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( ) a, b c a 2 + b 2 = c : 2 2 = p q, p, q 2q 2 = p 2. p 2 p q 2 p, q (QED)

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(1)

■ 量を表す数

有理数 rational number

p

q

,

p

, (

q

は互いに素な整数。) ratio には理由という意味の他に 「比」という意味がある。 ▶ 有理数で、加減乗除の計算はできる。 有理数の加減乗除の答えは有理数である。 ▶ 有限桁の小数は有理数である。

3.14 = 3 +

1

10

+

4

100

(2)

量は有理数では表せない。(通約不能) 例: 二辺の大きさが

a

,

b

の直角三角形の斜辺の長さを

c

とすると

a

2

+ b

2

= c

2

.

2辺の大きさが 1 の直角三角形の斜辺の長さは

2

。しかし、

2

は 有理数では表せない。 証明: もし

2

が有理数なら

2 =

pq,

p

,

q

は互いに素な整数と書 くことができる。

2q

2

= p

2. 整数

p

は素因数 2を含む。

p

2

2

× 2

を含む。

q

は素因 数 2 を含む。これは

p

,

q

が互いに素という過程に反する。(QED)

(3)

量を表す数(実数)の性質 ▶ 大小の比較ができる。 ▶ たし算・引き算ができる。 ▶ アルキメデス性 いくら風呂桶(体積

a

)が大きくて、スプーン(体積

b

)が小さくて も、スプーンで風呂に水を入れていけば、いつかは溢れる。

a > b > 0

なら

a < nb

となる整数

n

が存在する。

同じ種類の量の計算なら、これでいいが、同種の量という制限を外し て計算できるようにしたい。 「比」を考える。

A

A

が同種の量、

B

B

が同種の量とすると

A

A

,

B

B

は比較でき、掛け算

A = (

A

A

)A

が計算できる。

(4)

エウドクソスの構成(紀元前408–紀元前355): (ユークリッド原 論 V巻に伝えられている) 長さの比はどんな長さでも定義できるか?  図形の相似比を数量で定義するのは極めて難しい。 エウドクソスは量のアルキメデス性に注目した。 定義4: 2つの量

a > 0

,

b > 0

にたいして、適当な自然数 

m

,

n

をとると、

ma > b

,

nb > a

となるとき、

a

,

b

は比

a : b

を持つ という。 ある性質を満たす無限個の自然数,

m

,

n

の集まりを使って比を定義 していることに注意しよう。

(5)

定義5:比の相当 4つの量

a

,

b

,

c

,

d

にたいして,

a : b

=

c : d

とは どのような自然数

m

,

n

にたいしても,

ma > nb =

⇒ mc > nd,

ma = nb =

⇒ mc = nd,

ma < nb =

⇒ mc < nd,

が成り立つことである。 定義7:比の大小

a : b > c : d

とは

ma > nb

かつ

mc

nd

と なる自然数

m

,

n

があることである。

(6)

実数のアルキメデス性 ▶ アルキメデスが球や円錐の体積を計算したとき用いたので、この 名前で呼ばれる。   ▶ エウドクソスは量の理論のキー・ポイントだと考えていた。 ▶

a > b > 0

なら

nb > a

となる整数

n

が存在する。

b = 1

とすると、

a > 1

なら

n > a

, つまり 

1

n

<

1

a

ϵ =

1

a

として言葉で表現すると どのような正の数

ϵ

を与えても、ある自然数

N

が存在して、自然 数

n

n > N

ならば、

|

1

n

− 0|

ϵ

より小さくなる。 これを

lim

n→∞

1

n

= 0

と書く。

(7)

参考文献

▶ http://www.math.ubc.ca/ cass/Euclid/byrne.html Oliver Byrne’s edition of Euclid,

▶ http://aleph0.clarku.edu/ djoyce/java/elements/elements.html David B, Joyce ▶ ユークリッド原論 追補版中村 幸四郎 (翻訳), 寺阪 英孝 (翻訳), 伊東 俊太郎 (翻訳), 池田 美恵 (翻訳) 出版社: 共立出版; 追補版 (2011/5/25) ISBN-10: 4320019652 ISBN-13: 978-4320019652

(8)

ブルバキの評価

ニコラ・ブルバキ

1886年生まれ、モルダビア出身の架空の人物。「数学原論」の著者。

(9)

デデキントが考えた(1872年)実数の性質:  ▶ 数の全体を 

A

∈ x

,

B

∈ y

なら

x < y

となるように 

A

B

に分ける。 ▶ 場合分け (1)

A

には最大値、

B

には最小値が存在する。 (2)

A

に最大値はあるが

B

に最小値はない。 または 

B

に最小値はあるが、

A

に最大値はない. (3)

A

に最大値はなく、

B

に最小値はない。

(10)

▶ 有理数の全体 場合(1)は起こらない。 有理数の全体はそんなふうに分割できない。 有理数には跳びはない。 場合(2) たとえば

2/3

A

に入れるか

B

かどちらかを選べて、 (2) の場合になっている。 場合(3)、隙間。 有理数は稠密に存在するが、有理数の全体は有理数に触れずに切 断できる。 ▶ 連結化 隙間を数として、

