• 検索結果がありません。

平成 30 年度 北海道における風力発電の現状と課題 ~ 稼働状況とトラブル状況 ~ 令和元年 10 月 24 日経済産業省北海道産業保安監督部

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "平成 30 年度 北海道における風力発電の現状と課題 ~ 稼働状況とトラブル状況 ~ 令和元年 10 月 24 日経済産業省北海道産業保安監督部"

Copied!
41
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成30年度

北海道における風力発電の現状と課題

~稼働状況とトラブル状況~

令和元年10月24日

(2)

- 1 - はじめに 北海道管内の風力発電は、設置費補助制度や電力会社の新エネルギーの買取制度の開始によ って、平成8年頃から設置が相次いだものの、各発電現場では思うような発電ができないなど 様々な問題を抱えていました。これを受け平成13年、この問題点とその解決策を探ることを 目的に第1回風力発電研究会を開催しました。 この「北海道における風力発電の現状と課題」は、第2回研究会開催にあわせて平成14年 から管内で風力発電事業を行っている事業者の方々を対象にアンケート調査を始め、毎年、風 力発電所の稼働状況、トラブル発生状況並びに保守管理の課題について取りまとめ、事業者間 で情報共有を図り、発電所の運転並びに保守管理の向上に資することを目的にこれを公表して います。 このアンケートの調査にご協力いただいた風力発電事業者並びに関係者の皆様方に、あらた めて謝意を申し上げます。 なお、本報告書は、平成30年度の実態を調査し取りまとめたものです。 (問い合わせ先)経済産業省 北海道産業保安監督部 電力安全課 担 当:佐々木、鈴木 電 話:011-709―2311(内線2730、2731) 011-709-1795(直通) FAX:011-709-1796 E-mail:[email protected]

(3)

- 2 - 目 次 はじめに ……… 1 目次 ……… 2 1.調査概要 ……… 3 2.北海道における風力発電所の導入状況 ……… 4 1)北海道全体 2)振興局別にみた導入状況 3.発電所の概要 ……… 7 1)規模別設置状況 2)風車設置基数 3)風車製造者別設置状況 4)発電機型式と風車の出力制御方式 5)カットイン風速とカットアウト風速 6)設置者の状況 4.風力発電所の稼働状況(平成30年度実績) ……… 12 1)年間設備利用率 2)月間設備利用率 3)風車毎の運転状況 5.トラブル ……… 20 1)発生件数と発生部位 2)トラブルの発生原因 3)復旧期間 4)復旧に時間を要した理由(部品交換を伴うトラブル) 5)交換した部品名と調達先(部品交換を伴うトラブル) 6)トラブル対応状況 6.課題・メンテナンス ……… 31 1)現在の課題 7.まとめ ……… 33 1)風力発電所の稼働状況 2)保守点検の状況 3)トラブルの状況 4)今後の取組みと方向性について

(4)

- 3 -

北海道における風力発電の現状と課題

経済産業省 北海道産業保安監督部 電力安全課

1.調査概要

1)調査目的 風力発電所(事業用電気工作物)の稼働状況、トラブル発生状況及び保 守管理の現状と課題などを取りまとめ公表し、風力発電所の運転並びに 保守管理の向上に資することを目的とする。 2)調査対象 北海道管内で平成30年度末までに風力発電事業を行っている30事業 者(発電所数54発電所、風車329基)。 3)調査項目 ①風力発電所の概要 ②発電所計画時に見込んだ平均風速と設備利用率 ③稼働状況 ④トラブル発生状況、資機材の確保状況 ⑤メンテナンスなど 4)実施時期 発送:令和元年6月13日 締切:令和元年7月12日 5)回収状況 88.9%(27事業者、48発電所、風車312基) 6)公表手順 調査結果を当部で取りまとめ、当部主催の風力発電研究会(メンバー は、北海道内において平成31年3月31日時点で風力発電事業を行っ ている事業者、製造者等)に報告した後、当部ホームページにて公表。

(5)

- 4 - 2.北海道における風力発電所の導入状況 1)北海道全体 平成30年度末における風力発電所の合計出力は441,185kW、発電所数は54発電 所、風車基数は329基となっている(表1)。

表1 北海道における風力発電所の設置状況(平成30年度末)

※平成30年度中に、新設が3発電所(風車29基、86,000kW)、廃止が1発電所(風車2基、800kW)あった。 宗谷 檜山 留萌 胆振 渡島 石狩 後志 根室 釧路 発電所数 54 13 6 9 5 2 7 6 4 2 構成比 100% 24.1% 11.1% 16.7% 9.3% 3.7% 13.0% 11.1% 7.4% 3.7% 出力(kW) 441,185 134,545 82,500 66,490 48,450 36,800 29,780 27,680 12,970 1,970 構成比 100% 30.5% 18.7% 15.1% 11.0% 8.3% 6.8% 6.3% 2.9% 0.4% 250 21,000 2,200 1,500 800 80 4,500 1,400 600 990 12,000 20,000 1,000 36,000 900 230 750 1,370 1,500 1,200 2,970 1,950 1,500 1,200 9,320 225 800 30,600 10,000 1,650 600 1,500 1,980 19,500 2,960 34,000 1,650 14,550 800 28,000 800 4,000 6,600 1,500 1,600 20,000 480 2,960 3,970 2,400 57,000 14,850 21,000 30,000 風車基数 329 122 60 62 25 14 15 19 10 2 構成比 100% 37.1% 18.2% 18.8% 7.6% 4.3% 4.6% 5.8% 3.0% 0.6% 1 28 3 1 2 1 6 2 1 1 6 20 1 12 2 1 1 1 2 2 3 1 1 2 6 1 2 19 5 1 1 1 3 10 4 17 1 7 2 12 2 2 2 2 4 7 2 4 4 3 57 9 28 10 北海道全体 発 電 所 毎 の 出 力 発 電 所 毎 の 基 数 振興局別内訳 (kW)

