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一 ― そ の 構 成 の 手 法
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一
英文学教室
岡
村
俊Duchess of Malfiの
扱 い方 につ いて は,作
者JOhn webSterの
態度 は矛盾,無
秩序 であ る,と考 え る批評家 がい る(1)。 確 か に無 秩序 に思 われ る個 所 があ る。 そ こで
Duchessに
焦 点 を あてて,
この劇 か ら矛盾 す ると思われ る要素 を取 り出 し,次
のよ うに 整理 して みた。Ferdinand,Cardinalは
もちろん,
第三者 と思われ る人 か らも, Duchessは
自 堕 落な女,あ
るいは “Strumpet"と
考 え られてい た。 それに反 して, Duchess自
身 は,
自分 の 再婚 にや ま しい ところはな く,再
婚 した今 も 自分 の評判 は汚 されて いない と言 う。両 者 の考 え は, 妥協点 を見 出す こともな く平行 状 態の まま続 く。 そ してDuchessの
殺害 とい う時点 に達 す る。す ると彼女 は “ rtue itself"と考 え られて くる。Ferdinandな
どの考えは,突
然 に変化す る。彼女をとがめた第二者的な人の考えも消えて くる(2)。 また彼女に対 して考えを変えるわけであるが , 彼等 には葛藤があったか とい うと
,表
面上は全然そ うでない。変わるべき伏線 はないように思われ る。常識的に言えば,
この劇の構成は矛盾 しているといえる。 しか し作者 は一見矛盾 と思われる要 素を打ち消す,あ
るいは劇 の進行を効果的にす る方法を,こ
の劇 に導入 しているのではないだろう か。 この論文で考察 したいのはこのことである。 まず この劇の登場人物を三つのグループーー第二者的な目で見ていると思われる人 々,Duchess
と彼女を取 り巻 く人 々,Ferdinandと
彼を取 り巻 く人 々十一 に分 けて考えてみたい。 ではまず第二者の目にうつ るDuchessは
どのよ うな人柄なのだろ うか。身分の高い未亡人がそ の家令 と結婚するが,
この結婚は彼等 にどう考え られていたのだろうか。Duchessに
好意を寄せ ている忠実な召使CariOlaは
次のように考える。Whether the spirit of greatness or of woman
Reign most in her,I know not, but it shows
A fearful madnessI I owe her much of pity。
(I・ 1・ 512-4)(a)完全 に第二者 と思 わ れ る人 も
,彼
等 の結婚 の不 釣合 に驚 いてい る。*こ
の論文 は第24回 日本英文学会 中国四国支部大会 (46年10月 25日)に
おい て発表 され た。(1)Clifford Leech,カ カ″ 79bs″ ″:4C″ ゲチカ,ア SttEノ (New York:Haskell House,196の
,pp.78-9.
(2)Duchessの 自分 自身 の評価につい ては
,始
め と終 りには変化が ない。(3, テキス トは Ao Ko Mcllwaith(ed.),Fゲυι S″″チT″,ど″力
s(London,Oxford Univo Press,
1953)でぁる。
lPガJ. Here's a strange turn Of state!、
vho would have thought
So great a lady w6uld have match'd herself
Unto so mean a personl yet the cardinal
Bears hilnself much too cruel.(IIIo iV.23-6)
Antonioの
親 友 で あ るDelioは
,Antonioが
公 爵 夫 人 と結 婚 す るの は,異
常 だ と考 え,
そ の 凶事 を 予想 して,次
の よ うに述 べ る。I do fear
Antonio is betray'd: ho、 v fearfully
Shows his ambition no、 vl unfortunate fortunel
They pass through whirl‐
pools, and deep、voes do shun
WVho the event weigh, ere the action's done,(II・ iV・ 79-33)
で は身 分 の低 い人 と結 婚 した彼 女 の評 判 は ど うな の だ ろ うか。 巡 礼 は彼 女 の ``100seness"に つ い て 言及 して い る。 また一般 民 衆 は
,彼
女 の夫 で あ るAntonioの
口を借 れ ばThe conllnon rabble do directly say
She is a strumpet。 (III. 1. 2卜6)
で あ る。 そ して
WebSterが
この濠1を書 くため に用 い た原典 で あ るPainterの
助 ι rrO密♂げP′ια∫ク″では
,Duchessの
淫蕩 さが描かれてい る。Antonioを
ながめ る目も “Wanton and lur―
ing''でぁ った。。
)ま
た夜一人 で寝 るの がとて もいやであ った こと,そ
して結婚 したが,そ
の結婚1ま “a mask to hide hir follies and shamelesse lusts''(2)で ぁ る。 これは
,
ここで第二者 の目を通 して ながめ られて い る彼女の姿 と
,ほ
ぼ一 致 してい る,
といえよ う。次 には
Duchessと
彼女を取 り巻 く人 々は彼女を ど う見てい るかを考察 しよ う。やがて彼女 の夫 とな るべ きAntonioが
劇 の始 めに述べ る。in that look
There speaketh so divine a continence
As cuts off all lascivious and vain hope.
