そ の 人 々 のQOLを 保 証 す る ケ ア とは どの よ うな も の か 、 ま

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た そ れ は どの よ う に した ら得 られ る の か 、 そ の た め に、 助 産 婦 は何 をす れ ば よい の か 、 等 につ い て の 意見 交換 を期 待 してい る。

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ワ ー ク シ ョ ッ プ4:母 子 ケ ア の 質 の 評 価

母 親 の 気 持 ち を ほ ぐす 」 母 乳 ケ ア

長野県看護大学 野 口 眞 弓 母乳 ケ ア に は、 援 助 の種 類 か らみ る と乳 汁 分 泌 を促 す 援 助 や乳 頭 トラ ブ ル を予 防 あ る い は 解 消 す る援 助 な どが あ り、 ケ ア提 供 方 法 か らみ る と母 子 同 室 制 と母 子 異 室 制 に分 け られ る。 ま た 、 ケ ア を 評価 す る視 点 に は、 ケ ア提 供 者 の技 術 の程 度 、 ケ アの 受 け手 へ の教 育 方 法 、 ケ ア 提 供 方 法 あ る い は ケ アの 受 け手 の 気 持 ちへ の配 慮 な どが あ り、 これ らの そ れ ぞ れ に つ い て も、 ま た す べ て を 同 時 に も 評 価 す る こ とが で き る。 母 乳 ケ ア につ い て の研 究 は 、 乳 房 の状 態 を改 善 す る た め の技 術 や ケ ア提 供 方 法 に関 して これ まで 数 多 く行 わ れ て お り、 また 実 践 の 場 で も積 極 的 に取 り組 ま れ て い る の で 、 こ れ らの 側 面 につ い て はあ る程 度 以 上 の水 準 は保 た れ て い る と推 測 で きる 。 しか し、心 理 的 な側 面 の ケ ア につ い て も、 そ の 水 準 は保 た れ て い る の だ ろ うか 。 授 乳 をす る母 親 は 疲 労 して お り、 こ の よ う な 状 況 下 で 母 親 役 割 の獲 得 も期 待 さ れ 、母 親 の 身体 的 ・心 理 的 ス トレス程 度 はか な り と高 い と予 測 で き る。 特 に心 理 的 ス トレス は 、 オ キ シ トシ ンの分 泌 を低 下 させ る こ と もあ り、 多 くの研 究 結 果 は 心 理 的 ス トレス 軽 減 の必 要 性 を示 して は い るが 、 そ の 具 体 的 な 方 法 を明 らか に は して い な い 。 そ こ で 、 母 乳 ケ ア を 「母 親 の 気 持 ち を ほ ぐす 」 とい う側 面 か ら検 討 す る必 要 が あ る と考 え る 。 1.