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食育論

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Academic year: 2021

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食育論

肥満とやせ 香川雅春

(2)

この講義から理解すること

• 栄養不良とは何かを理解する

• 発育不良が健康に及ぼす影響を学ぶ

• 肥満と小児肥満の定義を学ぶ

• 肥満による負担を認識する

• 「隠された飢餓」を理解する

• やせと肥満の繋がりを理解する

(3)

エネルギーバランスが重要

体重の変動 エネルギー

摂取量

エネルギー 消費量

(4)

世界における栄養不良の二重苦

栄養失調と肥満

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1994年にスーダンで起きた飢餓

飢餓の多くが人為的な産物

(7)

栄養不良のライフサイクル 高い妊産 婦死亡率 メンタル能力 の低下 乳児に対する 低い介護能力 胎児に対する 不適切な 栄養供給 高い死亡率 精神発達の停滞 Untimely / inadequate 離乳食 頻繁な感染 不適切な食事、 健康状態とケア 不適切な発育 女性 栄養不良 妊産婦 少ない増量 青年期 発育不良 幼児期 発育不良 高齢者 栄養不良 低出生体重児 不適切な食事、 健康状態とケア 不適切な食事、 健康状態とケア 低いメンタル 能力 不適切な食事 、ヘルスケア エピジェネティック 食事が不適切だと慢 性疾患を引きおこす 可能性

Adapted from James et al. SCN Millennium Rep. Food &

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(9)

• 体内に過剰に脂肪が蓄積している 状態 • 4タイプに分類(Bouchard, 1991) • 肥満に起因ないし関連する健康障 害を合併する、もしくはその合併が 予測され、医学的に減量を必要と する病態=「肥満症」(日本肥満学会) • 小児肥満の定義は違う 1.“治療的介入を要する状態”=肥満 2.“医学的評価を要する状態”=過体 重(日本小児内分泌学会・日本成長学会)

肥満

(10)

間接的 直接的 環境因子 • 経済状況 • 都会化 • 文化 生活習慣因子 • 食事 • 運動 体脂肪の蓄積

肥満のしくみ

生物学的因子 • 遺伝子 • 年齢 • 性別 • ホルモン • 胎児の際の栄 養状態

(11)

皮下脂肪、内臓脂肪と異所性脂肪

International Chair on Cardiometabolic Risk WWW. Cardiometabolic-risk.org

http://www.hitachi-medical.co.jp/english/products/ct/fat/img/fatPointer.gif http://www.dswfitness.com/images/FMtwo.jpg -VLDL & LDL コレステロール↑ -高血圧 -II型糖尿病 内臓脂肪の蓄積耐糖能障害、 高インスリン血症、高血圧、 冠動脈心疾患リスク上昇

(12)

平成23年度国民健康・栄養調査

(13)

日本の糖尿病の現状

• 2010年の糖尿病医 療費は1兆2149億円 • 2011年の糖尿病によ る死亡数は1万4,664 人(人口動態統計の概要) • 2011年末までの糖尿 病腎症による透析患 者数は10万7985人 (日本透析医学会) http://www.dm-net.co.jp/calendar/2008/007740.php

(14)

食生活と健康

• 沖縄は長寿の県として有名だった • 1990年に5位、1995年に4位、2000年に26位にまで順位 を落とした(「26ショック」・沖縄クライシス) • もともと伝統的な食生活をしていた世代から終戦後の西 洋食を日常的に食べる世代になった影響 肥満が多い県 肥満の少ない県 男性 女性 男性 女性 01-05 06-10 01-05 01-05 06-10 01-05 1 沖縄 沖縄 沖縄 島根 山口 石川 2 岩手 宮崎 福島 長崎 福井 静岡 3 宮崎 栃木 秋田 大阪 滋賀 奈良 4 北海道 福島 岩手 三重 鳥取 神奈川 5 茨城 徳島 宮城 福井 静岡 兵庫 平成22年国民健康・栄養調査

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(16)

