• 検索結果がありません。

次世代眼科医療を目指す、ICT/人工知能を活用した画像等データベースの基盤構築 プロジェクト1(眼底写真の診断)研究計画書

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "次世代眼科医療を目指す、ICT/人工知能を活用した画像等データベースの基盤構築 プロジェクト1(眼底写真の診断)研究計画書"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

次世代眼科医療を目指す、ICT/人工知能を活用した画像等データベースの基盤構 プロジェクト 1(眼底写真の診断) 研究計画書 0, 研究の概要 眼底写真から自動的に診断名候補を提示する人工知能(AI)プログラムを作成す ることを目的とし、20 大学から眼底写真とその付帯情報を匿名化(対応表を作成し ない)で後方視的に収集する観察研究である(侵襲、介入なし)。目標登録枚数は 20 万枚とし、研究期間は平成 29 年 10 月から平成 32 年 3 月末とする。 <研究責任者> 研究代表者:大鹿哲郎(筑波大学) プロジェクトマネージャー:長谷川高志(遠隔医療協会) 研究代表補佐:柏木賢治(山梨大学)、三宅正裕(京都大学) 1, 目的 本研究は、日本眼科学会が受託した AMED 事業「次世代眼科医療を目指す、ICT/ 人工知能を活用した画像等データベースの基盤構築」の一環として行われる。当該 事業の目的の一つである、「少なくとも特定の分野において実用可能な AI を作成す る」を達成することを目的とし、具体的には、眼底写真から診断名候補や疾患の進 行度を提示する AI の作成を目指す。 2, 背景と根拠 近年、ディープラーニング技術の確立とコンピューター性能の向上により、画像認 識の精度は飛躍的に上昇しており、大量のデータと正解ラベルを与えることにより、 明示的に特徴量を定義せずとも画像の識別が可能となっている。眼底写真から診断名 候補や疾患の進行度を提示する信頼性の高い AI を作成することが出来れば、例えば 健康診断の読影に応用することで一定のクオリティのものを低コストで提供するこ とが可能となるほか、眼科医が不足している地域で導入することで当該地域の眼公衆 衛生の向上を図ることが可能となる等の効果が期待される。 世界的にはすでにこのような眼科 AI 作成の取り組みが始まっている。糖尿病網膜 症についてグレーディングされた眼底写真 128,175 枚をディープラーニングして AI を作成し、9,963 枚及び 1,748 枚のデータセットでそれぞれ診断能力を検証した結 果、各データセットで、それぞれ AUC 0.991 及び 0.990 を認めたという(Gulshan et al., JAMA, 2016)や、糖尿病網膜症の有無をラベルした眼底写真 75,137 枚をディ ープラーニングし、1,768 枚及び 463 枚のデータセットでそれぞれ診断能力を検証

(2)

した結果、各データセットで、それぞれ AUC 0.94 及び 0.95 を認めたという報告が ある(Gargeya and Leng, Ophthalmology, 2017)。これらの AI は、インドの

Aravind Eye Hospital で試験運用が開始されたと報道されている。しかしこれらは白 人を対象としたものでありアジア人での効果は不明であることや、対象が糖尿病性 網膜症に限られているなど、本邦での実装に向けては改善の余地が大きい。 一般に、おおよその目安として、カテゴリーごとに約 5,000 の教師付データで許 容できる性能を達成し、少なくとも 1,000 万の教師付データで訓練すれば、人間の 能力と匹敵する(あるいは超える)とされている(「保健医療分野における AI 活用推 進懇談会」報告書より)ことから、本研究では日本眼科学会の主導のもと 20 万枚の 教師付データの収集し、国立情報学研究所と協力して正診率 95%以上の AI の作成を 目指す。 3, 研究の方法及び期間 ①期間 研究期間は平成 29 年 10 月から平成 32 年 3 月末とする。 ②参加施設 <情報収集機関> 日本眼科学会 <情報提供機関> 筑波大学、東京大学、京都大学、大阪大学、京都府立医科大学、東北大学、九州大 学、名古屋大学、名古屋市立大学、山形大学、山梨大学、岐阜大学、秋田大学、鹿 児島大学、金沢大学、福井大学、神戸大学、新潟大学、岡山大学、東京慈恵会医科 大学 <情報解析機関> 日本眼科学会、国立情報学研究所及び東京大学 ※情報解析機関については今後増加することが検討されており、その際には再度の倫 理審査を予定している。 ③収集するデータ 眼底画像、診断名(教師データ) ④研究の方法 本研究は侵襲も介入も伴わない観察研究である。 日本眼科学会が情報提供機関より、情報を記録したメディアの郵送によりデータの 提供を受ける。データには個人情報を付与しない。データは、日本眼科学会に設置し