助 産婦 か らみ た 母 乳 ケ ア まず 、 助 産 婦 が 提 供 す る母 乳 ケ ア の 内容 を 明 らか に す る た め に、 病 院 と助 産所 で 助 産 婦26名 が ケ アの 受 け 手41名 に提 供 した母 乳 ケ ア を参 加 観 察 して得 られ た デ ー タ につ い て 、助 産 婦 の視 点 で 内 容 分析 を行 った 。 観 察 され た226場 面 につ い て の記 録 を その テ ー マ に よ り540個 の デ ー タ に 区分 して 分 類 した結 果 、 母 乳 ケ ア は 「母 親 へ の 接 近 」(107;19.8%)、 「母 親 の 気 持 ちへ の か か わ り」(181; 33.5%)、 「母親 へ の技 術 提 供 」(252;46.7%)と い う3つ の カ テ ゴ リー か ら構 成 され 、 さ らに そ れ らの カ テ ゴ リー は そ れ ぞ れ9個 、15個 、12個 の サ ブ カ テ ゴ リー か ら)構成 され る こ とが 明 ら か に な っ た 。 これ らの カ テ ゴ リー に含 まれ る不 適 切 な ケ ア は 、 そ れ ぞ れ3.7%(4/107)、35.9%(65/181)、 7.5%(19/252)で あ り、母 親 の気 持 ち の ケ ア に つ い て は 不 適 切 な ケ アが 多 い こ とが 明 らか に な っ た。 2.ケ ア の受 け手 か らみ た母 乳 ケ ア ケ ア の受 け手 か らみ た 母乳 ケ アの 内 容 を明 らか にす る た め に 、 前 述 の カ テ ゴ リー お よ び サ ブ カテ ゴ リー に も とづ き、 出 産 後1週 間 に提 供 され る ケ ア に 関 す る 質 問 を42項 目作 成 し、 病 院 と助 産 所 で ケ ア を受 け た418名 に この 質 問 紙 を使 用 した。因子 分 析(因 子 負 荷 量 が0.4未 満 あ る い は 共 通 性 が0.2 未 満 の 項 目を削 除 し、バ リマ ック ス 法 を適用)を 行 った 結 果 、35項 目につ い て の3因 子 が 抽 出 され 、 第1因 子 は 「気 楽 に して優 し く後押 し」、 第2因 子 は 「細 や か な心 配 り」、 第3因 子 は 「手 を添 えた 直接 援 助 」 で あ っ た。 こ の よ う に、 ケ ア の受 け 手 か らみ た母 乳 ケ ア は 、 「母 親 の 気 持 ち を ほ ぐす 」 こ と に重 点 が あ る こ とが 示 され た 。 3.「 母 親 の気 持 ち をほ ぐす 」 母 乳 ケ ア ・モ デ ル この 「母 親 の 気 持 ち を ほ ぐす」 母 乳 ケ アは 、 どの よ うな ケ ア 効 果 を もた らす の だ ろ うか 。 母 乳 ケ ア に 関 す る先 行 要 因 、 ケ ア過 程 お よ び ケ ア結 果 の 関 連 を記 述 す る た め に、 母 乳 ケ ア終 了 直 後 の418 名 を対 象 に先 行 要 因 、ケ ア過 程 、ケ ア結 果 、そ れ ぞ れ に つ い て 測 定 を行 っ た(表1)。 先 行 要 因 で は、