A

B

のどちらかに入れると、場合(2)だけが 起こる。 デデキントはこれを実数の性質と考えた。

(11)
(12)

ワイエルシュトラスの考えた実数 上に有界な実数の集まり

S

は上限

α

を持つ。 ▶ 上に有界とは

∀s ∈ S < ∃m ∈ R

▶ 上限

α

とは (1)

∀s

α

(2) もし

α

< α

なら 

α

<

∃s ∈ S

ワイエルシュトラスの実数は実数のアルキメデス性を含意する。 証明: アルキメデス性が成り立たないと仮定する。

na

の集まりが上に有界とすると上限

α

が存在。

α

− a < α

だから (2) より 

α

− a < ∃na

,

α < (n + 1)a

. 上限の定義(1) と矛盾。

(13)

デデキントが正しいとすると、ワイエルシュトラスが証明できる。 ワイエルシュトラスが正しいとすると、デデキントが証明できる。 ▶ 有理数の集まりを考えて、抜けたところを補って(連結化)、実数 を作った。 ▶ 実数も有理数と同じように計算できることをしめすために、有理 数から出発した。

(14)

ワイエルシュトラスの定理

a

1

< a

2

< a

3

<

· · · < a

n

<

· · · < M

なら

a

n

→ α

となる数

α

が存在する。

M

は上界と呼ばれる。 ▶ 実数は量を表すための数である。 ▶ 量を表すには無限回の操作が必要である 上界

M

は無限に多くある数の集まりである。 その中に最小の上界が抜けずに存在していることを主張している。

(15)

■ カントールは実数はどれくらいたくさんあるかを考えた。

有限個の場合の数の数え方。 写像

f : X

−→ Y

f  を考える。 ▶ 二重に数えない: 単射という。1対1ともいう。

x

1

̸= x

2なら

f (x

1

)

̸= f(x

2

)

▶ 数え落とさない: 全射という。上への写像ともいう。   どのような

y

にたいしても

y = f (x)

となる

x

がある。 ▶

X

から

Y

への全単射があれば、同数。

X

から

Y

への全射でない単射があれば

Y

X

より多い。

(16)

有理数は整数と同じだけの分量がある。 有理数の全体は1番, 2番,

· · ·

と並べることができる。 1 2 3 4 5 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 2 12 22 32 42 52 3 13 23 33 43 53 4 14 24 34 44 45 しかし、2番目から数えだしても、1:1対応がつく。全射ではない対 応がある。どう考える。

実数は自然数よりたくさんある。 対角線論法: 実数の全体を1番, 2番,

· · ·

と並べられるとすると、矛 盾が生じる。 実際に数えられないことをかんがえて、矛盾するからといって、仮定 がまちがっているといえるのか?

(17)

■ G. カントール (1845–1918)

ギリシャ人は数と量はまったく異なるものと考えて、量の厳密な定義 を与えた。これは「原論」に記されているので広く知られていた。

しかし、実務家は数と量を混同して計算しても、なんら困ったこと には遭遇しなかった。ローマ人は役に立たない理論に興味を示さな かった。

19世紀後半になって、はじめて、計算家は混同を正さなければ計算 の仕方がわからない問題に遭遇した。

カントールはデデキントに触発されて、数と量の関係を考えはじめ、 集合論をつくったが、考えすぎて精神病院で死を迎えた。

クロネッカーの「整数は神の作ったものだが、他は人間の作ったもの である」の言葉がカントールを悩まし続けた。

(18)

■ クロネッカーの批判。 有限回の手続きで証明できないことを認めてはならない。 この立場は、あとで、ブラウアーの「直観念論理」としてありうること が分かった、 しかし、量の理論(微積分学)は 「ある条件(述語)

ϕ(x)

を満たす

x

がある」 を, 確かめる方法がなくても、認めなければ、成立しない。 限量子:

∀x

,

∃x

  が活躍する論理: 述語論理。

(19)

■ 日本の算数

明治期:和算から洋算への切り替え。  ▶ 藤沢利喜太郎、 クロネッカーのもとに留学(明治16年-20年)。菊池大麓(天文学) についで、数物天文学科、数学担当の東大教授。 日本は黒船いらい、米国の影響下にあったが、当時の米国は未だ学 問的伝統のない国であった。 日本には和算の伝統があり、米国の数学に切り替える必要はなかっ た。和算は18世紀のヨーロッパの微積分と互角のレベルであった。 米国が科学の中心となったのは、ナチス亡命者を大量に受け入れた 後である。 ▶ 国定の算数の教科書: 日露戦争の年(明治38年、1905年)。

(20)

明治大正期: 留学先、西欧社会の中で業績をあげる人々の出現 ▶ 数学では高木貞二。類体論(整数論)。 クロネッカー青春の夢を追い続けたものとの評価。 著書「解析概論」は未だに日本の微積分学の標準の必読書 ▶ 物理では 長岡半太郎。原子模型 仁科芳雄。クライン・仁科の公式(電子と光子の散乱)。

昭和初期: 留学せず(戦争)、指導者も持たずに(秀才ではなく、東大 に行けなかった)世界的な理論を独力で作りあげた人が出現。 ▶ 物理では湯川秀樹。中間子論:素粒子理論の創始。 ▶ 数学では岡潔。不定域イデアル:現代数学の基礎、層の理論を独力 で作り上げた。

