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香川県内のハクビシン-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川生物(KagawaSeibutsu)(23)‥291r32,1996・ 香川県内のハク ビシ ン 森井 隆三 ・ 佃 百恵

〒762 香川県坂出前文京町2−1−5 香川県立坂出高等学校

OneSpecimenofPαgumalaruatacollected

fromKagaWaPrefecture.

Ry壷z6Morii&MomoeTs11kuda,SahaideSeniorHighSchool,

Sαゐαよde,殿喀αWα762,ノ(pα軋 /、クビシソ物α∽αJαrUα£αの記録としてほ, 『博物局「動物園」(1872)のなかの中島仰山画 のスアシ,マア・−・(Kinkajou)という獣は,ハ クビシソ(物αmαgα′UαとαとαZぴα花αSW‡NHO写) なること明らかで,台湾および紅頭峡産のジャコ ウネコの一・種である(上野,1960)』というもの がある。1965年当時の日本での分布としてほ,

福島県,茨城県,山梨県,長野県,静岡県,愛

媛県および徳島県がある(那波,1965)。その うち,静岡県で最初に捕獲されたのほ,1943年 で,1965年ころにほハクビシソに.よるミカンの 被害が聞かれるようになったという(那波,19 65)。1994年現在では,不連続ではあるが北海 道から九州まで分布している(阿部ら,1994)。 四国における記録としてほ愛媛県(清水,19 58;古屋;1971),徳島県(那波,1965;阿部

ら,1971;友成,1985),香川県(立石,1968,

1974)および高知県(長野県教育委員会,1983) がある。阿部ら(1971)によると徳島県で初め て知られたのほ1954年で,1970年ころから/、ク ビシソによる被害が出はじめている(友成,19 85)。香川県では1936年に塩江町で揃獲された のが最初で(立石,1974),塩江町でほ,1965 年,1969年にも捕獲されている(立石,1968)。 1975年の段階では,大野原町,財田町および琴 南町で確認されており,1974年にほ相当増加し て,一・部被害の報告があった(香川県環境保健 部,1975)。 香川県内でほ立石(1968)以降捕獲について の記録ほなかったが,1995年7月8日午前7時 45分ころに,筆者らは香川県立坂出高等学校 (香川県坂出市文京町2丁目1番地号)の運動 場のほぼ中央付近で死んでいる/、クビシソを見 つけた。 発見当時,ハクビシソの背の右側ほ何かに噛 まれた様子で出血していた。遺体の周辺ほ地面 が湿っていて,多数の足跡が残っていた.。足跡 の1種ほ直径3cmくらいで爪の跡はなかったが, 残りの1種ほ直径4cmくらいで爪の跡があった。 この足跡ほ,子安(1994)に従うと,爪のない のは半しょう行性を示すハクビシソで,爪のあ るのは指行性のイヌ仇花£sノdm£Z£αrよsのものと 思われる。この2種類の足跡から判断すると, イヌに襲われたのではないかと思われる。ハク ビシ∵/が引きずられた様子ほなく,腐敗ほ進ん でいなかった。 遺体ほ外部形態を物差しで1mまで計測した (表1)後,剥製にした(図1;標本ほ坂出高 等学校に保管している;ROO73)。頭骨(図2 ①,㊤,④,④)はノギスで0.1皿mまで計測し た。歯式ほ13/3Cl/1PM3/3M3/3=40であった。 1995年7月10日現在の香川県内の記録を香川 県環境保健部自然保護課に問い合わせたところ, 1990年∼1994年にかけて自然保護課への遺体拾 ー29−

