鳥大農研報 (Bull.Fac.Agric。 ,TottOri Univ.)28 1∼0 (1976)
イ チ ゴ の 休 眠 に関 す る生 理 学 的 研 究
I.休
眠期の生育相 ならびに休眠の推移 に伴 う
クラウン内の生長調節物質の動 き
田辺賢ニ
キ
・林
真ゴ・平田尚煮・山本雄ぞ
キ
昭和50年9月22日受付Physiologicat Studies on DOrmancy of Strawberry
(FTαgα″,αgTα
η'ザ
′οTα
EHRH cultivar Hokowase)
I.GrOwth Habit in he Period of Dormancy and Changes of
G rOwth―regulating Substances in the Crown
with Progress of DOrmancv
Kenii TANABE, Shin,i HAYASHI, Naonli HIRATA and Yuhii YAhAAMOTO
The dormancy in strawberries (FTα
=,T'α =Tα
,』J″ο″α EHRH Cultivar
Hokowase)wasね
dlAcedね he Totねri dstrたti」apan dllrhg he perbd fromthe end of August to the beginning of November, and broken down in the
mitklle of 」anuary. The chilling duratiOn for breaking the dormancy required about 21 days at 4°C。「Γhe actlvity Of gibberellin― lilte substances in tlle acidic
fraction of metllyl alcohol extract in tlle strawberry crown was iow during
tlle period from the middle of November to he middle of 」anuary, and gradually increased fron he middle of January to April. The act ity of inhibitory substances on he growtll of rice seedlings was high during he
period frOn he middle of November to he middle of December when tlle
dormancy was most deep, and rapidly decreased during the period from the middle of December to 」anuary. These trends Of inhibitory activiⅢ appeared tO change witla the progress of dormancy. Auxin― like substances in 'ie acidic fraction of methyl alcohol extract of tlle strawberry cro、vn decreased in activity from he middle of November to he middle of January and sliglatly increased at he beginning of March. The paper chromatographic behavior of tthおibry substances h he straigllt growh of avena coleopile was obServed
in tlvo regions,Rfαl―α4and RfO,7-1.0(so ent system;iSopropanol:ammonia:
water=10■:lv/vl.The inhibitory act ity at he range of RfO.1-0.4 remarkably
decreased wih the prOgress of dormancy breaking. The Oher act ity
RfO,7-1.O WaS more sensitive han hat of RfO,1-0.4. This act ity,hOwever,
showed nO changes wih the progress of dOrmancy.
*鳥取大学農学部農学科園芸学研究室
Fac″どιノ ο′ A rT'C″どとvT9, TOι ιOT' y・t,νぞTs'Jグ
田辺 賢二・ 林 真二 緒
言 イチゴは一般 に晩秋季の短 日低温条件になると、それ まね
I盛