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出 産体 験 、 一 般 性 セ ル フ ・エ フ ィカ シー 、授 乳 体験 を測 定 した。 ケ ア過 程 で は 、 ケ アの 受 け手 か ら み た母 乳 ケ ア評 価 、 ま た ケ ア結 果 で は 、 出 産後1週 間 お よ び1か 月 に お け る助 産婦 に対 す る信 頼 の 増 加 、 同 じ期 間 にお け るの 授 乳 の セ ル フ ・エ フ ィ カ シー の 増 加 、 出産1週 間後 お よび1か 月 後 の母 乳 率 と授 乳状 態 に対 す る満 足 を測 定 した。 表1使 用 した 測 定 用 具 の 一 覧 3.母 乳 ケ アの 先 行 要 因 の影 響 母 乳 ケ アの 先 行 要 因が ケ ア過 程 お よ び ケ ア結 果 に与 え る影 響 の 有無 を明 らか にす る ため に、 そ れ ぞ れ 相 関 係 数 を求 め た。 まず 、 三 つ の 先 行 要 因(出 産体 験 、 一般 性 セ ル フ ・エ フ ィ カ シー 、 直 近 の授 乳 体 験)と 母 乳 ケ ア 評 価 との 関 連 につ い て は 、す べ て有 意 な相 関 を示 し、先 行 要 因 が ケ ア 過程 の 測 定 値 に影 響 をお よ ぼ す こ とが 明 らか に な っ た。 次 に、 先 行 要 因 と ケ ア結 果(信 頼 の増 加 、授 乳 の セ ル フ ・エ フ ィカ シ ー の増 加 、 母 乳 率 お よ び授 乳 満 足 度)と の 関 連 につ い て は、 す べ て の先 行 要 因 は いず れ か の ケ ア結 果 との 間 に有 意 な相 関 を示 し、 母 乳 ケ ア先 行 要 因が ケ ア結 果 に影 響 を及 ぼす こ と も明 らか に な っ た。 この よ う に、 ケ ア過 程 、 ケ ア結 果 と もに 出産 体 験 、一 般 性 セ ル フ ・エ フ ィカ シ ー 、 直 近 の授 乳 体 験 な どの 先 行 要 因 の 影 響 を う け る こ とが 明 らか とな っ た。 4.母 乳 ケ アの 効 果 前 述 の結 果 か ら、 ケ ア結 果 にお け る ケ ア過 程 の効 果 を正 確 に判 定 す る た め に は 、 そ れ らの 先 行 要 因 の 影 響 を制 御 す る必 要 が あ る こ とが 明 ら か とな っ た の で 、先 行 要 因 を制 御 変 数 と して ケ ア過 程 と ケ ア結 果 の偏 相 関 を求 め た。 母 乳 ケ ア はす べ て の ケ ア結 果(信 頼 の増 加 、 授 乳 の セ ル フ ・エ フ ィ カ シー の増 加 、 母 乳 率 お よ び授 乳 満 足 度)と の 間 に有 意 な相 関 を示 し、 そ の効 果 の存 在 は初 産婦 よ り 経 産婦 で よ り明 瞭 で あ っ た。 こ の結 果 は 、 「母 親 の 気 持 ち を ほ ぐす 」 母 乳 ケ ア は、 助 産 婦 に対 す る 信 頼 お よび授 乳 の セ ル フ ・エ フ ィ カ シー を増 加 させ 、 さ ら に母 乳 率 を高 め 、 授 乳 状 態 に対 す る満足 を導 くこ とを示 して い る 。 5。 ま とめ 以 上 の 結 果 か ら、a)気 楽 に して優 し く後押 し、b)細 や か な心 配 り、c)手 を添 え た 直 接 援助 な ど の 「母 親 の気 持 ち をほ ぐす 」母 乳 ケ ア を行 うこ とで、ケ ア の効 果 が 向 上 す る こ とが 示 さ れ た。 また 、 この こ と は、 母 乳 ケ ア の質 を 向上 させ る た め には 、 ケ ア提 供 者 の 視 点 だ けで は な く、 ケ ア の 受 け 手 に よ る評 価 を取 り入 れ る こ とに よっ て ケ ア 内容 を検 討 す る こ とが 重 要 で あ り、 そ の結 果 に も とづ い て提 供 者 の ケ ア に対 す る姿 勢 を わず か に変 化 させ る こ とで 大 き なケ ア効 果 が 得 られ る可 能性 も示 し て い る 。