Her days are practis'd in such noble virtue.(I, 1, 207-210)
こ うご う しい彼 女 にう いて描 か れて い る。
で は結 婚 につ いて の彼女 自身 の考 え は ど うなの だ ろ うか。
Duchessは
次 の よ うに述 べ る。 (1) Gunnar Boklund, T7Jtt Dク ♂力οss 9/Mα 〃 ゲ,Sο ″″θ公, T/J診帷 ミ, C力,″ ,じ力 熔 (Cambridge:HarvardUniv.Press,1962),p.17. (っ) Ibid. ,p. 17.
鳥取大学教育学部研究報告 人文・ 社会科学 第
%巻
第 1号49
This is flesh and blood,sir; 'Tis not the figure cut in alabaster
Kneels at my husband's tomb.Awake, a、
vake, Inanll do here put off all vain ceremony,
And Only do appear to you a young widow
That clai=ns you for her husband, and, like a、 vidow,
I use but half a blush in't。 (I. i・ 462-8)
彼 女 の結 婚 は一 般 民 衆 の考 え とか 因襲 によ って縛 られ た もの で は な い。人 間 と して の 当然 の権 利 に 基 づ い て い る。 それ は “lust"と 関連 す る もの で もな い。 この こ とは
Ferdinandと
口論 の さい に も言 わ れ る。Why should only I,
Of all the other princes of the world, Be cas'd up, like a holy relicP I have youth
And a little beauty.(III・ ii。 135-8)
彼 女 が
Antonio
と結 婚 したの は,た
とえ身分 は下 で あ って も,そ
の人 の価 値 の た めで あ る といえ る。 それ は次 の科 白一―BOSolaが
秘 密 を あ ば こ うと思 って述 べ た一 種 のdramatic ironyで
ぁ るが一一 か らも判 明す るで あ ろ う。Do l not dreamP can this ambitious age
Have so much goodness in't, as to prefer
A rnan merely for、 vorth, without these shadows
Of、vealth and painted honoursP possibleP(III・ ii, 27卜 8)
彼 女 の相 手 を その人 の価 値 で選 ぶ とい うの は
,次
の科 白で も繰 返 されて い る。,
Dクιん。Say that he、
vas born mean,
WFan is most happy、 vhen's own actions
Be arguments and examples of his virtue。
(III・ V. 117-9)そ して人 間世 界 の秩 序 で 固 め られ た世 界 に比 べ て
,鳥
は う らや ま しい と彼 女 は思 った。Dクθ力. The birds that live i' th' field,
On the
、vild benefit of nature, liveHappier than、
ve; for they may choose their mates,
世 間 の人 には
,彼
女 を “Strumpet''と
さえ考 え るのがい るが,
彼女 は 自分 は全 然や ま しい ところ がない と思 っている。 どんな に とがめ られて も,“my reputation is safe''と
答 え る。彼 女 はは っきりした主義主張を もってい るか らであ る。我 々が注意すべ きことは,WebSterは
Duchess
の結婚 か ら,完
全 に彼女 の “lust"を
排除 して い る ことで あ る。人 間 とは “alabaster''ではない こと,ま
