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Academic year: 2021

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(1)

Too Many Ideas,

Too Little Time

?

(2)

アジェンダ

はじめに

RAM Writeと適合バイパスについて

EHOOKSについて

お客様の声

具体例

まとめ

作業の流れ

補足

(3)

1.はじめに

自動車は、鉄道や航空機、船舶と比べてもその使用環境は多岐にわたり、また大多数の操縦者(ユーザー)は他の交通

機関に比べてそれほど特殊な訓練を受けていないとも言えます。これは言い換えると、自動車のシステム側に耐環境信

頼性や、強力な自己診断機能の実現が期待されているとも言えます。

元は排ガス規制の一環として1980年代に始まった車載式故障診断装置の搭載は、その後搭載が義務化され(OBD規

制)、さらにコネクタやプロトコルの統一(OBDII規制)といった段階を踏み、現行の新型車には必ず同一規格の診断機能

が組み込まれるようになりました。また、OBDII規制では義務付けられた診断項目のほかに、TPMS(タイヤ空気圧監視シ

ステム)など追加の診断項目を国や地域ごと、又は各車輌メーカーごとに独自に組み込むことができるようになっており、

これにより車輌の細かい挙動を監視し、異常発生時には操縦者へそれを示すという手段が確立されつつあります。

こういった車輌の挙動監視や診断機能自体を評価・検証するには、従来はセンサやアクチュエータ自体を取り外してみ

たり、あるいは別の物理的な刺激を与えたりといった作業を行っていました。しかし、車輌の制御が複雑になるにつれて搭

載されるセンサやアクチュエータの種類や数も増え、さらにこれらが容易に作業できない箇所に搭載されてくると、診断機

能自体の評価や、ある特定の条件下でのみ起動される特殊な制御プログラムの動作検証などのシステムテストは徐々に

困難になってきました。

近年、従来行っていたような物理的な加工を行う手法の代替として、ECU(電子制御ユニット)に特定の条件を仮想的に

認識させてシステムテストを実施するという手法が出てきました。この手法を支援する強力なツールが、バイパスフック配

置ツール「EHOOKS」です。

「EHOOKS」を使用することで、ECUソフトウェアによるRAM値の更新

(書き込み)を高度に制御することができます。従来、RAM値の更新に

手を加える場合には、ECUサプライヤによるECUソフトウェア変更作業

が必要でしたが、EHOOKSを利用することでECUサプライヤとOEM間

に発生する変更依頼-確認-設計-実装-単体テスト-結合テスト

等の作業を圧縮でき、開発作業の効率化が図れます。

本資料ではEHOOKSを使用した適合バイパスを、前述のようなシス

テムテストに活用する手法につきまして御紹介致します。

(※EHOOKSを使用する場合、お使いのECUがEHOOKSに対応して

している必要がございます。)

(4)

2.

RAM Writeと適合バイパスについて

− RAM Writeとは?

ECUプログラムが内部で使用している任意のRAM値(演算値)を、計測適合ツール側から違う値に

書き換えることをRAM Writeといいます。RAM値は具体的には、以下のようなエンジン回転数の値や、

水温、点火時期などのことを指します。

− 適合(Calibration)とRAM Writeの違い

適合(

Calibration)

とは、ある特定のしきい値やマップ情報など、ECUプログラムが内部で保持

しているパラメータ自体を調整し、エンジンや

ECUの性能そのものを変更することを指します

RAM Write

は、

ECUプログラムが実行/演算する上で、一時的に使用している値を変更し、

現在の挙動を仮想的に変更することを指します

センサ

ECUプログラム

比較 しきい値 =10[V] しきい値よりセンサ入力値が高ければ センサが故障 したと判定する x[V]

これを書き換えること(=エンジンやECUの現在の挙動の変更)がRAM Write

これを書き換えること(=エンジンやECUの性能そのものの変更)がCalibration

ECUプログラム (点火制御)

カム角センサ クランク角センサ エアフローメータ 水温センサ 電池電圧 気筒判別 エンジン回転数演算 エンジン負荷演算 水温補正 電圧補正 点火時期 演算 通電時間 演算 点火信号 点火装置

RAM値

ECUに仮想的な状況を与えるには、ECU内部のパラメータを外部から変更させる必要があります。内部パラメータの変更には

「RAM Write」と「適合」が存在しますが、両者は異なります。システムテストのために現在挙動を変更するには「RAM Write」を行います。

(5)

2.

RAM Writeと適合バイパスについて

− 適合バイパスとは?