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ワ ー ク シ ョ ッ プ4:母 子 ケ ア の 質 の 評 価

母 子 ケ アの 質 の評価

虎の門病院 大 山 愛 子 Iは じめ に 当 院 で は、 不 妊 治 療 、 出生 前 診 断 な どが 多 く行 われ て お り、 高 齢 妊 婦 、不 妊 症 治 療 後 妊 婦 、 出 生 前 診 断 を受 け る妊 婦 な ど と関 わ る機 会 が 多 い 。 中 で も、 羊 水 穿 刺 につ い て は、 年 間 約500例 行 っ て お り、 他 施 設 か ら羊 水 穿 刺 を受 け る た め に 来 院 す る妊 婦 も多 くい る 。 自然 の 営 み で あ っ た妊 娠 ・出産 が 、今 日の科 学 ・医 療 の 進 歩 に よ り、 コ ン トロ ー ル 可 能 な こ と と な って きた 。 そ の 中心 に置 か れ る女 性 が 、母 性 を育 み 、 母 親 とな っ て い く過 程 で 、妊 娠 ・出 産 に纏 わ る様 々 な選 択 を求 め られ て い る。 そ の よ うな 女性 に対 し、 心 理 的 ・社 会 的 な影 響 を深 く考 慮 し、 ケ ア を行 っ てい くこ とが 重 要 で あ る。 一 人 の 女性 が 、 そ の 人 ら し く、母 性 を育 み 、母 性 を発 揮 して い け る よ う、 一 人 一 人 に合 わせ た ケ ア を行 っ て い く。 そ の 中 で ケ ア の 質 が 問 わ れ て い くの で は な い で は ない か 。 これ まで私 た ちは 、 当 院 にお い て羊 水 穿 刺 に 関 わ る妊 婦 と接 し、 質 的 研 究 を進 め て きた 。 そ の 中 で学 び得 た こ と を中 心 に、 母 子 ケ アの 質 に つ い て考 え て み た い 。 II当 院 の 背景 羊 水 穿 刺 を受 け る妊 婦 との 関 わ り III研 究 を通 して の妊 婦 との 関 わ り 羊 水 穿 刺 を受 け 、結 果 が正 常 とわ か り妊 娠 を継 続 した妊 婦 と、 羊 水 穿 刺 を受 け る こ とを希 望 し、 遺伝 外 来 を受 診 した が 、 そ の後 羊 水 穿 刺 を受 けず に妊 娠 を継 続 す る こ と を希 望 した 妊 婦 に対 し、羊 水 穿 刺 を受 け よ う と思 っ た動 機 、 羊水 穿刺 を受 け よ う と選 択 した 理 由 、 羊 水 穿 刺 を受 けず に妊 娠 を 継 続 す る こ と を選 択 した理 由 、妊 娠 中 お よび 分 娩 後 の母 親 に な る気 持 ち な どにつ い て 、一 人 一 人 時 間 を と り面接 を行 っ た。 1)羊 水 穿 刺 を受 け、 結 果 が 正 常 とわ か り妊 娠 を継 続 した 妊婦 の 母 親 に な る気 持 ち不 安 を解 消 す る為 に羊 水 穿 刺 を希 望 し、 結 果 が悪 け れ ば妊 娠 は継 続 で きな い 、 妊 娠 を中 断 しよ う と考 え て い た。 そ の気 持 ち は妊 婦 だ け で な く、 夫 や 実 母 も同様 で あ っ た。 しか し、正常 とい う結 果 を 得 、 妊 娠 継 続 を選 択 で き て も、 全 て の 妊 婦 が 必 ず し も母 親 に な る こ とに積 極 的 に は な れず 、 自信 を持 て な い 妊婦 もい た。 2)羊 水 穿 刺 を受 け る こ と を希 望 し、遺 伝 外 来 を受 診 した が 、 そ の 後 、 羊 水 穿 刺 を受 け な い こ と を選 択 し、 妊 娠 を継 続 した 妊 婦 の母 親 に な る気 持 ち。 や は り不 安 を取 り除 くた め に羊 水 穿 刺 を受 け る こ とを希 望 した 。 しか し、 遺 伝 外 来 を受 診 し

