株式会社タチエス
様
実験部 CAE 評価課
国内外の自動車メーカーへ向けてシートを提供する 「自動車シート一貫メーカー」、株式会社タチエス 実験部 高木様、CAE 評価課 井上様・岡野様・内野様に、 自動車用シートの設計や衝突安全対策について伺いましたシート製造・性能評価統合ソリューション
VSS 導入事例
も く じ 01.(株)タチエスについて 02.自動車用シートについて 03.シートの構成 04.シート開発における課題とCAEの活用 (VPS / VSS導入背景) 05.鞭打ち軽減のためのシート設計 06.CAEを活用したシートづくりと、今後の可能性 07.タチエスの次世代シート骨格「TTKフレーム」 08.シート設計・開発という仕事についてシート設計・開発における
試作工数とコスト削減を目指した CAE の活用
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(株)タチエスについて
(株)タチエスは、自動車用シー トの開発~生産までを一貫して 手掛け、日産自動車・本田技研工 業・トヨタ自動車・三菱自動車工 業・日野自動車・UDトラックス・ いすゞ自動車・吉利汽車といった 国内外の自動車メーカーへシー トおよびシート部品を提供する、 独立系シートメーカーです。 タチエスは、自動車に乗るすべ て の お 客 様 に「 信 頼 」 と「 感 動」を与えられる商品を目指し、 1954年の創業以来、半世紀以上にわたりシートづくりを行ってきました。また近年 では、多様化する世界中のユーザーからの要望へ対応できるための基盤強化として、 アジア・北米・中米・南米・欧州等 世界各国へ新しく拠点を設立しさらなるグロー バル化を展開しています。02
自動車用シートについて
自動車の内装部品で最も大きな部品とい えるシート。 シートとは人と車を結びつける部品であ り、ドアを開けた瞬間に目に入るだけに、 デザイン性は欠かせません。また、触感、 質感、座り心地等の快適性、運転しやすさ、 視界の見えやすさ等の人間工学的設計、 シートの高さや角度調整・アームレスト等 の機能性、そして万が一の衝突に備えた時 の安全性、路面等から入ってくる車体の振 動を不快に感じさせない乗り心地、長年に 亘って使用しても壊れない耐久性等、何気 なく座っている自動車のシートは、幅広いいくつもの設計要件を考慮して設計・製造 されています。 2012年に開設された技術・モノづくりセンター 様々なデザインのシートを設計2 シート製造・性能評価統合ソリューション VSS 導入事例 株式会社タチエス 実験部 CAE 評価課 様
03
シートの構成
自動車のシートは、一般的に基本骨格となるフ レームと、ウレタン(クッション材)、トリム カバー(表皮材)で構成されます 。金属の基 本骨格に、シートバック(背もたれ)、シート クッション(座面)、ヘッドレスト(頭部の支 え)、リクライニングアジャスタ(角度調整)、 シートレール(前後調整)等の各パーツをアッ センブリーすることで完成します。 また、一重にシートといっても、車のカテゴ リ・キャラクターによって求められるシートの デザインも座り心地も変わってきます。 例えば、セダンのような高級車であれば、表皮 は本革が使われ、ソファのように包み込んでく れる高級感が要求されます。また、ミニバンの ような多くの人や荷物を乗せるための車であ れば、後部座席、荷室空間の使い勝手を考慮し た様々なシートアレンジが要求されます。 いくつもの要件を考慮して 設計・開発されるシート こ ぼ れ 話 スポーツカーは何より走りの性能を磨かねばなりません。又、 カッコが良い事も大切です。であれば、低重心、低車高、軽量化 は必然と云えるでしょう。その為にシートも薄く、軽くする事が 前提となります。同時に、ワインディングロードを爽快に駆け抜 けるシーンでも(高い旋回Gでも)きちんと乗員を保持する剛性 感も要求される訳です。これらの事からスポーツカーのシートは 硬めで、しっかり系のテイストが多い訳です。また、路面状況を 的確に把握するためにも振動を伝達する上で有利な硬いシートと なっている側面もあります。 ラグジュアリーカーでは柔らかめで、ゆったり系が多いですが、 これらとは一線を画す訳です。この他にも、安全性も重要なファ クターです。ユーザーの購買意欲を高めるにはデザイン性も重要 となってきます。タチエスのスポーツタイプシートでは、これら の要求性能を高次元で実現しています。 スポーツカーのシートはどうして硬い? 実験部 ジェネラルマネージャー 高木様3
