大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 105 号 1 「受け身の教育から能動的な学びへの転換」という目標のもとにシステム化された教育の大転 換が進行中である。 2019年度から高等学校に導入される「高校生のための学びの基礎診断」を皮切りに、大学 入試センター試験に代わり20年度に始まる「大学入学共通テスト」、20年度から段階的に導 入される新学習指導要領、さらには学習指導方法や学習評価方法の開発、教員養成・採用・研修 等の仕組みの改革、調査書の改訂、大学認証評価制度の改革、個別大学の入学者選抜方法改革や 3ポリシーの公表と実践などなど・・・。 文部科学省の HP を見ると、学びの基礎診断は「義務教育段階の学習内容を含めた高校生に求 められる基礎学力の確実な習得とそれによる学習意欲の喚起を図ることが狙いです。基礎診断は 希望参加型ですが、高校段階における多様な学習成果を測定するツールの一つであり、高校等の 実態に応じて選択できる多様な測定ツールが 民間事業者から開発・提供され、その利活用を通 じて高校生の基礎学力の定着に向けた PDCA サイクルの取組が促されることが期待されます。」 とある。 全体として異論を差し挟む余地はないが、あえて懸念を申せば次の二点。 1 結果を生徒の成績評価への『活用』を可とすることをはじめ、全県一斉の実施や民間検定 との組み合わせを可とすることなど、「基礎診断」が“診断”ではなく“テスト”であるこ とが明らかになったこと。大阪市の市長の「学テの正答率に数値目標を設け、達成度合いに よって校長・教員の評価やボーナス、学校予算の増減に反映させる」発言に見られるごとく、 小中学校の教育に影響を与える「全国学テ」の高校版となるおそれがないか。 2 民間事業者の関与が強められることに対する懸念。とりわけ、英語については 4 技能の「測 定」に固執し、学校にスピーキング・テストをおこなうことができる施設・設備がなくても 実施するよう事業者に求めていること。この傾向が進めば、やがては教育内容や指導方法、 成績評価など高校教育の根幹部分まで民間事業者に委ねることにならないか。 是非、文科省の「高校生のための学びの基礎診断」. Q&A. のご一読を。
DSpace at My University: 英語教育リレー随想 105号(2018.12) 高校生のための学びの基礎診断
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