業務ビルCO2削減推進
のポイントと対策事例
アイ・ビー・テクノス株式会社
環境ソリューション企画室 河野 進
Ⅰ.CO2削減ポテンシャル診断の流れ
Ⅱ.ビルのCO2削減活動推進
に向けてのポイント
Ⅲ. 事業所への診断報告事例
事例1:室内環境データ(CO2濃度)を活用した診断事例
事例2:電力計測(ポンプ電力)データを活用した診断事例
事例3:電力量計測データ活用のフォローアップ診断事例
あらすじ
Ⅰ.CO2削減ポテンシャル
Ⅰ. CO2削減ポテンシャル診断の流れ
CO2削減ポテンシャル診断は、診断機関が事業所現地に訪問し、収集・ヒアリングした
データからCO2削減のポテンシャルを報告書にまとめる活動で、各設備のエネルギー使
用量、使用時間の詳細なデータ収集がポイントとなる。(実測データの収集・分析もあり)
CO2排出量(t-CO
2)=
エネルギー使用量
(単位は千kWh,千Nm
3,t,kL,GJ)
×CO2排出係数(t-CO
2/使用量単位)
エネルギー使用量=エネルギー容量(kW, Nm
3/h,t/h,kL/h,GJ/h)×使用時間(h)
電力量グラフ 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 1:00 3:00 5:00 7:00 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 23:00 時間 k W h 使用時間(幅)h 電 力 ( 高 さ ) エネルギー消費(面積)kWh kWCO2削減診断は、事業所の所有データに実測等を交え、
『エネルギー使用量=
電力kW×
時間hの削減余地』
を診断
*電気の場合事業所
Ⅰ. CO2削減ポテンシャル診断の流れ
第1フェーズ事業所訪問
事業者ニーズ、CO2
削減ポテンシャル推定
、診断スケジュール・
方針策定
第2フェーズ事業所訪問
詳細設備資料入手、使
用時間ヒアリング、現
地目視確認・写真撮影
第3フェーズ事業所訪問
現地設備のエネルギー
、計測データ収集
(計測器設置、1~2週
間計測、撤去)
CO2削減ポテンシャル診断報告書作成
現地説明会実施、診断報告書提出
対策名 対策概要 導 入 で き る 箇 所 ・ 設 備 に は 全 て 実 施 ・ 導 入 し て い る 部 分 的 に は 実 施 ・ 導 入 し て い る 実 施 ・ 導 入 し て い な い 当 該 事 業 所 で は そ も そ も そ の よ う な 対 策 は 実 施 ・ 導 入 で き な い 1 ボイラの燃料空気比改善 燃焼用空気の過剰送風による燃焼温度や燃焼効率の低下を防ぐため、熱源負荷 の状況に応じて空気比を調整する(低く抑える)。 2 蒸気ボイラの運転圧力の調整 蒸気ボイラの過剰圧力による過剰な燃焼を防ぐため、運転圧力を調整する。 3 ボイラ等の停止時間の電源遮断 燃焼制御装置の待機電力を削減するため、ボイラ等の停止時間、電源遮断する。 4 冷温水出口温度の調整 冷温水発生機などの冷温水出口温度を年中一定のままにせず、冷暖房軽負荷時 など、こまめに調整し、熱源機器の運転効率を高める。 5 冷却水設定温度の調整 冷却水設定温度を、冷房負荷ピーク時と軽負荷時期できめ細かく調整し、冷凍機熱 源設備の機器効率を向上させる。 6 熱源台数制御装置の運転発停順位の調整 気象条件や時間帯による冷暖房負荷に応じて熱源の最適な運転台数になるように 運転発停順位を調整し、熱源機器の運転効率を高める。 7 冷温水ポンプの冷温水流量の調整 冷温水ポンプの冷温水の過剰流量(ポンプ動力の過剰運転)を防ぐため、冷暖房負 荷に応じて冷温水流量を調整する。 熱源・ 搬送 運用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 対策区分 対 策 番 号 実施・導入状況 ○ CO2削減対策状況ヒアリング(第1~2フェーズ) 入手必要な事業所資料・データの例 *電気の場合の単位⇒ 容 量 時 間 使 用 量 kW h kWh 直近1年間の月別エネルギー使用量(電 気、ガス、油等の購買伝票データ) ○ 空調、電気、衛生設備竣工図 ○ 主なエネルギー機器の仕様書 ○ 年間業務日数、業務時間帯、シーズン運 用(冷暖房・中間期) ○ 中央監視装置等のエネルギー計測記録 ○ 敷地平面図、レイアウト、延床面積等 入手データ・資料(第2フェーズ) メール等を活用し て実施の場合あり デジタルカメラを 有効活用 最大電力、夜間待機電力の測定も省エネ分析に効果大
冬期等の空調起動時の大電流の影響は?