な生育 を続 けていた株の生育が緩慢 となり、新 たに展開 してくる葉は小型化 しまたその葉柄 も短少化 し て、いわゆるロゼ ッ ト状 となつて冬季 を迎 える。 イチゴにおいては、このロゼットの状態 を休眠 とよぶ。 しかしイチゴの株の休眠は樹木の冬芽、種子、球根類 に み られるよ うな、完全に生長 を停止 し生育 に好適 な条件 にも全く反応 しない状態の休眠 とはその様相 を異 にし、 ロゼ ット状 を呈 した株でも適当な温度 条件のもとにおか れれば、いつでも葉が展 開を始め また花芽も発育 して開 花結実 し、 さらに腋芽も盛んに分化発達する。 しかしながら展 開する葉は小型で暗緑色 を呈 し、 また その葉柄 や花榎 も著 しく短 く、いわゆる矮化現象 を呈 し 果実の収量 も著 しく少ない。 このよ うなイチゴの体眠現象は、秋季の短 日条件?と くに花芽分化後の限界日長以下の短 日によって誘導 され望 冬季の自然低温 を経過することによって打破 される。 一たび休眠に陥ったイチゴの株が葉および花房の旺盛 な生長を行な うためには一定時間低温 に遭遇す ることが 必要で あり、その時間は品種 によって異 なっている子'1° 一方休眠 とその状態をもたらす内的要因 との関係につ いては、樹木の冬芽ミ'6,1つ タマネギpグ
ラジオラスΨ ア イリスDお
よびナガイモ°などにおいて、内生生長調節 物質 との関連性が追求 され、いずれもAbscisin酸 (AЬA)が
休眠 を支配する一つの要因であることが見出 され ている。 しか しながら、イチゴにおいては、休眠 と内的要因 と の関連を追求 した例 はきわめて少なく、わずかに李Ψ遠 藤 ら°の報告をみるのみであり、まだその本質を説明し うるものは見出されていない。 従来イチゴの作型は、それぞれの作型 に適 した品種 を 用いることによって成立 していた。 しか し近年では被覆 資材、暖房機具および冷蔵施設の発達 に伴 って、ダナー、 宝交早生等 にみられるよ うに、特定優良品種 を用いてそ の生態反応 を巧みに利用 した作型 が考案 され、広 く普 及 するとともに単一品種 による周年栽培 も可能 となってい るド しかしその一方では、イチゴ作経営 を有利に進めよ うとするあまり、促成、半促成等の前進栽培 を強 く進め ると、生育途中で葉身力剃ヽ型化 し、業柄も短小 となって 株が矮化症状 を呈する例 が多く見受けられる。 このよ うな症状はイチゴの休眠打破に必要な低温要求 が十分 に満 されていない状態で加温 された時 に生 じ、結 平田尚美・山本雄慈 局低温要求が満 されたか否 かの判断を誤った事 に起因す る。 前進栽培 における休眠打破の方法 として、自然低温 に よる打破の外、積極的な方法 として株冷蔵処理が行なわ れているザ'12,1310し かしこの方法は多大の労力と時間を 要 し、また苗の活力を低下 させ る点です ぐれた方法 とは いえず 、またこのことが前進栽培を不安定化 している一 つ の原因ともなっている。 今後、イチゴ作経営を有利に導 く前進栽培 を安定化 さ せ るためには、これ ら休眠現象を確実に、 しかも容易に 回避 ないし打破する方策 を見出 さなければならない。 このようなことから本実験 はイチゴの休眠現象 と内的 要因との関連性 を明 らかにするとともに、ケ ミカルコン トロールによる休眠の回避 ない し打破の方法を見出すた めの基礎資料を得る目的で行なわれたもので ある。 実験材料および方法 実験 は1972年10月 から1974年4月 にわた り、イチゴ「 宝交早生」 を供試 して行なわれた。すなわす72,'73年 と も7月 から10月上旬 にかけて養成 した宝交早生苗 を回場 に定植 し、鳥取地方で行なわれている慣行の施月巴管理 に よって栽培 し、10月下旬 から翌春の4月 にかけて実験 に 供 した。 '72年11月上旬 から'73年4月 下旬 にないては、 2週 間 ごとに株 を堀上げ、地上部および地下部の生育調査を行 なった。またこれと平行 して休眠の誘導 から打破 に至る 時期的な経過 を明らかにするために、予め苗 を鉢植 えに し、10月下旬 より1月 中旬 までの間、 2週 間ごとに15∼ 25℃の温室に搬入 した。日長は自然日長とし搬入 してか ら50日後になける新生第3葉の菓柄長ならびに葉幅 を測 定 した。 '73年11月から'74年4月 においては、低温遭遇時間と 休眠打破の関係 を明 らかにす るため、前年の結果から最 も休眠の深 い時期 と考えられた11月10日に宝交早生の株 を堀上げ、4℃ の低温室 に搬入 した。これらの苗を7、 14、 21、 および28日後 にそれぞれ10株ずつ取出 し、素焼 鉢 に植付 けた後昼間20∼ 25℃、夜間15℃の温室 に入れ、 40日後 における新生第3葉の葉柄 長 および葉幅 (3枚 の 小葉身 を1枚 の葉 とみなし、葉柄 に直角方向の最大幅を もって葉幅 とした。)さ らに花榎長を測定 した。 次 に休眠の推移に伴 うクラウン内の生長調節物質の動 きをみるため、■月15日、12月 15日、1月16日、3月 1日 および4月16日の5回 にわたって株 を堀上 げ、各時期 と も100株分のクラウンを80%メ タノールで抽出 した。イチ ゴの休 眠 に関 す る生理 学的研 究
I
抽出は第1図に示 す方法で行 ない、酸性分画 を得 た。 これ を30℃以下の温度で減圧 濃縮 、乾回 したの ち、ぺ=
