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食事からのカドミウムおよび鉛摂取量 : 第2編 日本人の食事からのカドミウムおよび鉛摂取量

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(1)

8 食 物 学 会 誌 ・第48号

食 事 か ら の カ ド ミ ウ ム お よび 鉛 摂 取 量

第2編

日本 人 の食 事 か らの カ ド ミウ ム お よび 鉛 摂 取 量

保 元 美 保 子,今

井 美 子,河

村 佐 規 子,木

村 恵 子,山

本 久 美 子,

岩 見

億 丈*,渡

辺 孝 男**,池

田 正 之*,新

保 愼 一 郎

Dietary

Intake of Cadmium and Lead

Part 2. Dietary Intake of Cadmium

and Lead among Japanese

Population

Mihoko Yasumoto, Yoshiko Imai, Sakiko Kawamura,

Keiko Kimura, Kumiko Yamamoto, Okujyou Iwami, Takao Watanabe,

Masayuki Ikeda and Shin-ichiro Shimbo

鉛 摂 取 量 に つ い て 検 討 を 加 え た の で 報 告 す る。 1. は じ め に カ ド ミウ ム お よ び鉛 は 人 体 に と っ て 有 害 な 重 金 属 で あ り,こ れ ら の金 属 の精 錬,加 工,ま た,電 池, 化 合 物,合 金,顔 料 の 製 造 な ど の 工 程 で 職 業 病 が 発 生 す る場 合 が あ る。 さ ら に 低 濃 度 の 曝 露 と して,例 え ば,カ ド ミウ ム を含 む 不 良 容 器 か ら の 溶 出 や,工 場 か ら の廃 水,カ ド ミウ ム を 含 む 製 品 の 燃 焼 に よる 大 気 汚 染 な ど か ら,食 物 摂 取 を 介 して体 内 へ 取 り込 ま れ る こ と が 知 られ て い る1)0イ タ イ イ タ イ 病 は カ ド ミウ ム に よ る 環 境 汚 染 の結 果 発 生 した 病 気 と して 記 憶 され て い る 。一 方,鉛 は鉛 管,陶 磁 器,ガ ラス, プ ラス チ ッ ク容 器 か らの 溶 出 お よび 有 機 鉛 添 加 ガ ソ リンの 燃 焼 排 気 ガ ス な ど に よ る道 路 周 辺 農 作 物 の汚 染 を 経 て 摂 取 さ れ る こ とが 報 告2)さ れ て い る。 こ れ らの 重 金 属 生 物 学 的 半 減 期 は カ ド ミウ ム20年,鉛 10年 以 上 の 長 期 間1・2)とい わ れ,健 康 へ の 影 響 が 十 分 考 慮 さ れ な け れ ば な ら な い 。 す な わ ち,カ ド ミ ウ ム お よ び 鉛 の食 事 か らの 摂 取 量 の検 討 は,日 本 人 の 健 康 を 考 え る 上 に 非 常 に 重 要 な 事 で あ る3・4)。我 々 は,陰 膳 方 式 食 物 収 集 に よる 日本 人 の 栄 養 調 査 を, 1977年 か ら1981年 に 行 い,そ の 第1次 調 査 の 結 果 を 踏 まえ,1991年 か ら第2次 栄 養 調 査5)を 開 始 した 。 こ の調 査 の 一 環 と して,食 事 中 の カ ド ミウ ム お よ び 京都 女子 大学家 政学部 食物栄 養学科 栄養 学第 一・研究 室 *京都大学 医学 部公衆 衛生学 教室 **宮 城教 育大学 II.調 査 対 象 日本 各 地 の重 金 属 汚 染 の な い地 区,特 に 農 村 地 区 を 調 査 対 象 と した(表1)。 第1次 調 査 に つ づ い て 第2次 調 査 も同 一 地 区 を 選 び,カ ド ミ ウ ム お よび 鉛 の食 事 か らの 摂 取 の経 年 的 な 比 較 を 行 った 。 第2次 調 査 の調 査 対 象 は20歳 か ら70歳 ま で の 比 較 的 健 康 な 男 性55名,女 性219名 で あ る。 III.調 査 方 法 1.陰 膳 方 式 食 物 収 集5) 調 査 対 象 各 個 人 の1日(24時 間)に 摂 取 した もの と全 く同 じ食 事 の 複 製(陰 膳)を つ くっ て も らい収 集 す る。 そ の 際,間 食,ジ ュ ー ス,茶,飲 料 水 な ど もす べ て 収 集 した 。 検 体 は 普 通 の 日の 食 事 を 採 取 し て,正 月,誕 生 日,結 婚 式 な ど の 社 会 的 行 事 に よる 特 別 な食 事 は 除 外 した。 食 事 採 取 の た め の プ ラ ス チ ッ ク容 器 は あ らか じめ よ く洗 浄 し,酸 処 理 と再 蒸 留 水 洗 浄 を 行 い,収 集 す る食 物 成 分 に 全 く影 響 の ない こ とを 確 認 した 。朝 食, 昼 食,夕 食,間 食,飲 料 水 な ど を そ れ ぞ れ 主 食,副 食,汁 物 な どに 分 け て収 集 した 。 食 事 摂 取 内 容 は,あ らか じめ 配 布 した 献 立 調 査 用 紙 に 記 入 して も らい,食 事 検 体 持 参 時 に チ ェ ッ ク し て,記 入 不 備 や,そ の地 区 特 有 の 食 事,食 品 な ど に っ い て 材 料,調 理 法 を 聞 き取 り補 足 した 。 別 に米, 醤 油,味 噌,飲 料 水 な ど も収 集 して,食 品 成 分 分 析