 通常、INCAなどの適合ツールからRAM Writeを行うと、上書きした値はその瞬間にのみ反映され、

次にECUプログラム側から別の演算値が上書きされると、そちらが有効となります。

 適合バイパスは、ECUソフトウェア開発で利用されるバイパス手法を用いて、ECUの制御ロジック

自体を変更して、特定の値を常に保持させる手法です。

エンジン回転数

時間→

1000を書き込み 1010を書き込み

NE=1000 NE=0 NE=1010

RAM Writeで 0を書き込み RAM Writeした値が、次にECUプログラム が値を更新するまでの間だけ有効となる

エンジン回転数

時間→

1000を書き込み →反映せず 1010を書き込み→反映せず

NE=(初期値) NE=0 NE=0

適合バイパスで 0を書き込み

void Constant Bypass Func_NE( void ) { if(NE.enabler == true) { NE = Calibrated_NE; } else { NE = Sensor_NE; } プログラムイメージ

センサ

センサ

ECUソフトウェア側に加工を行っていない場合、「RAM Write」は一時的にしか反映できません。「適合バイパス」を利用することで、

仮想的な状況を継続的に与える事ができるため、少ない事前準備でより複雑なテストを行うことができるようになります。

(6)

3.

EHOOKSについて

− EHOOKS

EHOOKSはECUのバイパス設定を半自動的に行うためのツールです。

EHOOKSを利用することで、複雑なECUプログラムのバイパス実装処理を知らなくても、

OEM様側で容易にバイパスの設定、変更を行うことができます。

− EHOOKSのツールチェーン

EHOOKSは以下の3つのツールによって構成されます。

1. EHOOKS-PREP

ECUにEHOOKS対応を行うための、ECUサプライヤ様で使用するツールです

2. EHOOKS-DEV

EHOOKSに対応したECUに対して、OEM様内でバイパスを設定するためのツールです

3. EHOOKS-Unlocker (EHOOKS-CAL)

EHOOKS設定を行ったECUに対して、実験実行時にロックを解除して、バイパスを

有効化させるためのツールです

【ECUサプライヤ】

【OEM】

実験作業

ECU EHOOKS-PREP 納入

バイパス対象変数(フックポイント)設定

ECUフック設定の暗号化

Original A2L ProF Config Original HEX Prepared A2L Hooked A2L Hooked HEX EHOOKS-DEV ECUへ書き込み 実験設定 実験実施 フックポイント 設定済みA2L/HEX EHOOKS 対応A2L 配布 EHOOKS-Unlocker INCA

「適合バイパス」を行うために、ECUソフトウェア側にバイパス設定を行うツールが「EHOOKS」です。

(※EHOOKSをご利用いただくためには、お使いのECUがEHOOKSに対応している必要がございます。)

(7)

3.

EHOOKSについて

− EHOOKSが対応する「RAM値の更新(書き込み)」のコントロール

EHOOKSは、INCA上で目的のRAM値を適合ラベルとして値を指定する「適合バイパス」のほかに、

事前に指定した定数にRAM値を固定させる「定数バイパス」、値は指定せずにECUソフトウェア側に

よる値の更新のみを止めてしまう「

NOPバイパス」、そして外部プログラムが演算した結果をRAM値

の更新値と置き換える「外部/内部バイパスフック」など様々なバイパスタイプに対応します。

 これらのRAM値更新

コントロールのOn/Off

タイミングを外部プログ

ラムの判断によって切り

替えることもできます

(デフォルトでは手動

切り替え)。

 さらにINCAが持つ様々

な外部連携機能(

ASAP3

通信、INCA-MIP、INCA-FLOW、COM通信など)

によって、自動化を図る

こともできます。

 ご利用いただくバイパス

のタイプによって、

EHOOKS-Unlocker

のライセンスを選択

いただけます(BYP

又は

CAL)。

EHOOKSを使用することで、ECUソフトウェアによるRAM値の更新(書き込み)を高度にコントロールすることができます。

ECU内で 演算された値 Enabler ETAS HW Output 外部バイパスフック:External Bypass 作成したモデルをETAS HW上で実行。その結果をECUへ書き込む ECUで使用されているラベルをモデルへの入力値として使用することも可能 ECU内で 演算された値 Enabler Output 内部バイパスフック:Internal(On-Target) Bypass 作成したモデルをECU内部の空き領域で実行。その結果をECUへ書き込む ECUで使用されているラベルをモデルへの入力値として使用することも可能 EHOOKS-BYP EHOOKS-BYP 定数バイパス:Constant Bypass EHOOKS-DEVで設定した値で出力値を 固定 EHOOKS-CAL EHOOKS-BYP ECU内で 演算された値 Enabler 適合ラベル INCA Output 適合バイパス:Calibration Bypass 適合ラベルを追加し、指定した計測ラベル に対してINCAからの書き換えを可能 EHOOKS-CAL EHOOKS-BYP 固定値 (EHOOKS-DEVで設定) ECU内で 演算された値 Enabler Output EHOOKS-CAL EHOOKS-BYP NOPバイパス:No-Operation Bypass フック付き変数へ書き込もうとするECU ソフトウェア命令をNOPに切り替え ECU内で 演算された値 Enabler Output (書き込みなし)