各系統の動力、電灯負荷の把握・分析も省エネポイント
省エネ対象機器はどれだけ電力を使っているか?
クランプセンサが用いられ、RSTのうちの2つの相のケーブルに流れる電 流をクランプセンサで電圧に変換して変換器に入力 電圧は、ブレーカーの2次側端子等のRST相にわにぐちクリップで挟んで 測定 これらの電力計測作業は、活線作業 となる場合が多々あり、電気工事士等 の資格を持ったメンバーを作業に当た らせる等の安全面の配慮が必要Ⅰ. CO2削減ポテンシャル診断の流れ(電力計測)
Ⅱ.ビルのCO2削減活動
ありがちな現状
CO2削減診断は出来たが、実施に移せない又は、一部実施で刹那的?
見える化はしたが、その後、継続的な省エネ活動につながらない?
Ⅱ.ビルのCO2削減活動推進に向けてのポイント
PDCA活動の継続的な
推進でCO2削減
Plan
(計画)
事業所の現状ポジショニング
【類似ビルとの消費原単位比較等】 エネルギー負荷配分比率の把握
【ターゲット絞込みと類似ビルとの比較】 取り組みの優先順位を決定
【効果大、費用小から実施等】 目標、取組計画の立案
【前年度末迄に経営計画と整合・設定】Act
(改善)
Check
(点検)
Do
(実行)
数値データで
パフォーマンス
管理及び、啓蒙
Planの実行
設定した目標数値達成に向けて
の改善工事、運用管理の徹底等
監視・測定、PlanとDoを比較・分析
【IoT“モノのインターネット”の活用】
新たな発見!工夫!
継続的改善への処置
改善策をPlanに
フィードバック
オフィスビルのエネルギー消費構造 (財)省エネルギーセンター「オフィスビルの省エネルギー」より
各系統のエネルギー配分比率の分析・把握で、CO2削減が最も有効な系統に活動のター
ゲットを絞り込むことができる。
当ビル全体の76%を占める熱源機器、照明、コンセントのエネルギー削減が効果的
類似ビルとのエネルギー配分の比較により、当ビルの削減余地を確認
Ⅱ.ビルのCO2削減活動推進に向けてのポイント
類似ビルとの負荷配分比較
削減ターゲット
絞込み
毎月の電力購買データの年間グラフ化によるエネルギー使用状況の分析(左図)
①夏の最大電力をデマンド制御で低下させた場合の効果
②購入電力の折れ線と赤線で囲まれた上部部分の面積が年間空調負荷
③赤線から下のベース部分の面積が照明・コンセント、常時運転動力等の年間負荷
【空調負荷と照明・コンセント等負荷の配分比率が判明】
1日24時間の電力データをグラフ化で下記のような分析が可能(右図)
①22時~翌8時迄の電力は待機電力なので削減できないか⇒24時間消費で削減効果大
②1日の電力ピーク(13~15時)は抑制できないか、昼休みに消灯しているか
③冬期等で朝の空調機器の起動が重なり、デマンドピークになるケースがないか等
朝にピーク電力Ⅱ.ビルのCO2削減活動推進に向けてのポイント
事業所における毎月の電力購買データや24時間の使用量をグラフ化するだけでも、下記
のような様々な分析が可能となる。
Ⅱ.ビルのCO2削減活動推進に向けてのポイント
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 操作 設定温度 操作 運転時間 設定温度 操作 運転時間 設定温度 推奨設定温度22℃ 停止 12月 手動ON(暖房) 推奨設定温度22℃ 自動ON(暖房) 5:00(平日6:00)-18:00 手動ON(冷房) 10:00-15:00 推奨設定温度22℃ 間欠運転モード - (外気で冷房) 極力OFF 室内 エアコン 事務室系 外調機 ロビー系 外調機 間欠運転モード - (外気温で冷房) 推奨設定温度27℃ 手動ON(暖房) 推奨設定温度22℃ 極力OFF - (外気温で冷房) 自動ON(暖房) 5:00(平日6:00)-18:00 停止 自動ON(送風) 自動ON(送風) 10:00-15:00 - (外気で冷房) 10:00-15:00 自動ON(送風) 10:00-15:00 自動ON(送風) トイレ等 排気ファン 常時運転 空調機年間スケジュール ◇外調機エアコン (外気を冷やす) 夏は外気が35℃くらいになるので外調機 エアコンを運転するとエネルギーの無駄 になります。 ⇒間欠運転 ◇室内エアコン (室内空気を冷やす) 室内エアコンは27℃近辺の室内空気を循 環して冷やすだけなので、冷房の効きが 良くエネルギーの無駄がありません。 6~9月 は間欠運 転モードと して下さい 6~9月 は冷房 運転 室内空気循環で省エネ 27℃設定で一度冷えた空気を取り 込み再度冷やして吹き出す 室内エアコン 外調機 エアコン F 夏の外気(35℃) 外調機は間欠運転 F エアコン、外調機 取扱説明書( 夏期 ) 極小換気している ☆ 4・5月、10・11月の中間期に冷暖房をする場合は、夏期と同様の効果を得るため外調機を間欠運転モードにしてから運転してください。 夏 期 カーエアコンを外気導入 で冷房するイメージ カーエアコンを内気循環 で冷房するイメージ 外気(熱)を取込み冷房CO2削減活動徹底には、解り易い運用基準をスイッチ付近に貼出す等の施策も重要
電力 冷却塔 動力変圧器 No.1 動力変圧器 No.2 単相変圧器 冷却水ポンプ ターボ冷凍機 冷水、温水一次ポンプ 冷水、温水二次ポンプ 温水ボイラ 3~4階空調機 送風機、ブロア、給排水ポンプ等 昇降機 B1~2F照明コンセント 3~4F照明コンセント 電気温水器 単相ファン、その他 業務プロセス専用コンセント ガス 冷温水発生器 温水ボイラ 蒸気発生器 厨房 計測点 業務プロセスA B1~2階空調機 業務プロセスB
負荷系統を把握し、『計測系統図』で整理しておくと、更にブレークダウンしたエネル
ギー消費分析が可能となる。
月単位よりも細かい期間の分析を連続的に行うためには、計測装置
●
の設置が有効
単純に機器のon/off責任者を決めるだけで、大幅な待機電力削減に繋がることも
多少なりとも電力計が備わって いれば系統別の分析が可能 系統エネルギー消費 の詳細分析が可能Ⅱ.ビルのCO2削減活動推進に向けてのポイント
計測系統図の作成例
年間消費 エネルギー量 [千kWh]
熱源
2,000
67%
300
*
10%
400
*
13%
300
*
10%
3,000
39%
水搬送
555
62%
345
38%
900
12%
2,000
*
54%
1,700
*
46%
3,700
49%
区分
機器
推計
区分内割合[%]
全体割合
[%]
ターボ冷凍機
小計
照明
ファンコイル
温水二次ポンプ
小計
照明・コンセ
ント
冷水一次ポンプ
冷却水ポンプ
冷却塔
小計
冷水二次ポンプ
事業所内設備エネルギーをリスト化した『エネルギー分析表』も有効で、エネルギー計測装置が未設 置の場合は、推計把握して補完するのも有効。(年間データのみでなく、シーズンや、月単位、各シー ズン中の代表的な日単位の分析も有効)電力量推計(KWh)=(機器設計スペックkW)×(負荷率)
×(運転スケジュール=運転時間)
エネルギー分析表の作成例
Ⅱ.ビルのCO2削減活動推進に向けてのポイント
<参考> ISO14001:2015年版のスキームとCO2削減
環境方針
環 境 側 面 の 特 定 ( 通 常 、 非 通 常 、 緊 急 事 態) 過 去 の 事 故 、 緊 急 事 態 の 評 価 環 境 マ ネ ジ メ ン ト 慣 行 、 手 順環
境
影
響
評
価
著
し
い
環
境
側
面
◎
取
組
み
の
計
画
策
定
運用管理、監視・測 定、順守評価 等 (日常維持管理活動)環
境
目