(2)

平成 5年 12月(1993年) 9 -表

1

く調査地域と対象人数〉 県 名 地 区 名 対 象 人 数 男 性 女 性 岩 手 大 迫 町 86 86 r邑ム司. 河 南 町 10 10 桃 生 町 15 11 4 秋 保 19 4 15 南 光 台 20 20 一 重 南 勢 町 63 15 48 山 口 徳 地 町 14 11 3

f

中 縄 美 里 25 14 11 宮 古 22 22 全 体 274 55 219 および評価補正の試料とした。 4. 成績の評価 採集した食物は,食品成分ごとにできるだけ丁寧 に分別しそれぞれを秤量記録し栄養計算の資料と した。その後,食物は一括大型ミキサーで混合,磨 砕を行った。総重量を測定して一部を食品成分分析 用として冷凍保存した。

2

.

栄養価算定 原則として四訂日本食品標準成分表的によって 各成分別に摂取量を計算した。 3. 力ドミウムおよび鉛測定法 食事中カドミウムおよび鉛の測定は第1編に述べ たごとく,食事磨砕物を湿式灰化後,フレームレス 原子吸光分光光度計を用いて行った。 25 20 人15 数 10 5

5.0 成績の評価は,主として

S

t

u

d

e

n

t

のト検定およ び多重比較検定によった。

I

V

.

成績

1

.

カドミウム摂取量 1) 1日摂取量と性差 男性55名,女性219名が 1日に食事から摂取した カドミウム量 (μ~g/ 日)は図に示したごとくで,対 数正規分布を示した(図1, 2)。 男性では最高値 114.6μ~g/ 日,最低値 4.8μg/ 日 で, ピーク 5~10μg を示し,幾何平均値(幾何標 準偏差)は 25.0μ~g/ 日(1. 90) であった。女子で カドミウム(μg/日) 図1 男性 (55人)のカドミウム摂取量度数分布

(3)

食物学会誌・第48号 - 10-10

100 90 80 70 人 60 50 数 40 30 20 15.0 35.0 55.0 75.0 95.0 115.0 5.0 25.0 45.0 65.0 85.0 105.0 125.0 カドミウム (μg/日) 女性 (219人)のカドミウム摂取量度数分布 男性1日カドミウム摂取量は女性の値に比して有 意に高値であった (P<O.Ol)(表 2)。 2) 1日摂取量の地域差 ヒ 図

2

は最高値 186.6μ~g/ 日,最低値 2.8μ'g/ 日で, グ 10"'-'15 ,ugを示し幾何平均値(幾何標準偏差) は 17.5μ~g/ 日(1 .93) であった。 男性では宮城,山口が三重,沖縄にくらべ高値を 示す傾向があったが,一元配置分散分析では地域差 が認められなかった (P>0.05)。 女性では岩手が他に比べ 1日カドミウム摂取量が 低値であった (P<O.OI) (表 3)。 カドミウム 1日摂取量 性

GM (

G

S

D

)

:

N

2

~Ij 55 : 219 (1.90) (1.93) 25.0** 17.5 性 性 男 女 カドミウム 1日摂取量の年齢差 表4 GM の単位 :μ~g/ 日 料 p<O.OI (男女間)

