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香川県産カンアオイ属2種の種子生産数-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川生物(KagawaSeibutsu)(23)‥2ト27,1996”

香川県産カンアオ・イ属2種の種子生産数

久 米

〒760 香川県高松局番町4−1−10 香川県農林水産部林務課

SeedProductionofHeterotropaSpeciesin

KagawaPrefecture

OsamuKume,&堵α∽αPrヴ/ec己ααJSec乙わ花q/ダoresと, 4一\トJO,βα花Cれプセゐαmα£s弘760,ノ叩α几 ら,比較的個体数の多い産地を・選び,県内に分 散するよう選定した。調査地の標高,植生の概 要ほ表1の通りである。以下調査地の呼び名ほ, 最後の地名を略して使用するものとする。 調査地ほ,1990年に.ナツカイアオイ3箇所, ミヤコアオイ2箇所で開始し,1991年からナン カイアオイ3箇所,ミヤコアオイ1箇所を追加 して,1995年まで継続して調査した。調査の時 期ほ,果実の熟す−る春季4月27日から5月29日 の間で実施した(表1)。 各産地の調査区∵域は,一億数の果実を得る必 費性から固定区域とはしなかった。ただし,可 能な限り例年同一・区域内で果実を採取する事に 努めることとし,採取ほ果実の全てを順次採り 進め,定点から開始して定点に達して終了する よう努めた。

は じ め に

自然状態で生育しているカンアオイ属月e£e− r0己rCpαの優子生産については,日浦(1978),

藤澤(1983a),SugaWara(1988)らの報告が

ある。しかしながらこれまでの報告は断片的な ものが多く,同一個生地における経年変化を観 察した事例ほあまり知られていない。 筆者ほ,香川県産カンアオイ属2種,ナンカ

イアオイH.TWnhaiensis(F..Maekawa)F..Ma−

ekawaとミヤコ7オイH.a5pera(F小Maekawa) F一.Maekawaについて,同一・調査地において継 続的に種子生産数を調査し,若干の知見を得た ので報告する。 方 法 調査地ほ,香川県内の両種の自生地のうちか 採取した果実ほ,調査地ごとにビニ・−ル袋に 表1。香川県産カンアオイ属の調査地 饉 名 産 地 (略 称)標高m 植 生 調査日199019911992199319941995 大野原町五郷海老済受陀峠(塁陀峠) 550 山本町財田西前山下天神山(天神山) 50 高瀬町二の宮大水上神社 (大水上) 60 大内町水主向ケ原 (向ケ原) 55 白鳥町東山常政 (常 政) 75 白鳥町福栄兼弘鵜峠 (鵜 峠) 380 ヒノキ林 シリブカガ㌧ン林 ヒノキ‥モウソウチク林 クヌギ林,ヒノキ幼齢林 ヒノキ林 ヒノキ林 5/6 5/115/16 5/12 5/3 5/4 4/29 5/25 5/10 5/5 5/3 5/6 5/12 5/25 5/29 5/23 4/30 5/6 − 4/27 5/5 5/15 5/2 5/7 − 4/27 5/5 5/15 5/2 5/7 − 4/27 5/5 5/15 5/2 5/7 ナンカイアオイ 高瀬町上麻樫谷 (樫 谷) 70 スギいモウソウチク再アラカン林 ミヤコ■アオイ 塩江町安原下西谷八幡神社(西 谷)190 ヒノキ林 国分寺町国分西奥高結神社(高 結)130 スギ・・ヒノキ幼齢林 5/20 5/19 5/10 5/5 4/30 5/4 5/9 5/24 5/16 5/23 5/4 5/3 − 5/18 5/9 5/1 5/7 4/29 −21−

(2)

仕分けして持ち帰った(これを調査果実と呼ん 数を数え記録した。記録の対象とした種子は, だ)。この時,個体ごとの果実の分別ほ行わな 内容が充実して発芽能力を持つと認められる完 かった。また,茎や果実に残った食害の痕跡を 全なものとし,極小棲子や萎縮優子,シイナは