(3)

たデータ格納サーバーに保存する。 日本眼科学会は、収集したデータについて施設毎にランダムに 100 枚〜の眼底写真 を選択して眼底写真のみをもとに診断名をつけ、情報提供機関の診断名との一致率を 評価する。一定未満の一致率を認めた施設については、情報提供施設に判定困難例の 削除等を依頼した上で再度データの提供を受ける。一定以上の一致率であった施設の 眼底写真について、診断名の教師データつきで、日本眼科学会のデータ格納サーバー から国立情報学研究所内の専用サーバーへ、SINET5 を用いた専用回線により転送す る。また、日本眼科学会で眼底写真を読影し直した情報も教師データとして転送する。 国立情報学研究所内で Deep learning による学習を行う。具体的には、ハイパーパ ラメータの調整を行いながら training と validation を繰り返し、学習効率のよいハイ パーパラメータ(隠れ層の数、ノード数、アクティベーション関数、学習率、正則 化の方法等)を探索する。適切なハイパーパラメータのもと deep learning を行い、 パラメータを決定する。 4, 研究対象者の選定方法 研究参加施設においてこれまでにデジタル眼底写真を撮影した方全てを対象とす る。中でも、診断に重要となる所見が眼底写真に含まれる疾患(緑内障、加齢黄斑変 性、網膜血管閉塞症、黄斑上膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症 等)と正常眼底を中心に幅広く収集する。 5, 統計解析等の手法

convolutional neural network を用いた教師あり学習により識別器を作成する。 完成した識別器の性能に関する主要評価項目は正診率とし、副次評価項目として感 度、特異度、AUC を設定する。 6, インフォームド・コンセント 各参加施設は、通常診療において取得された既存情報(診療情報)を、他機関で ある日本眼科学会及び国立情報学研究所へと提供する。これにあたっては、各参加 施設が診断名以外の情報を完全に削除し、対応表を保有しない。診断名以外の情報 を完全に削除した眼底画像は「匿名化されているもの(どの研究対象者の試料・情 報であるかが直ちに判別できないよう、加工又は管理されたものに限る。)」に該当 する。本研究は専ら学術研究の目的であることから、「人を対象とする医学系研究に 関する倫理指針」に則り、以下の事項を各施設が各施設のホームページで公開する ことにより対応する(下図参照)。

(4)

<ホームページで公開する情報>(別紙参照) ①情報の利用目的及び利用方法(他の機関への提供方法も含む) 本情報は、日本眼科学会が眼底画像診断人工知能(AI)を作成するための学習用 及び確認用データとして使用します。データは、メディアに保存して日本眼科学会 へと郵送します。 ②利用し、又は提供する情報の項目 眼底画像及び診断名(ID 等を完全に削除し、対応表を保有しませんので個人は 特定されません) ③利用する者の範囲 日本眼科学会、国立情報学研究所究所及び東京大学 ④情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称 研究施設 個人情報管理責任者 筑波大学附属病院眼科 大鹿 哲郎 東京大学医学部附属病院眼科 相原 一 山梨大学医学部附属病院眼科 飯島 裕幸 福井大学医学部附属病院眼科 稲谷 大 名古屋市立大学病院眼科 小椋 祐一郎 鹿児島大学病院眼科 坂本 泰二 岡山大学病院眼科 白神 史雄