5

14 14 18 3 男 性

GM

(

G

S

D

)

:

N

(

-

) (1.41) (2.23) (1.85) (1.84) (1. 71) 19.7 23.3 22.6 25.9 26.3 31.2 齢(歳) 20"'-'29 30"'-'39 40"'-'49 50"'-'59 60"'-'69 ;;;;70 年 カドミウム 1日摂取量の地域差 表3 男 性

GM

(

G

S

D

)

:

N 域 宮 三 山 沖 15 15 11 14 (1. 70) (1.89) (2.09) (1. 74) 31. 9 21.4 29.6 20. 1 域 重 口 縄 地 女 性

GM

(

G

S

D

)

:N 齢(歳) 年 女 性

GM

(

G

S

D

)

3 36 49 84 40 4 (4.07) (1.81) (1.68) (1. 94) (2.11) (1. 64) 25.8 17.5 17.2 16.8 17.1 33.3* 20"'-'29 30"'-'39 40"'-'49 50"'-'59 60"'-'69 孟70 :N 岩 宮 三 山 沖 81 49 48 3 : 33 (1.72) (1. 71) (2.15) (1.39) (1.97) 13.4** 21.4 19.4 28.5

2

1.

3

域 手 城 重 口 縄 地

GM

の単位 :μ

g

/

日 *p<0.05 (多重比較検定)

GM

の単位 :μ

g

/

日 料 p<0.01 (多重比較検定)

(4)

平成

5

1

2

(

1

9

9

3

年) 栄 養 素 表5 1日カドミウム摂取量と栄養素との相関関係 相 関 係 数

P

(有意水準) 純摂取量 エ ネ ル ギ ー 水 分 タ ン パ ク 質 脂 肪 糖質 繊 維 カノレシウム リン 鉄 ナトリウム カリウム ビ タ ミ ン

A

ビ タ ミ ン B1 ビ タ ミ ン

B2

ビ タ ミ ンC

0

.

2

7

6

0

.

2

3

6

0

.

4

2

3

0

.

2

6

7

0

.

1

4

2

0

.

1

6

4

0

.

2

3

8

0

.

3

0

1

0

.

3

1

8

0

.

3

5

1

0

.

1

5

1

0

.

2

8

5

0

.

2

3

4

0

.

2

9

6

0

.

2

8

2

0

.

2

7

4

*本

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

P<O.Ol

*

P<0.05

く男性〉

11-表6 1日カドミウム摂取量と食品群との相関関係 食 品 群 ①穀類 ②いも及びでんふ。ん類 ③砂糖及び甘味類 ④菓子類 ⑤油脂類 ⑥種実類 ⑦豆類 ③魚介類 @獣鳥鯨肉類 ⑩卵類 ⑪乳類 ⑫野菜類 ⑬果実類 ⑭きのこ類 ⑮藻類 ⑮し好飲料類 ⑫調味料及び香辛料類 ⑬調理加工食品群 ⑮市販食品 準 一 水 一 由 E 一 * * * * 有 一 P A

数 一 8 3 1 5 4 6 7 4 5 6 2 2 9 4 9 3 7 3 5 係一日

ω ω

ロ 肝

ω

げ 幻

ω ω

ロ 目 白

ω

ωumn

関 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 一 一 一 相 一

*

P<0.05

7

カドミウム

1

日摂取量:第

1

次と第

2

次調査の比較 G M (GSD): N 県 名 地 区 名 減少率(%)

1

9

8

0

1

9

9

0

P

宮 城 桃 生

8

2

.

6

(1

.

4

6

)

:

1

0

3

8

.

3

(

1

.

6

8

)

:

1

1

*

*

5

3

.

6

秋 保

3

7

.

8

(

2

.

5

4

)

9

1

9

.

4

(1.

0

7

)

4

#

4

8

.

7

山 口 徳、 地

4

9

.

4

(

1

6

.

7

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:

2

0

2

9

.

6

(

2

.

0

9

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:

1

1

*

4

0

.

1

沖 縄 美 里

3

4

.

7

(1

.

1

9

)

:

1

0

2

0

.

1

(1

.

7

4

)

:

1

4

*

*

4

2

.

1

全 体

5

1.

1

(1

.

7

2

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:

4

9

2

7

.

0

(

1

.

6

5

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:

4

0

*

*

4

7

.