もとに,食害を受けた被害果実数を記録した。 除外した。

持ち帰った果実ほ,1個ずつ割って中の種子 採取した果実の内,優子が1個以上出来てい 蓑2香川県産ナソカイアオイの隆子生産量調査結晃

産地名 要

調査年19錮19911992 1993 1994 1995 累計

調査果実数 結実果実数 結実率 最大櫨子数 結実果平均偉子数 全平均優子数 0 5 2 6 7 8 2 6 い 3 1 4 0 5 5 1 0 0 0 7 2 6 4 7 り 3 1 0 9 4 5 3 8 4 4 8 9 6 2 〃 2 4 8 つJ 4 8 11 7 9 2 0 4 8 り 2 l⊥ 4 9 5 5 4 3 5 1 9 7 3 7 け 3 ■・⊥ 4 6 3 5 88 693 55 372 62.5 53.7 42 106 92 66 4.9 隻陀峠 調査果実数 結実果実数 結実率 最大種子数 結実栗平均優子数 全平均優子数 7 4 一 94 4 5 4 7 0 0 9 7 9 1 3 q︶ 4 5 3 3 2 5 6 6 7 7 け 2 1 2 8 つU 4 8 5 00 0 0 2 6 5 ”4 2 1 7 9 5 5 6 0U O 5 7 3 9 4 ハ 2 ︵U 只︶一礼 5 i 3 4 0 7 5 7 2 2 小 つん 0 へ∂ 3 1⊥ 4 3 5 0 9 5 6 7 ”3 1 4 7 へJ 4 天神山 調査果実数 結実果実数 結実率 最大種子数 結実果平均慮子教 会平均慮子数 6 51 1 2 7 3 2 4 7 2 2 1 2 ︵︾ 8 4 4 7 6 2 8 5 4 3 1 ”l 3 5 2 4 1 0 8 8 6 1 2 3 い 2 1 4 8 2 2 4 9 3 7 0 2 2 1 1 1 5 8 1] 1 9 6 4 3 9 6 9 3 ‖ 2 6 9 3 3 8 9 6 8 3 1 0 1 り l 1 7 6 1山 l 大水上 調査果実数 結実果実数 結実率 最大種子数 結実果平均種子数 全平均種子数 3 9 一 54 6 1 5 4 2 7 7 6 3 8 り 2 . 1 2 0 6 6 1 1 2 1 4 2 3 9 6 ‖ 2 8 q︶ 6 6 0 3 4 1 4 5 1 7 3 1 6 1 7 6 1 0 9 2 2 9 6 2 8 一3 1 4 2 q︶ 7 1 7 2 5 9 3 6 3 0 け 4 l 1 4 0 7 71 一一一一一一 向ケ原 調査果実数 結実果実数 結実率 最大種子数 結実果平均種子数 全平均橙子数 9 7 一 97 7 1 0 1 5 9 1 6 8 6 3 1 1 9 4 ︵乙 8 1 1 9 7 2 7 9 3 7 9 ”4 1 4 9 r〇 5 7 7 7 1 6 0 9 5 ”4 り l 1 9 2 0 7 1 1 7 1 7 5 3 7 8 2 ‖ 3 l 1 4 0 6 6 1 6 1 9 1 3 6 3 9 け 5 2 1 0 4 1⊥ 8 1 1 一一一一一一 常 政 調査果実数 結実果実数 結実率 最大慮子数 結実果平均種子数 全平均優子数 7 7160 8 1 1 3 9 9 7 2 2 3 2 日 4 7 7 5 8 1 1 1 1 2 4 2 6 6 4 ‖ 3 . 7 1 7 6 1 4 9 3 2 6 0 5 3 り 5 ‖ l 1 0 6 ﹁ヘリ 9 1 1 1 5 7 0 2 8 2 6 り 4 2 1 4 3 q︶ 7 1 8 7 5 2 5 1 4 2 日 5 2 2 1 6 ﹁D 9 1 1 一一一一一一 鵜 峠

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表3香川県産ミヤコアオイの種子生産量調査結鼠

産地名 要 因 調査年1990 1991 1992 1993 1 9 9 4 1 9 9 5 果 討 調査果実数 結実果実数 結実率 最大慮子数 結実果平均僅子数 全平均橙子数 666245⋮■川⋮ 6 4 日 3 1 5 6 4 0 0 3 9 4 ‖ 3 8 1 5 4 1 7 0 1 8 8 8 0 6 ハ 2 1 6 3 7 5 1 2 6 1 3 5 1 9 3 2 9 0 4 3 1 5 7 0 1 4 3 3 2 い 2 ■1 0 1 クひ 2 1 3 4 8 8 8 6 4 4 =2 日 1 0 1 3 3 1 4 2 0 0 1 8 9 3 け 2 4 1 3 3 1 樫 谷 調査果実数 結実果実数 結実率 最大種子数 結実果平均種子数 全平均優子数 08 2 一 56 1 1 3 2 1 5 9 0 7 2 り 2 0 9 つJ 3 2 7 7 5 3 9 2 7 9 9 0 9 9 4 6 0 9 0 1 11 1 7 1⊥ l⊥ l 1 5 2 1 8 7 1 8 1 け 3 4 4 2 1 1 7 1 3 8 4 9 9 1 1 1 8 α 1 4 7 2 4 5 3 8 1 2 O 1 2 2 1 西 谷 調査果実数 結実果実数 結実率 最大級子数 結実栗平均種子数 全平均種子数 0 8 、 16 1 5 1 4 4 9 7 0 0 8 2 ‖ 3 2 2 8 4 L 7 1 1 9 5 3 3 9 2 5 2 3 2 ユ 8 ︵け 5 4 1 2 7 4 9 5 7 5 1⊥ ‖ 3 2 i 6 4 6 4 1 1 9 7 4 0 9 1 6 石 3 2 2 2 3 3 1 4 −エ 0 0 1 6 7 〇 一3 l 1 8 3 ︻− 51 一一 岬 一一 l 高 結 表4香川県産カンアオイ属果実の食害率. (単位∴%) 榛