た束縛 を断ち切 って結婚す る基本的権利があ ること,ま
た古 い慣習 な どに縛 りつ け られて 人 を選 ぶので はな く,そ
の人 の価値 によって選 ぶ とい うことであ る。原典 で はDuchesSの
淫蕩 で 清純 な両面 が,公
平 な 目で描 かれ ていたの が, WebSterは
この作品で彼女 の “luSt"を
注意深 く 排 除 して,結
婚 に対 して は明確 な る一つ の主義主張 を もった女性 と して考 えて い る。では
Ferdinandゃ Cardi4alは
どのように考えているのだろうか。彼等二人はBOSOlaを
使って妹を殺す ことになるのだが
,ど
うして殺 さなければな らなかったのだろ うか。まず
Ferdinandに
ついて。彼の使 ったイメ ィジを調べてみると,妹
に対す る性的連想が実 に多い ことがわかる。
Duchessは
世人の目にも,``lust''に 生 きる女,ま
たは``Strumpet"に
映 ることは既に述べたが
,彼
のイメ ィジははるかにそれを越えている。妹 と話 しなが ら,次
のようなことを言 う。
And、
vomen like that part、 vhich, 1lke the lamprey,Hath ne'er a bone in't。 (It i。 343-4)
彼女 が結婚 した ことを知 った ときには
,彼
女 は誰 か と性 的関係 を もってい るので はないか,そ
うい うことが拡大化 されて,彼
の頭 の中に猛烈 な力で突入 して くる。F研′。
Methinks l see her laughing,一
一Excellent hyenal Talk to me somewhat, quickly,
Or iny imagination、
vill carry me To see her in the shameful act of Sin.G″′
.With whom?
Я′″′
.Happily with some strOng・ thigh'd bargeman,
Or one O'th'wood‐ yard that can quoit the sledge,or toss the bar,or else some lovely squire
That carries coals up to her privy lodgings。 (II, V・ 38-46)
Cardinalは
弟の異常 さに対 して,
何 度 も`Fspeak lower"と
か,
“IS't possible''と か,``ヽVhy do you lnake yourself/SOヽ Vild a tempest." とか, “
You fly beyond your reason''
とか
,
とがめねばな らなかった。同 じように妹 に対 して殺害者 となる二人の兄弟の反応の相違は注目に値する。
Cardinalに
とって さえ,Ferdinandの
行為は “defOrmed,"“
beastly''に 思われた。 ここでの
Ferdinandの
態度は,寡
婦の再婚の倫理性 について考えてい るそれ とは,ほ
ど遠い鳥取大学教育学部研究報告 人文・ 社会科学 第
%巻
第 1号51
Cardinalは
ど うだ ろ うか。一幕一場で はFerdinandと
ともに,結
婚 は絶対 にす るな と,険
し く言 ってい る。彼 は個人的 にも,そ
の良心 に照 して も,彼
女 を とがめ る資格 があ るのだ ろ うか。聖 職 にあ りなが ら,
彼 には情帰Juliaが
い る。 彼 女 にはCastruchioと
ぃ う夫 がい る。Juliaは
Castruchioか
らCardinalへ
,後
にBOSOlaへ
愛 情を移す志 彼女 は “lust"の
みで生 きてい る 女 と して描 かれてい る。Juliaと
彼 女 を取 り巻 く人 々の話 は,Painterの
SOurceに1まなか った。Websterが
作 り出 したplotで
あ る。 その原典 では,``lust"を
追 いか けるDuchessで
あ った の に反 して,
この劇 では人間性 の要求 に基づ く,強
い愛 のDuchessに