(21)

昭和40年代。 学生運動:東大時計台占拠(昭和44年1月)。東大入 学試験できず。京大、教室封鎖で授業できず。 構造主義:数学ではブルバキの大流行。社会学ではレビー・ストロー スの文化人類学の大流行。 ▶ 昭和43年。学習指導要領改定: 算数の現代化。小学校算数で集合 論の導入。 しかし失敗: なぜ集合が必要かを教えられる先生がいなかった。 昭和53年度の学習指導要領改定: ゆとり教育、集合論教育の廃止。 これ以降、算数教育迷走。 ▶ 大学の数学基礎教育が線形代数という名目で教えられ始めたのも、 この頃である。それまでは、行列は代数学で、ベクトルは幾何学で 教えられていた。 日本の線形代数の標準的教科書、佐武一郎の「行列と行列式」は 「線形代数」とタイトルが変えられた。

(22)

現在の数学の流行思潮: ▶ 構造から機能へ。 集合からカテゴリーへ。 ▶ グロタンデェックの大流行: クロネッカーの夢の再現。 しかし、数学は、美術や音楽のような存在で、現代を生きる人々の常 識になっていない。 算数は近代科学の発展以前の状態まで、退化している。2500年前の ギリシャの数学の成果にさえ、はるかに及ばない。

1990年、森重文を最後に、日本人はフィールズ賞を獲得できていな い。 森重文は東大入試がなかった年に京大に入学した学生である。

(23)

■ 等比級数

S

n

= 1 + r + r

2

+

· · · + r

n−1 の項数は

n

である。

1 + r

なら2項、

1 + r + r

2なら3項。

1

− r

2

= (1

− r)(1 + r)

,

1

− r

3

= (1

− r)(1 + r + r

2

)

,

· · ·

.

1

− r

n

= (1

− r)(1 + r + r

2

+

· · · + r

n−1

)

したがって

1 + r + r

2

+

· · · + r

n−1

=

1

− r

n

1

− r

.

初項が 1 でなかったら

a + ar + ar

2

+

· · · + ar

n−1

= a

1

− r

n

1

− r

.

(24)

|r| < 1

なら

r

n

→ 0

(n

→ ∞)

だから

S

n

1

1

− r

.

▶ まず

n

項の和を求めて、数列

S

nを作り、

S

nの極限を計算してい る。 ▶

r =

−1

のとき

1+(

−1)+(−1)

2

+(

−1)

3

+

· · · = (1−1)+(1−1)+· · · = 0

としてはいけないのだろうか? ▶ オイラー(運動の法則を

F = ma

と書いた人)は

ζ(

−1) = 1 + 2 + 3 + · · · + n + · · · = −

1

12

を示した。正の数の和が負になっている馬鹿げた公式。しかし、こ れは無限級数の和の定義による。現代物理ではこの公式が活躍し ている。

(25)

循環小数は等比級数になる。

0. ˙9 = 0.9

× (1 + (

1

10

)

1

+ (

1

10

)

2

+ (

1

10

)

3

+

· · · )

=

9

10

1

(1

101

)

= 1

. 実数は数列の極限として表される。 0.9, 0.99, 0.999, 0.9999,

· · ·

は上に有界な単調増加数列であ り、1 はその数列の上限である。 したがって、

0. ˙9 = 1

である。

(26)

■ 関数値の極限

lim

x→α

f (x) = β

述語論理の言葉で表現すると、 どんな正の数

ϵ

にたいしても、ある

δ

があって、

|x − α| < δ

なら、

|f(x) − β| < ϵ

である。

(27)

余談: 命題論理: 「人は必ず死ぬ」 述語論理: 「xは必ず死ぬ」を限量する。xが一つでもあるか、すべての xにたいして成り立つか。 詭弁をろうするソフィストが活躍した時代に、アリストテレスが確立し た論理学。形式論理とも呼ばれる。 ゼノンの逆理 アキレスと亀「走ることの最も遅いものですら最も速いものによって決して追い着 かれないであろう。なぜなら、追うものは、追い着く以前に、逃げるものが走りはじめ た点に着かなければならず、したがって、より遅いものは常にいくらかずつ先んじてい なければならないからである、という議論である。」アリストテレス『自然学』 飛ぶ矢は飛ばない「もしどんなものもそれ自身と等しいものに対応しているときに は常に静止しており、移動するものは今において常にそれ自身と等しいものに対応し ているならば、移動する矢は動かない、とかれは言うのである。」アリストテレス『自 然学』

(28)

アリストテレスは主語を問題にして、ものごとを考えた。 西田幾多郎(京都の観光地、哲学の道は西田幾多郎に由来する)は述語 を問題にしてものごとを考えた。 「述語となって主語にならないもの」、「超越的述語面」、「無の場所」、 「絶対矛盾的自己同一」 西田の弟子は数学をどう考えたか. 下村寅太郎:「無限論の形成と構造」

(29)

■ 連続関数

定義:

lim

h→0

f (a + h) = f (a)

のとき, 関数

f (x)

は点

x = a

で連続である。 ▶ 関数が連続かどうかは一点, 一点で定義されている。 ▶ 述語論理の言葉で定義すると

∀ϵ > 0 ∃δ(|h| < δ → |f(a + h) − f(a)| < ϵ)

