Harmonize 吐く息、吸う息 Application 株式会社 札幌ドーム 神鋼神戸発電株式会社 Savemation Spirit 水質環境汚染で 問題の越流対策にも活躍 環境コラム・やさしい眼・やさしい手 間欠運転とデマンド制御で 電力省エネルギーを革新 Technical Break News&Topics 博物を楽しむ 札幌市 下水道科学館 November.2002
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山武グループ PR 誌セーブメーション2.November.2002 Savemation 民共和国成立後、体育活動奨励策の 一環として伝統的な太極Sを整理して 「制定太極S」を編集し、簡化24式太 極拳などとして一般に普及させたこと が、医療体育や健身術と認識される 大きな理由のひとつとなっている。柔 軟・連続・統一・円運動を基礎としたそ の動きは優美ともいえるものであり、老 若男女を問わない取り組みやすさもま た人気の理由となっている。 その太極Sにおいて、呼吸は吸う息 よりも吐く息が大事だとされる。これは 太極Sに限らず、さまざまなスポーツで もいわれることだ。例えば水泳におい ては、水中でしっかり息を吐き出すこと によって、はじめて息継ぎの際に自然な 吸気が行えるとされる。事実、クロール で泳ぐ際、意識的にしっかり水中で息 を吐けば、首をわずかにひねって口を 空気中に開くだけで十分な吸気が行え る。クロールは息継ぎが難しいといわ れるが、難しさの理由は、顔を上げて 意識的に息を吸おうとする結果、頭が 上がり足が水中に下がるため、クロー ルのバランスが崩れて泳げなくなるか らだ。呼吸の仕方がクロールという泳 ぎのバランスの基本を作り出している。 スポーツにおいて呼吸が重要な意 味をもつことは水泳に限らない。水泳 のような持久力型のスポーツ以上に呼 吸が重要な位置をしめているのが、瞬 発力型スポーツだ。たとえば重量挙げ などはその典型だろう。瞬発力型スポ ーツでは、パワーを一気に作り出すた めに吸い込んだ息を、吐き出しかける Savemation2002.November.3
呼吸の生理と健身術に見られる「吐く息」の重要さとは何か
ヒトが息をするということの不思議と謎を追いかける
HARMONIZE
欠伸は顔面のストレッチ?!
一般に欠伸 あ く び は、酸素不足になった 身体に酸素を補給するための深呼吸 だとされ、周囲の環境が酸素不足にな るから起こるものだと考えられている。 ところがこれは必ずしも正しくはないよ うである。欠伸の原因をよく考えてみ ると、むしろ眠気であったり緊張感の 欠如であったりすることの方が多い。 例えば寝起きは酸素不足でもないのに 欠伸が起きやすい。また自分の欠伸を 観察してみると、大きな口は開くものの、 それほど深く息を吸っているようにも思 えない。では欠伸とは何なのか。 欠伸のメカニズムを見てみよう。大き く口を開けるときに最も使われるのが 咬筋 こ う き ん と呼ばれる咀嚼筋 そ し ゃ く き ん の一種である。 この筋肉の動きに伴って口が大きく開 かれたとき表情筋の一種である笑筋 が強く引き伸ばされる。その結果、靨 とも関連しているこの笑筋に連動して 顔にある筋肉の 20 種以上が連動して 動かされることになる。さすがに表情 筋。さまざまな筋肉とよく密接に結び合 っているものだ。こうした筋肉の動きは 一種の伸展運動であるといえよう。そ してこれらの運動によって強く引っ張ら れた筋肉の活性情報は強いインパル スとなって脳に伝えられ、神経細胞を 刺激して意識レベルの活発化に結び ついていく。つまり欠伸とは、酸素を補 う深呼吸という側面より、むしろ顔面筋 肉のストレッチによって脳の覚醒を促 す働きの方が強いとされるのだ。この ことを考えると、欠伸同様に笑筋を強 く引き伸ばす動作は意識覚醒に役立 つことになる。例えば大きく口を開けて 声を出す行為がそれだ。会議中に欠 伸はできないが、大きく口を開いて発 言をすれば眠気予防には大いに役立 つはずである。会議で眠くなったらぜ ひお試しいただきたい。 無駄口はさておき、先に欠伸が酸素 吸入のための深呼吸と考えられている 旨を記したが、実は、別の意味でもこ れは少し違う。というのは酸素を十分 に身体へ吸入するためには、必ずしも 深く息を吸うことではなく、むしろ息を 吐くことの方が重要なのである。その 理由は後に述べるが、欠伸の動きに、 まず息をしっかり吐き出そうとする動作 はない。その意味で欠伸は、酸素不 足を補うための呼吸法としても、かなら ずしも正しいものではないということに なる。では、なぜ吐く息が大事である のかを見てみることにしよう。スポーツにおける
呼吸の重要性?!
中国武術のひとつに太極Sがある。 Sとは武器を使わない格闘技のことだ が、現在の太極Sに対する認識は格 闘技であるというより健身術という側面 が強い。これは太極Sが古典の太極 陰陽学説、東洋医学の経絡 け い ら く 理論、養 生法などを取り入れて成立したことに よるといえよう。ことに1949 年、中華人 ところで瞬間的に止めて強い筋収縮 力を生み出す。本来運動に用いる筋 肉は中枢神経によって支配されている。 つまり意識的に動かせる筋肉を用いて いるのだ。ところが息を止めることによ って筋収縮が自律神経にも支配される 結果を生み出し、筋収縮が意識して 出すことのできる力の限界以上に働く ことになる。この理由を説明するには、 呼吸のために使われる呼吸筋の性質 を説明しなければならないだろう。そ してこの呼吸筋の働き方こそが、太極 Sなどにおいて吐く息が大事であるこ ととも密接に結びついてくる。なんだか 太極Sから話は広がって、やや謎めい てきた。ではその謎を、呼吸筋の不思 議を解くところから始めてみよう。随意筋が無意識の力を生む?!