変 え られて い る。一方 この 劇 には “lust''の みを追い求 め るJuliaが
登場 し,Duchessと
対比 させ られて い る。 それ によ っ て,情
欲 のために再婚 したので はないDuchessの
愛 が強 め られてい るといえ よ う。(1) 二つ の グループの人 々の考えや心理 をた どって きたが,以
上 の ことか ら言え ることは,Duchess
の殺害 に至 るまで,Ferdinandは
良心 の痛 みを吐露 してい るところは一度 もない,ま
たDuchess
も 自分 が心や ま しい とい う意識 もない。Shakespeareの
劇 で はそ うであ るが,
あ る登 場人物 が改 心 す るときは(miner charactersは
別 と して),そ
れ以前 に良心の同責 のために苦 しんで吐 く科 白を言 わせ てい る。変化 に対 して は,十
分 な伏線 を準備 して い るといえ る。Websterの
他 の作 品 賜 ♂Иlん 'ι 夕D?υづ′においては,常
識 的 な意味で,構
成 の均衡 があ る。 女主人公VittOriaは
終始 一 貫 して “de l''ま たは``Strumpet"と
考 え られて い る。 また彼女 は最後 に,
自分 の罪を認 め そ の あがないのために死 ぬのだ と言 う。次の通 りであ る。O rny greatest sin lay in my blood
Now my blood pays for't。
(V・ iV.240-1)(2)勁 ιDクιル∫∫げ 肋 ″ では良心 の痛 みを吐いた言葉 は全然 ない といえ る。 しか も
Ferdinandは
改心す る。 しか しよ く注意 して見れ ば,WebSterは
独特な仕方 で,
伏線 を用意 して い るこ とが わ か る。Ferdinandの
怒 りにつ いて は述べ たが,そ
れ は同 じ当事者である兄 のCardinalで
さえ,“
out of reason"な
どの言葉 を再三言 い,
彼 の異 常 さをた しなめ るほどであ った。 そ れ と 反 対 にDuchessは
自分 がinnOcenceと
信 じて疑 わない。 彼女 は新 しいOrderを
信 じて い る人 と し て,``lust"を
極力排 除 して描 かれて い る。 こうい う両者 を描 くことによって, WebSterは
彼女 に対 して好感を抱 いていない観客 (第二者 的な人 々(3))ィこ衝撃を与えて,Ducl■essの
方 へ 同情 を 向 けさせ るきっか けを与 え る。彼 に起 るFerdinandの
変化 を不 自然 な く受 け 入 れ る素 地を与 え る。Ferdinandゃ
Cardinal力
式異 常であればあ るほど,ま
たDuchessが
誠実な生 き方 を して い(1)後半 に な るに従 って
,そ
の Parallelか明 白に な る。Leechは
次 の よ うに述 べ てい る。 “There is evena strange parallel between the wooing― scene, where the DucheSs hides Cariola behind the arras and thenユaunches into the decユ aration of her love, and the scene in Voii where Jnlia, the rank whore, proclaims her passion for Bosola and then hides him in her cabinet while she extorts a cOnfesSion oF guilt froni the Cardinal: in bOth cases, a woman's frank avow一 al, in both, a hidden witness, in both, a woman's triumph leading to her destruction." (Leech, p. 75)
(2)テキ ス トは C・ B・
Wheeler(ed.),S力
P′ヮS tt Cο″ル妙 ο紹″″Sげ
Sttα降¢§夕効セ(London,Oxford
Univ.Press,1952).