パークロマ トグラフィーによつて展 開分離 し、cibberellin Auxinお よびAbscish(ABA)の活性 を測 定 した。 展 開はイソプロ ピールアルコール :ア ンモニア:水=
10:1:1の
組成の溶媒 を用 い、 また2X40cm,No50の 東洋済紙 を使用 して行 なった。 Materi』S I←一Mehanol(80%) Extract 24hrs at 3 times O℃I Filter Me due │ EvapOl・
ateil颯
:角出
Si5勿
pH 7.5 一 Ethyl acetate 他方は4℃ の低温処理 を25日間おこなったの ち温室 に搬 入 し、16時間 日長で加温 (15∼25℃)した。 そして 1月 上旬 にこれら双方の株のクラウンを各20,ず
つ80%メ タ ノールで抽出 し第1図 の方法で酸性分画を得た。次にこ れを濃縮乾 回後、少量のエチルアルコールで溶解 し、No. 50、 40X40cm東 洋汗紙 にスポットし、イツプロピールア ルコール:アンモニア :水=10:111の
溶媒系でマス ペーパークロマ トグラフィーを行なつたのち、Rfα l∼ 0.5の区分 とRf O,6∼ 1.0の区分 とに2分 し、それぞれを メチルアルコールで再抽出 した。 前者の区分の抽出液を FraciOn I、 後者の抽出液 を Fracion Ⅱ とし、それぞれを濃縮、乾回後No.50、 2× 40cm東洋汗紙 にスポ ッ トし、前述の溶媒系で展 開 した。 これ らのベーパークロマ トグラムを10等分 し、イネ短銀 坊主の種子 によるCibberellin活性の測定 を行なつた。 実 験 結 果1.休
眠則 における生育相 露地条件で生育するイチゴ「宝交早生」 の晩秋 か ら早 春 にかけての地上部、地下部の動 きをみると、第 2図 お よび第3図 のとおりである。 3 21 NOv. 7 24 14 8 29 24 」an.Feb.Mar.Apr.
DateR32岳
!科穏 e乱 ユi島 :4翠
訂 毬 」¶ c∬ raWbttry O Length of petiole O Nu ber of leaves △ Nu ber of roots まず葉につ いてみると、11月上旬 から12月中旬 にかけ て、夕帥」の古 い葉から順次枯死脱落 し、一方新葉の展 開 Ethtt acetate十
一
Evaporate NaHC03 │←―HCI(10%) pH 3.0 Neutral fractiOn十
一
Evaporne AcidiC fractionR31認
締毬
aili服
ド
r:縦
ittif°∴
ご
r‐auxin―like substances from strawberry
crown tissues, Cibberenin様 物質の活性の測定は、展 開の終 ったベ ーパークロマ トグラムを10等分 し、各区分 を蒸留 水で抽 出 し、 この抽出液 に催芽 した矮性 イネ品種「短銀坊■」 の種子を入れ、28℃の恒温室内で蛍光灯照明のもとに7 日間培養 した。 7日 後各区分の第2葉鞘長を測定 し、蒸 留水のみに入れて培養 した区の葉鞘長を100と して各区 分の比数をヒス トグラムに表わして活性 を比較 した。 Aux 様物質および
ABA様
物質の活性は、ペーパー ク ロマ トグラムを10等分 したのち、2%シ
ョ糖で抽出 を行 ない、この抽出液中でのアベナ子葉鞘の伸 長量 を測定 し、 ショ糖液のみの標準区における伸長量 に対する比数 をヒ ス トグラムで表 し活性を推定 した。 一方これとは別に休眠中の株 と、休眠が完全に打破 され 旺盛 な生育 を始めた株とにおけるクラウン内のGibberellin 活性 を比較 す るため、■ 月中旬 に一方 は15∼25℃の 温室 に搬入 して それ以後低温 に遭遇 しないようにし、瀦
と
r瀬
識
¢ , 0 5 h 咆 g ω ∽ 。 > d o 一 ︼。 冑 O ね 日 や Z 如 36 32 28 24 20 16 ・2 8 4 ︵ g ︶ o 巧 “ , 出 お 編 暫 o日 20 c. 6 脱︵ ∞ ︶ 一ボ 中 一 o , H o ぢ ミ 民 ふ ︻ ∩ 田辺賢二・林 真二・平 田 尚美・ 山本雄慈 14 8 29 れず、生育の進展 に伴 い徐 々に増加 した。
2.加
温 開始時期 と葉の生長 露地条件下におかれた「宝交早生」株 を10月下旬 より 2週間毎に温室 に搬入 し50日後 における新生第3葉の葉 柄 長 とその葉幅 を測定 したところ第4図 の結果を得た。 す なわち11月上旬 に温室へ搬入 した株は、その前後 の 時期 を通 じて最も短 い葉柄長を示 し、このころが最も休 眠の深 い時期であることが うかがわれた。以後搬入時期 が屋 くなるほど葉柄の伸長も長 くなり、 1月 上旬 を過 ぎ る頃 よ り伸長がとくに顕著 となり、葉身 もうす く大型 と なって矮化注状 はみ られなくなった。 Time Of fOrcingFig.4 Effect Of fOrcing time on the petiole length alld leaF width of strawberry plants.