(6)

- 5 -

図1 北海道の風力発電所の推移

(7)

- 6 - 2)振興局別にみた導入状況 北海道の風力発電所は日本海沿岸を中心に分布している。全風力発電所の79.6%(発 電所出力では85.6%)が宗谷総合振興局、留萌振興局、石狩振興局、後志総合振興局、 檜山振興局及び渡島総合振興局の海岸沿いに立地している。 また、これらの地域には出力が10,000kW以上の大規模風力発電所も存在し、発電所 数に対して風車の基数、発電所出力が大きいのが特徴となっている。 特に、宗谷総合振興局管内においては、発電所出力が13万kW、風車基数も120を超え る地域となっている。

図3 振興局別設置状況

■合計■ 発電所数 5 4 風車基数 3 2 9 基 発電所出力 4 41,185 kW

(8)

- 7 - 3.発電所の概要 1)規模別設置状況 発電所の規模別に見ると、1,000kW未満の発電所が14発電所(25.9%)あり、 全道の出力の1.9%となっている。 一方、出力が10,000kW以上の大規模風力発電所は15発電所(27.8%)とな り、これらの合計出力は368,500kWとなり、全道の出力の83.5%を占めている (図4)。 図4 発電所規模別設置状況(平成30年度末) 発電所数:54 発 電 所 出 力 (kW) 発 電 所 数

(9)

- 8 - 2)風車設置基数 風車2基以下の発電所は、29発電所(53.7%)となっている。 一方、発電所出力が10,000kW以上の大規模風力発電所は、風車基数も5~57基と 広く分布しており、その合計基数は247基となり、風車基数の75.1%を占めている (図5)。 図5 風車設置基数別発電所数(平成30年度末) 発電所数:54、風車基数:329

(10)

- 9 - 3)製造者別設置状況 道内に設置されている329基の風車を製造者別に見ると、国内の製造者による風車は1 07基(32.5%)であり、6割以上となる222基(67.5%)が海外の製造者とな っている(図6)。

図6 製造者別風車基数(平成30年度末)

(11)

- 10 - 4)発電機型式と風車の出力制御方式 発電機の型式には誘導型と同期型の2種類があり、誘導発電機は構造が簡単でコストが安 く、同期発電機は電圧制御が可能なため系統への影響が少ないが、誘導発電機に比べコスト が高くなるという特徴がある。北海道の風車は全てが水平軸風車(プロペラ型)である。 また、風車の出力制御はピッチ制御あるいはストール(失速)制御が一般的であるが、ピ ッチ制御はブレードの取り付け角を油圧などにより変化させ、最適なブレード角による運転 が可能であるのに対し、ストール制御は風速が一定値以上になるとブレード形状の空気特性 により、失速現象が起こり出力が低下することを利用して出力を抑制するもので、ピッチ制 御に比べ効率は落ちるが構造が簡単でコストが安いという特徴がある。 道内に設置されている329基の風車の採用状況は、200基(60.8%)が誘導発電 機を採用し、風車の出力制御はピッチ制御、ストール制御又はこれらの組み合わせとなって いるのに対し、同期発電機を採用している風車は129基(39.2%)で風車の出力制御 は全てピッチ制御方式となっている(図7)。

図7 発電機型式と風車制御方式

誘導発電機 60.8% 同期発電機 39.2% ピッチ制御 38.9% ストール制御 13.1% ピッチ制御+ストール制御 7.9% その他 0.9% ピッチ制御 39.2% [128基] [43基] [200基] [129基] [26基] [3基] [129基] 風車基数 329基

(12)

- 11 - 5)カットイン風速とカットアウト風速 風車が発電を開始するときの風速を「カットイン風速」、風車が安全確保のため発電を停 止する風速を「カットアウト風速」というが、道内に設置されている329基の風車のうち 277基(84.2%)が風速2.5~3.0m/sで発電を開始し、324基(98.5%) が風速25m/sで発電を停止する設計となっている(図8)。 図8 カットイン風速とカットアウト風速 6)設置者の状況 道内の54発電所のうち41発電所(75.9%)は民間企業(電力会社除く。)が設置 し、11発電所(18.5%)は国及び自治体が設置している。民間会社が設置した発電所 はウインドファーム形式のものが多く、1発電所あたりの基数が多く、303基(88. 6%)と全体の約9割を占めている(図9)。 図9 風力発電所の設置者別の発電所数及び基数

(13)

- 12 - 4.風力発電所の稼働状況(平成30年度実績) 1)年間設備利用率 ①総論 平成30年度運転実績があり、アンケートの設備利用率に関する質問について回答があっ た39発電所の運転データから平成30年度の年間設備利用率(年間発電電力量÷(最大出 力×365日×24h))を求めると25.5%となった。 39発電所の年間設備利用率をみると、20~25%の発電所が9発電所となっている (図10)。 図10 年間設備利用率(平成30年度実績) 発電所数:43 また、各振興局管内に設置されている風力発電所毎に、年間設備利用率を求め比較してみ ると宗谷総合振興局が最も高く32.8%、次いで胆振総合振興局が27.4%、檜山振興 局が27.1%,後志総合振興局26.3%と続いている。 平成29年度に比べて全振興局管内で減少している(表2)。

(14)