名 産 地 調査年1990 19911992 1993 1994 1995

虔陀峠 天神山 大水上 向ケ原 常 政 鵜 峠 4 2 6 7 2 0 7 41ル7 30.2 0い4 1い1 0。8 98 0 11 6.6 1.6 33 6 23 8 3 2 6 2 9 ハ乙 0 3 0 nO 1 5 1 0 ︵‖0 6 7 2 0 4 0 ↓⊥ q︶ 0 1▲ 7 7 7 9 2 q︶ 0 5 0 1︺ 4 ナンカイアオイ 谷谷結 樫西高 0 4 つけ 7 0 3 1] 5 0 5 6 5 2 2 0 1 7 4 ワひ一⊥ 0 1 4 4 ミヤコアオイ 慮子数を・結実栗平均橙子数と呼んだ。果実の被 害率は,被害果実数を調査果実数と被害果実数 を加えた果実数で険して求めた。 結 果 香川県産ナンカイアオイとミヤコアオイの種 子生産数の調査結果を表2と表3にとりまとめた。 る果実を結実果実と呼び,優子の出来ていない ものを不稔果実と呼んだ。結実率は,各調査地 の結実果実教を調査果実数で険した値を/く・−セ ンtで表示した。結実果実と不稔果実を合わせ た調査果実1個当りの平均慮子数,つまり1花 当りの橿子生産数を全平均種子数と呼んだ。ま た,結実果実のみを対象とした1個当りの平均 ー23−

(4)

P型に.概ね分類出来た。 考 察 カソアオイ属の踵子生産に関する既存の報告 を見ると,日浦(1978)ほ,不稔果実の割合に.つ いてナンカイアオイで20.1%,ミヤコアオイで 38.3%,ヒメカンアオイで12.4%であり,1花 当り種子数についてナンカイアオイで11.4個, ミヤコアオイで6.6個,ヒメカンアオイで11.3 個であり,ミヤコアオイに.シイナが多いと報告 している。藤澤(1983a)は,ゼニバサイシソに ついて1花当り優子数ほ0∼23個で平均3.8個 であり,ミヤマアオイで平均3.4個,ヒメカン アオイで平均8.7個と報告している。Sugawa・・・ r・a(1988)ほ,調査年の異なるタマノカンアオ イ6集団について,結実率が27.9∼81.3%,1 果実当り平均慮子数が10..7∼24…3個と報告して いる。 これらの報告と今回のナツカイアオイとミヤ コアオイの調査結果を対比してみると,地膚と の関係だけでなく,日浦(1978)のナンカイ■ア オイとミヤコアオイの報告とも,結実率と平均 鹿子数ともに一・致した結果とはなっていない。 また,今回の調査結果に基づき,全平均優子 数について調査期間の総計を求めてみるとナン カイアオイで7い1個,ミヤコアオイで5..2個とな り,両種の平均値に菊意な差が認められた。こ れほ,ミヤコアオイの方が結実果平均橙子数が 多いと言う結果と逆の結果である。これは,今 回の調査結果でほミヤコアオイの結実率の方が 低いと言う事に.起因しており,ミヤコアオイの 方が億子生産効率が悪いと言う事である。ただ しこの様な結果ほ,今回の調査地の範囲に限定 されたものである。 むしろ今回の調査結果で重要と思われるのほ, 結実率並びに平均種子数,食害率ともに,調査 地並びに調査年に.よってはらつきが見られた事 である。同様に,1果実当り種子数の度数分布 も,調査地により違った型をしていた。この様 な調査地問のはらつきは,無視出来ないもので あり,総合結果としての両慮の対比よりも,調 査地の持つカンアオイ属の生育環境特性の方が 結実率を見ると,調査期間の累計で,ナンカ イアオイが1息.3∼91.5%の範囲で平均60.9%で あり,ミヤコアオイが9.7∼78.9%の範囲で平均 41..0%とミヤコ■アオイの結実率が低かった。た だし,両種とも調査地間で結実率が大きく違っ ていた。同じ調査地でも,はば類似した結実率