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シート開発における課題と CAE の活用(VPS / VSS 導入背景)
シートメーカーは、自動車メーカーからの要求 仕様(安全性能、外形形状、素材、色 etc)を受け、 その仕様に合うシートを企画・設計開発します。 近年、自動車業界におけるシート製造プロセス では、世界各地の仕向地に合わせた仕様を用意 する必要があるためにモデルやシートバリエー ションが増加する一方、開発サイクルの短縮が 求められます。また同時に 車両の安全性におけ る要求レベルは上がり続け、開発コストとの両 立を図る必要があり、シートメーカーはいくつ もの大きな課題を抱えています。 タチエスは、このような高い要求レベルに対応す べくCAEを活用した設計・開発に着目し、以前 から活用していた衝突・乗員安全性能評価 VPS に加え、2010年からシート製造・性能評価統合 ソリューションVSSを導入しました。 ■ 開発コスト削減、期間短縮に向けたシミュレーションの導入 自動車メーカーが新型車を開発する場合、シートだけでも安全性・商品性・耐久性な どの広範囲に亘って試験を実施します。この中には実車とダミー人形を使用した衝 突安全評価試験もあります。この試験では、衝突試験時のダミー人形の傷害データ を計測することにより、個々の車種別にその衝突安全性が評価されます。この試験 評価(NCAP)は、1979年よりアメリカで実施され、各地域により、JNCAP(日本)、 EURONCAP(ヨーロッパ)等同様の試験が実施されています。この各国のNCAP試 験はユーザーに市場で販売されている自動車の安全性の目安として公表されており、 自動車の認証試験の安全基準より厳しい基準で実施されます。国によってはこの評価◆ VPS (Virtual Performance Solution ) とは 強度剛性・振動・衝突安全・機構運動など多領域の解析 ソフトウェアを包括した、「製品性能評価のための統合 ソリューション」です。
タチエスでは、衝突・乗員安全性能評価ツールとして、 “CRASH”ソルバーを導入しています。
◆ VSS (Virtual Seat Solution ) とは
シート組み立て工程から快適性評価までの一連プロセス を静的・動的にシミュレーションする、「シート製造・ 性能評価統合ソリューション」です。
4
タチエスは、このような高い要求レベルに対応すべく
CAE を活
用した設計・開発に着目し、以前から活用していた衝突・乗員安
全解析
Virtual Performance Solution に加え、2010 年からシー
ト乗り心地解析
Virtual Seat Solution を導入しました。
開発コスト削減、期間短縮に向けたシミュレーションの導入
自動車メーカーが新型車を開発する場合、シートだけでも安全性・商品性・耐久性などの広
範囲に亘って試験を実施します。この中には実車とダミー人形を使用した衝突安全評価試
験もあります。この試験では、衝突試験時のダミー人形の傷害データを計測することによ
り、個々の車種別にその衝突安全性が評価されます。この試験評価
(NCAP)は、1979 年よ
り ア メ リ カ で 実 施 さ れ 、 各 地 域 に よ り 、
JNCAP ( 日 本)、
EURONCAP(ヨーロッパ)等同様の試験が実施されています。
このような試験で高い評価基準をクリアし、
ユーザーへ確かな安全
性を届けるため、
自動車メーカーもタチエスのような自動車部品メ
ーカーも、設計→試作→実験→設計修正の工程を繰り返します。
◆◆シミュレーションにより試作工数とコスト削減◆◆
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衝突・乗員安全解析において
CAE を活用するまでは、過去
の設計に於ける知見や手動計算で予測をたて、試験基準を
満たすシートを完成させるために設計と実験を繰り返して
いました。
さらなる限界設計・開発期間短縮・試作費削減を目指し、そ
れ ま で 行 っ て い た プ ロ セ ス に
Virtual Performance
Solution を加えたことで、より短時間で安全上の課題発見、
設計修正を行い、試作段階の質をかなり高いレベルに上げられるようになりました。
1 脚のシートの中には、多いものでは 300 以上 の細かい部品で構成されており、試験項目
も安全性・商品性・耐久性など数
100 項目もあるため、シミュレーションを活用して設計で