- 13 - 表2 振興局別年間設備利用率(平成30年度) ②年間設備利用率の計画と実績との比較 平成30年度運転実績がありアンケートの回答があった発電所のうち、計画時及び実績の 年間設備利用率について回答のあった29発電所について比較してみると、13発電所(4 4.8%)が計画に対して±5ポイント以内の実績となっており、計画に対し5ポイント以 上を上回った発電所は、2発電所(6.9%)であった。 また、14発電所(48.3%)が計画を5ポイント以上下回り、このうち11発電所 (37.9%)は10ポイント以上下回っている(図11、表3)。 図11 年間設備利用率の計画と実績比較(平成30年度) 有効データ数:29発電所 振興局別 年間設備利用率(%) 宗谷総合振興局 32.5 胆振総合振興局 27.4 檜山振興局 27.1 後志総合振興局 26.3 石狩振興局 21.7 その他 17.2 全道平均 26.5 年 間 設 備 利 用 率 ( 実 績 % ) 年間設備利用率(計画%)

(15)

- 14 - 表3 年間設備利用率の計画と実績比較 年間設備利用率 発電所数 % 実績が計画の+5ポイント以上 2 6.9 実績が計画の±5ポイント以内 13 44.8 実績が計画の-5ポイント以下 14 48.3 -5~-10ポイント 3 10.3 -10ポイント以下 11 44.8 合計 29 - ③年間設備利用率が計画を上回った又は下回った要因 実績の年間設備利用率が計画を上回った又は下回った要因についても質問したところ、2 9発電所から回答が得られた。 10発電所において年間設備利用率が計画を上回った。その要因は以下のとおりであった (表4)。 表4 実績が計画を上回った要因(複数回答あり) 上 回 っ た 要 因 計画以上の風況が得られた 4発電所 風況はほぼ計画通りであったが、パワーカーブの改 善が行われた 0発電所 故障による停止が少なかった、メンテナンスに係る 期間が予定より短かった 7発電所 その他 2発電所 19発電所においては、年間設備利用率が計画を下回った。その要因は以下のとおりであ った(表5)。 表5 実績が計画を下回った要因(複数回答あり) 下 回 っ た 要 因 計画通りの風況が得られなかった 3発電所 風況はほぼ計画通りであったが、パワーカーブどお りの性能が発揮できなかった 3発電所 故障による停止や補修、メンテナンスにかかる時間 が多かった 15発電所 その他 5発電所

(16)

- 15 - さらに、実績の年間設備利用率が計画を「下回った要因」について、事業者から以下の回答 があった(記載内容については要約して記述している)。 【故障による停止や補修、メンテナンスにかかる時間が多かった】  撤去を年内に行う予定。  古い設備のため、経年劣化による故障の多発及び部品自体の調達がしにくい状況が発生。現 在、リプレイスを計画中であり、今後、撤去に向け準備中。  メーカーが消滅した事により、部品調達が厳しい状況のため修理を断念。リプレイスを計画 中。今後、撤去に向け準備中。 【その他】  9月の地震による停電、台風による保安停止等の影響による復旧作業遅れが発生。  電力会社の系統作業による停止が多かった。  タワーコンクリート基礎の性能低下により保安停止を長期に継続している。  設計時の甘さ、風力発電機の性能の悪さと故障による停止。  風況調査時の数値と実際に運転開始後の風況には、かなりの差がある。 一方、実績の年間設備利用率が計画を「上回った要因」について、「計画以上の風況が得ら れた。」の回答以外に、7発電所より「故障による停止が少なかった、メンテナンスに掛かる 時間が予定より短かった。」との回答があり、発電所では良い取り組みが好結果を残している と推測できる。 2)月間設備利用率 ①北海道全体及び振興局別 平成30年度に運転実績があり、設備利用率に関する質問に回答があった43発電所の月 別運転データから北海道全体及び振興局毎に月間設備利用率を求め、平成30年度の特徴を 整理すると次のとおりとなる。(表6、図12、図13) 表6 月間設備利用率(平成30年度実績) ~43発電所~ 振興局 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年度計 宗谷総合振興局 39.8 25.7 30.9 30.3 28.3 20.5 35.0 30.2 47.1 36.9 36.7 29.2 32.5 後志総合振興局 24.2 19.3 27.6 13.7 20.5 18.6 22.3 25.3 41.7 41.4 35.4 26.1 26.3 檜山振興局 30.3 18.9 19.3 16.1 22.0 15.1 21.6 26.9 44.8 40.7 37.4 32.2 27.1 石狩振興局 23.4 15.4 20.3 12.4 13.3 11.7 16.7 22.9 37.6 35.8 30.4 20.7 21.7 胆振総合振興局 28.4 19.2 19.0 13.5 18.5 18.3 23.4 29.5 47.2 42.8 39.4 30.1 27.4 その他 18.5 8.4 8.5 5.6 9.7 8.7 17.0 22.0 38.5 24.7 28.4 16.6 17.2 全道平均 30.0 18.7 20.9 17.7 20.5 15.9 25.0 27.1 44.1 36.1 35.2 26.9 26.5

(17)

- 16 -

図12 月別設備利用率(平成30年度実績)

図13 気象庁観測データ平均風速 (平成26年度~平成30年度、平均値)

(18)