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た こ とで 、 「羊水 穿 刺 に よ っ て妊 娠 が 継 続 しな い か も しれ ない 」、 「羊 水 穿 刺 は胎 児 に危 険 」、 「羊 水 穿 刺 を受 け て異 常 の 全 て は 判 らな い 」 と、 羊 水 穿 刺 に対 す る認 識 を変 え、 妊 婦 は 「産 み た い」 「堕 ろ し た くな い」 とい う気 持 ち と な り、羊 水 穿 刺 を受 けず に妊 娠 を継 続 す る こ と を決 定 してい た。 ま た 、夫 の羊 水 穿 刺 に対 す る認 識 の変 化 も同様 で あ っ た 。選 択 後 、 母 親 に な る こ とに積 極 的 な気 持 ち とな れ た 妊婦 の 他 、 選 択 は した が 強 い 不 安 や葛 藤 を残 す 妊婦 もい た。 3)羊 水 穿 刺 を受 け る こ と を選 択 した妊 婦 、受 け な い こ と を選 択 した 妊 婦 は、 共 に妊 娠 と判 っ た 時 点 で は 妊娠 を受 け 入 れ 喜 ん だが 、 妊 娠 を継 続 して い く こ と、 親 にな る こ と に不 安 を抱 き、 自信 が もて ず 悩 んで い た。 そ して 、母 親 に な る気 持 ち は 、 特 に夫 や 家 族 の 気 持 ち に大 き く影 響 を受 け て い た 。 それ が 遺 伝 外 来 で の情 報 提 供 が 、妊 婦 だ け で な く、 夫 や 家 族 の 認 識 に変 化 を与 え、 「妊 娠 を継 続 させ た い」 とい う母 親 に な る気 持 ち を支 え て い た 。 ま た 、情 報 提 供 の 場 は、 妊 婦 や 家 族 が 自分 た ち の妊 娠 ・出 産 に つ い て 考 え る 機会 と もな って い る。 しか し、選 択 が 出 来 たか ら とい っ て不 安 の全 て が解 消 す る わ け で は な い 。 IV今 後 に向 け て 助 産 婦 とし て、 一 入 の女 性 が母 親 に な る こ と を支 え て い くた め の ケ ア を行 って い くにあ た り、羊 水 穿 刺 をめ ぐ り、 妊 婦 が とて も重 い選 択 を して い る こ と を、研 究 を通 し実 感 した 。 これ は羊 水 穿 刺 に 限 る こ とで は ない 。 そ の こ とを 助 産婦 は十 分 に認 識 して お か な け れ ば な らな い 。 ま た、 妊 婦 及 び そ の周 囲 に対 す る情 報 提 供 の あ り方 を考 え 、妊婦 の 意 思 決 定 に、専 門 職 と して どの よ う に 関 わ る か 、 心 の ケ ア を 中心 と して継 続 的 な 関 わ りを具 体 的 に どの よ うに して い った ら よい か 考 え てい る。 今 回、 羊 水 穿 刺 に 関 わ る妊 婦 と接 し、 面接 の 機 会 に 「自分 の 不 安 を聞 い て くれ る人 が 周 りに い な か っ た」 「話 し を聞 い て も ら え るだ けで も気 分 的 に随 分 違 う」 「遺伝 外 来 を受 診 したあ と検 査 を受 け る か受 け な い か を選 択 す る まで の期 間 、 相 談 で き る場 が 欲 しか った 」 と話 す 妊 婦 が 多 くあ っ た 。 ま た、 羊 水 穿 刺 を受 け に くる妊 婦 に対 し、 どん な に か 心 配 な 思 い を抱 い て こ こ に来 たの だ ろ う と思 い なが ら接 し、 言 葉 を か け る こ とに よっ て 、 そ れ まで 堅 く緊 張 した 妊婦 の 表 情 が 、 和 ら ぐこ と も実 感 した。 専 門 職 と して、 助 産 婦 が 行 う ケ ア は 、妊 婦 の全 体 像 を と らえ 、 実 際 の 妊 婦 に助 産 婦 が 近 づ き、展 開 して いか な くて は な らな い 。 また 、行 った ケ ア につ い て は、 妊 婦 と助 産 婦 自 ら の関 わ りの 中 で 振 り返 り、 妊 婦 の お か れ て い る状 況 を正 し く認 識 し、 ケ アの 評 価 、 展 開 を行 っ てい くこ とが 必 要 で あ る。 ま た、 助 産 婦 は 、一 人 の 人 間 と して 一 人 一 人 の 女 性 に関 わ っ てい くこ とを忘 れ て は な らな い 。 そ の た め に は、 母 子 を ケ アす る専 門職 と して の 責任 と 自覚 と、 人 間 と しての 自己 の成 長 を常 に行 っ て い くこ とが 必 要 で あ る。 変 わ りゆ く社 会 状 況 に お か れ る母 子 の ケ ア を会場 の 方 々 と考 え てい きた い。