O Length of petiOle O Width of leaf
3.休
眠打破に要す る低温処理期間 11月上旬 に低温処理 を開始 し、処理 日数 とイチゴの株 の動 きとの関係をみた結果第 5図 のとおりであった。 すなわち最も休眠の深 いと考 えられる■月上旬 に、低 温 を与 えず に温室 に搬入 した場合には、展 開して くる葉 の葉柄 がきわめて短 かく、また葉身も小型で暗緑色 を呈 し強 い矮化現象 を示 した。一方低温処理が施 された株 に おいては、明らかに葉柄 の伸長が良好 となり、また処理 日数が郷 日間の限 りでは、処理 日数が多くなるほど、葉 柄長、花梗長のいずれも日数に比例 して長くなることが 認め られた。 さらに葉幅 についてみると、処理 日数力遊1日まで は日 数とともに増加が認め られたが、それ以後はほぼ同 じ大 OL意二五 ︵ S ︶ ‘ ↓ 〓 鷺 翌 8 F , 暫 聖 o 巧 一ゃ 。 は2 4
柿
r Z C. 6 DNωl Jan. Feb, Mar.
Date
Fig.3 Changes Of dry matter weigllt oF strawberry
plants during the periOd of dOrmancy. O Leaf Ыa畿
× Crown
O Petiole □ Root は緩慢 となって株 あた りの葉数が急速 に減少 していく。 その後 もわずかに減少の傾向を示 したが、 3月 上旬頃よ り新棄の展開が活発 となり、 4月 に入ると著 しい葉数の 増加がみ られ た。これらの動 きを乾物重の推移でみると、 葉身重は11月上旬以降急速 に減少 し2月 中旬頃に最低 と なる。 そして3月 上旬 より再び増加を始め、下旬から4 月上旬 にかけて顕著 に増加 した。 葉柄重においても、葉身 とおいてみられたよ うな大 き な変化はみられなかったが、ほぼ葉身と平行的な変化を 示 した。 休眠の程度を示す尺度の一つで ある展 開中の新葉から 数えて3番目の葉 (以下 これを新生第 3葉 とよぶ。
)の
菊柄長の推移 をみると、■月上旬 から12月上旬 にかけて 著 しく短少化 し、以後3月 に至るまで短小のまま経過 し た。その後 3月 下旬から4月 にかけて急速 に伸長 した。 根数については11月上旬から1月 上旬にかけての間は ほとんど変化がみられず、その後 2月 から3月 上旬 にか けてやや減少の傾向を示 し、3月 中旬 より著 しい増加を みた。根の乾物重について調べた結果も、ほt尉艮数 と同 じ動 きを示 した。 クラウンの乾物重の推移をみると、顕著 な動 きはみら D峨
2 0cイチ ゴの休眠 に関 す る生 理 学 的研 究
I
︵g ︶ 解 電 瘍 3 〓 0 哺 お 声 , V od 25 20 15 ︵S ︶ F 葛 亭 増 o お 路 聖 Ь 漁 , 習 裂 聖 o ︻゛ω 儀 が認め られた。 さらにそれらの抑 制物質は■月中旬に比 べて、より強まっている傾向にあった。 1月 中旬 に入ると、RfO.3∼0,41こややGA活性が回復 し またその他の区分にみ られる抑制物質の活性は、12月中 旬 に比べてはるかに低 くなっていることが認められた。 さらに3月 にはいると、それまでRfO.3∼ 0.5付近にの み限 られていたGA活性が、大部分の区分で認められるよ うになり、また抑制物質はわずかの区分で認められるに 過 ぎなかつた。 4月 中旬においては、抑制物質はRf O.8∼0。91こわずか に認められるのみで、他の区分はすべてGA活性 を示 し、と くにRfO.1∼α5においてかなり強いGA活性 力潮め られた。 これ らの結果より各時期におけるCA活性の合計値 と抑 制物質活性の合計値 を求め、その推移をみると第7図 の とおりである。すなわち抑制物質 については、■月中旬 から12月中旬 にかけて多く存在 し、休眠打破に有効 な低 温の要求が急速 に満 される12月中旬から1月 中旬 にかけ てこの抑制物質が急速 に減少 し、 3月 までにはほとんど 消失する。 またGibberellin様物質については、抑制物質の急速 に 減少する1月中旬 より増加の徴候 を示 し3月 にはいると 著 しく増加する。 したがって低温 に遭遇 して休眠が打破 される過程で、 0 7 14 21 Ch■ling duration Cdays)Fig.5 Relation between leaF and flower and chJhng duration at 4℃.