- 17 - 発電所の表6、図12・13から 北海道全体では、 ◆平成30年度は、風況が直近の5カ年で2番目に低く(全道平均4.61m/s)、年間 設備利用率も前年度に比べ1.8ポイントの減少となった。 月間設備利用率が最大となったのは12月で44.1%となっている。年間を通して見る と、風力発電所のある道内各地域の気象庁観測データの平均風速とほぼ同じ傾向にある。 また、振興局毎に見ると、 ◆年間設備利用率が32.5%と最も高かった宗谷総合振興局においては、35%以上の月 が年間4ヶ月あったものの30%を下回る月が4ヶ月あるなど、全体をとおして低調であ った。 ◆それでも宗谷総合振興局においては、平成22年度から9年連続して年間設備利用率3 0%以上を記録している。 ◆図にはないが、発電所単位で見たとき月間設備利用率が最も高かったのは、石狩振興局管 内の発電所で57.8%(1月)であった。 3)風車毎の運転状況 ①平成30年度実績 アンケート回答のあった風車について運転状況を調査したところ、274基の有効運転 データが得られた。 これらの運転データを発電時間順に並べ替えたものが図14である。 運転状態にある時間を正(+)、保守点検のための停止時間及びトラブル停止時間を負 (-)として表したのが左図であり、運転時間(正の領域)の平均を求めると7,515 時間(85.8%)<平成29年度は7,770時間>となる。 しかし、風力発電所が運転状態にあっても実際には風が弱く停止しているか発電待機状 態の時間もあるため、これらの待機時間も負として表したのが右図であり、正味の運転時 間(正領域)の平均を求めると6,039時間(68.9%)<平成29年度は6,20 5時間>となる。 一方で、保守点検のために停止している時間の平均を求めると、303時間(3. 5%)<平成29年度は263時間>であり、トラブル停止時間の平均は942時間(1 0.8%)<平成29年度は727時間>となり、待機時間の平均は1,475時間(1 6.8%)<平成29年度は1,566時間>となった。

(19)

- 18 - 図14 風車毎の運転状況(平成30年度実績) 風車基数:274基 ② 保守点検停止 保守点検は、風車、発電機各部の点検の他、潤滑油の補給や消耗品の交換などを行うため に実施されるが、風車274基の保守点検停止時間数を日数(24時間/日)に換算し整理 してみると、2日以内に保守点検を終えた風車は15基(5.5%)で、最も多かったのは 10~14日以内の停止で68基(24.8%)となり、次いで6~7日以内で45基(1 6.4%)であった。 また、14日を超える期間を要した風車が43基(15.7%)となっている(図1 5)。 a+b:運転時間(待機,発 電)の平均7,515時 間(85.8%) b:待機時間の平均1,475 時間(16.8%) c:トラブル停止時間の平 均942時間(10.8%) d:保守点検停止時間の平 均303時間(3.5%) a:運転時間(発電)の平均 6,039時間(68.9%)

(20)

- 19 - 図15 保守点検停止日数(平成30年度):風車基数274基 ③トラブル停止 風車274基の運転データから、風車毎のトラブル停止時間を日数に換算し整理してみる と、トラブルによる停止期間は、1週間以内が74基(27.0%)、1週間~2週間以内 及び8週間以上が45基(16.4%)となっている(図16)。 なお、平成30年度において1年間稼動できなかった風車は9基となっている。 図16 トラブル停止日数(平成30年度):風車基数274基

(21)

- 20 - 5.トラブル 1)発生件数と発生部位 平成30年度に発生したトラブルは293件となり、前年度に比べ若干増加している。 発生部位別に発生件数が多い順にみると、電気設備が75件(25.6%)、ピッチ・ヨ ー関係機器が64件(21.8%)、運転監視システムが36件(12.3%)となってお り、これらの部位でトラブル全体の発生件数の約6割を占めている(図17)。 前年度と比べるとトラブル件数では、ピッチ・ヨー関係機器(駆動系機器)及び電気設備 のトラブルが増加している。 図17 発生部位別トラブル件数 平成30年度総件数:293件

(22)

- 21 - 2)トラブルの発生原因 トラブルの発生原因は、摩耗疲労が100件(34.1%)次いで落雷(自然現象)が4 4件(15.0%)、事故等波及49件(16.7%)となっている。 平成29年度と比較すると、落雷によるトラブルの件数は半分程度に下がった(図1 8)。また、摩耗疲労及び事故等波及がそれぞれ5ポイント程度増加した。 主な発生部位別の原因及び対応等については、それぞれ以下のとおりとなっている。 図18 トラブルの原因 293件のトラブルについての回答(複数回答あり) 【ブレード】(ピッチ機構は除く。)  落雷によるブレードに損傷7件報告され、平均復旧に数は93.5日と長くなっているが その事例として、冬期間で作業が出来なかったと3件の報告があった。  落雷検知器が動作したものが8件報告されたが、いずれもブレードには異常なく平均復旧 日数は1.0日となっている。  ブレードの摩耗により、再稼働を諦めた事業者が出ている。 図18-2-1

(23)

- 22 - 【ナセル・ハブ】  ブレードボルトの折損による油圧配管の劣化による損傷が3件、オイルシールの劣化 による漏油が1件の報告があり、部品の在庫があったことから、平均復旧日数は3. 6日となっている。 図18-2-2 【発電機】  ベアリングから異音、損傷等から異常を発見し交換したものが3件報告され、その平 均復旧日数は88日となっている。  発電機の地絡等から発電機を交換したものが3件報告され、そのうち1件の復旧日数 は、海外からの調達のため400日となっているものもある。 図18-2-3 部品交換, 8 摩耗疲労, 3 不明, 5 発電機, 8 0 2 4 6 8 10

(24)

- 23 - 【ピッチ、ヨー関係機器(駆動系機器)】  油圧ユニットアキュムレーター、ヨー圧力スイッチ等油圧系トラブルが15件報告さ れ、平均復旧日数1.2日となっている。また、ヨーモーター、ヨーギア等のトラブ ルが8件報告され、平均普及日数8日程度となっている。  ピッチモーター及びピッチ機構等のトラブルが15件報告され、平均復旧日数9日程 度となっている。  設計以上の負荷が翼軸取付板の翼軸取付部に繰り返し応力が加わり、当該部に亀裂が 発生するトラブルが6件報告され、部品を交換した。 図18-2-4 【主軸・ベアリング・ギアボックス(駆動系機器)】  17件のトラブルのうち、13件は在庫を持っていたことから復旧が5.73日と早く終 了しているが、在庫を持っていたものの、天候不良及びクレーン手配等、農地一次転用許 可待ちにより、平均復旧日数54.2日と長くなっているものもある。  自社により増速機交換を平均3.5日で終えているものがある。 図18-2-5