呼吸に関わる筋肉である呼吸筋は、 不思議な筋肉である。筋肉には中枢 神経に支配されて意識的に動かせる 随意筋と、自律神経の支配下にあって 自分の意思でコントロールすることので きない不随意筋とがある。歩行におけ る足の動きや物をつかんだりする手の 動きは、もちろん随意筋によって行われ ている。一方、内臓などは睡眠中にも 動き続けていなければならないため、 不随意筋によってコンスタントに働いて いる。ところが呼吸筋は、手足と同様 の随意筋である横紋筋でできている。 だから意識的に深呼吸をしたり、ため 息をついたりすることも可能なのだ。 えくぼSavemation2002.November.5 太極Sの型演技を含む取材協力 井上雅之氏(太極S歴20年) 【参考文献】 『呼吸の奥義−なぜ「吐く息」が大切なのか』 永田晟/講談社ブルーバックスB-1313 4.November.2002 Savemation た後の動作の中では思い切り息を吸 うものなのだという。このように見てくる と、瞬発力型のスポーツにおいて、吐 く息がいかに重要な役割を果たして いるかがよくわかる。 吐く息の重要さという点では太極S においても同様であるが、格闘技とい うより健身術としての側面が強い現在 の太極Sでは、呼吸の意味が多少異 なる。格闘技が瞬発的な力を発揮す る間合いにおいて吐く息の重要性を 用いているのに対し、太極Sでは、吐 く息の重要性はむしろリラックスさせる ことに求められるといえばいいだろう か。このことは、同じ東洋の健身術と いえるヨガや気功などにおいても同様 である。ことに気功は、太極S成立に 際して道家 ど う か が気功法を利用してこれを 創生したとする説があることから見て も分かるように、呼吸法とは密接なつ ながりがうかがえる。その呼吸法の基 本は腹式呼吸である。腹式呼吸法と は、横隔膜を十分に押し上げ、臍下丹 せ い か た ん 田 で ん に意識を集中しながら行う呼吸法の ことで、これによって、吐く息と吸う息の リズムを整え、深い呼吸で呼吸数を通 常の3分の1程度にまで減らす呼吸法 が健身術には重要なものだとされてい る。大きな呼吸は酸素摂取量を効率 的に増大させ、より多くの酸素を体内 に取り入れることができる結果となる。 ところで、呼吸は肺の中における酸 素と炭酸ガスの交換はもちろんだが、 一方、身体の末梢部において毛細血 い吸入によってもたらされるものではな い。実はこのリラクゼーションは横隔膜 と脳との密接な関係から生まれてい る。ゆっくりと時間をかけた呼吸運動 によって横隔膜が運動していくと、横隔 膜の筋肉内にある筋紡錘と呼ばれる センサから筋活動の活性化情報が脳 に伝えられる。この情報をインパルスと 呼ぼう。このインパルスが脳幹にある 呼吸中枢を刺激して呼吸が行われる のだが、同時に脳幹はその刺激によ ってインパルスを視床下部に送る。とこ ろでこの視床下部とは、ヒトの自律機能 の調節や統合を行っている自律神経 系の中枢で、血圧や消化活動などの 内臓機能の調節のほかに、物質代謝 の調節や脳下垂体を介して内分泌機 能の調節を行っている脳の部位であ る。また身体の内部環境の調節を統 括しているだけでなく、情動の発現と 深い関連をもつ大脳辺縁系と密接な 関連をもって情動の表出にも重要な役 割を果たしている。こうした視床下部 への刺激は、情動発現とも結びついて リラクゼーション感覚を生み出していく のである。実際に深い呼吸をしている 状態で脳を見てみると、βエンドルフィ ンなどの快感物質を放射しているとい う。しかも、ゆっくりと横隔膜を動かし ているとき、息を吐く際の動作である 横隔膜の弛緩において、より多くのイン パルスが発せられていることが確認さ れており、このあたりに、精神的な安定 を求める東洋的健身術において、吐く だが単なる随意筋として中枢神経の 支配だけを受けていたら、我々は睡眠 中に呼吸することを忘れてしまう。大変 である。そこで呼吸筋は他の横紋筋 と異なり、不随意筋と同様に自律神経 の支配を受けることで睡眠中にもコン スタントな呼吸を行うことができるように なっているのだ。つまり呼吸筋は筋肉 の中でも特異な存在なのである。 先に、息を止めることで筋収縮によ り大きな瞬発力が生まれると記した。 それは以下のような理由による。一般 的に、随意筋には生理的限界と心理 的限界がある。心理的限界とは精一 杯努力して発揮した最大筋力のこと だ。これに対して生理的最大筋力とは、 筋肉本来の弾性限界いっぱいまでの 能力のことである。そしてヒトは通常、 生理的限界のおよそ4分の3程度の心 理的限界しかもてないといわれる。過 大な力が働くことによって筋裂断など が起きることのないようにするための身 体的抑制機能なのだろう。ところが息 を止めることによって、この心理的限界 が破られる。息を止めたときに脳の神 経系が興奮して活発化することで筋肉 は自律神経系の影響を受けるようにな る。自律神経とは本来、意思とは無関 係に生体機能をつかさどる神経であ る。この自律神経に影響を与えるよう な高揚感が働くことで、意思による心 理的限界の最大筋力を超えて、無意 識的な生理的限界に近づくことになる のだ。このことは、いわゆる「火事場の 馬鹿力」を思い起こしてもらうと分かり やすいかもしれない。 呼吸筋の随意的な動きによって息を 止めることにより、意識的に動かす随 意筋のひとつである骨格筋に無意識 的な作用を生じさせる結果をもたらし、 結果、思わぬパワーを筋肉に与えるこ とになる。筋肉の相関から見ていくと、 呼吸とはなんとも不思議な身体の働き であることかと思わされる。
武道と呼吸の関係?!
呼吸という言葉は、タイミングという意 味にも用いられる。相撲の立会いで呼 吸が合わなければ仕切りなおしになる が、これは両者が立つタイミングが合っ ていないからだ。しかしこの場合の呼 吸=タイミングという使い方は、一般に 「呼吸が合わない」などと使われるよう な象徴的意味合いではなく、ほんとう に吐く息と吸う息の呼吸が合っていな い状態をさしている。相撲の立会いで は、息を吐いて次に吸う瞬間が一致し たときが立会いの成立であるといわれ る。この呼吸の変わり目で一瞬息が止 められることもある。その効果は先に 示したとおりだ。息を止めることによっ て立会いの瞬発力を高めようとするの だ。また柔道においても技を仕掛けよ うとする直前は、すべて息を吐く状態 で行われるという。息を吐き出しなが ら、技を掛ける瞬間に息を止めて最大 パワーを引き出す。そして技を仕掛け 管の中でもこの交換が行われる。この とき血液中に酸素や炭酸ガスが溶け 込みまた放出される力は拡散と呼ばれ る。ところが血液中への拡散力におい て炭酸ガスは酸素の 15 倍という強さを もっている。とすれば、息を吐くことに よって、血液中への吸収や放出にすぐ れている炭酸ガスの排出を行うことの 方が呼吸機能を効率的に働かせる結 果をもたらすことになる。このあたりが 吐く息の方が吸う息よりも重要だという ひとつの根拠である。こうした呼吸の 機能をさらに高めるのが健身術の腹 式呼吸であり、この呼吸法からリラク ゼーションが生まれるのだ。吐く息が
リラクゼーションを生む?!
現代の太極Sは気功やヨガなどと 同様の健身術的側面が強い。では健 身術の基本にあるものはなんだろうか。 太極Sにおけるゆっくりした身体の動 きは筋肉に高い負荷を与えるために、 見た目の優雅さよりエネルギー消費が 激しく、これによる身体的運動効果が 認められよう。だが呼吸に関連してい えば、太極Sにおいて深く大きな呼吸 を重要視するのは、実は精神的な効 果としてのリラクゼーションをもたらすか らである。それはどのような仕組みで 引き起こされるのだろうか。 呼吸と結びついたリラクゼーション は、単に、体内に対する酸素の効率よ 息に重要性を求めていくことの生理学 的な根拠があるように思える。欠伸からのさようなら?!