標
環 境 目 標 を 達 成 す る た め の 取 組 み の 計 画 策 定 整合していること 技 術上 の選択 肢 、 並 びに 財務上 、 運 用 上及 び事業 上の 要求事項を考慮 イニシャルレビュー 最新化レビュー 評価基準による インパクト評価 緊急事態への準備及 び対応 順 守 義 務 / で 特 定 し た( 組 織) リ ス ク 及 び 機 会 6.1.3 6.1.1 6.1.2 6.1.4 6.2.1 6.2.2 8.2 8.1、9.1 等 5.2 2015年末発行の ISO14001:2015(最新版)では戦略的環境経営の一環としての環境マネジメントシ ステム推進と環境パフォーマンスの継続的改善が重要。CO2削減を環境目標とする活動が有効。CO2排出量の継続的削減も
戦略的CSR活動
施設運用原価低減等多々
経営計画との整合
グラフィック画面 アナンシェータ画面 スケジュールカレンダ 小型Web端末画面 省エネガイダンス エネルギー管理グラフ/表 改正省エネ法対応報告・管理ツール q 本社,全支社の使用エネルギー集計 q 企業全体の中長期計画作成 q 企業全体の定期報告作成 q 各拠点で活用できる管理標準作成等 省エネ情報提供コンテンツ q 省エネニュース q 環境・省エネ関連サイトへのリンク q 省エネ情報交換SNS その他 機能仕様 1.ビル監視・制御 ①グラフィック、アナンシェータ画面表示・操作 ②スケジュール制御、省エネ制御 ③警報メール機能等 2.エネルギーデータ監視・分析 3.省エネ情報提供・ガイダンス 4.改正省エネ法対応報告・管理ツール 組織 省エネドキュメント・報告書作成 デー タの 見え る化 PDCA活動 アドバイザ 管理者
<参考>IoTの活用例“ビル群統合エネルギー管理”
各ビルのエネルギー消費状況などを素早く検知・分析し、企業の施設全体を効率運用。例えば、各ビル 消費原単位や負荷配分比率の把握、CO2削減ターゲット絞込み、環境活動への社員啓蒙につなげる。Ⅲ.事業所への
対策名 改修内容の 詳細 改修後エネ ルギーの消 費量 燃料等 都市ガス削減 30.5 千Nm3/年 68 t-CO2/年 投資回収年 0年 *運用対策(投資なし)
外気取入れ量の縮小
CO2削減効 果 夏(7~9月)、冬期(12月~2月)には外気と室内にエンタルピー差があるため、外気を導入することで空調負荷が 増大する。 また、実測した空調時間帯の1階受付近傍、4階廊下のCO2濃度平均で約500ppmと、かなり低い状況なので、 外気空調負荷の大きい夏冬に限り、中央監視スケジュール機能等を用い、外調機12台及び連動する局所排気 ファンを間欠運転することで、都市ガス消費量の削減が図れる。 換気を削減可能な割合を換気量削率α は、外気CO2濃度が400ppm、院内の2つの計測場所のCO2濃度を平均 すると、(526+468)÷2=497≒500ppmであり、換気量削減後の平均室内CO2濃度をビル管法上限の1000ppm より200ppm低い800ppmまで許容するとすると次のように計算できる。 *空調時間帯の換気量削減率α =1-{(500-400)÷(800-400)}=0.75=75% 本提案では、換気のばらつきを考慮し、全空調時間帯の50%を外調機及び系統で連動する局所排気ファンを間 欠運転等で停止するときに削減できる都市ガス量を推定計算する。 <計算方法>*計算詳細は、別紙の補足情報4を参照 改善後、年間の7~9月、12月~2月全空調時間帯の50%、外調機及び系統で連動する局所排気ファンを停止 すると、その年間空用負荷Wgnは、Wgn=Wgy×0.5=61.0×0.5=30.5千Nm3 となる。 エネルギー消費量 CO2排出量事例1:室内環境データ(CO2濃度)を活用した診断事例
投資ゼロ!