▶ この定義は常識的な感覚とはかなり異なる。 おそらく常識的な感覚では、「近くの2点は近くに移る」であろう が、これは一様連続性と呼ばれる。

(30)

ワイエルシュトラスが作った変な例

f (x) =

{

0

もし

x

が無理数なら 1 p もし

x =

q p,

p

,

q

は互いに素な整数,

p > 0

, なら は無理数点で連続, 有理数点で不連続である。 有理点で不連続なことは、有理点のまわりにはどんなに近くても 必ず無理点があるから、明らか。 無理点で連続を示すには、無理数

x

のまわりで、どのような正の数

ϵ

にたいしても、十分に小さな

δ

をとれば、

(x

− δ, x + δ)

に.

ϵ

より関数値が大きな値となる有理点はなくなることを示せばよい。 どんなに小さな

ϵ

であっても。十分大きな

p

0にたいして、p1 0

< ϵ

となるから、分母が

p

0より大きな有理数にたいしては、関数値は

< ϵ

となる。分母が

p

0より小さな有理数にたいして、q−1p

< x <

q pとなる有理数は有限個しかない。したがって、

x

とそのような有 理数にあいだには距離がある。

(31)

中間値の定理: 関数

f (x)

が閉区間

[a, b]

で連続で,

f (a) > 0

,

f (b) < 0

なら

[a, b]

の中に

f (c) = 0

となる点がある。 ▶ これは実数の性質そのものである。

f (x) > 0

となる点の全体を

A

とすると、

A

には上界があるから、 実数の性質より

A

の上限

c

がある。 これが求める点である。関 数の連続性により、

f (c) > 0

にも、

f (c) < 0

にもなりえない。 ▶ この定理は方程式

f (x) = 0

を解くとき, 役に立つ。解があるこ とが保証されているなら, どんな方法で解いてもよい。 一例としての二分法はつぎのスライド参照。二分法の効率は悲惨 だが、必ず答えに達する。

(32)

x

3

− 5x + 1 = 0

x1 xc x2 y(x1) y(xc) y(x2)

0.000000 0.500000 1.000000 1.000000 -1.375000 -3.000000 0.000000 0.250000 0.500000 1.000000 -0.234375 -1.375000 0.000000 0.125000 0.250000 1.000000 0.376953 -0.234375 0.125000 0.187500 0.250000 0.376953 0.069092 -0.234375 0.187500 0.218750 0.250000 0.069092 -0.083282 -0.234375 0.187500 0.203125 0.218750 0.069092 -0.007244 -0.083282 0.187500 0.195312 0.203125 0.069092 0.030888 -0.007244 0.195312 0.199219 0.203125 0.030888 0.011813 -0.007244 0.199219 0.201172 0.203125 0.011813 0.002282 -0.007244 0.201172 0.202148 0.203125 0.002282 -0.002482 -0.007244 0.201172 0.201660 0.202148 0.002282 -0.000100 -0.002482 0.201172 0.201416 0.201660 0.002282 0.001091 -0.000100 0.201416 0.201538 0.201660 0.001091 0.000496 -0.000100 0.201538 0.201599 0.201660 0.000496 0.000198 -0.000100 0.201599 0.201630 0.201660 0.000198 0.000049 -0.000100 0.201630 0.201645 0.201660 0.000049 -0.000026 -0.000100 0.201630 0.201637 0.201645 0.000049 0.000012 -0.000026 0.201637 0.201641 0.201645 0.000012 -0.000007 -0.000026 0.201637 0.201639 0.201641 0.000012 0.000002 -0.000007

(33)

最大値, 最小値存在定理:閉区間

[a, b]

で連続な関数は

[a, b]

内のい ずれかの点で最大値, 最小値をとる。 ▶ もし閉区間でないなら 開区間

(

−1, 1)

で連続な関数

y = tan(

π 2

x)

は最大値, 最小値を とるだろうか? ▶ 証明には実数の閉区間の性質を明らかにすることが必要。

·

閉区間は有界だから、閉区間内の数列は集積値を持つ。 その数列から一つの値に収束する数列を選び出すことができる。 閉区間だから、その収束値はその区間内にある。 このことを閉区間はコンパクトであるという。

·

コンパクト: ええかげんに言えば、有界で閉じていること

·

実数全体はコンパクトではない。局所的にコンパクトという概念 を明確にする必要がある。

(34)

▶ この定理から「連続関数はどんな閉区間も閉区間に写す。」ことが 言える。 連続関数の定義は、「開集合の原像は開集合」 ▶ 「閉区間上の連続函数は近くの2点を近くに写す(一様連続性)。」 ことも言える。 連続性は1点の性質で、2点の関係についてはなにも言っていない。

(35)

開区間と閉区間 開区間 どの点に対しても 近くの点が見つかる 閉区間 近くの点が見つからない ▶ 境界点を含まない集合を開集合という。 ▶ 境界点って何かがよく分からないから、開集合とは何かがよく分か らない。

(36)