O Lellgh of petiole e width of leaf blade △ Lengh of flower stalk
きさ とな り、 おお よそ21日 間で低 温 要求 が満 されて い るよ うに うか がわれた。
4.休
眠の推移に伴 うクラウン内 巧 ͡♀
キ
%警
の
活
性
::
■月中旬から翌春の 4月 中旬にEヾ
至る間の各時期における酸性分画 占ヤ 中の Gbberenin様 物質の活性をみ たところ第 6図 のとお りであった。 休眠の最も深いとみなされる11月中旬においては、
RfO。3∼ 0.4のξぞ
区分にわず湖こ
GA活 性が認められ
邑
: るのみで、他の大部分の区分すな 場ちわ
ち
叩卜は
2およ
び叩
5」
.Oξじ
の区分では抑制物 質の存在す るこ とが認め られ、特 にRfo.8付 近 に強 い抑制物質のあることが認め られた。 次 に12月中旬 に入 ると、GA活性 はRЮ.5の区分で わずかに認められ るのみで、RfO.1∼0・4の区分 とRf O.6∼ 1,0の区分 には強い抑制物 質00
聯05 1,00
聯05 10
Apr.16 GA]O Rr O・
5 10
rellin―like activity in the crowns of strattberry
by using methyl alcohol extracts(acidlc fractiOns) dlvarf rice seedlings,
of chronlatgrans, isopropyl alcohol i aHlmonium
・2 ︲0 8 60 40 20 ^ ぁ , ■ 事 O け ] 目 事 罰 室 宅 ︼ 貨 0 ぁ い て 〓 ゃo o MF 事 Q 営 0 ︻ a ︼0 ∽ 輛 ゛ 0 卜 田辺賢二・林 真二・平 田尚美・山本雄慈 Fraction I O R∫
6
誌
Octtng
∫
5 T0
10 ∞ 側 80 門 ら L ,E 3 お よ ︶ 〓 一 学 0 缶 む C O 坊 E O , x 彎 ︲40 剛 ︲20 ︲10 m ∞ 80 70 ぞ 角 督 3 ち ゞ ︶ F 一 姜 o L ぃ g o 協 g O 一x はNo∼L15 Dec.15 」an,16 Mar.l Apr.16
Date
Fig.7 Cllanges of tot』 acti ties on promoting or inhbiting the extension of rice seedlings.
O Total pronKjting activaty of extension of rice seedlings
● Total iれibiting acti ty of extension of rice seedlings まず抑制物質が減少 し、次いでGibberellin様物質が増加 することが知 られた。 さらにこのことを一層明 らかにするために、■月中旬 以後漏室 に搬入 して低温に道遇 させていない強い休眠状 態の株 と、十分な低温処理 とその後長 日高温条件下にお かれて、完全に休眠の打破 された株 とにおけるクラウン 内のGibberellin活性 を比較 したところ、第8図 のとおり であった。 すなわち強い休眠】犬態 にある株のクラウン内において
は、Fracjon Iお よびⅡのいずれにおいても
GA活
性 が全 く認められず、すべて抑制物質で しめ られていた。 とくにFraction Iの Rfo.6∼1.0、 Fraction IのRfo.8
を中心としたR10,6∼0.9の区分でそれぞれ強い抑制物質
力囁私め られた。
一方休眠が完全に打破された株のクラウン内において は、Fraction Iの RfO.1∼α8にGAヤ舌性がみ られ、とく にRfα 6において高い活性 が認め られた。 また休眠株 に おいてみ られたような強い抑制物質はみ られず、Rfo.9 ∼1.01とおいてわずかにみ られるのみであった。
Fraction lについてみるとRfO.6においてGA活性がみ
られ、またRfO,8∼1.0においてやや強い抑制物質が認め
られたが全体 としての抑制活性は休眠株のそれに比べて
はるかに少なかった。Rf値 からみて、Fraction Iに おけ
るRfO.6の 促進物質はCA3、 またFrac on lにおけるRf
Rデ 5
齢
・
監
‖
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R38静
翠
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漱 鑑満脇 譜
rttei咄
│:1:1堵 Non―chlled strawberry plants:Filデ