れ ばい るほ ど
,Duchessの
方 へ 同情 を向けて い るといえ る。 寡婦 が身分 の下 の者 と再婚 す る こと はいい ことか,悪
い ことか とい うことにつ いて は, Websterは
両者 それぞれ に独 自の考 えを もた せて いる。 しか し両者 の論議がかみ合 い,一
方 が他方 を論理 的 に説得 させ,変
化 させ るとい う,常
識 的 なplotは
この劇 にはない。 そのかわ り感情的要素 が介在 して,そ
の論理 を別な方 向に変化 さ せ る伏線を作 って い る。外面 的な論理 は両者平行 のま ゝで,
しか し感情的 には同情をDuchessの
方 へ 向 けて い る といえ る。伏線 の効果 は論理 で はな くて,
こ うい う感情(Ferdinandゃ
Cardinal
の異常 さ)で
あ る といえ よ う。つ いに1ま
Ferdinandも Duchessを
“heavenly''と
考 え るに到 るが,そ
れ には も う一 つ の事件 が必要で あ る。 それ は
Duchessの
殺害 の場面 で あ る。 これ は長 く,か
つ入念 に描かれて い る。Duchessは
死 を予想 してAntonioを
逃 してや るが,そ
こか ら彼女 が殺 され るまでは545行もあ る。三場 にまたが る随分長い ものである。Ferdinandは
殺 す前 に彼女 を苦 しめ る。 彼女 の夫 の腕 と言 って,暗
闇 で死人 の腕 をつ か ませ る。 その次 は彼女 の ところに狂人 を放す。奇妙 な歌 を歌 い,踊 り狂 う。
BOS01aで
さえ, “go nO further in your cruelty"
とさとす。一方
Duchessの
ほ うは死 が近づいて くると,一
層気高 くな って ゆ く。BOSOlaが
それを描写 し て い る。Nobly: I■ l describe heri
She's sad, as one long us'd to'ti and she seems Rather to、 velcome the end of H
sery
Than shun it; a behaviour so nOble
As gives a majesty to adversity:
You may discern the shape of loveliness
hre perfect in her tears than in her sllilesi She will muse for hours together; and her silence,
wlethinks, expresseth more than if she spake.(IV・ i。 2-10)
彼女 は以前 に,
W【en oft are valu'd high, when th'are most wretched。 (III. V. 139)
と述 べたが
,ま
さ し く苦悩の極 みに立 って,彼
女 の真価 が発揮 され て くる。気高 く美 し く描 かれ て い るが,我
々に哀れみを起 させ る姿 で もある。召使 のCariolaが
31き裂 かれ よ うとす る と,彼
女 に対 して,I pray thee, look thou giv'st my little boy Some Syrup for his cold, and let the girl Say her prayers ere she sleep.(IVo ii・ 205-7)
鳥取大学教育学部研究報告 人文 。社会科学
925巻
第 1号55
と言 う。 また執 行 人 に対 して は次 の よ うに言 う。
Pull, and pull strongly, for your able strength
A/1ust pun d。、
vn heaven upon me一
Yet stay; heaven‐gates are not so highly arch'd
As princes'palaces, they that enter there
A/1ust go upon their knees― 一Come, violent death,Serve fOr mandragora to make me sleep!―
一Go tell my brothers,
、vhen l an■ laid out,They then may feed in quiet.(IV・
ii. 233-40)一度死んだと思 わ れ ていた
Duchessが
息を吹き返 し
,
夫の名を呼び
,
“
MerCy''と
言って死
ぬ。
(つ彼女の死を頂点とする場面は
,我
々の感情をかき立てる要素が多 くある。そして “
pity,"`Fsad,"“
mercy''な
どの言葉が多 く使われている。
Duchessは
自分は次のものになると言 う。
I shall shortly gro、
T one
Of the lniracles of´ゲク.(2)(Iv。 1・ 94-5)
こ うごうしいまでの彼女 が描 かれてい る。
既述 した よ うに
BOSOlaも
Ferdinandの
残酷 さを とがめて,
彼 女 に同情 を持つ よ うにな る。Ferdinand
は之能冦1こそれを食 い■Lめ ようとす る。Thy´
ぢ炒 iS nothing of kin to thee,(IV, 1・ 134)断固 として彼女 に哀 れ みを感 じまい と思 って いた
Ferdinandも
彼 女 の死顔を見 て変 化 しは じめ る。BOSOlaも
それ に気づ く(“here begin your´
ガ抄・"Ⅳ
・ 五.260)。 彼女の子供 の死を見て もFerdinand
頑張 り通す。The death
Of young、
volves is never to be″ 力″′。(rV. ii. 261-2)目を移 して
,も
う一度彼 女 を見 ると耐 え切 れな くな り,次
の文句を吐 く。Let me see her face again,
莉Thy didst thou not´ ゲ炒
her?lVhat an excellent
Honest man mightst thou have been,
① キ リス ト教的要素につい ては次の本を参照。
Peter B.Murray,4S″
t77げ 力物″ ″力S形″(TheHague,Mouton,1969),pp・ 130 ff.