4

く女性〉 G乱1{(GSD):

N

県 名 地 区 名 減少率(%)

1

9

8

0

1

9

9

0

P

宮 域 南 光 台

2

1

.

5

(

1

.

6

6

)

:

2

0

2

2

.

3

(

1

.

8

6

)

:

2

0

3

.

7

河 南

4

4

.

0

(

2

.

2

6

)

7

2

9

.

0

(1.

5

3

)

:

1

0

#

3

4

.

1

秋 保

2

7

.

4

(

2

.

0

1

)

:

1

4

1

6

.

9

(1

.

4

8

)

:

1

5

*

3

8

.

3

沖 縄 美 里

2

9

.

2

(

1

.

4

3

)

:

1

1

1

4

.

0

(

1

.

5

6

)

:

1

1

*

*

5

2

.

1

宮 古

3

0

.

1

(1.

3

9

)

:

1

0

2

6

.

2

(

1

.

9

7

)

:

2

2

1

3

.

0

全 体

3

0

.

4

(

1

.

7

5

)

:

6

2

2

1.

7

(1.

6

8

)

:

7

8

*

*

2

8

.

6

G Mの単位 :μgj日

*

*

P<u. 0

,1

*

P<O. 0

5

:

#

o

.

u5<P<0.10

(5)

- 12-3) 1日摂取量の年齢差 男女をそれぞれ10歳ごとに分けて各年齢階層間で 比較した。男性では年齢差がみられず,女性では,70 歳以上群で高値を示した (P<0.05)がその群の人 数は少ない(表

4

。) 4)各栄養素摂取量との比較 カドミウムの1日摂取量はエネルギー,栄養素, 無機質,ビタミンなどすべての栄養素摂取量と有意 な相関関係を示した(表 5)。 5) 1日摂取量と摂取食品群との関係 各食品群別に1日カドミウム摂取量との関係につ いて検討した。豆類,魚介類,野菜類との聞に正の 相関が見られた (P<0.05)(表6。) 6) 1次・ 2次調査の比較 20 18 16 14 人12 10 数 8 6 4 2 0 2.5 食物学会誌・第48号 同一調査地区での1次・ 2次調査の成績は表7に 示した。 1980年に比して1990年では宮城の南光台と 沖縄宮古の女性を除いて,明らかなカドミウム摂取 量の減少がみられ,その減少率も38.3---53.6%と大 であった(表7。)

2

.

鉛摂取量 1) 1日摂取量と性差 男性55名,女性219名が1日に食事から摂取した 鉛量 μ(

!

g

j

日)は,対数正規分布を示した(図 3,

4

。) 男性では最高値60μ

!

g

j

日,最低値lμ

!

g

j

日以下で, 最頻値は 5---10,ugにあり,幾何平均値(幾何標準 偏差)は 12.1μ

!

g

j

日(1.93)であった。 女子では最高値 216μ

!

g

j

日,最低値 1,u

g

j

日以下 鉛(μg/日) 図3 男性 (55人)の鉛摂取量度数分布 70 60 50 人 40 数 30 20 10

0.0 7.5 17.5 27.5 37.5 47.5 57.5 67.5 77.5 87.5 97.5 2.5 12.5 22.5 32.5 42.5 52.5 62.5 72.5 82.5 92.5 102.5 鉛(μgj日) 図 4 女性 (219人)の鉛摂取量度数分布

(6)

13 -平成5年12月(1993年)

1

日摂取量の年齢差 鉛 表10 1日摂取量 鉛 表

8

男 性

GM

(

G

S

D

)

:

N

齢(歳)

GM(GSD):

N 1111 性 50~59 60~69 孟70 5 14 14 18 3

(

-

)

(2.22) (1. 79) (2.32) (1. 61) (1.40) 年 (1.93) (2.25) 性 性 男 女 20~29 30~39 40~49 55 219 12. 1 10.8 女 性

GM

(

G

S

D

)

:

N

齢(歳) 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 孟70 3 36 : 49 84 40

4

(1.31) (2.37) (2.08) (2.26) (2.24) (1.56) 19.9 11.0 10.6 9.9 11.6 19.5 年 で,最頻値は 10~15μgにあり,幾何平均値(幾何 標準偏差)は 10.8μ~gj 日 (2.25) であった。 男女間で1日鉛摂取量に有意な差はみられなかっ た (P>0.05)(表8。) 2) 1日摂取量の地域差 男性では明確な地域差は認められなかった (P> 0.05)