(25)

- 24 - 【制御機器、制御ソフト】  基盤関係7件、センサー類5件、電源類5件などが報告されている。  また、原因不明13件などがあり再現性のないトラブルが多い。 図18-2-6 【計測機器、センサー類】  風向、風速計17件、捻回計2件、温度センサー類5件のトラブルが報告されてい る。  平均2.7日の復旧時間であるが、センサーに繋がるコネクターの焼損により線間短 絡が発生し関連デバイスが焼損、海外からの部品の調達となったため46日間かかっ た事例も出ている。 図18-2-7

(26)

- 25 - 【運転監視システム】  初期故障が発生し、基盤の交換を行い復旧したが原因究明に時間がかかり8日ほど係 った事例が報告されている。  また、落雷による運転監視システムのトラブルは、22件報告されているが、通信用 ヒューズの交換によって復旧している。 図18-2-8 【電気設備】  電力会社側の停電等により主遮断器がトリップしたトラブルは38件、バッテリ、ケーブ ル、航空障害灯それぞれ4件報告されているが、短時間で復旧している。 図18-2-9 【その他<ブラックアウト>】

平成30年9月6日未明に発生した「北海道胆振東部地震」により、道内では最大震度7の地 震が襲い、その後、発生した北海道全域の停電「ブラックアウト」による影響についても皆様 のアンケートから報告がありましたので、その一部をお知らせします。

ブラックアウト関係と思われる停電等の情報が22件集まり、平均復旧日数は4.20日とな りましたが、一番長い復旧日数は7日というものもありました。  13件は自社により、9件はメンテナンス業者等により復旧を行っている。

(27)

- 26 - 3)復旧期間 平成30年度の有効なデータと認められる290件のトラブルを、部品交換を伴うトラブ ルと伴わないトラブルに分類し整理すると、部品交換を伴うトラブルが174件(60. 0%)で、部品交換を伴わないトラブル116件(40.0%)となっている。 部品交換を伴うトラブルで、復旧にかかった日数をみると、最も割合が多いのは1日以内 で71件(40.8%)、次いで1日~2日以内及び1月未満がそれぞれ17件(9. 8%)となっている(図19)。 部品交換を伴わないトラブルも同様にみると、最も割合が多いのは1日以内で67件(5 7.8%)となっている(図20)。 また、従前に比べ部品交換のトラブルで1日以内が増加していることから各発電所の現場 では、定期的発生するトラブルのほとんどが時間をかけずに復帰できるよう「部品の確保」 や「トラブル対応体制の確立」が進められているものと推測される。 図19 部品交換を伴うトラブル数(復旧期間別) 平成30年度総件数:174件

(28)

- 27 - 図20 部品交換を伴わないトラブル(復旧期間別) 平成30年度総件数:116件 4)復旧に時間を要した理由(部品交換を伴うトラブル) 部品交換を伴うトラブル174件について、復旧に時間を要した理由について86件の回 答(複数回答あり)があり、それを図21にある項目で分類したところ、最も多いのは部 品・資材調達に時間を要したが39件(45.3%)、次いで人員派遣に時間を要したが9 件(10.5%)となっている(図21)。 図21 トラブル復旧に時間を要した理由 部品交換を伴うトラブル174件から回答のあった86件を分類

(29)