で推移する所と,調査年により差が見られる所

とがあった。 結実果実の最大種子数ほ,ナンカイアオイが 52個,ミヤコアオイが39個であった。各調査地 の結実栗平均桂子数ほ,調査期間の総計で,ナ ンカイアオイが5..5∼17.2個の範囲で平均11.6 個であり,ミヤコアオイが8..4∼14.7個の範囲 で平均12..6個とミヤコアオイの俊子数が有為に (有為水準1%,以下同じ)多かった。結実果 最大慮子数並びに結実果平均鹿子数についても 結実率と同様に,調査地問で差が認められ,同 じ調査地でも調査年により差が見られた。 動物に食われ或いほ持ち去られたと思われる 被害果実ほ,両億とも各調査地で観察された (衰4)。被害率ほ,ナンカイ■アオイがひ−70.1 %,ミヤコアオイが0..4∼9.6%で,調査地聞及 び調査年に.よりナツカイアオイで大きな差が見 られた。 各調査年の1果実当り僅子数の度数を百分率 に.した度数分布図を図1と図2に示した。これ によると鹿子数の度数分布ほ,両棲とも調査年 が違っても同じ調査地でほはぼ類似した分布型 を示して推移していた。この度数分布の型ほ, 不稔果実の割合が40%程度以下で1果実当り種 子数が増えるに従い度数割合が漸減する種子生 産効率の良い塾(以下B塾と呼ぶ),不稔果実 の割合が70∼80%雀度を占め種子数が増えるに. 従い度数割合が漸減する億子生産効率の悪い型 (以下P型と呼ぶ),不稔果実の割合が50%程 度を占め優子数が増えるに従い度数割合が漸減 するB塾とP型の中間型(以下M型と呼ぶ)に. 概括的に区分出来た。 ナンカイアオイの度数分布の型は,向ケ原並 びに.常政,鵜峠がB型,受陀峠と天神山がM型, 大水上がP型に分類出来た。ミヤコアオイの度 数分布の型ほ,樫谷並びに高結がM型,西谷が

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畳陀峠 ト●1990年

∇ヤ1991 ■■1992 ◎①1993 0・01994 訂牒1995 個/果 54 ﹁ヽV几‖V 一礼▲ 轟hV .A▲2 qt.V8 ∧くじ一爪T ntU∧〓U 勺ム︻亡nV 2 2 1 ▲U一U l一爪て l nV ∧L爪リ 2 ∧〓U % 333445 5 飼/兼

0 4 8 2 6 0 4

2 6 2 2 1 8 1・AT l nV ∧LnV 2 ∧〓V 鵜峠 常改 個/果 ﹁ヽV4 5 ∧‖‖V 一皿1 ▲kU 4一2 3∧U几V 3 4− 3 nV 2 亡nV 2 2 1 nXU l一爪T l 爪〓U ♪hU 2 ∧‖‖V 果 / 個 ■.ヽV一皿− rnV ∧‖V 4 ハhV 4 2 へく﹂V8 34 3 nV 2 PnV 2 2 1 <YnV ・14 1 ∧‖V ♪nV 2 ∧〓U ナンカイアオイの1果実当り種子数の度数分布. 図1 ー25−