開集合の性質 ▶ 全集合は、境界点を含まないから、開集合である。 ▶ 空集合は、境界点を含まないから、開集合である。 ▶ 開集合と開集合を合わせても、境界点を含まないから、開集合で ある。 ▶ 開集合と開集合の共通部分も、境界点を含まないから、開集合で ある。 ▶ 無限個の開集合の合併集合も開集合である。これが境界点を特徴 づける性質である。 発展的な取扱い: この性質を開集合の定義と考える。 このとき、開集合の補集合を閉集合と言う。 ▶ 無限個の閉集合の共通部分も閉集合である。

(37)

開集合族 開集合は部分集合であり、部分集合の家族を作る。どの部分集合が一 族の一員になっているかが点の繋がりかたの違いを示す。 ▶ 全集合と空集合のみが開集合なら、すべての点は密着し離せない。 密着位相とか、最弱位相と呼ばれる。 ▶ すべての部分集合が開集合なら、すべての点はバラバラである。 離散位相とか最強位相と呼ばれる。 ▶ 距離によって開集合を定義する。 数直線上の開集合: 実数の部分集合

O

で.

O

のすべての要素

x

に対して、

|x − x

| < r

となるすべての

x

O

の要素となるよ うな

r

が存在するもの。

(38)

連続関数 

f : X

−→ Y

f

Y

の開集合

O

に対して、逆像

f

−1

(O)

が開集合となるもの。 ▶

y =

|x|

は連続関数である。

(39)

連結集合

X

の開集合であり、同時に閉集合である部分集合は全集合と空集合 のみであるもの。 ▶ 例: 有理数の全体

Q

は連結ではない。 開集合であり、かつ閉集合である例を示せばよい。

−π < p < π

なる有理数の全体

A

はその例である。

A

は実数の開集合

(

−π, π)

Q

の共通部分だから開集合である。

A

は実数の閉集合

[

−π, π]

Q

の共通部分であるから、閉集合で ある。 ▶ 連続関数は連結集合を連結集合に写す。 ▶ 中間値の定理は直感的に当たり前すぎて、何が問題なのか見えに くい。実数の連結性の問題だからである。

(40)

コンパクト集合 点列がその中に必ず集積点を持つ集合。 集積点。そのまわりのどんなに近くにも、点列の要素がみつかる点。 集積点が一点しかないときは極限点。 集積点が集合の要素かそうでないかを問題にしている。 ▶ 閉区間はコンパクトである。 (開区間はコンパクトではない。) ▶ 連続関数はコンパクト集合をコンパクト集合に写す。 ▶ ワイエルシュトラスの最大値、最小値存在定理。 微分可能性の基本定理: ロールの定理の証明に使われる。 ▶ 閉区間上の連続関数はリーマン積分(定積分)可能であることの証 明に使われる。

(41)

■ 写像 数から数への写像を関数という。

集合から集合への射

A

−→ B

f

A

射(arrow)

f

B

要素から要素への写像

x

7−→ y

x

写(maps to )

y

一つの要素にたくさんの要素が 対応するものは写像とは言わな い。 定義域 Domain 値域 Range f Codomain A B ・ ・ ・ ・ ・x y ・ ・ ・ 要素の対応 写像ではない

(42)

関数の合成 A f B C g

A

−→ B

f

−→ C

g

A

−→ C

h

h = g

◦ f

と書いて 「

g

f

に続く」と読む。 要素の関係

z = g(f (x))

.

x

∈ A

,

z

∈ C

(43)

逆関数

f

−1

◦ f = id

A

,

f

◦ f

−1

= id

B

id

A

A

の恒等写像。 

x

7−→ x

id 両方が成立するとき、

f

−1

f

の逆写像という。 例:

log x

e

xの逆関数である。

e

log x

= x,

log e

x

= x

.

(44)

片方の条件しか成立しない時 ▶ セクション(断面) 

f s = id

B

A

?

f

B

−→

id

B

B

A

から

B

への写像があるとき、

B

の要素に対応する

A

の要素はあ るだろうか。

A

B

に関する横断面。 ▶ レトラクト

rf = id

A

B

f

?

A

−→

id

A

A

B

y = f (x)

と同じ性質を持つもので分類する。

(45)

■ 微分

ニュートンの業績 ▶ 運動を時間の関数としてとらえ、時間変化の計算法を見つけた。 流量 Fluent: 時間的に変化するもの,

x

流率 Fluxion: 流量の時間的な変化率,

x

˙

▶ ギリシャの数学は、量の理論や、大きさ、広がりの理論を発展させ、 その厳密性な論理は非の打ちようがない、しかし、運動という観点 はなかった。 ▶ 運動を論じたニュートンの主著「プリンキピア」では、アルキメデ スの伝統にしたがって、記号計算ではなく、幾何学(なかでも、ア ポロニウスの円錐曲線理論)を使って厳密な論理を展開している。 ニュートンにとっては、微積分は答えを簡単に見つける、秘密にし ておきたい、裏ワザに過ぎなかった。

(46)
(47)

運動学から始まった数学は、厳密なものではなかったが、その応用範 囲は広大無辺のものであった。その切れ味は現在でもなまっていない。 しかし、

(48)

■ 差分と微分 ∆ ∆ 1 2 dy y y y x x x dx x 差分 微分

差分

∆x = x

2

− x

1,

∆y = y

2

− y

1

微分係数:接線の傾き

y

(x) =

lim

∆x→0

∆y

∆x

=

∆x

lim

→0

y(x + ∆x)