気功における「気」とは、中国思想史 上の重要な概念のひとつで、一種の 生命エネルギーと考えればいいだろう か。この「気」が充満する「元」を「元 気」といい、この「気」を「分け」もつ感 情の変化を「気分」という。息をすると いうことは、「気」を吐く「呼気」と「気」を 吸う「吸気」を合わせた行為であり、こ れらを合わせて「呼吸」と呼ぶ。その 意味からいえば、呼吸とは、生命エネ ルギーを吸い込んだり吐き出したりし て、我が身を活性化させる行為だとい うこともできるだろう。こうした考えに立 つと、太極Sなどにおける、深く大きな 呼吸が生み出すリラクゼーションの意 味もよく分かってくるような気がする。 ここにいうリラクゼーションとは、たん にゆったりするというようなことではなく、 ストレスなどの 桎 梏 し っ こ く から解 放されて 「気」の元である元気を獲得することで あるといえよう。とすれば、欠伸あたり の顔面ストレッチで眠気を飛ばしたり 生気を取り戻そうなどと考えるより、太 極Sなどの指南に基づいた呼吸法を 体得してリラクゼーションによる健身を 図る方が、はるかに健康的であり前向 きであるといえよう。数々の「初めて」をもつ魅力的な空間として 誕生した雪国の巨大ドーム 2001年(平成13年)6月にオープンした札幌ドー ムにはいくつもの「初めて」があります。その最も 代表的なものが、ふたつのアリーナが向かい合 う「デュアルアリーナ」だといえましょう。オープン アリーナ(屋外)にある天然芝のサッカーステー ジが空気圧により浮上して、クローズドアリーナ (屋内)に導き入れられ、人工芝の野球場から天 然芝のサッカーグラウンドとして変貌するスタイル は世界でも初めてのものであり、スポーツイベン ト施設として高い評価を得ています。 まるで宇宙船が地上に降り立ったような不思 議で魅力的な外観から飛び出した、地上 53m※ にある展望台も、国内ドームとしては初めての施 設。ドーム脇に広がる北海道農業試験場の緑 豊かな景観と札幌の街並みを同時に展望する ことができます。この展望台へ向かう館内設備 の「空中エスカレーター」もまた国内ドーム初の ものです。クリスマスにはイルミネーションに美 しく彩られるというその展望台の魅力は、札幌 市民、道民ばかりでなく、全国から訪れる観光 来館者にも大いに喜ばれています。 「北海道の大自然の中に誕生した広大な“スポ ーツの庭”札幌ドームで、冬の長い北海道民の 方々に、サッカーや野球などのスポーツ、音楽等 のイベントがもつ生の魅力と感動を、年間を通し て十二分に味わっていただきたいと思っていま す」(札幌ドーム・谷島主任) 一大エンタティンメント施設であるこの札幌ドー ムは、Jリーグ「コンサドーレ札幌」のホームスタジ アムであり、2004 年(平成 16 年)からはプロ野球 「日本ハムファイターズ」のフランチャイズ球場とも なります。この話題性豊かな施設の快適空間創 造において、その自動制御を担っているのが山 武ビルシステムのネットワークBAシステムsavic-net EV*です。 北国ならではのさらなる省エネルギーを めざすシステムのチューニング 札幌ドームでは、爽やかな外気を最大限に利 用して自然換気を行う外気冷房や、椅子の下か ら吹き出すエアによって観客の周りだけを空調 する局所空調などにより、巨大空間であるにもか かわらず、高い省エネルギー性を発揮する機能 を、その設計段階から実現しています。 「しかし、北の雪国に建設されたドームは、本 州や九州とは気象条件が異なっています。その ため運営管理において、札幌ドーム独自の工夫 を行っていかなければ、来館されるお客さまに、 過ごしやすい環境を提供することができません。 一例をあげれば、ガラス張りの展望台は暖房に よる温度上昇と見学者の増加による湿度増加
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北国の巨大ドームがさらに求める
快適性と省エネルギー
野球場仕様のクローズドアリーナ(左)と天然芝のサッカーステージ(右) *は山武グループの商標です。 ※実際にはアリーナ面より計測した高さです。 ¨札幌ドームSavemation2002.November.7 により、外気温との差が大きくなるため結露を生 じかねません。そこでペリメータゾーンの空調吹 き出しによって、こまめにガラス面温度管理を行 って、全面のガラスが曇らないような、きめ細か な管理を行っています」(札幌ドーム・川嶋主任) ドームでのイベント開催時には、社員が絶えず 会場内に出て行き、来場客と同じ環境の中での 体感による快適性チェックを欠かしません。その 理由は、「電力やガスなどの膨大なエネルギー使 用量を抑えつつ、かつ、快適性を低下させない ぎりぎりのバランスを絶えず検証しながら施設の ランニングコスト低減をいかに実現するかを模索 しているからです」(川嶋主任) 「イベント空間としてお客さまに快適性を提供す ることは当然のことですが、同時に、この環境の 時代にあって、これだけの巨大施設だからこそ 省エネルギーを実現することは社会的使命でも あると考えています。そこで体感によるきめ細か なチェックから得た実績をsavic-net EVに蓄積 して、札幌ドーム独自のチューニングを行い、省 エネルギーと快適性実現の両立を図っていきた いと考えています。savic-net EVのメーカーであ り、計装技術を駆使してきた山武ビルシステムに は今後のさまざまな要望に対するバックアップを 期待しています」(札幌ドーム・高橋部長) 省エネルギーを生み出す最適運営の ジャッジを支える自動制御の技術 ドーム内の環境を卓越した技術によって実質 的に管理しているのは、株式会社 アサヒ ファシ リティズです。その高度な技術は、例えば、天 然芝を屋内で使用する際の難しさに発揮されて います。屋内で天然芝を利用するためには、芝 への結露によるダメージを防ぐための温湿度管 理、さらには結露させないための風送りなど、き 札幌ドーム全景 ¨札幌ドーム 株式会社 札幌ドーム 施設部 部長 高橋 活二氏 中央監視室の savic-net EV め細かな管理が要求されます。 同社では、世界で初めてのそ うした管理技術をデータとして まとめていく予定だといいます。 「デリケートな芝、そして最大4 万人以上を収容する巨大空間 の快適環境作りなど、このドー ムにおける独自の最適管理を 実現していくには、savic-net EV が約 5000 点の管理ポイン トから正 確に集 めてくる情 報 を、いかにジャッジして運用して いくかにかかっています」(アサ ヒ ファシリティズ・工藤所長) 「ドーム設計の特徴である外気冷房も、外気の 温湿度を十分に監視し、内外のエンタルピー(エ ネルギーの熱力学的な状態量)比較において実 質的に高い効果を生み出す選択をしていかな ければなりません。時には天気予報などによっ て先を見据えて外気状態を判断していかなけれ ばなりませんが、こうした判断の適切さを支えて くれるのが自動制御の技術だと考えています。 その意味で、山武ビルシステムには、システム側 からの十分なサポートをその総合力によって発 揮してくれることを期待しています。」(アサヒ フ ァシリティズ・木村総括所長) FIFAワールドカップの試合においては、細心 の神経を使いながらも、その空調管理時間帯の 約半分に有効条件を満たした外気による冷房 を積極的に使用した札幌ドーム。こうした実績 に基づく巨大空間の快適性創出と省エネルギ ーをさらに追求する中から、北国ならではの精度 の高い管理運用が実現されてくるのだといえま しょう。 