- 28 - 5)交換した部品名と調達先(部品交換を伴うトラブル) 部品交換を伴うトラブル177件のうち部品名、調達先について回答があった159件に ついて、交換した部品と調達先を整理したものが表7である。 表7 交換した部品名 部品名 件数 部品名 件数 部品名 件数 コ ン バ ー タ 1 ピ ッ チ チ マ ス タ ー 1 ロー ター コ イルのポー ルシ ュ ー 1 発 電 機 1 ヨ ー ギ ア ピ ニ オ ン 1 発 電 機 ベ ア リ ン グ 1 ヨ ー フ レ ク シ ョ ン ブ レ ー キ 1 ピ ッ チ チ ャ ー ジ ャ ー 1 レ セ プ タ 、 ワ イ ヤ ー 1 部品名 件数 部品名 件数 部品名 件数 ピ ッ チ モ ー タ 5 制 御 装 置 1 発 電 機 回 転 子 躯 体 1 バ ッ テ リ ー 4 SVG 基 盤 1 発 電 機 ベ ア リ ン グ 1 BTB 盤 内 基 板 2 ケ ー ブ ル 、 コ ン デ ン サ 1 風 車 サ ー バ ー 用 電源 ユ ニ ット 1 コ ン タ ク タ 2 コ ン デ ン サ 1 風 車 変 圧 器 1 リ ア ク ト ル 2 潤 滑 油 ポ ン プ モ ー タ 1 ブ レ ー ド 先 端 部 1 2 4 V D C 電 源 ユ ニ ッ ト 1 制 御 基 盤 1 ブ レ ー ド ベ ア リ ン グ 1 CDT( 通 信 装 置 ) の 基 板 1 ダ イ オ ー ド 1 油 圧 ホ ー ス 1 IGBT 等 の 主 回 路 関 連 部 品 1 ナセ ル制 御盤 コ ネ クタ 及び 関連 部品 1 部品名 件数 部品名 件数 部品名 件数 コ ン タ ク タ 2 固 定 金 具 1 キ ャ パ シ タ 用 コ ン タク タ、 導線 1 ブ レ ー ド ベ ア リ ン グ 2 発 電 機 1 部品名 件数 部品名 件数 部品名 件数 圧 力 ス イ ッ チ 9 油 圧 ポ ン プ 2 タ イ マ ー 1 ヒ ュ ー ズ 9 ヨ ー モ ー タ 2 電 話 線 1 増 速 機 8 位 置 決 め ユ ニ ッ ト 2 動 作 コ イ ル 1 風 向 計 8 回 転 セ ン サ ー 2 バ ッ テ リ ー チャ ー ジ ャ ー 1 連 結 軸 取 付 部 6 P L C モ ジ ュ ー ル 1 発 電 機 内 温 度 セ ン サ 1 主 軸 軸 受 4 PT ヒ ュ ー ズ 1 発 電 機 ベ ア リ ン グ 1 パ ワ ー サ プ ラ イ 4 ア レ ス タ 1 発 電 機 用 開 閉 器 1 ア キ ュ ー ム レ ー タ 3 オ イ ル シ ー ル 1 ビ ッ カ ス バ ル ブ 1 サ ー ボ ド ラ イ バ 3 回 生 抵 抗 1 ピッチア キ ュ ー ム レー タブ ラ ダ 1 ピ ッ チ モ ー タ 3 継 電 器 1 風 向 計 用 ベ ア リ ン グ 1 油 圧 配 管 部 品 3 高 速 カ ウ ン タ ー ユ ニ ッ ト 1 ブ レ ー ド 用 リ ミ ッ ト ス イ ッ チ 1 VOG セ ン サ ー 2 コ ン デ ン サ 1 ボ ル ト 、 ヨ ー モ ー タ 1 温 度 セ ン サ ー 2 主 軸 ア ッ セ ン ブ リ 1 油 圧 セ ン サ ー 1 可 変 抵 抗 2 制 御 用 タ イ マ ー 1 ヨ ー ギ ア 1 航 空 障 害 灯 器 2 主 軸 軸 受 1 ヨ ー 減 速 機 1 バ ッ テ リ ー 2 ソ レ ノ イ ド バ ル ブの コ イ ル 1 リ ミ ッ ト ス イ ッ チ 1 ブ レ ー ド ボ ル ト 2 ダ イ オ ー ド 1 海外からの調達 北海道外からの調達 北海道内からの調達 在庫からの調達 FTセンサー本体、ケーブル及 び関連デバイス 1

(30)

- 29 - 部品を海外から調達したものが10件(5.6%)、道外から調達したものが38件(2 1.5%)、道内で調達したものは7件(4.0%)、在庫で対応できたのは122件(6 8.9%)となっている。 図22 部品等の調達先 平成30年度部品等の交換を伴う部品等の調達先159件 海外からの調達に依存する割合の変動はあるものの、平成18年度の35.9%から大き く減少している。 逆に在庫で対応した件数は平成18年度の17.2%から大きく増加し、平成25年度以 降、連続して全体の60%を超えている(図22、図23)。 図23 部品調達先 (平成18~30年の傾向)

(31)

- 30 - 6)トラブル対応状況 平成30年度に発生したトラブル293件への対応については、288件の回答があっ た。その内訳を見ると、メンテナンス業者に要請が149件(51.7%)、自社での対応 は97件(33.7%)、メーカーに要請が27件(9.4%)であった(図24)。 自社で増速機の交換を短時間で行うなど、高い技術力と補修体制を確立させた事業者が現 れている一方、トラブル対応をメンテナンス業者に要請した割合が半分を超えるなど、地域 に根ざしたメンテナンス業者が育ってきたと考えられる。 また、その他として電気保安業務を行う業者が風車に関する保守管理に関する技術的知見 を得て、事業者から依頼されるケースも見られる。 図24 トラブル対応状況 293件のトラブルについて288件の回答 (図25:欠番)

(32)

- 31 - 6.課題・メンテナンス 1)現在の課題 現在の課題(複数回答可)について、13発電所から16件の回答があり、「迅速な部品調 達」や「主任技術者の後継者難」等のソフト面が12件(67%)を占めている(図26、表 9)。 図26 現在の課題(大分類) ~13発電所から16件回答~ 今年度は、設備面(ハード面)の具体的な課題として、「風車軽故障が発生しているもの の、メーカーの解析が進んでいない。」等が挙げられている。また、現在、メーカーと協議中 と対応待ちの回答があった。 また、運転保守管理面(ソフト面)の具体的な課題として、「迅速な部品の調達」として 「社内システム構築により、補修部品の数量管理の徹底及び他所の保管状況をオンラインで確 認し、補修部品の調達が容易になった。(解決済)」との回答があった。 さらに「主任技術者の後継者難」として「主任技術者を探しているがなかなか見つからな い。」などが2発電所から、「その他」として「農地転用に係る手続き及び許可までの期間補 修工事が出来ない。」が挙げられている。 16件

(33)