− y(x)

(x + ∆x)

− x

微分: 差分と似ているが、接線上での変化量。

dy = y

dx

(49)

■ 微分係数の計算

積の微分

(f (x)g(x))

=

lim

∆x→0

f (x + ∆x)g(x + ∆x)

− f(x)g(x)

(x + ∆x)

− x

=

lim

∆x→0

(f (x) + ∆f )(g(x) + ∆g)

− f(x)g(x)

∆x

=

lim

∆x→0

∆f

∆x

g(x) + lim

∆x→0

f (x)

∆g

∆x

+ lim

∆x→0

(∆f )(∆g)

∆x

= f

g + f g

2位の変化 

lim

∆x→0

(∆f )(∆g)

∆x

= 0

が証明の本質。

∆x

,

∆f

,

∆g

は1位の無限小、

(∆f )(∆g)

は2位の無限小。2位の 無限小は1位の無限小と較べて無視できる。

(50)

合成関数

y = f (g(x))

の微分

dy

dx

=

df

dg

dg

dx

d(x

2

+ 1)

3

dx

=

d(x

2

+ 1)

3

d(x

2

+ 1)

·

d(x

2

+ 1)

dx

= 3(x

2

+ 1)

2

· 2x

証明 ∆f ∆x

=

∆f ∆g ∆g ∆x の極限をとれば出てくる。応用にはこの理解で十分。

∆x

̸= 0

に対して

∆g = 0

となる場合もあるが、その場合、割算は どうするのか、という煩わしい問題は残る。これは微分可能とは

∆f (z) = f

(z)∆z + ϵ∆z

,

∆z

→ 0

のとき、

ϵ

→ 0

であることを使って、無限小の位数を精密に考えれば処理できる。

(51)

逆関数 単調に変化する関数は逆関数を持つ。

y = f (x)

x

について解いた関数

x = f

−1

(y)

を逆関数という。 微分公式

dy

dx

=

1

dx dy が成り立つ。 x y x f(x) y = f(x) x f (x)− 1 Inverse 証明の難しさは逆関数があるかどうかを示す点にある。これは 一変数の単調関数の場合 は自明だが、多変数関数になると、きわめて注意深い考察が必要に なる。

(52)

■ 陰関数

F (x, y) = 0

→ y = ϕ(x)

1変数関数の微分は接線を表す。

y = f (x)

の 

(a, f (a))

での接線は

y

− f(a) = k(x − a)

.

k = lim

h→0

f (a + h)

− f(a)

(a + h)

− a

= f

(a)

これを

dy = f

(x)dx

と書き、微分形式と呼んだ。

2変数関数の微分は接平面を表す。

z = f (x, y)

(a, b, f (a, b))

での接平面は  

z

− f(a, b) = k(x − a) + l(y − b)

k = lim

h→0

f (a + h, b)

− f(a, b)

(a + h)

− a

=

∂f

∂x

l = lim

h→0

f (a, b + h)

− f(a, b)

(b + h)

− b

=

∂f

∂y

これを 

dz =

∂f∂x

dx +

∂f∂y

dy

と書く。

(53)

微分と微分係数、導関数は異なる。 微分と差分は似ている。差分は関数上の差、微分は接線上の差。

∂f

∂x

は関数

f

x

に関する偏微分と呼ばれる。 1変数関数の微分係数に対応する。

f (x, y) = 0

なら

df =

∂f∂x

dx +

∂f∂y

dy = 0

. もし ∂f

∂y

̸= 0

なら点

(a, b, f (a, b))

の近くで陰関数

y = ϕ(x)

が存

在し、

ϕ

(x) =

dxdy

=

∂f ∂x ∂f ∂y .

(54)

■ 関数 微積分の理論は紀元前4世紀には完成していた。しかし、非常に使いに くいものであった。 近代になって、ニュートンやライプニッツによって、関数というものが 考えられて、初めて、微積分は使えるものになった。 しかし、 「もしニュートンやライプニッツが連続関数がかならずしも導関数をもつ 必要のないことを知っていたなら、微分計算は作られなかったであろう。」 (エミール・ピカール、1906) 「だれも函数とは何であるかを説明することはできない。しかしこれは 数学において真に重大な事柄である。」 (ヘルマン・ワイル, 数学と自然科学の哲学, 1959)

(55)

■ 三角関数

平面角

θ =

円弧の長さ

円の半径

r

角度が無次元量 (単位不要の純粋 な数値) であることが応用上の本 質。この定義によって、幾何学だ けでなく、どのような周期現象も 表せるようになった。 r l θ

π =

産医師異国に向こう産後役なく産婦みやしろに虫さんさん闇に 鳴く=3.141592653589793238462643383279...

(56)

正弦、余弦、正接 θ 1 θ θ θ cos sin tan

θ < tan θ

は言えるだろうか。

(cos θ, sin θ)

で円に接線を 引いて、じっと図を眺めてみよう。

lim

θ→0

sin θ

θ

= 1

0 < θ <

π2 とすると,

sin θ < θ < tan θ

cos θ

sin θ

<

1

θ

<

1

sin θ

cos θ <

sin θ

θ

< 1

θ

→ 0

のとき

cos θ

→ 1

したがって, はさみうちの原理で

sin θ

θ

→ 1

(57)

加法定理

cos(α

− β) = cos α cos β + sin α sin β

α β α − β α − β A Β C D x x y y 1 1

A(cos α, sin α), B(cos β, sin β), C(cos(α − β), sin(α − β)), D(1, 0).