株式会社 札幌ドーム 施設部 設備課 主任 川嶋 嘉史氏 株式会社 アサヒ ファシリティズ 北海道支店 事業所 総括所長 木村 伸弥氏 株式会社 札幌ドーム 総務部 総務課 主任 谷島 純子氏 株式会社 アサヒ ファシリティズ 北海道支店 事業所 所長 工藤 修正氏 株式会社 札幌ドーム 所在地/札幌市豊平区羊ヶ丘 1 番地 竣工/ 2001 年(平成 13 年)5月26日 http://www.sapporo-dome.co.jp/ 1996 年(平成8年)、札幌市がワールドカップ大会会場を整備するに あたり、サッカーだけでなくプロ野球など多目的に利用できるドーム 化を決定。97 年には、東大名誉教授で京都駅ビルなどを手がけた建 築家・原広司氏のグループによる斬新で機能的な現在のドーム計画が 完成しました。公募により愛称を「HIROBA」とし、人々が憩える場と しての性格づけを鮮明にすることで、市民、道民をはじめとする数多 くの人々に愛されるとともに、札幌の新名所として数多くの観光客を 集めています。 本システムの納入にあたりましては、次の皆様のご協力を賜りました。 設計/原広司+アトリエ・ファイ建築研究所様、アトリエブンク様 施工/札幌ドーム新設工事特定共同企業体<大成建設様(前期代表)、 竹中工務店様(後期代表)、シャール・ボヴィス・インク様> 設備(電気)/関電工様、北弘電社様、北海電気工事様、橋本電気工 事JV様 設備(衛生)/三建設備工業様、丸北三建工業JV様 設備(空調)/朝日工業社様、池田暖房工業様、高砂熱学工業様、大 成設備様、三雄設備JV様 国内ドーム初の展望台
地域と共生しライフラインを支える 最先端の石炭火力発電所 阪神工業地帯の中核としても知られる国際貿 易港・神戸。この神戸港に面した最先端の石炭 火力発電所が神鋼神戸発電所です。成熟産業 の鉄鋼事業において、神戸製鋼所では高級品 種への特化など事業の再構築を進めてきました。 さらにこれと並行して製鉄所のもつ土地、岸壁 などの既存インフラや自家発電技術、環境技術、 石炭ハンドリング技術などを最大限に活用した 新規事業を興すことにより、鉄鋼事業全体の競 争力を高めることが不可欠でした。そのような状 況下、1995 年(平成 7 年)4月の電気事業法改正 を受けて 1999 年(平成 11 年)3月から建設が進 められてきたのが神鋼神戸発電所です。同発電 所は、2002 年(平成 14 年)4月から1号機(発電 出力 70 万 kW)が営業運転を開始。これは長期 にわたって安定した収益源となることが予想さ れる期待の新事業として、神戸製鋼所が取り組 み 始 めた 国 内 最 大 規 模 の 電 力 卸 供 給 事 業 (IPP 事業)の先駆例です。 「設立のもうひとつの背景として、人口 140 万人 を超える神戸市のライフラインの自立が求められ てきたことがあります。2号機(発電出力 70 万 kW)は 2004 年(平成 16 年)4月に運転開始予定 で、この2基を稼働させることで神戸市の夏場に おけるピーク時の電力需要 170 ∼ 180 万 kW の 約8割をまかなうことができるなど、神戸市の電 力自給率は大幅に向上します」(神戸製鋼所・ 後藤主任部員) 期待の新事業であるとともに、公益事業にも つながる電力事業の一端を担う神鋼神戸発電 所は、“地域との共生”をテーマとする都市型発 電所でもあります。 「環境負荷の低減、エネルギーの有効利用は もちろん、運用における情報公開にも力を入れ、 エネルギーの有効利用については、発電に使用 された蒸気の熱を一部、熱供給事業として近隣 の酒造会社に提供しています」(後藤主任部員) 高レベルの予防保全のために 早期異常検知の音響設備診断に着目 都市に隣接する神鋼神戸発電所の操業開始 にあたって、神戸製鋼所ではさらに高次元での 安全対策を付加すべく、新技術を備えた設備診 断システムの情報に絶えずアンテナを張り巡らせ ていたといいます。 「地域のライフラインを担うという点からも、安全
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国内最大級の都市型発電所の
より高度な予防保全に貢献する
発電設備監視のために設置されたパラボラ集音器付マイクロホン *PlantWatcher は山武グループの商標です。Savemation2002.November.9 運転はもちろん、電力の安定供給は社会的責 任といえます。突発停止を防ぐために、これまで も万全を期してきた設備の安全対策をより確か なものにするため、広範囲の設備を 24 時間監 視可能な“音響設備診断”に注目しました」(後藤 主任部員) 神鋼神戸発電所では、所内設備の監視に、 山武産業システムの分散形オンライン音響設備 監視システムPlantWatcher-typeA*が導入され、 発電所の運転開始とともに稼動しています。 「当社が保有する他の自家発電施設での典型 的なトラブル例として、エロージョンなどによるボ イラーのチューブの破裂、噴破があります。蒸気 や水漏れが起きると最悪の場合、長期のプラン ト停止を招いてしまうことになるのですが、従来 の振動や温度による診断方法、あるいはオペレ ーターによる現場点検だけでは異常の早期検知 が困難です。というのも異常な振動にせよ温度 にせよ、設備の故障やトラブルなどが生じたあと に出現するもので、異音にしても熟練者でなけ れば聞き分けられないためです。また、現場の 騒音にまぎれてかき消されていることも少なくあ りません。一方、音響設備監視システムは、人 間の耳では捉えきれない騒音の中のかすかな 異常音を24 時間、正確にキャッチできます。ま た、非接触で遠隔診断できるので、これまで作 業員が近づけなかった危険箇所の設備診断も 可能です。さらに、収集したデータを波形処理し て数値化し、監視画面上で表すことができるの で熟練者だけではなく、現場経験の少ない新人 でも同等の設備診断が可能です。このシステム によって、設備の劣化、異常を早期に検知し、ト ラブルの未然防止につなげたいという狙いで す」(後藤主任部員) 発電所内の大型ボイラー周囲や、給水ポンプ、 脱硫ファンなどの大型補機周囲には、24 台のパ ラボラ集音器付マイクロホン、3台のマイクロホン が設置され、異音の遠距離測定を行っています。 これら監視データは、イーサネットを介して中央 操作室へと送られます。 恒久的な電力安定供給の継続を見守る 音響設備監視システムに寄せられる期待 「従来にはない音響を利用した技術であるとい うこと以外に、山武産業システムならではの音響 設備監視システムの特性も採用の大きな理由で す。何よりも“あらかじめ正常時の設備機器動作 音をモデル化して、現在の音と常時比較する”と いう逆フィルタ法の原理がわかりやすかったこ 神鋼神戸発電所全景 株式会社 神戸製鋼所 鉄鋼部門IPP本部 建設部 建設室 主任部員 後藤市男氏 中央操作室に置かれた監視モニタ と、“人間の聴力を機械でシミュレートした”とい う発想の斬新さ、そして設備の状態に応じた24 時間監視∼異常診断∼通報∼データ蓄積∼解 析、システムの見直し・更新と、設備監視をトー タルで把握できること。これなら長期的にも十分 活用していけるのではないかと考えました」(後 藤主任部員) 予防保全に細心の注意を払い、最新技術の 積極的導入に踏み切った神鋼神戸発電所で は、恒久的な電力の安定供給に向けた長期的 な安全対策の構築に余念がありません。 「これまで長年の経験から確立してきた設備診 断の技術をより高度なものにすることで万全以 上の安全対策をとりたいと考えるなかで、早期 の設備異常検知を可能にする山武産業システ ムの音響設備監視の技術に出会いました。これ までトラブルの事前察知には大変苦労してきて おり、その未然防止につなげられるシステムとし て、音響診断による設備監視に寄せられる期待 はきわめて大きいといえます。導入からまだ半年 あまりで有効性の評価はこれからという段階で すが、今後の通年利用によってデータを蓄積し て、課題を洗い出しながらよりよいシステムに作 り上げていきたいと考えています。