- 32 - 表9 現在の課題 未解決の課題 ハ ー ド 面 機器の信頼性向上 風車軽故障発生の解析 風車メーカーの対応待ち 風車メーカーと協議中 事故・故障発生の予防と機器補修・ 更新周期の確立 主要機器補修・更新インターバルをメーカー等と協議し随 時実施中(翼・主軸受・発電機等) その他 系統作業による発電停止が多く、 当日の作業が早く終了しても、計画 された時間まで発電ができない。 ソ フ ト 面 主任技術者の後継 者難 電気主任技術者の不足 当施設の 場合、第二種電気主任技術者の資 格が必要である。 主任技術者の後継者がいない 地方の場合主任技術者が見つからない メーカーの対応 メーカーの技術力及び設備保全に 対する認識が低い(10年の保守、 稼働率補償付き)。 保守、稼働率補償期間満了時に大きな不具合を残さない よう、都度事業者が確認を行い、メーカー対し改善及び是 正提案を行っている。 運転・メンテナンス 体制 メーカーの吸収収合併等により対 応できる技術者が少ない。そのた め、対応に時間を要し、稼働率低下 の要因となっている。 都度交渉中 メーカーの吸収合併等により部品 調達に時間を要する その他 発電機の撤去。時期と業者の選定 中。 農地転用手続きに係る許可申請期 間の短縮 突発不具合による農地一時転用許 可(許可までの時間作業ができな い)。 データ分析や定期的な観察により予防保全で対応してい るが、突発不具合の場合難しい 解決済または、解決に向けて対策に取り組まれている課題 ハ ー ド 面 機器の信頼性向上 事故・故障発生の予防と機器補修・ 更新周期の確立 主要機器補修・更新インターバルをメーカー等と協議し 随時実施中(翼・主軸受・発電機等) 迅速な部品の調達 補修品の適正な確保 貯蔵品管理システムの構築

(34)

- 33 - 7.まとめ 1)風力発電所の稼働状況 今回アンケート調査を実施した風力発電所の稼働状況については、年平均風速は4.61m /sとなり前年度より0.19m/s減少となり、年間設備利用率も26.5%と前年度から 1.8m/s減少となった。 平成18年度以降、年間設備利用率も平均風速も昨年度までは上昇傾向であったが、今年度 は大きく減少している。 図27 年間設備利用率と平均風速 (平成18~30年度の傾向) 2)保守点検の状況 アンケート調査の結果、平成30年度の平均保守点検停止時間は314時間(13.1日) と最近の10年間では、一番多い日数となっている。 また、ここ数年9日以上の保守点検停止日数が増加傾向にある(図28)。

(35)

- 34 - 図28 年度別保守点検日数 (平成18~30年度の傾向) 3)トラブルの状況 平成30年度の平均的な風車のトラブル停止時間は1基あたり、1,175時間(48. 9日)で平成29年度の727時間(30.3日)に比べ約18日と大幅増となっている。 また、平成30年度にトラブルのあった218基についてまとめると、トラブル復旧まで 1週間以内の割合が29.4%と最も多かった。次いで7週間以上が24.3%、1週間以 上2週間以内が17.4%となっている。 過去からの傾向を見てみると各年度毎に増減はあるものの、平成24年度まで1基あたり のトラブル停止日数は33日前後であったが、平成25年度は長期停止の増加により42. 8日と上昇したが、平成26年度から平成29年度までは、30日前後となった。

(36)

- 35 - しかしながら、平成30年度は7週間以上の停止が増加し、48.9日となった(図2 9)。 図29 年度別トラブル停止日数 (平成18~30年度の傾向) 全トラブル件数中の部位別トラブル発生数の傾向を見てみると、平成18年度以降、各年度 毎に増減はあるものの、各発生部位別の発生件数はほぼ横ばい傾向にある(図30)。 また、発生部位別のウェイトにも大きな変化は見られない(図31)。

(37)

- 36 -

図30 発生部位別トラブル発生数 (平成18~30年度の傾向)

図31 発生部位別ウェイト (平成18~30年度の傾向)

(38)

- 37 - 平成30年度の全トラブル件数(293件)中、部品交換を伴うトラブルは174件、6 0.0%であり、平成29年度60.9%とほぼ変化はない。 また、部品調達先の傾向を見ると、かつて(平成14~15年度頃)は海外からの部品調達 割合が約60%もあったが、平成22年度まで連続して減少し5.7%まで下がった。平成2 3年度に若干増加したものの、引き続き平成23~27年度にかけて連続して減少し5.1% まで下がったものが、平成28年度は8.1%と増加に転じている。 平成19年度から平成22年度までは在庫での対応割合が増加したが、平成23年度におい て50%以下に減少、平成25年度から再び60%台に乗り、平成30年度まで毎年、60% を超えている。 事業者においては、発電所に故障頻度の高い部品などを保管し、事業者自らが技術的知見を 蓄積し、保守管理を行う体制を整えている一方で、保守管理をメンテナンス事業者に外注化す るところの二極化が進んでいる。また、運転開始後10年以上経ち、その間に製造事業者も淘 汰され、部品製造の中止等により資材の調達が困難になったことから部品を国産品に取り替え るなど、調達方法に変化が見受けられる(図23)。 再掲 図23 部品調達先 (平成18~30年度の傾向) トラブルの対応先については、製造者に要請する割合が減少し、平成21年度から10%前 後で推移している。自社で対応するケースが30%程度で落ち着いている。 また、メンテナンス業者に対応を要請する割合が、平成22年度には60%超であったもの の平成24年度から26年度と一度、30%台に落ちたが平成29年度~平成30年度と再び 50%を越えている(図32)。

(39)

- 38 - 図32 トラブル対応先 (平成18~30年度の傾向) 4)今後の取組みと方向性について ①メンテナンス体制について 図32からトラブル対応先として自社の対応は30%前後と、ここ10年ほぼ横ばいとな っているが、事業者自身が知見・技能を身につけるとともに、メーカーの撤退等による純正 部品の提供がなくなるなど、環境が変化している状況がある。 また、メンテナンス事業者に依頼も上がっている傾向も見え、事業者の保守管理に対する 考え方が、自社で行うのか、自社の子会社あるいは保守管理を専門に行う企業に外注する か、二極化が進んでいるものと考えられる。 そのことは、トラブル対応に要する時間の短縮化、あるいはメンテナンス事業者の技術レ ベルの向上に大きく影響を与えるものと考えられる。従って、技術的能力のある優れたメン テナンス事業者を選定することは、風力発電所の稼働率向上に資するものと考えられる。 ついては、製造者による現場補修が行われる機会に、自社又はメンテナンス業者の技術員 を立ち会わせ、技術を吸収する、知見の習得等を継続することが肝要である。このような技 術力の蓄積の努力に加え、メンテナンス業者・事業者間の情報共有などを積極的に行い、連 携強化が進むことは好ましいことである。 ②トラブル対応としての部品在庫管理の充実について トラブルの発生状況を把握し、頻度の多いトラブルについて点検頻度及び点検手法を見直 すとともに、必要と思われる交換部品を在庫として保管しておくことにより、トラブル対応 の迅速化が図られるものである。日頃から事業者は機器・部品等について適切に管理するこ とは必要である。