(5)

金沢大学附属病院眼科 杉山 和久 京都府立医科大学附属病院眼科 外園 千恵 九州大学病院眼科 園田 康平 京都大学医学部附属病院眼科 辻川 明孝 名古屋大学医学部附属病院眼科 寺﨑 浩子 東北大学病院眼科 中澤 徹 神戸大学医学部附属病院眼科 中村 誠 大阪大学医学部附属病院眼科 西田 幸二 新潟大学医歯学総合病院眼科 福地 健郎 山形大学医学部附属病院眼科 山下 英俊 岐阜大学医学部附属病院眼科 山本 哲也 秋田大学医学部附属病院眼科 吉冨 健志 東京慈恵会医科大学附属病院眼科 中野 匡 ⑤研究対象者又はその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される情報の利用 又は他の研究機関へのデータの提供。 収集されたデータには特定の個人が識別できる情報はありませんのでこの規定 は該当しません。 ⑥研究対象者又はその代理人の求めを受け付ける方法 本研究について質問がございましたら、各施設担当窓口までご連絡下さい。 研究施設 電話番号 筑波大学附属病院眼科 029-853-3148 東京大学医学部附属病院眼科 03-3815-5411 山梨大学医学部附属病院眼科 0552-73-1111 福井大学医学部附属病院眼科 0776-61-8403 名古屋市立大学病院眼科 052-851-5511 鹿児島大学病院眼科 099-275-5402 岡山大学病院眼科 086-235-7297 金沢大学附属病院眼科 076-265-2403 京都府立医科大学附属病院眼科 075-251-5578 九州大学病院眼科 092-642-5645 京都大学医学部附属病院眼科 075-751-3248 名古屋大学医学部附属病院眼科 052-741-2111 東北大学病院眼科 022-717-7294 神戸大学医学部附属病院眼科 078-382-6048

(6)

大阪大学医学部附属病院眼科 06-6879-3450 新潟大学医歯学総合病院眼科 025-227-2296 山形大学医学部附属病院眼科 0236-28-5374 岐阜大学医学部附属病院眼科 058-230-6284 秋田大学医学部附属病院眼科 018-884-6164 東京慈恵会医科大学附属病院眼科 03-3433-1111 7, 個人情報の取り扱い 各参加機関が提供する診療情報は、各参加機関において、患者氏名、生年月日、カ ルテ番号、住所、電話番号等を消去し、匿名化する。匿名化に当たっては対応表を作 成・保有しない。なお、本研究における既存情報の提供に当たっては、トレーサビリ ティ確保および各施設が情報を提供した記録として、別添の様式 1 により各機関の長 および提供先の機関の長へ届け出る。 日本眼科学会は、収集したデータについて、セキュリティの確保された専用のサー バーに保存し、SINET5 を用いた専用の回線により国立情報学研究所内の解析サーバ ーに転送する。 参加拒否の意思が表明された際には当該患者のデータは可及的速やかに破棄し、解 析に用いない。ただし、当該意思が表明された時点において既に特定の個人が識別で きなくなっている場合や、既に論文等が公表されている場合はその限りにない。 <個人情報管理責任者> 日本眼科学会:長谷川高志 本研究参加各大学: 研究施設 個人情報管理責任者 筑波大学附属病院眼科 大鹿 哲郎 東京大学医学部附属病院眼科 相原 一 山梨大学医学部附属病院眼科 飯島 裕幸 福井大学医学部附属病院眼科 稲谷 大 名古屋市立大学病院眼科 小椋 祐一郎 鹿児島大学病院眼科 坂本 泰二 岡山大学病院眼科 白神 史雄 金沢大学附属病院眼科 杉山 和久 京都府立医科大学附属病院眼科 外園 千恵 九州大学病院眼科 園田 康平 京都大学医学部附属病院眼科 辻川 明孝 名古屋大学医学部附属病院眼科 寺﨑 浩子