山武産業シ ステムには、今後も引き続き迅速な対応をお願 いしたいと思います」(後藤主任部員) 神鋼神戸発電株式会社 神鋼神戸発電所 所在地:兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 設立:2002 年(平成 14 年) 1号機営業運転開始/ 2002 年(平成 14 年)4月 2号機営業運転開始/ 2004 年(平成 16 年)4月予定 発電出力/1号機 70 万 kW、2 号機 70 万 kW 周辺環境に調和したクリーンな都市型発電所として、神鋼神戸発電所で は 40 余年にわたり製鉄所が培ってきた自家発電技術のノウハウや環境 技術が集約されています。環境負荷の低減については、排ガス中の硫黄 酸化物(SOx)・窒素酸化物(NOx)、煤塵等を高レベルで取り除く、国内 最高水準の環境設備を設置。さらに、情報公開を推進して連続測定を行 う発電所の硫黄酸化物、窒素酸化物の排出濃度や海水を利用した復水器 冷却水の取放水温度差といったデータを、地域交流施設に設置したモニ ター等により一般市民が閲覧できるような工夫もしています。 生の音の波形(測定波形:画面右上)と初期波形 (比較するベースの波形:画面左上)、残差パワー 波形(比較後のデータ:画面下)を2分周期で表示 します モデル化した音と、現状までの音をデータで比較 し、トレンドグラフで表示
10.November.2002 Savemation Savemation2002.November.11 越流問題という社会的課題 雨が降ると川や海が汚れるのはご 存知だろうか。ことに降り始めの雨は 道路の汚れなどを洗い流すため汚濁 がひどく、高汚濁下水となる。一般に 雨水は下水道に流れ込むが、家庭の 生活排水と同じ下水道に流す方式を 「合流式」という。この方式においては、 生活排水と初期雨水の高汚濁下水と が重なり合い、その流入量がいっきに 増えるため、下水処理場の処理能力 を超えてそのまま川や海に放流せざる を得ない状況が生まれる。これが「越 え つ 流」と呼ばれるもので、水質環境汚染 の要因として現在、社会問題のひとつ となっている。 下水処理場ではこれまで、熟練した 職員が天気図や雨の降り方から流入 量を推測することで対応しようとしてき たが、流入する雨水の正確な予測は なかなか困難なため、越流対策は必 ずしも万全なものではなかった。しか し雨量や生活排水の量が前もって早 い時期から正確に予測できていれば、 あらかじめ下水処理を進めて貯留施 設の水位を下げておき、ここに初期降 雨の高汚濁下水をいったん蓄積する ことができる。そして雨が上がった後、 といえるだろう。 これまで、下水処理場の運営は、熟 練職員がその蓄積された経験で判断 してきた側面が強い。しかし、Net-TC BMの的確なデータ活用によって、若い 職員にその経験値が継承されることに なれば、下水処理場運用の知識と経 験が共有されることになる。 下水処理場の転換点 Net-TCBM からの予測情報は、通 信機能を備えた PDA などによって受 信することも可能であるため、例えば ベテラン職員が処理場にいなくても、こ 流入量が減ったときに浄化処理して川 や海に放流すれば、先の越流問題は 解決できるはずだ。ところが、かなり先 を見越した流入量予測はこれまで行 うことができなかった。 Topologyに基づく予測技術 山武には 10 年前から実績を積み上 げ てきた 予 測 技 術 のひとつとして TCBM(Topological CaseBased Mo deling)というものがある。これは位相 数学(Topology)の概念を用いて、蓄 積データから過去の現象と現在の現 象における類似性を予測誤差との関 連性から見出す予測技術である。山 武ではこの予測技術を用いて、ビルデ ィングオートメーションにおける空調負 荷予測、石油、化学分野における高度 運転管理、そして浄水場の水需要予 測などを行う実績を積み上げてきた。 そこで、この TCBMを下水流入量の 予測に活用する研究が進められた。 その結果生まれたのが「リアルタイム下 水流入予測システム」であり、このシス テムによる流入量予測情報をネット配 信することで、下水処理場の円滑で合 理的な運営をサポートしようとするのが 「Net-TCBM」である。 下水処理場では、高価な設備投資 未来を予測することでさまざまな課題の解決が図れる。雨という自然現象とそこから派生する下水へ の流入量を的確に予測することは、下水処理施設において、どのような効果を生み出すのだろうか。 取材・構成/沢 常好(ルポライター) ● Net-TCBMに関する問い合わせ先 株式会社 山武 環境事業推進本部 事業推進室 TEL(03)3486-2151 E-mail:[email protected]
水質環境汚染で問題の越流対策にも活躍
●山武独自の「TCBM」による下水流入量予測「Net-TCBM」
画面では、22 時間先までの流入量予測 がグラフで表示されるとともに、実際の 流入量も表示される。また、予測に用い られる気象情報も同時に配信される をすることなく、汎用パソコンとこれに 下水処理場の制御システムからデータ を取り込む小型コントローラ、そしてイ ンターネットと接続できる環境があれば この Net-TCBM のサービスが受けら れる。ではこのサービスによって下水 処理場の何が変わるのだろうか。 リアルタイム下水流入量予測システム では、それぞれの処理場が日報等で蓄 積してきた1∼3年分の時間下水流入 量、ポンプ井水位等のデータ及び気象 庁提供のアメダスとレーダーアメダス解 析雨量などの気象情報、さらには予報 データなどに基づいて、それぞれの処 理場にふさわしい予測を行っていく。 雨天時で 16 時間先、晴天時で 22 時 間先の流入量予測が行える。 これによってまず、先に示した方法 で越流を回避することが可能になる。 また晴天時は生活排水の流入量予測 により、処理量を一定化させてムラの ない最適運転計画が立案でき、運転 コストの削減とともに、下水処理の効 率化を図ることが可能となる。このこと は、これまで下水処理場がめざしてき た、ひとつの望むべき姿の実現である の予測データに基づいて、遠方から現 場に的確な指示を出すことができる。 また夕立などの激しいにわか雨が予 測されるときなど、広い処理場を抱え る現場では、中央監視室とPDAを持 つ現場担当者との間で予測情報を共 有しながら、適切で迅速な現場操作 が行える。将来的には、携帯電話へ の予測情報配信も考えられており、い つでもどこでも、必要に応じて予測情 報に基づく的確な行動を取ることも可 能だ。これは公的な施設である下水 処理場の安全運用という側面から、ひ とつの住民サービス向上になるともい えよう。 Net-TCBM では、予測情報の活用 により、さらにより多くの必要データが 蓄積されていく。そのためモデル学習 機能により、予測情報を活用しながら そのモデル精度をチューニングアップ することもでき、舗装率や人口増減など に基づく流入量変動についても素早く 対応することができる。 さらには、下水流入量予測だけでは なく、放流オペレーションにおいて必要 となる河川水位やマンホール水位予測 にも適応することが可能だ。 生活インフラの中でも、特に環境汚 染の質に関わってくるのが下水処理場 である。環境向上への働きかけがま すます重要になってくる時代にあって、 Net-TCBMによる予測情報のさらなる 活用が、下水処理場運用に対する創 意工夫を生み出していくのではないだ ろうか。その意味で、この予測技術は、 下水処理場運用のひとつのターニング ポイントになるかもしれない。 雨 天 後 、 下 水 処 理 施 設へ移し、高級処理し てゆく 降 雨 時 の 、 高 汚 濁 下 水 を 貯 留 施 設 な ど に 溜める 事 前に 貯 留 施 設 の 水 位を下げておく 気象予報 越流による海や川 の汚染はこう防ぐ ●下水流入量予測情報提供サービス Net-TCBM越流堰