平成22年度国民医療費の概況、厚生労働省 2012 • 肥満は医療費に負担 • 日本では約32兆円 (2004)⇒37兆4202億 円(2010) • 国民所得比率は9.9% (2008)⇒10.71%(2010) • 2008年時は3割強の 医療費がメタボ関連 の診察医療費

医療費の増加がとまらない日本

(17)

小児肥満の現状

• 18歳未満の1.7億人が過体重/ 肥満 (Lobstein, 2004) • 5歳未満の430万人(うち途上 国で350万人)が過体重/肥満 (2010年時点) (WHO, 2010)

(18)

日本の小児肥満の現状

• 学校保健統計では肥満度(比例体重)を用いて算出 • 都心部よりも地方で肥満と診断される子供が多い • 女子よりも男子で肥満と診断される子供が多い • 過去5年間は男子で9~13%、女子で8~10%で推移 平成24年度学校保健統計、2013

(19)

アメリカ人と比較すると肥満予備軍で

小児メタボの発生率で違いが無い

• 約500人の日本の過体重・肥満児を対象にした研究 • 「肥満」の区分ではメタボに人種差は無いが、「過体重」

で日本人で有意に多い

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肥満 肉体的負担 生理学的負担 (メタボリックシンドローム) 精神的負担 関節炎 姿勢悪化 痛み 心肺機能低下 筋力低下 いじめ 鬱 登校拒否 循環器系疾患 Ⅱ型糖尿病 生活習慣 遺伝 出生時体重 寝たきり・痴呆などの要介護

(21)

肥満に対する生活習慣の影響

n = 1965-1971 に生まれた子 供854名

Bouchard, 2009, based on Whitaker, 1997, AJCN

5歳までは、両親が肥満である事が子供が成人時 (21-29歳)に肥満となるリスクを高める

6歳以降では子供が肥満である事が成人期肥満の 重要な因子

(22)

最近の話題:果糖の過剰摂取による害

Goran et al. 2012, Global Public Health

糖分(特に高果糖コーンシロップ)の多い清涼飲料水の飲み 過ぎは肥満や糖尿病のリスクを高める HFCS:ショ糖よりも10%多く果糖が含まれている甘味料 http://sora1.sakura.ne.jp/sblo_files/sora-staff/image/E7B396E58886E381AEE5A49AE38184E382B3E383BCE383A9.jpg 日本の糖尿病~5% HFCS摂取量は一人当 たり6.19 kg/年 (砂糖の総摂取量は一 人当たり 29.49 kg/年)

(23)

肥満は過食に因るもの?

http://www.shaho-net.co.jp/zuiso/2009/images/12.gif 実際のエネルギー 摂取量は減少して いる 統計誤差? (例:人口の 変動) 運動? タイミング? メチル化?

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(25)

不適切な西洋的な食習慣が世界中の多く

の集団に与える影響

Adapted from James et al. SCN Millennium Rep. Food &

Nutrition Bulletin, 2000, 21, 3S. II型糖尿病の早 期発症 遊ぶ機会の 減少と社会 からの隔離 乳児に対する 低い介護能力 乱れた 胎生期の 栄養供給 Untimely / inadequate 早期の離乳食 頻繁なファスト フード 不適切な 身体活動 通常/急激な 発育 過体重 もしくは肥満 の女性 妊産婦 耐糖能障害/ 糖尿病 青年期 過体重-肥満 小児期 過体重 高齢者 糖尿病、脳 梗塞、心疾 患、がん、 リウマチ 太った乳児 大きな 出生体重 乏しい学校環境 不適切な産科 でのケア 就職機会の減少 不適切な ヘルスケア システム 腹部肥満 急激な 体重増加 受精能低下; CVD;がん

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痩身児の

出現頻度

平成25年度学校保健統計調査 平成18年 度から性 別・年齢 別・身長別 標準体重 から肥満 度を算出

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若年女性の約2割が「やせ」

平成23年度国民健康・栄養調査 • 20歳代女性のやせは移動平均によって平滑化した結果か ら作成 • 移動平均:グラフ上のばらつきは少なくするため、前後3年 分の値を平均化したもの • 平成23年は単年の値