女性では岩手と沖縄が低値群で宮城,三重, が高値群に分類された。 (P>0.05)(表9。) GM の単位 :μ~gj 日 山口 1日摂取量の地域差 鉛 表9 GM の単位 :μ~gj 日 男 性

GM

(

G

S

D

)

:

N 域 地 15 15 11 14 (1.73) (1.56) (1.59) (2.56) 13.1 11. 5 15. 7 9. 7 城 重 口 縄 宮 三 山 沖 1日鉛摂取量と栄養素との相関関係 表11

P

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*

相 関 係 数 0.238 O. 129 0.282 0.189 0.055 0.105 0.208 0.285 0.277 0.272 0.056 0.251 0.201 0.268 0.232 0.278 素 純摂取量 エネルギー 水分 タンパク質 脂 肪 糖質 繊 維 カノレシウム 養 栄 女 性

GM

(

G

S

D

)

:

N 域 岩 宮 三 山 沖 11.0 12.2 12.5 12.1 13.5 6.1 81 49 48 3 33 (2.31) (1. 57) (2.26) (2.44) (2.63) 9.2 14.0 12.6 18.2 8.2 手 城 重 口 縄 地 リン 鉄 ナトリウム カリウム ビタミンA ビタミン B1 ビタミン

B2

ビタミン

C

*

*

*

*

P<O. 01

*

P<O. 05

*

*

各食品群別に1日鉛摂取量との関係について検討 した。豆類,魚介類,乳類,きのこ類との聞に有意 な正の相闘が見られた(表12)。 6) 1次・ 2次調査の比較 同一調査地区でのl次・ 2次調査の成績を表13に 3) 1日摂取量の年齢差 男女それぞれ10歳ごとに分けて各年齢層間で比較 した。男性では70歳代で低く,女性では20歳代と70 歳以上群で高摂取量を示した (P<0.05)がこれら 年齢階層に属する人数は少ない(表10)。 4)各栄養素摂取量との比較 表11に示したごとく,エネルギー,栄養素,無機 質,ビタミンなどの多くと相関関係が認められた。 カドミウムの場合と同様に水分,鉄, リン,カルシ ウムとの相闘が大であった。 1日摂取量と摂取食品群との関係

GM

の単位 :μ

g

j

(7)

14 - 食物学会誌・第48号 食 品 群 相 関 係 数

P

示した。 10年後いずれの地区においても,また男女 とも著明な鉛摂取量の減少がみられ,その減少率は 46.8~75.4% とカドミウムよりも著しく大であった (表13)

表 12 1日鉛摂取量と食品群との相関関係 月 i £ り 月 i 1 i q u Q U A T q u o u n h U F O -A 戸 h d つ 臼 つ 白 1 i p o a a τ 円 L P h u ' I Q d n y n δ 己 d q d a a τ 口 δ 7

A 斗 A n H u n H U S 刈 T A り 0 0 0 0 0 0 1 2 O I l -1 0 0 o nHunHunHUAHV ハHUAHUAHUAHunHU 凡 HUAHunHunHUAHUAHUAHUAHU 類 類 ん 料 ぷ 類 辛 ん 味 香 で 甘 類 類 び び び 肉 類 料 及 及 及 類 類 類 類 鯨 類 類 こ 飲 料 類 も 糖 子 脂 実 類 介 鳥 類 類 菜 実 の 類 好 味 穀 い 砂 菓 油 種 豆 魚 獣 卵 乳 野 果 き 藻 し 調 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ③ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑮ ⑫

*

*

V.

考察

重金属のカドミウムと鉛はともに食物と共に摂取 され1,2), 健 康 な 生 活 を 維 持 す る た め に は 食 物 の 汚 染が重大な関心事である。陰膳方式食物収集により 日本人の栄養調査をすすめる我々にとっても,カド ミウムと鉛の食物からの摂取には大きな関心をもっ た3,

4

L

*

*

274名を対象とした今回の調査では, 1日カドミ ウム摂取量は対数正規分布を示し,男性 25.0μ~gj 日(1.90) [GM(GSD)],女性17.5μ'gj日(1.93) の成績を得た。測定値は 200μgに近い値から最低 摂 取 量 2.8μgまでと幅広く変化し,食事の種類, 量の影響が窺える。居住地域による差異も汚染の有 無や土壌からの摂取の多寡を知るに重要である。今 回調査した各地域間には,食事からの1日カドミウ ム摂取量に差異があるように見られたが,多重比較 検定では地域差は有意でなかった。更に例数を増し