CO2削減効果大!
更に、ファン動力
削減効果も大きい!
事例1:室内環境データ(CO2濃度)を活用した診断事例
建物入口付近 外気CO2濃度396ppm
CO2・温湿度 連続測定センサー
ビル管法での義務として1回/2ヶ月測定
◇測定項目と基準値◇
項目 基準値
(1)浮遊粉じん 0.15mg/m3以下
(2)一酸化炭素 10ppm以下
(3)二酸化炭素 1000ppm以下
(4)温度 17℃以上28℃以下
(5)相対湿度 40%以上70%以下
(6)気流 0.5m/s以下
義務対象となるのは、延床3000㎡以上
の事務所、店舗(テナント)、遊技場、美
術館、博物館、図書館、集会場、百貨
店(デパート)、興行場、旅館、ホテル、
学校(学校は、延床8000m
2以上)等
工場、自然科学系の研究所、病院等の
特殊環境にあるものは対象外
省エネ分析の際、室内測定で
得られた二酸化炭素、温湿度
のデータは非常に有効
換気用排熱 電力・都市ガス等 購入エネルギー 換気用外気 熱源排熱 【エネルギー消費先】 ①外気負荷(換気は空調負荷の 約30%)、日射負荷 ②熱源装置・変圧器等のエネル ギー変換損失 ③ポンプ・空調機の搬送動力 ④ビル内熱負荷(居住者、IT、業 務機器等発熱) ⑤ビル内の電力負荷(照明、コ ンセント等) 日射・外気負荷 ビルの省エネ管理 =Σ{(個々のエネルギー消費量×使用時間)の最小化}事例1:室内環境データ(CO2濃度)を活用した診断事例
対象室のCO2濃度が、基準値の1000ppmに対し、
300ppmの余裕があり外気量を半減可能
対象室の温湿度はエンタルピー計算に使用
(外気については気象庁データを活用等)
各要素の基準値
<参考>診断先事業所資料の活用例(室内環境測定記録)
実際の在室人員
数が判る
対策名 改修内容の 詳細 燃料等 電力 130.2 千Wh/年 63 t-CO2/年 投資回収年 2.1年 CO2削減効 果 CO2排出量 インバータ導入によるポンプの消費電力削減 冷温水発生機4台の各冷温水ポンプ、冷却水ポンプは定格11kWと消費電力が大き い。また、動力盤面の電流計で定格電流40Aになるように、吐出弁を絞込んで調整さ れている。そこで、各ポンプにインバータを取り付け、手動弁を全開とすると同時に、 冷温水発生機の最低流量になるまでインバータで回転数を下げると、回転数低減比 の3乗に比例して消費電力削減となる。 エネルギー消費量
事例2:電力計測(ポンプ電力)データを活用した診断事例
冷温水発生機
冷温水ポンプ
冷却塔
冷却水ポンプ
①ポンプ吐出弁を全開にする ②現状流量Q1から、全開流 量Q’に増大する ③Q’から目的のQ2になるよう にポンプのインバータ回転数 を絞り、流量調整する投資回収年が短い!
CO2削減効果大!