きることで、開発時間が大幅に短縮されました。
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シート試作工程 実験部CAE 課 課長 井上様 図 面 出 図 部 品 設 計 試 作 評 価 量産 C A E 図 面 出 図 部 品 設 計 試 作 最 終 評 価 量 産 試作評価の段階で多大な 開発期間・試作費を要していた。 シミュレーションの活用により 開発期間・試作費を削減 VPS による解析画像 VPSによる解析画像 部品設計 図面出図 試 作 図面出図 試 作 評 価 量 産 量 産 部品設計 C A E 最終評価 デザイン性導 入 前
導 入 後
法規適合性 商品性 信頼性 (耐久性) 快適性 安全性 操作性 環境性 コスト 生産性4 シート製造・性能評価統合ソリューション VSS 導入事例 株式会社タチエス 実験部 CAE 評価課 様 衝突・乗員安全解析においてCAEを活用するまでは、過去 の設計に於ける知見や手動計算で予測をたて、試験基準を満 たすシートを完成させるために設計と実験を繰り返していま した。 さらなる限界設計・開発期間短縮・試作費削減を目指し、それ まで行っていたプロセスにVPSを加えたことで、より短時 間で安全上の課題発見、設計修正を行い、試作段階の質をか なり高いレベルに上げられるようになりました。 1脚のシートの中には、多いものでは300以上の細かい部品 で構成されており、試験項目も安全性・商品性・耐久性など数 100項目もあるため、シミュレーションを活用して設計でき ることで、開発時間が大幅に短縮されました。 ■ シミュレーションにより試作工数とコスト削減 により保険料に差が出る場合があります。 このような試験で高い評価基準をクリアし、ユー ザーへ確かな安全性を届けるため、自動車メーカー もタチエスのような自動車部品メーカーも、設計→ 試作→実験→設計修正の工程を繰り返します。 シート試作工程 実験部CAE評価課 課長 井上様 試作評価の段階で多大な 開発期間・試作費を要していた シミュレーションの活用により 開発期間・試作費を削減 部品設計 図面出図 試 作 図面出図 試 作 評 価 量 産 量 産 部品設計 C A E 最終評価 デザイン性
導 入 前
導 入 後
法規適合性 商品性 信頼性 (耐久性) 快適性 安全性 操作性 環境性 コスト 生産性
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《活用事例》 鞭打ち軽減のためのシート設計
衝突時に発生する頸部傷害(鞭打ち)の軽減は、シート設計において重要な課題です。 近年、JNCAPにより後面衝突頸部保護性能試験(後面衝突による頸部傷害軽減に関連 した試験プログラム)が発表されました。規定された試験を行い、頭部および頸部の 加速度・荷重から傷害値を算出し、0 ~ 12点で評価します。更にこの12点満点の評 価結果を5段階に分けて評価されます。その他の車両のさまざまな試験結果を含め、 車両全体としては星マーク1 ~ 5個で評価されます。(5個が最高点)そのため、シー トメーカーは、自動車メーカーから、この傷害値に関して高い予測精度が求められ ます。 ■ タチエスでは、JNCAPの後面衝突頸部保護性能試験のフローチャートに沿って、 シートモデルアッセンブリー工程から静的・動的性能評価まで、VSSおよびVPS を用い実施しました。Step1. シートアッセンブリー
Step2. 3Dマネキン
※1+HRMD
※2着座位置測定
Step3. BioRIDⅡダミー
※3の着座解析
Step4. BioRIDⅡダミースレッド解析(⊿V20km/h)
シートアッセンブリー 3DM+HRMD着座位置測定 BioRIDⅡ着座解析 衝突・乗員安全評価 VPS 動的スレッド解析 シート製造・性能評価 VSSシート製造・性能評価統合ソリューション VSS 導入事例 株式会社タチエス 実験部 CAE 評価課 様 ■ Step1. シートアッセンブリー工程のシミュレーション ... Step2以降の結果を精度よく予測するために はシートモデルを詳細に模擬する必要があり ます。そのためにStep1において、トリムカ バー ・ウレタンパッド等の部品を詳細にモデ ル化し、シートアッセンブリー工程のシミュ レーションを行います。これにより、シート アッセンブリー工程時に生じるトリムカバー やウレタンパッドの内部応力までも模擬する ことができます。 以上により、ダミーを着座させた際の姿勢・Hポイント※4を正確に予測することがで きます。 ■ Step2. 3Dマネキン+HRMDの着座位置測定 ... Hポイントおよび、頭部とヘッドレストとの位置関係の測定は、3Dマネキンと HRMDを用いて実施します。このプロセスでは、3Dマネキン+HRMDで着座解析を 行い、Hポイント・トルソアングル※5・バックセット※6位置を測定します。 ■ Step3. BioRIDⅡダミーの着座解析 ... Step2.で測定した寸法を用いて、BioRIDⅡダミーの初期姿勢を定義します。このプ ロセスで静的な着座解析を行い、その結果を用いて動的スレッド試験シミュレーショ ンの初期着座姿勢を定義します。 3DM+HRMDの各部測定 BioRIDⅡダミーの着座姿勢定義
7 ■ Step4. BioRIDⅡダミーのスレッド解析 ... BioRIDⅡダミーの頭部および頸部の加速度・荷重から傷害値を算出し、評点を求め ます。 自動車シート設計のポイントは、「動く乗り物に設置 される」椅子であるということ。だから、単純にシー トの“座り心地”が評価基準をクリアしても、車が動 いた状態での性能が出ていなければダメ。一方、シー トの衝突性能評価も、人が乗っている状態で評価する 必要があります。VSSを使用してダミーの着座姿勢を 正確に予測することにより、その先の衝突安全シミュ レーションの予測精度が向上し、試作レスを目指す中 の大きな一歩となりました。 ■ VPSとVSSの連成効果 実験部 CAE評価課 マネージャー 岡野様 BioRIDⅡダミーによる動的スレッド解析 7 Step4 のスレッド解析では、BioRIDⅡダミーの頭部および頸部の加速度・荷重から傷害値を 算出し、評点を求めます。
■
Virtual Performance Solution と Virtual Seat Solution の連携の効果自動車シート設計のポイントは、「動く乗り物に設置される」 椅子であるということ。だから、単純にシートの”座り心地” が評価基準をクリアしても、車が動いた状態での性能が出てい なければダメ。一方、シートの衝突性能評価も、人が乗ってい る状態で評価する必要があります。Virtual Seat Solution を使 用してダミーの着座姿勢を正確に予測することにより、その先 の衝突安全シミュレーションの予測精度が向上し、試作レスを 目指す中の大きな一歩となりました。
7. CAE を活用したシートづくりと、今後の可能性
実験部CAE 課 課長 井上様に、CAE を活用したシートづくりと、Virtual Seat Solution の今後の可能性について聞いてみました。 生産工程をイメージできること CAE を使ってシミュレーションするには、まず生産現場 を見ることですね。どんな工程を経てシートが完成する のか、その工程の中でどんな課題があるのか。コンピュ ータの中ではスムーズに流れている作業も、実際現場に 行くと、作業者が無理な体勢で作業をしていたりします。 また、部品によっては多くの工程を経て部品を成型して いる場合もあります。その工程を実際に見ることで、机 上で作業していても、頭の中で色んな可能性をイメージすることができる。現場をイメー ジできることは、CAE エンジニアにとって大切なことあり、また、同様に CAE を提供す る側であるイーエスアイにも、現場のものづくりを知って欲しいと思っています。 実際のアッセンブリー工程 トリムカバーとウレタン を一体で発砲する工程 BioRIDⅡダミーによる動的スレッド解析 実験部 CAE 課 岡野マネージャー様 実験部CAE 課 課長 井上様
シート製造・性能評価統合ソリューション VSS 導入事例 株式会社タチエス 実験部 CAE 評価課 様
06
CAE を活用したシートづくりと、今後の可能性
―実験部CAE評価課 課長 井上様に、CAEを活用したシートづくりと、VSSの今後の 可能性について聞いてみました。 ■ 生産工程をイメージできること CAEを使ってシミュレーションするには、まず生産 現場を見ることですね。どんな工程を経てシートが完 成するのか、その工程の中でどんな課題があるのか。 コンピュータの中ではスムーズに流れている作業も、 実際現場に行くと、作業者が無理な体勢で作業をして いたりします。また、部品によっては多くの工程を経 て部品を成型している場合もあります。その工程を実 際に見ることで、机上で作業していても、頭の中で色 んな可能性をイメージすることができる。現場をイ メージできることは、CAEエンジニアにとって大切 なことあり、また、同様にCAEを提供する側である イーエスアイにも、現場のものづくりを知って欲しい と思っています。 ■ さらに細かいシートモデルで予測精度を向上 VPSやVSSの活用としては、さらに細かいシートモデルを作っていくと、シート設 計においていろいろな可能性が見えてくると思います。但し、計算資源の問題や開発 プロジェクトへのタイムリーな対応を考えると、全てを細かくモデル化すれば良いと いう訳ではありません。その中で、イーエスアイには、今後もVSSの活用における 提案や、継続した技術サポートを頂きたいと思います。 実験部CAE評価課 課長 井上様 トリムカバーとウレタンを一体で 発泡する工程 実際のアッセンブリー工程