If thou hadst borne her to some sanctuary!
Or, bold in a good cause, oppos'd thyself,
With thy advanced sword above thy head,
Bet、
veen her
ゲη″οttησ♂and my revenge!(IV・
ii・ 274-80)今 迄 一 度 も 日 に した こ との な い 力ηοθ♂2θ夕 とい う言 葉 がで て くる。``pity''と “
innocence''が
同時に彼 の 口か ら出て きた ことに我 々は注 意 を 払 わね ば な らな い。
BOS01aも
Duchessの
再 生 の直 前 に,She's 、varnl, she breathes―
乙砂οηサ妙 ´α膨 ′″∫rpづ′′翻ブιηッ ん♂α″チ,
To store thenl、vith fresh colour.―
Who's therel
Some cordial drink!― AlasI I dare not call:
So´づり 、vould destroy´ガタ・―
Her eye opes,
And heaven in it seems to ope, that late was shut,
To take me up to知
″υ。(IV.五 .345-51)と言 う。 “
melt,"“
pity,"“mercy''を
使 う彼 の心 理 状 態 は想 像 で き よ う。 そ して と う と う彼 女 が こ と ぎれ た のを見 て,彼
女 の “innocence"が
彼 に も身 に しみ て わか った。O sacred
力ηοひ♂2θ?, that sweetly sleepsOn turtle's feathers, Mπhilst a gullty conscience
ls a black register, 、vherein is 、vrit
All our good deeds and bad, a perspective
That shows us helll That
、ve cannot be suffer'dTo do good when we have a
■lind to it!This is manly∫
ο″ο明These ttα ″∫
, I am Very certain, never grew
ln my ttother's■ lk.(IVo ii 365-73)
彼 の涙 と と もに
,
初 めて彼 女 のinnocenceが
わか るよ うに な る。 そ して 彼 1まFerdinandを
“tyrant''と呼 ぶ。 この後
Ferdinandの
こ とは “tyrant''な どの イ メ ィジを使 って た び た び呼 ばれ て くる。 (1)そ してDuchessは
``heavenly''だ と皆 に思 われ て くる。こ こで注 意す べ き ことは
,Ferdinandは
死 に臨 ん で の彼 女 の姿 の貴 さに,
堪 え られ ず 心 を動 か され て突 然 変 わ って しま った とい う こ とで あ る。 その変 化 が突 然 で あれ ば あ るほ ど,そ
れ を うず め る感 情 的 要素 が大 き くない とすれ ば,そ
れ は矛盾,不
自然 な 印象 を我 々に与 え る もの で あ る。 既 に 述 べ た よ うに,Websterは
伏 線 を合 め て十 分 に感 情 的 要素 を 導 入 して い る とい え よ う。 それ ほ ど(1)Cf.IVo ii.2,61,198 etc.殺害の場面には登場しなかった Cardinalは あとで, 地獄の責苦に悩まさ
鳥取大学教育学部研究報告 人文 。社会科学 第
%巻
第 η号55
この場面 は感情的要素 が多 く,“pity"な
どの言葉を多用 してい ることがわか る。 この劇 の大 きな 転換点 も論理 的 な もので はな く,感
情 的 な もので あ る。(1) 我 々は この劇 の構成 につ いて は,あ
くまで論理 的 にその矛盾 を考突 す るのではな く,(2)異
常 な 論理 のなか に隠 され た論理 をみて,矛
盾 す る諸 点を演劇 上 の効果 は ど うで あ ったか とい う観 点 か ら 考察すれ ば,
この感情 の論理 ともい うべ きもの も理解で きよ う。 熟練 した劇作家Vebsterが
観客 の心理 も十分 にの み こんで,こ
うい う効果 を使 った もので あ る と思 われ る。Websterの もう一つの代表作 勁 ¢7筋ル つ¢ク″ でも