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• 適度な運動は脂肪燃焼効果+筋量維持+心肺機能維 持(Stiegler and Cunliffe, Sports Med 2006; Redman et al. J Clin Endocrinol Metab 2007)

• 食事によるカロリー制限のみ減量は筋量低下に繋がる 体脂肪率↑「かくれ肥満」と将来の危険

運動をしない減量行動

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「隠された」飢餓

• 一種類以上の栄養素の欠乏 • カロリーを十分満たしていても起こりうる • 広く欠乏が見られる栄養素 – 鉄 – ビタミン A – ビタミン D – カルシウム – ヨウ素 WHO, 2008

(30)

Skinner, Reprod Toxicol. 2008

母親は子供の栄養状態に対して

大きな影響力を持っている

• 成人病胎児期発症説(バーカー説:DOHaD) • 世代を超えた影響

(31)

日本は低出生体重児出産率が高い

OECD, 2008

日本では1975年から増加傾向

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沖縄は低出生体重児の出産率が

全国1位

ワースト5 % トップ5 % 1 沖縄県 10.9 山形県 8.0 2 山梨県 10.5 徳島県 8.2 3 鹿児島県 10.3 富山県 8.7 4 静岡県 10.2 福井県 8.7 5 福岡県 10.0 三重県 8.7 平成18年度 厚生労働省医政局委託 医療機能調査事業 報告書 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/kanrenjigyou.html 平均9.3%

(33)

遺伝子におけるメチル化と体組成

http://www.beginbeforebirth.org/wp-content/uploads/2011/03/Epigenetic_mechanisms.jpg • 臍帯のRXRA遺伝子での 過剰なメチル化は子供の 脂肪量を増加させる • 6歳と9歳の集団から観察

(Godfrey et al. Diabetes. 2011)

• メチル化: DNA(ゲノ ム)内のCpGサイトの シトシンで起こる • 正常な発達のため 必要なプロセス • 転写と関わる

(34)

オランダ「飢餓の冬」期間中に受胎した子供

は将来疾患にかかりやすい

• 1944年に起きた飢餓:摂取カロリーが580kcal/日まで激減 • IGF2遺伝子のメチル化頻度低下IGF2遺伝子活性化 • 大腸がん、 Beckwith-Wiedemann症候群やメタボ発症リスク が高まる Heijmans. 2008 http://www.precisionnutrition.com/wordpress/wp-content/uploads/2009/12/47-Hunger-Winter-Boy.jpg

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(36)

• 6~70歳+の健康な人の健康維持を目的に2006年発表 • 食事の適量は性・年齢・活動量別

• 主食、副菜、副食、牛乳・乳製品、果物の摂取量を1つ (SV)で表している

(37)

食事バランスガイドには

運動も含まれている

(38)

子どもの運動指針

• アクティブチャイルドプ ログラム • (財)日本体育協会が文 部科学省委託事業とし て実施 • 子供の発達段階に応じ た体力向上プログラム の普及啓発が目的 • 平成22年10月20日に 資料が発行されている

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子どもを元気にする運動・

スポーツの適正実施のための

基本指針

1. 子どもの正常な発育発達を促進するよう、最低 限度の運動量を確保する • 5歳以上の子供には毎日合計60分以上の中 ~高強度の身体活動 2. 多用な動きを作る遊び・運動・スポーツを積極的 に行わせる 3. 子どもの特性に応じて運動・スポーツを行う「場」 を適正に設定する

(40)

子どもを元気にする運動・スポーツの

適正実施のための基本指針(続き)

4. 傷害・疾病等の精神的・身体的障害の防止に配 慮する 5. 運動、食事、睡眠を総合的にとらえたライフスタ イルを確立させる 6. 幼稚園・保育所・学校・家庭・地域一体の運動・ スポーツ実施体制を整備する 7. 学校体育をより一層充実させるための条件を整 備する

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参照

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