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ヂ
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■
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鶏‖
絶七
:6だ
靴貿
:塩ぎ戦
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・
F襴
:l熟す訛絲越∬
. 0,7∼0。8の抑制物質はABA様
の物質と考えられた。 1.Auxin様 物質の活性 ■月中旬 から4月 中旬 に至る間の各時対におけるAu n 様物質の活性の動 きをみた結果、第9図のとおりで ある。 すなわち■月中旬 においてはRfO.5∼0,6において、か なり高いAuxin活性が認め られ、 他の区分のRfo,1∼0・4 とRfO.7∼1,01こおいては著 しい抑制物質の存在力澪忍め ら れた。 12月中旬 にはいると、RfO.5にAuxin活性 がみられたが、 ■月に比べるとはるかに低 くなっていた。 またRfO.1∼ 0.4と Rfα 7∼1.0の両区分 には強い抑制物質がみ られた。 1月 中旬 においてはRfO.3∼0.61こおいて、わずかに Auxin様の活性がみられ、またRfα l∼0。2と Rfα 7∼1.0の 区分 において抑制物質力渭忍め られた。 とくに■∼12月に おいてはRfO.1∼0,4の区分の抑制作用が強かったのに比 べ、1月中旬 にはいるとこの部分の抑制物質は減少 して Rfα l∼α21こ限 られ、Rfα 3∼0.4には促進物質がみ られ 0るよ うになった。 3月 上旬 にはいるとR10,4∼ 0.5 にAuxin活性が回復 しているのが 認め られ、また抑制物 質はRfo.1∼ 0.2とRfO.6∼1.0の2区分でみ られ たが、 とくに前者の抑制物 質は著 しく減少 していた。後者の抑制物 質は 1月 中旬に比べて、やや減少 す る傾向にあったが、大 きな変動 はみ られなかった。 旺盛 な生育が始 まった 4月 中旬 においては、Rfo.3の区分のみに Auxin活性 がわず かにみ られ、一 方抑制物 質につ いてみ ると、RfO.1 ∼0。2の区分 は3月に比べ さらに著 しくなった。しかしRfo.6∼1,0の抑 制物 質につ いては、ほとんど変化 がみ られなかった。 ■月か ら4月にかけて常 にRfo,7 ∼0.8で強い抑制活性を示 した物 質 は、その位置か ら
ABA様
の物 質と 考 えられる。 イチ ゴの休眠 に関 す る生 理 学 的研 究I
Nov.151AA ABA 1AA ABADec.15
0 0.5 1,0 Apr.16 1AA ABA
L
れ
血
一
R丁 これらの結果 をもとにアベすの伸長促 進および抑制の 総和 を求め、その変化をみたところ第10図の とおりであ った。すなわち、RfO.1∼0・4におけるアベナ伸長抑制物 質は、時期が進むとともに減少 し、あたかも休眠の打破 過程 に直接関与 しているような動 きを示 した。またRfO.7 ∼1.0の抑制物質については、やや減少の傾向を示す程度 であり、Auxin様物質についてもあまり顕著 な傾 向はみ ら れなかった。 考察 イチゴの休眠は秋季の花芽分化後 における限界日長以 下の短 日長条件によって誘導 されヾ)その時期は鳥駅地方 でおおよそ10月下旬頃のようである。またその後 におけ る休眠の推移 を、生育適温下 におかれた後 に新 しく展 開 する葉の葉柄 の伸長および葉身の大 きさで判断すると、 ■月上旬 から中旬 にかけて最も強い休眠状態 となり、以 後徐々に弱 くなって 1月 上旬から中旬 にかけてほぼ完全 に打破 されるものと考えられた。 一方本実験 に供 した「宝交早生」の休眠打破に要求 さ れる低温量 を調べたところ、4℃ の連続低温下で21日前 後、時間にして450∼5Clll時間必要であることが知 られた。 この結果は、低温が連続的であるか否かによって、そ 40 20 00 80 60 40 劉 台 巳 t o o ﹂o 試 ︶ お ≠ o L 亜 g o 一 ∽ E 9 X ロ
Fig. 9 Changes in auxin― hke and abscisic acid-like actふ 元ties in crowns of strawberry plants measured by using metllyl alcohol extracts(acidic fractions)and the straight growth test of avena coleoptie. Solvent syStem, isopropyl alcohol i atlmonium llydroxide: water=