(40)

- 39 - また、社内システムの構築等により、補修部品の数量管理の徹底及び他所の保管状況をオ ンラインで確認し、補修部品の調達を容易にしている事業者も現れている。 今後、風力発電所の供用開始後15年以上経過する設備が増え、設備の老朽化、経年劣化 によるトラブルや部品交換の頻度が増加するとともに、製造者からの純正部品の提供も厳し くなっていくことが予想されることから、トラブル対応上部品の在庫管理の充実が求められ る(北海道管内で15年経過(2004年3月31日以前に設置)している風車の基数は、 160基と全体の約2分の1を占めている。) ③自然現象(強風、落雷)への対策について 近年、強風や落雷などの自然災害を原因とする風力設備の損壊事故が発生している。平成 30年度においても(北淡震災記念公園風力発電所の倒壊事故など)、自然災害によるトラ ブル(落雷並びに落雷以外のもの)が多く発生している。 また、令和元年6月には、事業者の方々には平成30年に発生したタワーの倒壊事故に対 する各種処置について、お願いしたところです。 今後とも耐雷対策及び強風対策について心がけることが望まれる。 事業者では、これらに講じている対策として、「ブレードへの避雷器、レセプタの設置又 は避雷針の設置」「雷検知器の設置」それに加え「落雷情報の入手、被害低減のために風車 停止」「強風時、風車停止と運転再開時の安全点検の実施」などがある。 また、国の規制においては、平成21年に「発電用風力設備の技術基準」の一部改正があ り、新たに設置される設備には、強風及び落雷による風車支持物の倒壊、風車のブレードの 飛散などによる災害を防止するよう措置を講ずることとなった。更に平成26年には「発電 用風力設備の技術基準の解釈」の改正により現地風条件の扱いの明確化等、平成28年度に も同改正により落雷事故の低減対策の明確化がなされている。 ④保守費用の低減について メンテナンス業務を製造者から道内メンテナンス会社へ変更する、部品を直接部品会社から 購入する、海外製品を国内製品に取り換えるなどの対応により、保守費用の低減を図っている 事業者もある。また、開発部門と保守管理部門を分け、子会社化することにより、より一層技 術力の向上に努力している事業者も見受けられる。 いずれにしても、事業者の取組状況について各事業者間で情報を共有し、保守費用の低減 に向け、連携することは相互に有益なものと考えられる。 ⑤ノウハウの伝承、人材の確保・育成について 管内では、全国初となるウインドファームができるなど、全国に先駆けて風力発電設備が 積極的に導入され、それとともに現場でトラブル・故障等に関するノウハウが蓄積されてき ているところ。 風力発電設備の管理において、経年劣化が進む中で、電気、制御や機械の知見は勿論のこ と、気象など幅広い分野に関する知識・知見が求められている。 一方、複数の事業者から主任技術者や点検員の人材不足の課題も挙げられている。今後も 風力発電事業を継続するためには、優秀な人材を確保することに加え、現場ノウハウの伝承 による人材育成、必要資格の取得などを着実に推し進めることが重要である。

(41)

- 40 - ⑥新たな事故事象への対応について 平成24年度末から太鼓山風力発電所、笠取ウインドファーム、苫前グリーンヒルウインド パーク、北淡震災記念公園風力発電所の事故と、これまで想定されていなかった事故が続き、 注意喚起・指示文書が発出されるなど、関係する事業者には点検などの対応が求められたとこ ろ。今後も、同様の事故事象が発生した場合には同様の対応が求めることとなる。 ⑦定期安全管理検査への対応について これまで、事業者は、保安規程に巡視、点検、検査に関する事項を定め、これに基づき自 主的なメンテナンスを実施し保安を維持してきたが、近年の事故件数増加、今後の風力発電 設備導入の大型化を踏まえ、電気事業法の目的である「公共の安全の確保」のため、検査・ メンテナンスの充実を計る必要性から、「定期安全管理検査」(電気事業法第55条)の対象 に追加され、事業者は、定期的に検査を行い、その検査体制について安全管理審査を受ける ことが義務づけられた。

参照

関連したドキュメント

 「訂正発明の上記課題及び解決手段とその効果に照らすと、訂正発明の本

このような状況下、当社グループは、主にスマートフォン市場向け、自動車市場向け及び産業用機器市場向けの

Austrarlia Canada Chile China Congo (Kinshasa) Germany Indonesia Japan Kazakhstan Korea, Republic of Mexico Peru Poland Russia Zambia Other

平均車齢(軽自動車を除く)とは、令和3年3月末現在において、わが国でナン バープレートを付けている自動車が初度登録 (注1)

本事業は、内航海運業界にとって今後の大きな課題となる地球温暖化対策としての省エ

現行アクションプラン 2014 年度評価と課題 対策 1-1.

台地 洪積層、赤土が厚く堆積、一 戸建て住宅と住宅団地が多 く公園緑地にも恵まれている 低地

○事業者 今回のアセスの図書の中で、現況並みに風環境を抑えるということを目標に、ま ずは、 この 80 番の青山の、国道 246 号沿いの風環境を