AB = CD

だから

(cos α − cos β)2 + (sin α − sin β)2 = (cos(α − β) − 1)2 + (sin(α − β))2

cos2 α − 2 cos α cos β + cos2 β + sin2 α − 2 sin α sin β + sin2 β

= cos2 − β) − 2 cos(α − β) + 1 + sin2 − β)

(58)

微分公式

(sin x)

= lim

h→0

sin(x + h)

− sin x

h

= lim

h→0

2 cos(

x+h+x2

) sin(x + h

− x)

h

= lim

h→0

cos(x +

h

2

)

sin

h2 h 2

= cos(x)

(cos x)

= lim

h→0

cos(x + h)

− cos x

h

= lim

h→0 2

sin(

x+h+x 2

) sin(x + h

− x)

h

= lim

h→0

− sin(x +

h

2

)

sin

h2 h 2

=

− sin(x)

(59)

■ 指数関数

y = a

xの中で,

x = 0

での傾きが 1 の関数を

y = e

x.

x = 0

での傾きは

lim

h→0

e

0+h

− e

0

h

= lim

h→0

e

h

− 1

h

で、この値が

1

h

→ 0

のとき,

e

h

= 1 + h

,

e = (1 + h)

h1

n

→ ∞

のとき

e = (1 +

1

n

)

n

(e

x

)

= lim

h→0

e

x+h

− e

x

h

= e

x

lim

h→0

e

h

− 1

h

= e

x.

e =

鮒一鉢二鉢一鉢二鉢しごく惜しい=2.718281828459045...

(60)

e

xはどんな羃関数よりも速く発散する。

f (x) = e

x

− (1 + x)

とする。

f

(x) = e

x

− 1

. 増減表

x

0

f

(x)

0

+

f (x)

0

f

(x) > 0

なら 

は 平均値の 定理からただちに言える。 より

x > 0

では

e

x

> 1 + x > x

だから

e

x

x

> 1

.

x

のかわりに

x

2n

を代入すると e2nx x 2n

> 1

.

e

x 2n

x

>

1

2n

.

(

e

2nx

x

)

2n

> (

1

2n

)

2n.

e

x

x

n

> (

1

2n

)

2n

x

n

→ ∞ (x → ∞

のとき

)

.

(61)

変化の速度こそが指数関数の特徴である。

y = e

−αx という式には典型的なスケール

α

が現れている。つまり、

x = 1/α

で関数の性質ががらっと変わる。 冪関数

y = x

nには典型的なスケールがない。

多くの教科書では

lim

x→∞

e

x

x

n

=

をロピタルを使って示している。正しいが、論理が逆転していること が多い。(高校数学では論理を重要視して、ロピタルを教えることを 自粛している)。

(62)

■ 対数関数

定義:指数関数

y = e

xの逆関数を

x = log y

と記す。

微分公式

y = log x

とすると

x = e

y だから

d log x

dx

=

dy

dx

=

1

dx dy

=

1

dey dy

=

1

e

y

=

1

x

d log x =

dx

x

だから

log x =

x 1

dt

t

を対数関数の定義と思ってもよい。

(63)

対数の性質 ▶

log(xy) =

xy 1

dt

t

=

x 1

dt

t

+

xy x

dt

t

t = xu

によって積分変数を

t

から

u

に代えると

=

x 1

dt

t

+

y 1

dt

u

= log x + log y

log(x

2

) = log(xx) = log x + log x = 2 log x

,

log(x

n

) = n log x

.

log(y) = log(x

·

y

x

) = log x + log

y

x

,

log(

yx

) = log y

− log x

,

(64)

d log(x) =

dx

x

が対数関数の本質を表している。 量とその変化量が比例している。小さな量には小さな変化、大きな 量には大きな変化。 株価など、正の量の変化を考えるとき、対数メモリのグラフを描く といろいろな事が見えてくる。

(65)

常用対数

対数の底は

e

であるのが論理的には自然だが、我々は10本の指で計

算する。

x = 10

yの逆関数を

y = log

10

x

と書く.

このとき

log

e

x = log

e

10

y

= y log

e

10 = log

10

x

· log

e

10

.

log

e

x = 2.3 log

10

x

と覚えておけ。

脳内計算尺

log

10

2 = 0.3

,

log

10

3 = 0.5

,

log

10

5 = 0.7

と覚えておく。掛け算の概算が足し算でできる。

掛け算はまず一桁精度で概算して、おおよその答えが分かってから電 卓をつかう。

計算尺。固定尺(基尺)、滑尺(中尺)、カーソルを使って足し算をす

(66)

対数微分 ▶ 対数

y = log x

x > 0

でしか定義されていない。

x < 0

なら

d log

|x|

dx

=

d log(

−x)

d(

−x)

d(

−x)

dx

=

1

−x

(

−1) =

1

x

.

x

を複素数まで拡張して考える必要がある。 ▶ 合成関数の微分法と組み合わせると、うまい裏技ができる。

d log

|f|

dx

=

d log

|f|

df

df

dx

=

1

f

df

dx

.

f

(x) = f (x)

d log

|f|

dx

.