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より重要なものと考えられる。 この調査地の環境の違いの一つとして,植生 としての樹林型の差異(表1)について検討し たが,今回の調査の範囲では,俊子生産との明 瞭な関係ほ認められなかった。また,同じ調査 地内の調査年に.よる種子生産の変動は,調査地 間で共通した特定年の存在が認められず,調査 地ごとに.各調査年とは無関係に.変動していた(表 2・3)。これらのことから,調査地間の遣い ほ,見かけ上の単純な植生と言う指標に関係し ていると言うよりも,自生地のも・つと細かな環 境条件に.関係しているのではないかと思われる。 この様な産地と調査年によるばらつきほ,菅 原(1989)がクマノカンアオイで報告しており, その原因としてタ・マノカンアオイが自家受精で なく他家受精をしていると推定されることによ るのでほないかと述べている。タマノカンアオ イと同様に.,ナ∵/カイアオイとミヤコアオイが 佳子生産の主体を他家受精に.よっているとすれ ば,花粉媒介動物の生息密度,つまり生息環境 としての林床部,それも地表面近くの環境条件 が,両種の篠子生産にとって大きな影響力を持 っているのでほないかと思われる。 1果実当り種子数の度数分布は,両種とも同 じ調査地でほ調査年が違っても,類似した分布 樫谷 ●41990年 ∇ヤ1991 ■■1992 ◎¢1993 ◇や1994 許個1995 個/果 型を示していた。ただミヤコアオイの調査地の 内便宜上M型に分類した「高結」ほ,詳細に㌧見 れば1991年を除いて順次経年的に.B型へ移行し ■.■■.一丁 ﹁ヽV=爪‖V 一皿▲nhU 4 2 へュ∨ ∧YU 314▲ ∩くU∧‖U 2 8 2 2 1 0爪V 14 1 ∧‖‖V βnV 2 ∧〓V ている様に見受けられる(図2)。こ.の調査地 は,スギ・ヒノキの幼齢人工林で(表1),調 査開始時ほ樹高1m余りであったが,現在でほ 3∼4m程度になり,林冠が閉鎖し始めている。 あるいほ,樹林の成長に伴う自生地の環境変化 と共に,種子生産も変化することを示唆してい るのかもしれない。 −・方,自然条件の変化だけでなく人為的な影 響を受けている産地もある。ナンカイアオイの 調査地の内「鵜峠」では乱獲が,「大水上」で ほ樹林の伐採と開発がいずれも1994年から行わ 個/来 れており,継続調査が困難なほどに個体数が減 少してしまった(表2)。本来これらの資料ほ, ﹁■.V■一t rヽU ∧‖U 4 ♪nV 4一2 3∧VnV 34 ∧くU▼∧‖U 2轟LnV 2 2 1 8 14 1 爪川V ♪nV 2 nV 図2・ミヤコアオイの1果実当り桂子数 この研究から除外すべきであったが,この様な の度数分布..

(7)

3.1果実当り種子数の度数分布ほ,調査地ご とに各調査年の割合がほぼ血・致しており,調 査地により概ね3つの型に区分された。 4.結実率並びに平均種子数,食害率,1果実 当り種子数の度数分布型と樹林型との明確な 関係は認められなかった。 引 用 文 献 藤澤正平.1983a.ゼニバサイ・ンン ..植物と自 然17(2):28−30. ・+ ..1983b..ギフチョウとカソアオ■イい ギフチョウ研究会,長野い 日滞 勇.1978.蝶のきた道… 蒼樹書房,東京. Sugawara,T小1988。FloralBiology of Hete− rotrQPatamaenSis(Aristolochiaceae)in Japan.PlantSpeciesBiology3:7−12.. 菅原 敬..1989..タマノカンアオイへの訪花昆 虫とその生殖.日本の生物 3(11):38州43. .1990.カンアオイの生活史と南西諸 島のカンアオイをめぐって.日本の生物 4 (1):38−43小 田中 聾.1988.フタバアオイの完璧な自殖シ ステム,開花から種子形成まで.ニユ・1−トン 別冊植物の世界(教育社),2:94−98.. 行為を記録しておく為にもあえて−採用した。 果実の食害については,1989年以前の予備調 査で確認していた。今回調査対象とした食害の 状況ほ,花柄の茎側から果実基部にかけて様々 な状態で寄り取られたものであり,昆虫類によ る果実への穿孔やナメクジ塀による花筒環口部 側からの食害とは違ったものである。食害果実 のほとんどが持ち去られていたが,−い部にほ, 子房部や種子がなくなり,花箇だけが残ったり 花簡部がバラバラに散らばっているものも観察 された。この様な状況ほ,藤澤(1983b)や菅 原(1990)も報告している。藤澤(1983b)は 鳥類や野鼠の類はカンアオイ類の果実を食べな いとしたが,田中(1988)はカンアオイ類近縁 のフタバアオイについて,花柄から食いちぎっ た果実を小さなネズミの仲間が集めて優子を食 べていると述べている。今回観察された食害の 状態から推定して,田中の報告したフタバアオ イの様に,ネズミ類による食害と思われる。 摘 要 1.香川県に自生しているナンカイアオイとミ ヤコアオイの種子生産数について,継続的な 調査を行った。 2.両棲とも,結実率並びに平均種子数,食害 率について−,調査地及び調査年に.よってばら つきが見られた。 ー27−

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