*

⑬調理加工食品群 ⑮市販食品

*

*

P<O.Ol,

*

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鉛 1日 摂 取 量 : 第

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次調査の比較 く男性〉 G M (GSD):

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県 名 地 区 名 減少率(%) 1980 1990 P 宮 城 桃 生 66.1(1.54) : 10 14.8(1.79) : 11 # 77.6 秋 保 21.7 (1.63) 7 9.3(1.22) 4

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57.1 山 口 徳、 地 29.5(1.78) : 20 15.7(1.59) : 11

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*

46.8 沖 縄 美 里 17.4(1.91) : 10 9.7 (2.56) : 14 # 44.3 全 体 29.9 (2.05) : 47 12.4(1.79) : 40

*

*

58.5 く女性〉 G M (GSD):

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県 名 地 区 名 減少率(%) 1980 1990 P 宮 城 南 光 台 22.0 (1.83) : 20 15.4(1.55) : 20 # 30.0 河 南 44.4(1.47) 8 12.8(1.42) : 10

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71.2 秋 保 25.3(1.42) : 15 12. 3 (1.66) : 15

*

*

51.4 沖 縄 美 里 28.5(1.59) : 11 7.0 (2.45) : 11

*

*

75.4 宮 古 17.2(1.36) : 10 8.9 (2.69) : 22 # 48.3 全 体 25.0(1.70) : 64 11.3 (1.95) : 78

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54.8 G Mの単位:μgj日

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(8)

平成5年12月(1993年) ての調査が望まれるところである。 年齢差による変化も検索したが,各年代間の差異 は見られなかった。ただ70歳代女性で、高値をみたが 原因はなお明らかではない。 カドミウム摂取量と食品群間では,豆類,魚介類, および野菜類の摂取量と正の相関関係がみられた。 カドミウムは晴乳類ではとくに内臓(肝臓および腎 臓)に蓄積されやすい1),また魚類でも内臓(塩辛 など)を摂取すれば,カドミウム摂取量は増加する と考えられている。貝類では,内臓を除去しないで 食することが多く当然カドミウム摂取量は多くな る。豆類,野菜類は食物として多く摂られるもので あり,濃度は低くても結果的にはカドミウム摂取量 への影響は大きい

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次に今回の調査成績と第l次の成績を同一地域の 10年間の変化として比較した。 10年前に比ベカドミ ウム摂取量の明らかな減少が見られた。両調査問で の違いは,主として米飯摂取量の明らかな減少8.9) に由来するが,さらに米そのもののカドミウム含量 の減少も報告10)されている。因みに日本人の食事 の 1 日カドミウム摂取量の 40~50% は米飯に依存す る11)と言われている。 欧米では食事からのカドミウム摂取量は 1日約 1O ~25μg と言われている lL 従来日本人のカドミ ウム摂取量は高値めであり,その原因のーっとし て火山性の土壌が挙げられていた。今回の調査で, 一応欧米なみの水準まで減少していことが明らかと なった。しかし一部宮城県都市部や沖縄県宮古で は減少がみられず,なお調査と解析の必要がある。 食事中の鉛量もカドミウムと同様274名を対象に 調査した。 1日鉛摂取量はやはり対数正規分布を示 し,幾何平均値(幾何標準偏差)は男性 12.1 f1gj 日(1.93),女性 10.8μgj日 (2.25)であった。男 性より女性に個人差が大きく, 216μgから最低摂取 量 1μg以下と幅広いものであった。これもまた食 事の種類,量によっての影響が窺える。居住地域に よる差異も汚染の有無や土壌からの摂取多寡を知る のに重要である。男性では各地域間の有意な差異は 見られなかったが,女性では宮城,三重,山口が高 値群に岩手と沖縄が低値群に分類され,この傾向は カドミウム摂取量の地域差でも見られることから, 更に例数を増しての調査が望まれるところである。 年齢差による変化も検討したが,各年代聞の差異 は見られなかった。ただ70歳代女性で、はカドミウム 摂取量と同様に高値であった。原因は明らかではな L

15 鉛摂取量と食品群間では,豆類,魚介類,乳類と きのこ類の摂取量と正の相関関係がみられた。 次に今回の調査成績と第

1

次の成績を同一地域の 10年間の変化として比較した。 10年前に比べ鉛摂取 量40%以上と明らかな減少が見られた。その減少率 はカドミウムよりも高く,地域ごとの変化もまた明 らかであった。この減少の一因として, 1975年から の自動車ガソリンへの有機鉛(アンチノッキング剤) 添加規制があげられる。第