えつりゅうせき下水処理施設
貯留施設
りゅうやさしい眼 やさしい手
12.November.2002 Savemation 快適性、省エネ、ライフサイクルコスト 建物の快適空間維持と省エネルギーはいつでも二律 背反なテーマである。と同時に、省エネルギーのための 新たな設備投資も低いハードルではない。そして、いつ、 コストを回収してライフサイクルコスト低減に結び付けられ るかもまた重要な課題である。 山武ビルシステムは、ビルディングオートメーション(BA) のリーディングカンパニーとして、ビルオーナーとともに絶え ず快適空間、省エネルギー、ライフサイクルコストの課題 に取り組んできた。その成果が、またひとつ世の中に問 われようとしている。それが電力デマンド機能付節電コン トローラ「ENEBREAK」である。快適空間維持を可能 としつつ、電力消費を抑制してライフサイクルコストの低 減を実現する、新たなBAシステムである。 負荷変動の激しい空間で力を発揮 一般にスーパーマーケットなど、人の出入りが激しい建 物空間は、空調に対する負荷変動が大きいために、最 大負荷設計に基づいた空調で温度制御が行われる。 そのため省エネルギーの余地があるにもかかわらず、実 現が難しい。そこで ENEBREAK では、空調機を間欠 運転することで快適空間維持と省エネルギーを同時に実 現する制御をシステム化した。しかもピークを制限する電 力デマンド制御も自動で行うためピークオーバーの心配 が大幅に低減され、余裕を見たデマンド契約から、より 低 い 契 約に切り替えることもできる。例をあげ れば 、 26,000ßの店舗で、使用電力を年間382,000kW、契約電 力を50kW削減した実績を上げている。また4,000ßの店 舗でも使用電力を38,400kW、契約電力を32kW 削減し ている。その結果、設備投資は2年から3年以内で回収 可能となる。 とはいえ、間欠運転やデマンド監視のための温度設定 や運転サイクルをパラメータとしてシステムに投入するのは 難しい課題である。しかし ENEBREAK では、山武ビル システムのもつ実績シミュレーションによりエネルギー削減 目標の 80 %を確実に実現できる初期パラメータが用意さ れている。さらにシステムが稼動後に蓄積するデータによ って、より高精度のチューニングが可能となるのだ。 スーパーマーケットに限らず、人の出入り変化の大きい 公共施設などを含めてENEBREAKの機能が、時代の 要請する課題である省エネルギーにその力を発揮して、 これからあちらこちらに広がっていくに違いない。 取材構成・須藤賢一(ルポライター) ●問い合わせ先 山武ビルシステム株式会社 マーケティング部広報グループ TEL(03)5782-7574 FAX(03)5782-8933 ● 電力デマンド機能付節電コントローラ「ENEBREAK」間欠運転とデマンド制御で
電力省エネルギーを革新
●電力デマンド機能付節電コントローラ「ENEBREAK」
電力デマンド機能付節電コントローラ 「ENEBREAK」 エネブレイクSavemation2002.November.13
予測・推定技術
山武には、TCBM(Topological CaseBased Modeling) と呼ぶ独自に開発した予測・推定技術がある。これは位 相事例ベースモデリング技術を活用したもので、蓄積さ れた過去のデータから対象システムの入力と出力との組 合せを事例として蓄えておき、この事例をもとに、新しく提 示された入力データから出力を推定するソフトウエアであ る。この手法は、入力空間内の位相により、出力空間の 位相を捉えることで「将来のデータの予測」や「直接計測 できないデータの推定」等に大きな威力を発揮する。こ の手法の大きな特長は、以下の通りである。 1)短時間で精度のよいモデルを作成できる 2)推定値にどれくらいの誤差が出そうかという信頼 度を示すことができる 3)モデルを実際に利用しながら強化する、いわゆる 適応学習が容易に構築できる 適用対象は工業用途に限らず農業、医療、金融など 幅広い分野で利用が見込まれ、すでに日米欧で特許を 取得している。またこの技術を応用して現在、雨量等の正 確な予測を行う「下水流入量予測システム Net-TCBM」 が製品としてリリースされている。
4色問題
これは残念ながら、この秋を彩るファッションカラーの話ではない。 そんなお洒落な話題ではなく、位相数学と呼ばれる世界の話であ る。では、「4色問題」とはいったい何か。 位相数学を一般にトポロジーという。トポロジーにおいては、「平 面の地図を隣同士の国の色が異なるように塗り分けるには何色あ れば十分か」という問題があり、これを1976 年にイリノイ大学の K. アッペル(Kenneth Appel)とW.ハーケン(Wolfgang Haken)がコ ンピュータを使って「4色あればいい」という結論に達した。これが 位相数学の4色問題と呼ばれるものである。この問題をコンピュー タで解く面白さは下記に掲げるサイトに出ているので遊んでみてい ただきたい。関東甲信越圏くらいの地図なら、我々にも試行錯誤 で色分けなどができそうだが、しかし「ムーア(Edward F. Moore)の 地図」と呼ばれるような342カ国や 846カ国という数の地図ではコ ンピュータがなければとても解き明かせるものではなさそうである。 4色問題● http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/ 1680/puzzle/colormap.html八大龍王 雨やめ給へ
1年で一番雨が多く降る季節を梅雨時と思っている人が多いよ うだが、降雨量という点で見ると一般に秋の方が多い。これは台 風による大雨がその原因と考えられる。ところが大雨による災害と なると必ずしも秋の台風シーズンばかりではなく、梅雨時の前線を 刺激した結果による大雨被害の出た年は戦後の資料でもかなりあ ることに驚く。また被害者数だが、1990 年代の 10 年間における死 者・行方不明者は全国で 200 人を超える。災害対策基本法制定 のきっかけにもなった1959 年(昭和 34 年)9月26日の伊勢湾台風 以降、都市整備により災害はかなり減っているが、これ以前の数字 を見ると年によっては 100 人から200 人を超える被害者が出てい る年もある。「時により 過ぐれば民の なげきなり 八大龍王 雨やめ 給へ」と歌った源実朝の気持ちが偲ばれる数字である。 ところで、2002 年(平成 14 年)4月のニュースによると、アメリカ航 空宇宙局(NASA)の科学者たちは、雨粒の由来を区別するための 研究を行っているという。これは、雨や雪をもたらす水分の発生地 点を特定するコンピュータ・モデルの話で、この水蒸気を追跡する 研究によって、降雨や旱魃かんばつをより正確に予測できるような気象予測 の確立をめざすものだという。この研究は将来、短期天気予報の 精度向上に寄与するだろうといわれている。こうした研究により、降 雨災害予測の精度も格段に上がってほしいものだ。 気象災害年表● http://www.weathermap.co.jp/kishojin/data/saigai_ame.php314.November.2002 Savemation 腐食性ガス、浮遊塵埃など)を測定し、それ ぞれの評価はもちろん、計器室を総合評価 として5段階で評価。システムに与える影響 と、その対策案をご提案します。 【簡易コース】 設置環境の基本となる4つの環境因子に 対する測定・評価。設置環境の良否が短期 間でわかります。 【重点コース】 システムの安定化に必要となる重点ポイン トの設置環境を把握、機器の安定稼動に 影響のある項目を抽出します。 ●問い合わせ先 山武産業システム株式会社 マーケティング部 TEL(045)461-8823 FAX(045)461-8759