インバータ導入後の調整手順
吐出弁
吐出弁
3.各ポンプにインバータを導入した前後の消費電力量比較(1年分に推計拡大) 3346 冷房運転時間(h)、下段は差引時間 暖房運転時間(h) 、下段は差引時間 AR-4 11626 10345 31610 28353 2014年6月10日 2013年6月9日 27679 0 0 表-1 冷温水発生機の点検記録データのまとめ AR-2 32995 30136 0 0 112 2860 0 116 冷温水発生機名 2382 0 AR-1 30061 105 116 上記は、夏期1年分の冷温水、冷却 水ポンプの運転時間に相当 上記は、冬期1年分の冷温水ポンプ の運転時間に相当 上記は、冷温水、冷却水ポン プ流量に相当 冷温水定格流 量比(%) 冷却水定格 流量比(%) 2014年6月10日 2013年6月9日 AR-3 11126 9655 30435 27089 105 116 100 116 1281 3258 1471 注1)上表で「現状のポンプ消費電力」は、補足情報1の実測電力データP1、P2から引用した。 2)「冷温水発生機定格流量比」、「年間の冷房運転時間」、「年間の冷房運転時間」は、補足情報2の表-1から引用した。 合計 1281 0 1471 0 2860 0 表-2 年間の冷 房運転時 間(h) 年間の暖 房運転時 間(h) ポンプ名称 (冷温水ポンプ はP-1~4、冷 却水ポンプは PW-1~4) PW-1 PW-2 PW-3 PW-4 現状のポ ンプ消費 電力(kW) P (P1、P2) 12.95 12.95 12.95 12.95 11.65 11.65 11.65 11.65 P-1 P-2 P-3 P-4 116 冷温水発 生機必要 流量の定 格比(%) F2 80.0 80.0 80.0 80.0 100.0 100.0 100.0 100.0 冷温水発 生機定格 流量比(%) F1 105 112 105 100 116 116 116 86.2 インバータ 効率 α 0.95 0.95 0.95 0.95 0.95 0.95 0.95 0.95 インバータ での回転 数低下比 (%) N=F2/F1 76.2 71.4 76.3 79.8 86.2 86.2 86.2 2382 0 インバータ導入 後の年間電力 量(千kWh) Wn=(P×N3× (t1+t2))/α 14.36 14.17 29.21 31.39 18.72 t1 t2 2860 0 1281 3258 1471 3346 2382 0 282.15 151.93 22.47 11.56 10.06 現状の年間電 力量(千kWh) Wy= P×(t1+t2) 30.85 37.03 62.37 58.77 27.75 33.31 17.14 14.92 冷温水ポンプP-3実測電力P1=12.95kW 動力盤内に電流クランプ、電圧 クリップ装着し、電力計測してい る状況
事例2:電力計測(ポンプ電力)データを活用した診断事例
電力実測値より、冷温水、冷却水ポンプ(定格容量11kW)が、定格電流40Aに吐出弁等で流量調整され、電力実測により各々、1 時間当りの電力消費量P1=12.95kWh(冷温水ポンプP-1~4)、P2=11.65kWh(冷却水ポンプPW-1~4)で運転している。 そこで、各ポンプにインバータを取り付け、吐出バルブ等を全開とし、冷温水発生機の必要最低流量になるように回転数を下げ て調整すると、各ポンプは、インバータで水量を絞った(回転数を下げた)割合の3乗に比例して消費電力量削減となる。表-2に 、冷温、冷却水ポンプにインバータを導入した際の計算結果を示す。負荷ぴったりの製品
は存在しない!