(67)

■ 逆三角関数

正弦関数の逆関数 対応

y = sin x

y

から

x

を決めようとしても答がたくさんある。

y = sin x

x

の範囲を

π

2

x

π

2

に制限すれば逆の答は1つ。 この逆関数を

y = arcsin x

と書く。

(68)

■ いろいろな逆三角関数

π

2

x

π

2

,

y = sin x

x

について解くと

x = arcsin y

0

x

π,

y = cos x

x

について解くと

x = arccos y

π

2

< x <

π

2

,

y = tan x

x

について解くと

x = arctan y

(69)

■ 表記法

写像

f

の逆写像は

f

−1と書く習慣がある。したがって

sin

の逆写像

sin

−1と書く人もいる。

sin

2

x = (sin x)

2,

sin

−2

x =

1

(sin x)2 だが,

sin

−1

x

̸=

1

sin x

ある。

岩波数学辞典, 岩波数学公式集では

arcsin

,

arccos

,

arctan

と表

記している。これが日本標準。US でもこれで通じる。

コンピューター言語や電卓では asin, acos, atan と表記している。

tan を tg, arctan を arctg, atg と書く国もある。

(70)

■ グラフ

y = arctan x

のグラフ -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 -10 -5 0 5 10 x y

(71)

■ 逆三角関数の導関数

y = arcsin x

とは

π

2

y

π

2

,

x = sin y

のことだから

d arcsin x

dx

=

dy

dx

=

1

dx dy

=

1

d sin y dy

=

1

cos y

π

2

y

π

2

だから

cos y

0

. したがって

d arcsin x

dx

=

1

1

− sin

2

y

=

1

1

− x

2 .

(72)

y = arccos x

とは

0

y

π,

x = cos y

のことだから

d arccos x

dx

=

dy

dx

=

1

dx dy

=

1

d cos y dy

=

1

sin y

0

y

π

だから

sin y

0

. したがって

d arccos x

dx

=

1

1

− cos

2

y

=

1

1

− x

2 .

y = arctan x

とは

π2

< y <

π2

,

x = tan y

のことだから

d arctan x

dx

=

dy

dx

=

1

dx dy

=

1

d tan y dy

=

1

1 cos2 y

= cos

2

y =

1

1 + tan

2

y

=

1

1 + x

2.

(73)

■ 逆三角関数は、応用上、きわめて重要なのに高校数学の範囲外。

逆を定義するには範囲を絞らざるをえないが、これは恣意的である。

三角関数の加法定理が逆三角関数にどう反映するか、よく見えない。 ためであろう。 この問題は複素数まで拡張して、はじめて、統制可能になる。 ■ オイラーの公式

e

ix

= cos x + i sin x

逆に解くと

sin x =

e

ix

− e

−ix

2i

, cos x =

e

ix

+ e

−ix

2

(74)

■ 双曲線関数

双曲線正弦関数、ハイパボリック・サイン

sinh =

e

x

− e

−x

2

双曲線余弦関数、ハイパボリック・コサイン

cosh =

e

x

+ e

−x

2

双曲線正接関数、ハイパボリック・タンジェント

tanh =

e

x

− e

−x

e

x

+ e

−x

(75)

■ 媒介変数表示 時間

t

の関数として位置

(x, y)

を与えると, 時間が進むと点が動く。 グラフを描くソフトを使ってアステ ロイドを描いてみる。

t

が変化すると、

(x, y)

が動くと考え ると簡単に書ける。 $> gnuplot

gnuplot> set parametric

gnuplot> plot cos(t)**3,sin(t)**3

-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 cos(t)**3, sin(t)**3

x = f (t)

,

y = g(t)

なら

dx = f

(t)dt

,

dy = g

(t)dt

. 後期の話題:曲線の長さや、曲線を囲む面積が

t

の積分として表される。

(76)

■ 高階導関数

y

(n)

(x) = (y

(n−1)

(x))

.

d

n

y

dx

n

=

d(

dn−1y dxn−1

)

dx

.

ライプニッツの公式

[f (x)g(x)]

(n)

=

nk=0 n

C

k

f

(n−k)

(x)g

(k)

(x)

.

(77)

数学的帰納法による証明。 n = 1のとき、 [f (x)g(x)] = f(x)g(x) + f (x)g(x). n = mのとき、成り立っているなら、 [f (x)g(x)](m) = mk=0 mCkf(m−k)(x)g(k)(x). [f (x)g(x)](m+1) = mk=0 mCk[f(m−k)(x)g(k)(x)] = mk=0 mCkf(m−k+1)(x)g(k)(x) + mk=0 mCkf(m−k)(x)g(k+1)(x) = mk=0 mCkf(m−k+1)(x)g(k)(x) + m+1k=1 mCk−1f(m−k+1)(x)g(k)(x). mCk + mCk−1 = m+1Ckだから [f (x)g(x)](m+1) = m+1k=0 mCkf(m+1−k)(x)g(k)(x). したがって n = m + 1でも成り立つ。

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