1

次陰膳方式食事調査の 時期が 1977~1981年であり,自動車ガソリンへの有 機鉛添加規制が開始された直後にあたる。自動車の 排気ガスに含まれる鉛(多くは酸化鉛)によって環 境が汚染され2),大気,土壌,水中の鉛濃度がなお 高かったと推測される。一方,今回の調査では鉛規 制からすでに15年が経っており,環境汚染も軽減さ れ,大気,土壌,水中の鉛濃度も低くなった結果と 推定される。 カドミウム,鉛はその生物学的半減期がそれぞれ 20年, 10年と長期間1.2)であることが報告されてお り。毎日が微量摂取であっても人体臓器への蓄積が 進むことは容易に予想される。カドミウム摂取量に ついては, FAOjWHOは腎臓中のカドミウム量を 評価の基準として,暫定的に摂取許容量 400~500 μgj週と設定12) している。日本では米の暫定許容 量を 1ppmと設定している。鉛については,鉛業 従事者を対象とした気中鉛濃度についての労働衛生 上の許容濃度があるが,食事由来の摂取量について は基準は設定されていない。一般人にとって,これ らの汚染物質はその大部分が食事とともに摂取され るものであり,今回の調査でいずれもが減少傾向を 示したことは喜ばしい。

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おわりに

陰膳方式による食物収集を行い,カドミウムおよ び鉛の食物中からの摂取量を原子吸光法で測定し, 10年間の変化を報告した。 男性55名,女性219名を対象とした今回の調査で、 は, 1日に食事から摂取したカドミウム量は,男性 では最高値 114.6μ~gj 日,最低値 4.8f1gj日で,対 数正規分布を示した。幾何平均値(幾何標準偏差) は 25.0μ~gj 日(1 .90) であった。 女性では最高値 186.6f1gj日,最低値 2.8μgj日 で , 幾 何 平 均 値 ( 幾 何 標 準 偏 差 ) は 17.5μgj日 (1.93)であった。 男性の 1日カドミウム摂取量は女性値に比して高 値であった。

(9)

-

16-男性では宮城,山口が三重,沖縄にくらべ高値を 示す傾向があったが,統計的に有意な地域差が認め られなかった。女性では岩手が他の地域に比べ低値 であった。 同一調査地区での

1

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年間の経年的変化を調べる と,宮城県都市部と沖縄宮古の女性を除いて,明ら かなカドミウム摂取量の減少がみられ,その減少率 も 38.3~53.6% と高率であった。 l日に食事から摂取した鉛量は男性では最高値

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日以下で,幾何平均値(幾 何標準偏差)は 12.1μ~gj 日(1 .93) であった。 女性では最高値 216μgj 日,最低値 lμ~gj 日以下 で , 幾 何 平 均 値 ( 幾 何 標 準 偏 差 ) は

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であった。 1日鉛摂取量の男女差はみられなかった。 男性では明らかな地域差は認められなかった。女 性では岩手と沖縄で低値,宮城,三重,山口が高値 であった。 同一調査地区での

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年間の経年的変化は,いずれ の地区においても,また男女とも著明な鉛摂取量の 減少がみられ,その減少率は 46.8~75.4% でカドミ ウムよりも著しく大であった。 今回の調査から,カドミウムおよび鉛摂取量の差 異は,米飯,魚介類および飲料水を介した摂取量の 差に起因するものであることが明らかにされた。

文 献

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5)木村恵子,今井美子,河村佐規子,山本久美子, 保元美保子,新保横一郎,岩見億丈,池田正之: 陰膳方式食物収集による日本人の栄養調査,京 都女子大学食物学会誌

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6)科学技術庁資源調査会(編) :四訂日本食品標 準成分表

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7)保元美保子,今井美子,岩見億丈,池田正之, 新保横一郎:食事からのカドミウムおよび鉛摂 取量,第l編原子吸光法による食事中カドミウ ムおよび鉛測定の検討,京都女子大学食物学会 誌

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8)厚生省公衆衛生局栄養課(編) :国民栄養の現 状 第 一 出 版

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9)厚生省保健医療局健康増進栄養課監修:国民栄 養 の 現 状 第 一 出 版

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参照

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