設備導入後、数年経過し、実際の稼働時の必要容量が現仕様以下のもので問題
ないと判断できる場合、下記の方法で省エネが可能。
[現状モータ容量2.2kW → 必要容量(=理論容量)1.3kWの場合]
①モータを2.2kWから1.5kWに交換する
②インバータを導入し、1.3kWに相当する回転数まで絞った運転とする
0.4 kW 0.75 kW 1.5 kW 2.2 kW 3.7 kW 設備設計 理論容量 S (例 1.3kW) 設備設計 実容量 S×1.2 (例 1.56kW) 選定モータ容量 (例 2.2 kW) モータサイズダウン による省エネ効果 - 0.7 kW インバータによ る省エネ効果 - 0.9 kW+α
<参考>定速ポンプ、ファン等へのインバータ導入効果
事例3:電力量計測データ活用のフォローアップ診断事例
ヒートポンプ
パッケージ
室外機置場
電力計測装置の設置状況
対策名 改修内容の 詳細 【フォーロー アップ診断】 エネルギー消 費量の計測・ 把握方法 1階屋外に設置されている電気ヒートポンプパッケージ(EHP)室外機について電力量を測 定する。その中で、営業時間帯7:00~24:00の合計電力量を抽出して、月全体の日数に拡 大推計して各EHPの「8月の稼働推定電力量」とし、その合計を8月の全体EHP電力量とす る。また、更新前後の毎月購買伝票から算出したEHP電力量との整合を確認し、更なる 拡大推計の必要性を判断する。高効率マルチエアコンの導入
電気ヒートポンプパッケージ(EHP)は、2000年12月竣工から約14年経過し、法定耐用年数 も15年に近く、経年劣化が懸念されたので更新したが、その際、最新で高効率タイプの EHPを採用し、消費電力の削減を図った。(2015年2月に実施)23,527 9,375 ←前診断時実測値から算出した 22,980 8,828 推計空調電力量 18,550 4,398 15,331 1,179 14,401 249 16,179 2,027 15,087 935 13,488 0 ←推定空調電力量が負値のため 14,296 144 ゼロとした 15,668 1,516 18,163 4,011 21,251 7,099 208,921 39,763 ←前診断時実測値から推計した年間空調電力量 12,771 0.321 ←年間割合は32.1%と算出 図-1 表-1 年月 電力使用量(kWh) 推定空調電力量(kWh) 2013年7月 2013年8月 2013年9月 2013年10月 2013年11月 2013年12月 2014年1月 2014年2月 2014年3月 2014年4月 2014年5月 2014年6月 合計(昨年) 3~6月(更新前)の合計 3~6月(更新前)推定空調電力量の年間割合 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 2013 年 7 月 2013 年 8 月 2013 年 9 月 2013 年 10 月 2013 年 11 月 2013 年 12 月 2014 年 1 月 2014 年 2 月 2014 年 3 月 2014 年 4 月 2014 年 5 月 2014 年 6 月 昨年における毎月の電力使用量(kWh) 3~6月の推定空調電力量 2013年7月~2014年6月の更新前における推定空調電力量(赤ラインより上の赤グラフのみ) 2013年7月~2014年6月の電力使用量(青+赤グラフ) 2014年3~6月の更新前推定空調電力量(赤枠内) 23,844 - 20,968 - 17,327 - 15,308 - 13,212 - 14,373 - 2月に空調機更新工事実施の為、 1,873 - ←休業し、月間使用量が極端に少ない。 11,104 0 ←昨年の傾向から2015年3月を基準月として、 12,883 1,779 更新後の空調使用量と想定。 13,843 2,739 (左グラフ内、赤ラインより上の使用量) 14,975 3,871 16,102 4,998 175,812 - 8,389 図-2 表-2 年月 電力使用量 (kWh) 推定空調電 力量(kWh) 2014年8月 2014年9月 2015年7月 合計(今年) 3~6月(更新後)の合計 2014年10月 2014年11月 2014年12月 2015年1月 2015年2月 2015年3月 2015年4月 2015年5月 2015年6月 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 2014 年 8 月 2014 年 9 月 2014 年 10 月 2014 年 11 月 2014 年 12 月 2015 年 1 月 2015 年 2 月 2015 年 3 月 2015 年 4 月 2015 年 5 月 2015 年 6 月 2015 年 7 月 今年における毎月の電力使用量(kWh) 3~6月の推定空調電力量 2015年3月~2015年7月の更新後における推定空調電力量(赤ラインより上の赤グラフのみ) 2014年8月~2015年7月の電力使用量(青+赤グラフ) 2015年3~6月の更新後推定空調電力量(赤枠