10:1:lV/v
の低温効 果 も時 として異 なるけれども1°鳥取 において筆 者 らが過去3年にわたって11月上旬以降 における5℃ 以 下の低温積算時間を調査 した結果、 1月 上旬か ら中旬 に かけて45tl∼500時間に達 し、またこの時期 に露地条件下 の宝交早生の休眠が破れることとよく一致する。 一方イチゴの休眠は、栽培上 きわめて重要な問題であ るにもかかわらず、その本質を解明す るために必要 な休 眠の推移 と内的要因との関連性 については、李1け遠藤 ら° によって調べ られているものの、まだその本質はほとん ど知 られていない。 李 は1)ダナーのクラウンのエーテル抽出物中における 抑制物質の動 きを経時的に調べ、東京地方 でダナーが最 も強い休眠状態 にある■ 月下旬から12月中旬 にかけて、 抑制物質の活性が最も強 く、以後低温 に遭遇 して休眠 が 弱 くなるに伴 いその活性 も少なくなることを報告 してい る。 一方遠藤 ら°も、休眠誘導前の10月上旬 よ り休眠測 の12 月までの間における宝交早生のクラウンのGAユ舌性、ABA
,甜生の変化を調べ、生長抑制物質の消長 と休眠 との関連 性が密接であることを認めている。 本実験 において、休眠の強い■月中旬 よ り、休眠の完 了する1月中旬、 さらにID・う盛 な生育が始 まる4月 中旬田辺賢二・林 真二・平 田尚美・ 山本施慈
3
0
0
2
5
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、 , 丁 ︻ゃ o d 柿 臣 事 至 E E ︼ h 。 ネ , ■ L o s ] E ︻゛ 0 屋 o H a 蠣。 ∽ 窮 ギ 。 卜NOv.15 Dec.15 」an,16 Mar。 l Apr.16 Date
Fig.10 Changes of total atlxin―like acti ty and total inhbiting activity on avena coleoptle extension during the period from Hnd dorFtanCy to break down dormancy of strawberry plants.
● Iihibitory activity of extension in RfO.1∼ 0,4
0 1hhibitory actiw■ ty of extension in RfO,7∼ 1,0
□ Total ihhbitory actiw■ ty of extensiOn △ Total promoting acti ty of extension
に至 る 間 の 、宝 交 早 生 の ク ラ ウ ン内 のGA'舌性 を調 べ た と ころ、11月から12月にかけて低下 し、12月に最も低 い活 性を示 した。その後低温要求 が満 される1月中旬 には、 12月に比べてややCA活性 の回復 がみ られ、3月 から4月 にかけて著 しく高まっていつた。またこれと同時 にイネ 、 の伸長を抑制する抑制物質の動 きをみると、休眠の深 い ■月中旬から12月中旬 にかけて、最も強い抑制活性がみ られ、この傾向は李1)の結果 とよく一致 した。 さらに休眠河破 に有効 な低温の集中する12月中旬から 1月中旬 にかけて、この抑制物質の活性は急速 に低下 し、 その後1月から3月 にかけても著 しい低下 を示 した。 これらの結果 からイチゴの休眠打破は、まず低温 によ ってGA活性 が高まるのではなく、抑制物質が減少するこ とによって始 まると考えられた。 次に休眠の推移 に伴 うAu n様活性の変化 をみた結果 では、休眠の本質にかかわるよ うな関連性 をもった動 き はみ られなかった。 しかしなが ら抑制物質については、Rfα l∼0・4に存在 するアベナ子葉鞘仲長抑制物質の消長が休眠の推形 とよ く一致 し、なかで もRfO.3∼α4の物質が最も関連深 い動 きをしているよ うに思われた。 一方RfO,7∼1.01こおけるアベ坤 長抑制物質は
ABA様
の物質と思われるが、休眠の推移 に伴 う変化はきわめて 少なかつた。 多くの樹木の低温 による冬芽の休眠解除(打破)はABA
レベルの低下 とGAレ ベルの急増を伴っているといわれる がf)イ チゴにおいては低温要求が満 され休眠が打破 され る際 に、上述のような傾向はみ られず、ABAの
減少 もGA