(8)

4.お客様の声

OBDの故障判定時の車輌・ECU挙動テスト

について、適合バイパス手法を用いること

で、試験のセットアップに掛かる時間が、

従来の方法に比べておよそ1/3程度まで

削減することができた。

複雑な条件設定の下ではじめて判定

される診断機能のテストにおいて、

特に効果が大きい。

今後、新しいECUメーカーのECUをテストす

る場合、制御が一部ブラックボックス化さ

れていることがあり試験時の工数削減

効果はより大きくなるだろう。

OEMメーカー テストエンジニア様より

(9)

5.具体例①:

FI-AT協調における性能試験

− シフト固定

トランスミッションのシフトを適合バイパスによって意図的に固定した状態で、エンジンへの要求トルク

を変更し、出力トルクやエミッション等の各種性能の測定を行います。

− トルク固定状態でのシフト変更

エンジンへの要求トルクを固定した状態で、トランスミッションのシフトを変更し、ギアとエンジン回転数

の変化に伴う官能評価(音、振動、応答性、なめらかさ等)を行います。

【具体例について】 予めテスト実行用の機能がECUソフトウェア側に実装されているなど、ECU個別の事情によって、以降の具体例が実際には適さない(又は適用できない)ケースもございます。 ECU

トランスミッション

エンジン

トランスミッション エンジン 要求トルク変更 ECU

トランスミッション

エンジン

トランスミッション エンジン

以降では、適合バイパス手法を用いたテストの具体的な例を御紹介します。

具体例①は「FI-AT協調制御における性能試験」です。

(10)

5.具体例②:アクチュエータ性能試験

− ラジエータ性能試験

エンジン回転数、出力トルクを固定した状態で、ラジエータファンの回転数を変更することで、ラジエータ

の効果の測定を行います。

また、ASAP3クライアントなどのオートメーションツールと組み合わせることで、ファン回転数を段階的に

変化させていきながら、その効果を測定することができます。

− サーモスタット開放下の低温始動

上記の例と同様に、電子制御サーモスタットがある場合にはこの制御を行えます。

例えば、サーモスタット・バルブを適合バイパスにより全開とした状態で、エンジンの低温始動時の影響を

試験する場合などです。

サーモスタット ファン エンジン ECU クーラント 段階的な 変更指示

オートメーションツール

(ASAP3クライアントなど) ラジエータ

具体例②は、電子制御されている、システム内に組み付けられた様々なアクチュエータに対する性能試験です。

(11)

5.具体例③:故障注入試験

− EGRバルブ故障 注入

特定の運転条件下で、

ECUの判断とは異なるEGRバルブ制御を行います。例えばEGRバルブが故障により

閉じた状態、又は開いたままの状態などを再現させ、その場合のトルクやエミッションの変化、ECUの故障

検知をテストすることができます。

− 故障検知フラグのみの強制立ち上げ

O

2

センサの故障フラグを強制的に立ち上げておき、センサフィードバック制御が無い状況におけるエンジン

出力やエミッションのテストを行います。

同様に、車速センサの故障フラグを立ち上げておき、車速推定値の確からしさの試験を行います。

− フェイル回避処置

逆に、常に故障検知フラグを立たせないことで、検知閾値ぎりぎりの条件下でのテストが行えます。

吸気

排気

EGRバルブ

EGRクーラー

エンジン ECU エンジン

排気

ECU O 2センサ フィードバックなし

具体例③は、アクチュエータの固着やセンサ故障などをECUプログラム上で再現する故障注入試験です。

逆に、故障判断を意図的に回避するような試験にも有用です。

(12)

5.具体例④:疑似信号の入力

− ワインディング走行時に発生した問題の再現

ワインディング走行で確認された振動・異音等の問題について、

HiLsでの再現が難しく台上で再現試験する

場合に、実センサの入力値が問題発生時と異なる場合には、これを模擬信号として入力することができます。

また、外部のオートメーションツールと合わせることで時系列を持ったデータを入力として使用することもできます。

(※より厳密、高速な模擬信号入力を要する場合には、適合バイパスではなく内部バイパスやINCA-MCEを用いた高速適合手法、Function-in-the-loop(FiLs) との連携など、別の手法が必要となる場合もあります。上記例における時系列データの更新周期は100msec程度になる場合があります。)