08
シート設計・開発という仕事について
―自動車が子供の頃から好きで、自動車に携わる仕事がしたいと思いタチエスに入社 したという、実験部 CAE評価課 内野様に、シート設計・開発というお仕事につい て聞いてみました。07
タチエスの次世代シート骨格「TTK フレーム」
タチエスでは、2012年に、安全・軽量・コンパクトを追及した標準シート骨格「TTK フレーム」を発表し、国内外の自動車メーカーの様々な車種へシート提供しています。 ※T(タチエス)T(提案)K(骨格):タチエスが各自動車メーカー様へ提案しているシー トフレーム ■ 標準シート骨格 誕生の背景 自動車のシートは、車種により要求される機能や性能が異なります。従来は車種ごと の要求仕様に合わせて個別に骨格を設計していましたが、「TTKフレーム」では、あ らゆる機能・性能を包含できる基本骨格を設けていくことで、一部の部品を変えるだ けでさまざまな種類のシートを実現できるようになりました。 例えば、座面高さを調整するシートでは手動か電動かで取り付ける部品が違い、従来 はこれらの違いに対しサイドフレーム(座部/背もたれ部の側方に位置するフレーム、 下記写真の矢印部)の設計も変更していましたが、どちらへも対応できるようサイド フレームを共通化しました。 TTKフレームでは、このような様々な個別設計の課題に対し、基本骨格を設け一部の 部品を変えるだけで様々な種類のシートに対応できることで、生産時間の短縮・コス ト削減を実現しました。 マニュアル仕様 パワー使用 サイドフレーム 標準シート骨格TTKフレーム0 シート製造・性能評価統合ソリューション VSS 導入事例 株式会社タチエス 実験部 CAE 評価課 様 シートは自動車のドアを開けて最初に目に入る部分な ので、デザイン性も重要だし、また、運転手にとって常 に体と接触する部分でもあります。それだけにシートづ くりという仕事にやりがいを感じるし、確かな商品性を 持って最高のシートを届けたいと思っています。日本だ けでなく海外でも、自分が開発に携わったシートで運転 している人たちがいると思うと凄くやりがいを感じま す。設計と実験を重ねたシートが製品化され送り出され る時は本当に嬉しいし、日常生活の中で見かけると、目 で追ってしまいます。これからも、安全で快適な乗り心 地にとことんこだわって、良いシートづくりに貢献した いと思います。 タチエス様、お忙しい中、 貴重なお話をありがとうございました。 用 語 解 説 ※1 3Dマネキン 自動車室内寸法測定用3次元座位人体模型のこと。Hポイントなどの測定を標準・規格化するため に開発された測定標準具。
※2 HRMD(Head Restraint Measuring Device)
3Dマネキンと共に使用してヘッドレスト前面/上端とダミー後頭部/頭頂部の距離を測定するた めの装置。 ※3 BioRIDⅡダミー 後面衝突頚部保護性能試験用に開発された人体模型。体格はHybridⅢダミーと同様に米国成人 男性の50%タイル(AM50%ile)に相当し、体重は78kg、各部に加速度計などのセンサーを内蔵 している。付属品を含めた試験時の質量は約85kgになる。 ※4 Hポイント(ヒップポイント) 自動車と人の位置関係の基準点のひとつ。シートに着座したときの人の股関節に相当する。シー ト開発時には3Dマネキンを用いて計測する。 ※5 トルソアングル 3Dマネキンのバック角分度器を用いて測定するHポイントを通る垂直線とトルソライン(3Dマ ネキンのプローブを最後方位置に置いたときのその中心線)のなす角度のこと。 ※6 バックセット HRMDを使用して規定された手順に従って測定したヘッドレスト前面とダミー後頭部の水平距 離のこと。 実験部 CAE評価課 内野様
日本イーエスアイ株式会社
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