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ワ ー ク シ ョ ッ プ5:助 産 婦 の 技 と伝 承

助 産 婦 の 技 と伝 承 」

コーデ ィネ ー ター:宮 崎 県立看 護 大学 菅 沼 ひ ろ 子 この ワ ー ク シ ョ ップ を担 当 す る にあ た っ て あ らた め て 「助 産 婦 の技 っ て何?」 とい う問 い を 自分 に も、 周 りの人 々 に も して み た 。 あ る女 性 は 「お らが村 の 産 婆 さん み た い な存 在 で 、 人 が 集 まる 引 力 を もつ こ と」 「こた つ の よ うな ぬ く も り と暖 か さ を備 え て い る 事 」 を助 産 婦 に 求 め る の だ と答 え て くれ た。 具 体 的 な技 に は 「外 回 転術 、 会 陰 切 開 を しな い 会 陰 の保 護 術 、 お っ ぱ い の マ ッサ ー ジ 、 特 に カ チ カ チ に な っ た状 態 か ら救 って くれ た技 」 等 、実 際 に体 験 した助 産婦 に よ る技 を列 挙 して く れ た。 魔 法 の よ うな手 技 の す ば ら し さ に驚 き、 同時 に感 謝 して い る の だ そ うた 。 と もあ れ 、今 、 そ して こ れ か らの女 性 に とっ て 必 要 な助 産 婦 の 技 を考 え て み た い 。 ま た、 未 来 へ の 助 産 婦 の技 の 伝 承 に は、 い っ た い ど う した ら よい の か も考 え な くて は な らな い 。 伝 統 的 に助 産 婦 は 多 くの女 性 の お 産 を支 え て き た。す な わ ち そ れ は、生 活 を支 え る事 で あ った し、 子 を成 せ る(無 事 に 産 まれ る)た め の 女 性 や 家 族 を支 え る事 で あ っ た。 しか も妊 娠 期 間 か ら関 わ る 事 で 、 分 娩 を よ り正 常 に す る た め の 工 夫 や 努 力 が な され て きた の で あ る。 そ の一 つ が 外 回転 術 で あ っ た と思 わ れ る。 我 が 国 で は職 業 産婆 の 出 現 に よ っ て分 娩 体 位 こ そ 変 わ っ たが 、 妊 産 褥 期 の専 門 的 な ケ アや 、 妊 婦 検 診 、産 後 訪 問 な どに よ って 多 くの 女 性 た ち が救 わ れ て き た こ とは事 実 で あ る 。 都 会 化 、 核 家 族 化 され た現 代 は 、伝 統 的 な 地 域社 会 の もっ て い た住 民 同 士 の連 帯 意 識 や 助 け合 い な どが 希 薄 化 して し まっ て そ の機 能 も失 わ れ て き た。 そ の機 能 に は 子 産 み 子 育 て に 関 す る知 恵 も含 ま れ て い た の で あ る。 今 「もっ と 自然 に、 人 間 的 な温 も りを求 め て 、 自分 の 力 を信 じて 主 体 的 に 、 家 族 と共 に… 」とい っ た考 え の女 性 達 に よ って 助 産 院 や 自宅 分 娩 が 改 め て 支 持 さ れ始 め た 。そ れ は 、 病 院 で つ らい お 産 を体 験 し、 自 らの女 性 本 来 の 身 体 へ の 気 づ き を取 り戻 した 女 性 達 で もあ っ た。 厚 生 省 人 口動 態 統 計 に よ れ ば、 平 成6年 以 後 徐 々 に 自宅 分 娩 が 増 え て きて い る。 自分 の お 産 に こ だ わ り、 主 張 で き る女 性 が 増 え て きた と も言 え る 。 この よ う な時 代 だ か ら こそ 、 助 産 婦 に 求 め ら れ る も の が あ るハ ズ で あ る。 そ れが ひ ょっ と して 、先 の 「お らが 村 の産 婆 さん み た い な存 在 で 、 人 が 集 ま る 引力 を もつ こ と」 「こた つ の よ う なぬ くも り と暖 か さを備 え て い る事 」 か も しれ な い。 WHOの59力 条 お 産 の ケ ア 実 践 ガ イ ド(1996)の 中 で 「安 全 で 適 度 な ケ アが 受 け ら れ て も 出産 が で き、しか も女性 が 安 心 して 自身 が もて る場 で あ れ ば 、最 も末 端 に位 置 す る 場 で 出 産 すべ きで あ る」 と して い る こ とか ら も、 助 産 婦 の もつ 機 能 に期 待 す る事 が 伺 え る。 こ うい う時 代 に こそ 、本来 の助 産 婦 の技 が 求 め られ て い る と考 え る。 そ の要 望 に答 える 専 門 職 た る助 産 婦 の 技 は 、証 拠 に基 づ く実 践 で な くて は な らな い 。 今 時 代 は助 産 婦 を求 め て い る。 そ の 助 産 婦 とは 、 女 性 や 家 族 の ニ ーズ を汲 み 取 り、 そ れ を支 え る力 を備 え た者 で な くて は な ら ない 。 今 回 の演 者 の 一 人 、 瀧沢 和 子 さ ん は長 い 養 護 教 諭 の 体 験 後 、 母 親 の 始 め た 開業 を引 き継 ぎ約20年

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を経 た 。会 うだ け で 癒 され るそ ん な人 物 で あ る。輝 い て仕 事 を して い る。そ して も う一 人 の演 者 は 、 開 業 して 間 も ない 庄 曜 子 さ ん で あ る 。現 代 的 な 感性 を も っ た人 物 で あ る。 母 親 に な る女 性 との コ ミ ュニ ケ ー シ ョン をベ ース に信 頼 関係 をつ くる事 を大 切 に してお られ る。 この お二 人 か ら話 題 提 供 を 願 い 、 参 加 者 の皆 様 と一 緒 に、 今 求 め ら れ る 助 産 婦 の技 とは 何 か?さ ら に こ れ か らの 助 産 婦 の 技

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