(7)

東北大学病院眼科 中澤 徹 神戸大学医学部附属病院眼科 中村 誠 大阪大学医学部附属病院眼科 西田 幸二 新潟大学医歯学総合病院眼科 福地 健郎 山形大学医学部附属病院眼科 山下 英俊 岐阜大学医学部附属病院眼科 山本 哲也 秋田大学医学部附属病院眼科 吉冨 健志 東京慈恵会医科大学附属病院眼科 中野 匡 8, リスク・負担と利益 本研究により被験者が直接受けることができる利益はない。しかし、研究成果によ り将来の医療の進歩に貢献できる可能性がある。また、本研究は既存情報のみを用い た後向き研究であり、被験者に直接的不利益は生じない。 9, 試料・情報の保管・廃棄 本研究における情報は、日本眼科学会において、研究責任者大鹿哲郎の責任の下、 セキュリティを確保したサーバーに厳重に保管する。研究期間終了後 8 年保存した 後、登録番号等を消去し廃棄する。 10, 資金源・利益相反 日本医療研究開発機構研究補助金 本研究の実施に際し、特に問題となる利益相反関係はない。 11, 研究に関する情報公開の方法・研究成果の帰属 本研究の成果は国際・国内学会発表及び論文発表を予定している。また、研究成果 はデータ提供施設には帰属しない。その際、個人を識別できる情報は一切含まない。 12, 研究対象者からの相談対応 原則として本研究参加各大学で対応する。 研究施設 電話番号 筑波大学附属病院眼科 029-853-3148 東京大学医学部附属病院眼科 03-3815-5411 山梨大学医学部附属病院眼科 0552-73-1111 福井大学医学部附属病院眼科 0776-61-8403 名古屋市立大学病院眼科 052-851-5511 鹿児島大学病院眼科 099-275-5402

(8)

岡山大学病院眼科 086-235-7297 金沢大学附属病院眼科 076-265-2403 京都府立医科大学附属病院眼科 075-251-5578 九州大学病院眼科 092-642-5645 京都大学医学部附属病院眼科 075-751-3248 名古屋大学医学部附属病院眼科 052-741-2111 東北大学病院眼科 022-717-7294 神戸大学医学部附属病院眼科 078-382-6048 大阪大学医学部附属病院眼科 06-6879-3450 新潟大学医歯学総合病院眼科 025-227-2296 山形大学医学部附属病院眼科 0236-28-5374 岐阜大学医学部附属病院眼科 058-230-6284 秋田大学医学部附属病院眼科 018-884-6164 東京慈恵会医科大学附属病院眼科 03-3433-1111 日本眼科学会事務局 〒101-8346 東京都千代田区猿楽町 2-4-11-402 Tel:03-3295-2360 Fax:03-3293-9384

参照

関連したドキュメント

2)医用画像診断及び臨床事例担当 松井 修 大学院医学系研究科教授 利波 紀久 大学院医学系研究科教授 分校 久志 医学部附属病院助教授 小島 一彦 医学部教授.

URL http://hdl.handle.net/2297/15431.. 医博甲第1324号 平成10年6月30日

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1367号

金沢大学学際科学実験センター アイソトープ総合研究施設 千葉大学大学院医学研究院

鈴木 則宏 慶應義塾大学医学部内科(神経) 教授 祖父江 元 名古屋大学大学院神経内科学 教授 高橋 良輔 京都大学大学院臨床神経学 教授 辻 省次 東京大学大学院神経内科学

⑹外国の⼤学その他の外国の学校(その教育研究活動等の総合的な状況について、当該外国の政府又は関

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上

大曲 貴夫 国立国際医療研究センター病院 早川 佳代子 国立国際医療研究センター病院 松永 展明 国立国際医療研究センター病院 伊藤 雄介