− センサドリフトの抑制

テスト完成車の組み付け上の問題等により、センサ出力のドリフトが強い場合には、同様の手法により、

疑似信号に代替させ挙動を安定化させることができます。

時系列データ の入力

オートメーションツール

(ASAP3クライアントなど) 大気圧センサ ステアリング信号 車体姿勢情報

具体例④は、テストにおける擬似的な時系列データの入力を行う試験です。

INCAの持つ外部連携機能を併用し、外部から時系列を持ったデータを入力し、ECUの状態遷移を擬似的に発生させます。

(13)

5.具体例⑤:故障検知カウンタの任意制御

− 失火カウンタの任意値入力

エンジンの失火カウンタに任意値を入力することで、

OBD IIの機能試験を行ったり、またラフアイドル状態を

仮想的にECUへ与えてラフアイドル解消制御等の機能試験を行います。

− 故障検知情報のリセット

暖機サイクル40回(~n回)で特定の故障検知情報が消去されるような場合、現在の暖機サイクル数を直接指定

することで、故障検知情報のリセットに至るまでの行程をスキップしたり、また、この故障検知情報の消去自体を

確認することができます。

暖機サイ

クル

(1)

暖機

サイク

(2)

暖機サイ

クル

(40)

暖機サイ

クル

(3)

ここからテスト開始

・・・

DT

C

消去

ECU

トランスミッション

エンジン

エンジン 適合バイパスにより 失火カウンタの任意値を入力

最後の具体例は故障検知カウンタの任意制御です。「複数回同じ現象が確認されたら、初めて動作させる制御」をテストする場合に、

実際に何度も同じ現象を発生させるのではなく、意図的にカウンタを変化させて、制御試験をスムーズに行います。

(14)

6.まとめ

① 近年、車輌挙動制御や診断機能の複雑化、センサ・アクチュエータの数や種類の増加に伴い、

システムテストの困難さは増大しています

② 従来の物理的な加工によるテストではなく、

より少ない準備工数で複雑なテストを実現する

手法として

、ECUに仮想的な状況を継続的に認識させる

「適合バイパス」

が有効です

EHOOKSを使用すると、ECUサプライヤ-OEM間における

変更依頼や実装/テスト等の工数

を圧縮して

、OEM側で適合バイパスの設定をECUソフトウェアへ埋め込むことができます

EHOOKSのバイパス制御機能や、INCAの外部連携機能等と組み合わせることで、

テストの自動化などの応用的なテストプロシージャの構築も可能

です

(15)

− 準備物

EHOOKSに対応したECU、A2L、HEX、ProF

EHOOKS-DEV(設定ツール)

INCA

ECUとの通信機器(ES592等)

EHOOKS-Unlocker (バイパスロックを解除する

ための

INCA用アドオンツール)

(必要に応じて)オートメーションツール

− 作業の流れ

1.

EHOOKS-DEVにA2LとHEXを読み込ませます

2.

変更したい

RAM値(バイパス変数)を選択し、この変

数を「Calibration Bypass」に設定します

3.

EHOOKS-DEV上でビルドして、新しいHEXとA2Lを

生成します

【補足】作業の流れ

ツール詳細(価格等)、作業手順の詳細に関しましてはお問い合わせくださいませ。

4.

INCAを起動して新しいA2L、HEXを読み込ませます

5.

ProFコンフィグレーションを使用して新しいHEXをECU

に書き込みます

6.

実験画面を開き、変数選択画面から適合バイパスの

イネーブラ変数と、

2.で設定したRAM値を選択します

7.

INCA実験画面上で、選択したRAM値を指定したい値

に変えます(選択したRAM値はINCA上で適合変数と

同じように扱われます)

8.

イネーブラのスイッチをTrueに変更するとINCA上で

指定した値にRAM値が固定されます

9.

測定開始を行います

10.

EHOOKS-Unlockerを起動してECUバイパスのロック

解除を行います

RAM値の選択 適合バイパス (Calibration Bypass)を指定

以下の通り、特殊な治具、機材の準備やハードウェア加工などの複雑な準備は不要です。

適合バイパスの イネーブラ変数 上書きする値

(16)

お問い合わせ先

製品に関するご質問や技術サポート等は、各地域のETAS 支社までお問い合わせください。

日本支社

製品に関するご質問

Phone: (045) 222-0900

E-mail:

[email protected]

技術サポート

Phone: (045) 222-0951

E-mail:

[email protected]

その他支社

各国支社につきましては、

ETAS ホームページをご覧ください。

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各国支社製品お問い合わせ

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