の増加 も生 じない。ただ低温 に遭遇することによってRf 値の低い位置(R,0,1∼0・4)の抑制物質 と、RfO。1∼1.0の イネ伸長抑制物質 との減少が顕著 にみ られるのみである。 藤伊6)によれば、樹木の休眠芽は高濃度のCAによつて 休眠が解除 されることから、低温 による休眠芽中のABA
の減少は休眠解除の原因で なく結果であるとしている。 しか しながらイチゴにおいては、休眠中の株にGA3処
理 を行なつても一時的に休眠が打破 されたような動 きを 示すだけです ぐ再 び休隈l大態 となることや、休眠株 に長 日処理 を行なって内生GAの濃度 を高めてやっても打破 さ れた車姿 とはならないこと1°さらに低温要求が充足 され た株では短 日条件でも矮化せず正常な生育 を行なうとい う諸事実が観察 される。 したがつてイチゴでは藤伊のいうようなGAの増加が本 質的に休眠打破 を支配するとは考えられず、むしろ、ま ず低温 によってABA"卜
の抑制物質の減少する系が活動 し、次いでその抑制杉贋 が減少 してGAが低濃度でも作用 しうる素地がつ くられることが、イチゴにおける休眠打 破の本質ではないかと推察 される。 以上、クラウン中の酸性分画にみられるGibbereuin、 AuxinおよびABAの
活性の動 きから、休眠 の推移、とく に休眠打破の問題 に言及 したが、 これら相互の関連だけ では休眠現象 をr里解す ることが困難である。 グラジオラスの球根ではBenzyl adenine(BA)が強い 休眠打破効果を有 していること?ま たイチゴにおいても BA処チ甲力追A処 理の効果を著 しく助長すること1)が示 さ れている。 したがって今後休眠、生長抑制 に強い関連性 をもって いると思われるフェノー翔成分や塩基性分画のCytokininを 始めとする各種の生長調節物質をも合めて、さらに詳細 な追求 を行なわなければならない。 摘要 イチゴ「宝交早生」の休眠期 になける生育の様相 と、 休眠の推移に伴 うクラウン中の内生生長調節物質の変化 を調べた。結果は次のとおりである。
1.■
月中旬以降、イチゴ宝交早生は葉数 を減 じ、まイチ ゴの休 眠 に関す る生 理 学 的研 究
I
た薬柄、棄幅が短 くなリロゼ ッ ト状 を呈する。■月上中
3)Corgan,J.N.and Chalen Peyton:五
A加 9T.Sοc.旬頃 に休眠 力況 も深 く、その後 自然低温 によって1月中
汀ο
Ti Sci,95 770(1970)
旬 に打破 される。本品種の休眠打破に7x・求 される低温は
4)Darrow,Go M.and Waido,G.R:Sc'9,c9, 77
4℃ の連続低温で21日膳l前後であった。
353(1930
2.ク
ラウン中のGA活性 は休眠の最 も深 い11月中旬か5)遠
藤元庸・大川勝徳 :園芸学会昭和49年度春季大会 ら1月中旬 にかけてきわめて低 く、 3月 上旬より増加 し研究発表要旨
,2∝
(1974) 4月 中旬にきわめて高 くなった。しかしGAの種類 につい6)藤
伊 正 :植物生理講座4,朝
倉書店,東 京(1973) ては明らかでなかった。p.188
-方
イネ葉鞘の伸長 を抑制する抑制物質は11月中旬∼7)藤
田政良・塚本洋太郎・浅平 端 :園芸学会昭和43 12月中旬に多く、12月中旬以降の低温遭遇 によって急速年度春季大会研究発表要旨, 148(1968) に減少 し、 3月 にはいるとほとんどみ られな くなつた。
8)橋
本 徹 :植物の化学調節, 3 71(1餌
8)3.ク
ラウン中のAuxini訂生をみると、■月中旬 から1 9)」
。nkers,H.:Land― bonwhogeshool,Wageningen,月中旬にかけて減少 し、 3月 にはいるとやや増力Hした。
651(1965)
アベナ伸長テス トにおける抑制物質は、RfO。 1∼0.4と10)小
林 尚武・柴 田 進・藤村 良:園芸学会昭和46年 RfO。7∼1.0の 2区分において認められ、前者の抑制物質度秋季大会研究発表要旨
,■
6(1971) は■ 月中旬 に最も活性が強 く、以後休眠力1夫くなるに伴 ■)李
嫡遇H:植物の化学調節, 5 51(1970) い弱 くなっていった。一方後者の抑制物質はそのRf値 か12)大
林直鉱 。木村雅行・藤本幸平:園芸学会昭和46年 らABAと推定 されたが、休眠の推移 に伴 う動 きはみ られ度春季大会研究発表要旨,198(1971) なかった。
13)大
和日常晴・川里 宏・加藤 日召:園芸学会昭和464.以
上のことからイチゴの休眠は、クラウン内に抑年度 秋季大会研究発表要旨
,■
0(1971)制物質の活性が高まることによって生 じ、株が低温 に遭
14)SpierS,
」。M.:五
A“¢To Sοc.rrorιo sc'.,98遇することによりこの