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表1.ハクビシソ(雄;ROO73)の外部 頭骨の計測値 体重(g) 頭胴長(mm) 尾長(mm) 耳長(血m) 後足長(mm) 前足長(mm 0 0 0 8 5 0 5 6 8 4 7 5 .354左左左 ヽ■﹂ 0 3 8 5 7 4 右右右 頭蓋全長(mm) 基底長(mm) 頬骨弓幅(mm) 乳様突起間最大幅(mm) 限裔間幅(mm) 脳函高(mm) 下顎長(mm) 脳間幅(m品) 上顎臼歯長(mm) 上顎歯隙長(mm) 下顎白歯長(mm) 下顎歯隙長(Ⅲm) 106.6 105.2 60.2 38.7 19.1 37.8 79.7 図1.ハクビシソの剥製(雄;ROO73) 香川県立坂出高等学校に保管 右下のスケールほ10cmを示す。 0 0 8 0 6 5 5 3 8 3 3 2 2 図2.ノ、クビシソの頭蓋骨(ROO73) ① ハクビシソの下顎 ④ ハクビシソの頭骨側面 ④ ハクビシソの頭骨背面 ④ ハクビシソの頭骨腹面 各図左下のスケールほ2cmを示す。 ー30−

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表2香川県のハクビシソの遺体拾取状況(1990−1994)(香川県自然保護課新上 洋子氏による)および聞き込み調査の結果 拾取年月日 頭数・性別 場 所 備 考 1 不明 寒川町石田西 1 不明 長尾町 口から出血していた 地上8∼9mの枯れた枝から落 ちた模様 香川大学農学部ブドウ園内 串での事故 後頭部砕けていた 8 6 1 5・U l 、U O 9 9 9 9 1 1 1990.11.16 1 不明 長尾町昭和谷 1993..2..27

1 雄 塩江間

1993.11い 5

1 雄 岡本町

狩猟報賃 1994年度猟期 1 不明 不明 死体(滝朋子氏) 死体(藤沢豊氏) 目撃(吉川武憲氏) 死体(吉川武憲氏) 聞き込み(谷口しげこ氏) 1990.2.17 1 不明 大内町

1993

1 不明 飯山町

1995.6

1 不明 屋島西町 1995春 1 不明 三越町 1995現在 生息 琴南町 図3.香川県内でハクビシソの発見された市町と発見年 ー31−

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その周辺の哺乳類その他.剣山 県民の森: 129−132.. 古屋義男.1971.石鎚山のハクビシソ.JIBPC− TS,1970年度研究報告:255−262. 香川県環境保健部..1975小 香川県のとりとけも の.香川県..72pp. 子安和弘〟1994.足跡図鑑.日経サイエンス社仰 東京.180pp.. 那波昭義い1965..静岡県下のハクビシソについ て.哺乳動物学雑誌 2(4):99−105. 長野県教育委員会.1983.長野県天然記念物ハ クビ・こンソ調査報告書(未見,友成に.よる).. 清水栄盛.1958.四国の哺乳頬に関する知見.. 哺乳動物会報(22):179. 立石清.1968.香川県大滝山で描獲されたハク ビシソ.香川生物(4):5. 得および捕獲の届出ほ表2のようであった(新 上洋子氏)。 また,聞き込み調査に協力いただいた藤沢豊 氏(綾歌郡富熊),吉川武憲氏(高松市生島町), 滝朋子氏(大川郡大内町)および谷口しげこ氏 (琴南町)によると,ハクビシソほ大内町(19 90),飯山町(1993),高松市屋島西町(1995), 坂出市王越町(1995)で目撃されたり,あるい ほ死体を発見しており,琴南町でほ生息してい るという。これらを含め現在までに香川県内で ハクビシソが確認された市町および発見された 年を図3に.示した。 今回の調査をまとめるにあたり指導・助言を いただいた香川大学教育学部教授金子之史先生, 資料を提供いただいた香川県環境保健部自然保 護課の新上洋子氏および聞き込み調査に協力い ただいた方々に感謝致します。

引 用 文 献

阿部永・石井信夫・金子之史・前田喜四雄・三 浦慎吾・米田政明.1994.日本の哺乳塀.束 海大学出版会.東京.195pp. 阿部近−L・武内患行・山崎孝信.1971い 剣山と 1974一.大滝山のハクビ、シソ ..香川の 動植物.高松橋役所..高松市… 203pp. 友成孟宏.1985い 鳴門而でハクビシソ発見.徳 島の自然 (39):3−4. 上野益三..1960.明治前日本生物学史 第1巻 日本学術振興会. −32−

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