アドバンストUVセンサ/リレー 販売開始
(株)山武 制御機器事業部は、燃焼装置の バーナ監視用として独自開発のUVセンサを 適用した連続セルフチェック機能付きの火炎 検出器ならびに専用リレーを開発、販売を 開始しました。 アドバンストUVセンサは、ユニット構造を 採用し小型化を実現、従来品と比較して取 り扱いやすさと耐環境性能が向上しました。 アドバンストUVリレーは、連続的にセンサお よびアンプの故障をチェックし、故障時も安 全に遮断信号を発します。 【アドバンストUVセンサ AUD300C特長】 ①ユニット構造を採用、チューブユニットやシ ャッターユニットの交換が大変容易にでき ます ②小型化を実現。従来品と比較して重量比 1/4、体積比約1/5 ③耐環境性を向上、許容使用温度は120℃、 保護構造IP66を実現 ④チューブユニットの有効使用期限は通算 使用で25,000時間と高い信頼性を実現 【アドバンストUVリレー AUR300C特長】 ①1チャンネルモデルを導入、無駄のない計 装に貢献 ②電源、火炎有無、シャッター動作、運転・ 停止などを本体に表示、確認できます ③従来品と比較して、約50%と低消費電力 を実現 ●問い合わせ先 株式会社 山武 製品開発本部 TEL(0466)20-2278 FAX( 0466)24-2177株式会社 山武 藤沢工場が
障害者雇用で厚生労働大臣表彰を受賞
(株)山武の藤沢工場が、障害者雇用で厚 生労働大臣表彰を受賞しました。また、知 的障害者を中心に雇用している特例子会社 「山武フレンドリー(株)」のスタッフ2名が「神 奈川県知事表彰」ならびに(財)神奈川県雇 用開発協会「理事長表彰」を受賞しました。 藤沢工場は長年にわたって障害者の雇 用に積極的に協力している優良事業所とし て評価され、2002年(平成14年)の厚生労 働大臣表彰を受賞しました。個人表彰とし ては、山武フレンドリーの富田正志が障害 者の雇用促進に著しく貢献したとして神奈 川県知事表彰を、さらに山武フレンドリー大 竹留二が障害者職業生活相談員として優 れた活躍をしたとして、(財)神奈川県雇用開 発協会の理事長表彰を受賞しました。 ●問い合わせ先 株式会社 山武 広報室 TEL(03)3486-2451 FAX(03)3486-2190サイリスタ式電力調整器 販売開始
(株)山武 制御機器事業部は、省スペー スを実現し、各種異常検出機能をオプショ ンとして選択可能とした「パワーゲートユニッ トPGU410」を開発、販売を開始しました。 パワーゲートユニットは、各種工業炉・化 繊製造・半導体製造など幅広い分野で調 節計の操作端として温度制御を実現してい ます。このたび、小型化に対するニーズに応 えるとともに、検出機能をオプションとして選 択可能としました。 【特長】 ①小型設計で、省スペースに貢献 従来製品のPGU310と比較して55%の省 スペースを実現 ②警報機能拡充(オプション)で各種異常を 検出 ・ヒータ断線検出 ・サイリスタ素子短絡故障検出 ・過電流検出 ●問い合わせ先 株式会社 山武 製品開発本部 TEL(0466)20-2278 FAX(0466)24-2177マイクロウェーブ式連続レベル計
販売開始
山武産業システム(株)は、プロセス現場の 自動化、大型化に伴い高まっている、液体 や粉粒体のレベル測定・制御へのニーズに 対応するため、マイクロウェーブ式連続レベ ル計「マイクロパイロットM」およびマイクロイ ンパルス式レベル計「レベルフレックスM」の 販売を開始しました。 【マイクロパイロットM 特長】 ①非接触計測なので測定物の物性にはほ とんど影響しません。 ②2線式なので配線コストを削減でき、既存 機器の置換えが簡単にできます。 ③6GHzと26GHzの2つの周波数帯を採用 し、各アプリケーションに対して最適な周 波帯を選択できます。 【レベルフレックスM 特長】 ①ゼロ・スパンと4∼20mAアナログ出力は、 プローブロープ長に応じて出荷調整済み です。 ②エアー圧送もしくは粉塵が激しい場所でも 安定した計測ができます。 ③マイクロウェーブがプローブロープ上を伝 播するため、放射角がなく高スパンでも理 想的な計測ができます。 ●問い合わせ先 山武産業システム株式会社 マーケティング部 TEL(045)461-8881 FAX(045)461-8771設置環境診断サービス 販売開始
山武産業システム(株)は、計器室の設置 環境を診断し、機器の安定稼動に向けた環 境改善提案や耐環境対策を提供するサービ スとして、ISOP(Industrial Services Ope ration Program)設置環境診断サービスを リニューアルしました。弊社がこれまでに培 ってきたノウハウをもとにシステムの長期安定 稼働のための具体的な対策をご提案します。 お客さまのご要望に応じ、下記の3つのメ ニューをご用意しております。 【標準コース】 設置環境の6つの環境因子(温度、湿度、いつも「Savemation」誌をご愛読いただきありが とうございます。本誌に対するご意見・希望・感想、 取り上げてほしいテーマなど皆さまからのお便り をお待ちいたしております。なお、お便りを頂戴し ました皆さまの中から抽選で毎月5名さまに粗品を 進呈させていただきます。お名前、貴社名・部署名、 ご住所、電話番号などをご記入の上、はがき、手紙、 FAX、電子メールにて、下記までお寄せください。 また、他ページのプレゼント応募についても、下記 までお寄せください。 宛先:〒150-8316 渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル 株式会社 山武 広報室 セーブメーション編集係 FAX:(03)3486-2190 E-mail:[email protected] 「地下ハウス」光山 里桜さん (岡山県倉敷市 同心幼稚園・奨励賞) アリさんたちと一緒にこんな街に住んでみたいな ぁ、という地下都市を描きました。 ◆この絵は、社団法人発明協会が子供の自由奔放 な発想を広く集めた「第24回未来の科学の夢絵画 展」の作品の中から、同協会のご協力を得て掲載 し、表紙に特徴的部分を拡大しています。 定期チェックのために歯医者さんを訪れたときの こと。「虫歯もなくいい状態なので、この調子でお 手入れして」との言葉に安心したのもつかの間、歯 石の除去作業中、勢いあまって詰め物がポロリ。も ちろんすぐに元に戻してもらえましたが、謝罪の 言葉もなく、複雑な心境でした。 (ミカリン)
編集後記
発行日………2002年11月1日 発行…………株式会社 山武 広報室 〒150-8316 東京都渋谷区渋谷2-12-19 (東建インターナショナルビル) 発行責任者…後藤博 制作…………有限会社オーバル ●本誌に関するお問い合わせは、株式会社山武 広報室までお申し付けください。 TEL(03)3486-2451 FAX(03)3486-2190 E-mail:save@ pres.yamatake.co.jp ●ご住所などの変更に関するご連絡は、宛名ラベ ルに表示されております8桁の登録番号もあわ せてお知らせください。 【おことわり】本誌でご紹介しているインターネット のウェブサイトはウェブ管理者の都合により本誌発 行時点で削除されている場合があります。表紙のことば
Savemation2002.November.15お便りお待ちしています
ームの種類など豊富なフィルタリング機能を 備えており、多方面からの解析が可能です。 ●問い合わせ先 山武産業システム株式会社 マーケティング部 TEL(045)461-8823 FAX(045)461-8759 E-mail :[email protected]山武グループからのお知らせ
商標「BEMS」を
省エネルギーセンターに移転
山武ビルシステム(株)は、商標「BEMS」 (商標登録第4525219号)を、2002年(平成14 年)8月16日をもって財団法人省エネルギーセ ンターに移転いたしました。山武グループ事業所 新設情報
■山武ケアネット株式会社 かたくり久が原 〒146-0085 大田区南久が原2-9-5エーデル久が原 TEL(03)5741-2710 FAX(03)5741-2712展示会情報
山武グループでは下記展示会に出展いた します。皆様のご来場を心よりお待ち申しあ げております。 ■株式会社 山武 名称:第31回日本医療福祉設備学会 併設 HOSPEX JAPAN 2002 会期:11月12日(火)∼11月15日(金) 時間:12日 :10:00∼17:00 13・14日:10:00∼18:00 15日 :10:00∼16:30 会場:東京ビッグサイト東2・3ホール 小間番号 2ホール B107 主催:日本医療福祉設備協会 (社)日本能率協会 入場料:1,000円 ●問い合わせ先 株式会社 山武 制御機器事業部 営業部 TEL(0466)20-2142 FAX(0466)20-2103 ■株式会社 山武 山武産業システム株式会社 名称:全科展 in東京2002 (科学技術総合展) 会期:11月20日(水)∼11月22日(金) 時間:9:30∼17:30 会場:東京ビッグサイト東4・5ホール (小間番号 東4ホール G01) 主催:日本科学機器団体連合会 日本工業新聞社 入場料:1,000円(事前登録サービスあり) http://www.sia-japan.com ●問い合わせ先 株式会社 山武 制御機器事業部 営業部 TEL(0466)20-2142 FAX(0466)20-2103 山武産業システム株式会社 マーケティング部 TEL(045)461-8853 FAX(045)461-8751 E-mail:[email protected]待望のLCNペーパレスプリンタ
「Journal Station R20」販売開始
只今、R20アップグレード・
キャンペーン実施中
山武産業システム(株)は、待望のLCNペ ーパレスプリンタ「Journal Station R20」を販 売開始します。また、只今Journal Station R10からのアップグレード・キャンペーン(2003 年3月31日まで)を実施中です。 Journal Station R20は、「もっと自由に、も っと楽に、もっと快適に」をコンセプトに、時 間や場所にとらわれない利用環境と簡単に 扱える機能設計、さらには省スペース、省音、 省資源を実現。RTJやレポート、カラー画像 データの自動収集・保存・表示に加え、検索 やジャーナルメール送信機能など、業務 にゆとりを生み出す人にやさしいペーパ レスプリンタです。 ●問い合わせ先 山武産業システム株式会社 マーケティング部 TEL(045)461-8823 FAX(045)461-8759 E-mail :[email protected]DCSアラーム解析支援パッケージ
「Alarm Analyst」販売開始
山武産業システム(株)は、Advanced-PS / TDCS3000、および Industrial-DEO、 Harmonasシステムに対応したアラーム解析 支援パッケージ Alarm Analyst(アラームア ナリスト)を販売開始しました。 Alarm Analystは、DCSで発生した所定 のイベントを集計し、発生頻度を時系列グラ フに表示、ポイントをイベント発生頻度順に ランキング表示するなど、各イベントの発生率 と時間的変化の把握、および発生頻度の多 いポイントの特定などを容易に実現すること で、アラームの削減活動における第1ステッ プ「削減すべきアラームの抽出」業務やオペ レーション解析業務をサポートします。また、 イベントデータに対し期間/ユニット/アラ78
▲ 下水道の歴史は、およそ3000年前のメソポタミア に始まるといわれる。暮らしに水を欠かすことのできな い人類の文明は、始まりのころから、その利用と排水 を考えなければならなかった。日本においては大化改 新の年にあたる645年に難波宮で排水溝が築造され たとする文献記述が最初だといわれるが、近代的な下 水道が生まれたのは1873年(明治6年)のこと。東京 銀座における側溝暗渠や、1881年(明治14年)横浜 における底部に松板を敷いた石造馬蹄形下水道敷設あたりだとされる。 下水道の役割は、ひとつには雨水の排除による浸水防止があげられ よう。と同時に、家庭や工場からの排水を浄化処理することによる都市 の衛生保全もあげることができる。近世ヨーロッパでペストやコレラの 大流行以降に下水設備の完備が進んだ歴史に、下水道のもつ意味が 現れている。また近年では衛生保持以上に、川や海などの公共水域に 対する環境的影響が注目されており、その結果として、下水道には環境 保全施設として高い機能を発揮することが望まれる時代になっている。 私たちはふだん、下水道インフラが生活に欠かせないことを認識しな がらも、その環境保全的機能について思いをいたすことは少ないのでは ないだろうか。下水道が果たす役割を、一度ゆっくり施設を見学しなが ら考えてみることも環境時代の学習マターだろう。全国にはかなりの数 で下水道施設の果たす役割を展示公開する施設が開かれている。こ こに紹介した札幌市下水道科学館もそのひとつだが、ここで見る3Dア ニメによる下水道の役割は、自分の暮らしと環境を考える上で大きな示 唆に富むものといえる。全国の展示施設は以下のURLに詳しい。一度 訪れてみることをお薦めしたい。 http://www.alpha-web.ne.jp/jswa/oyako/annai.html 札幌市 下水道科学館 販 売 店 〒001-0045 札幌市北区麻生町8丁目1番15号 1011-717-0046 ●地下鉄南北線麻生駅下車、徒歩15分 ●開館時間/9:30∼16:30 ●休館日/毎週月曜日(休日に重なった場合は 開館し、翌日休館)、祝日の翌日・年末年始(12月 29日∼1月3日) ●入館料/無料 ●札幌市下水道局が市の北部を流れる創成川 のほとりに開設した創成川処理場に付随してオ ープンした下水道に関する科学情報館。情報館 の作りは、概して子供向けになっているが、ふだ ん地下にあって見ることのできない下水道の姿 と機能を目の当たりに学ぶことができるという点 では、環境の時代にあって下水道の意味を考え る上で大人にとっても十分有益な施設である。 この処理場では、地下に5kmに及ぶ雨水貯留管 を敷設して雨水による越流対策を講じているが、 その施設を科学館の地下4階で見ることができ る。実働設備を見ることができる下水道科学館 は全国でもここだけだという。この雨水貯留管 が冬季には除雪した雪を落とし込んで融雪施設 としても利用されているところは、いかにも北 国の処理場施設の特徴といえるだろう。この処 理場ができて10年で創成川にサケの遡上が始 まったという。その歴史も科学館で見られる。 http://www.city.sapporo.jp/gesui/kgkkn/top.htm環
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サケの遡上が再び始ま った歴史や下水道の歴 史を示すパネルと映像 上 水 道 から 始 まる 下水道の旅立ち 雨水貯留管が見られる地下4階 左窓奥に見えるのが雨水貯留管 水と生命のシンフォニータワー ホール正面で入場者を迎える 玄関脇のウェルカムロボット ●本誌には再生紙を使用しています…「セーブメーション」 本誌からの無断転載・複製はご遠慮ください。Savemation Vol.33 No.11/国際標準逐次刊行物番号 ISSN 0289-5730