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滋賀大学の新しい動き 「実践的指導力の育成を : 石山プロジェクトの始動」

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Academic year: 2021

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24 しがだい 24 しがだい

実践的指導力の育成を

―石山プロジェクトの始動―

橋本 源之助

(教育学部教授)

滋賀大学の新しい動き

 教員養成学部は、より優秀な教員を養成し輩出する使命があります。優秀な教員とは、今、学校現場で 生起する様々な教育課題に適切に対応できることだと考えます。  特に本年度秋学期から、教育体験活動として「石山プロジェクト」を立ち上げました。本プロジェクト に参加している学生は、大学に隣接する石山小学校を拠点に授業の空き時間を有効に活用し、日常的にス クールサポーターとして教育体験活動に参加します。 1.実践的な指導力の育成を  教員養成学部のカリキュラムは、教科専門や教科教育などの理論と教育実習を始めとする教育体験活動 を柱にし、4年間を通しての実践的な指導力の育成を目指しています。  ⑴理論と実践の融合    今後は、日常生起するいじめ、不登校や学力低下などの教育課題に適切に対応できる実践的な指導力 を高めるために、理論と実践の融合を図り教職の重みと教職の魅力を体感し、教育課題にチャレンジす る意欲に満ちた教員の養成を図りたいと考えています。  ⑵子ども理解が原点    教育の営みの原点は“まず、子どもありき”であり、子どもの学校生活の実態や思考・行動・意欲さ らに興味・関心など子どもの実像に触れることが何より大切です。  子どもをどのようにとらえ、どう関わるかが全ての出発であろうと考えます。 2.本プロジェクトの特色  ⑴地域密着型    大学と石山小学校の距離は約500m、徒歩5分と近距離にあり、1単位時間 (90分) の講義時間が空い ていれば、十分に学校へ行き教育体験活動に参加できます。    それぞれの学生が選んだ曜日の時間帯に、配属されたクラス へ恒常的に行くことができ、学校も計画的に学生を受け入れる ことができます。  ⑵双方向性    大学側からは、スクールサポーターとして学生を送るととも に、大学の教員を学校の授業研究会や教育相談活動などの指導・ 助言に派遣することもできます。このことは、大学の教員にとっ ても、学校の実態を理解する絶好の機会でもあります。    一方、石山小学校の先生方を教科教育や生徒指導、教育相談などの講義に実践者として特別講師に招 き、講義の充実を図ります。    このように大学と学校の双方向交流による教員養成の本プロジェクトを積極的に推進したいと考えて います。  ⑶省察活動(リフレクション)の重視    スクールサポーターとして学校で教育体験活動に参加しても、そのまま終わっていては単なる体験で しかありません。  本プロジェクトは、各学生がそれぞれ課題を持って取り組み、教育体験後は必ず省察活動を行うこと にしています。  学生は、「石山小学校スクールサポーターノート」に教育体験活動の実情を記録し、自分の課題から の検討等を記入し、省察を行います。定期的に大学の担当教員3名に提出し指導・助言を受けます。  さらに、月1回は「定例石山小学校プロジェクト省察会」を開催し、スクールサポーターが集まり、 教育体験活動で体験した驚きや疑問、悩み、課題などを出し合い、みんなで意見交換します。担当教員 も指導・助言します。  このように省察活動を充実させ、大学における講義を検証し、さらに高く深い教育体験活動を目指す ことにしています。 3.本プロジェクトへの挑戦  ⑴22名の参加が    22名(1回生6名、2回生9名、3回生4名、4回生3名)の応募があり、応募の動機も、①小学校 の先生になりたい ②子どもに関わりたい ③学校の実態に触れたい ④教師の仕事が知りたいなど 様々でした。    4回生や3回生は、附属小学校での教育実習を経験した上で、公立小学校の実態に興味を持ったよう

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しがだい 25 しがだい 25 です。「私は普通の学校で先生としてやっていけるのか」、「授業が成り立つのか」、「親と対応できるのか」 など挑戦する意気込みも感じられました。    1回生や2回生は、1週間の時間割の中で1時間か2時間の空き時間を全てスクールサポーターに当 てている意欲的な学生が集まってくれました。   多い学生は6時間、平均3時間程度参加する計画となりました。  ⑵課題をもって    学生は大きく分けて5つの課題の中から、自分の課題を選び、その課題解決の視点を持って教育体験 活動に取り組み、省察活動をし、より充実したものにすることとしました。   学生が選んだ課題は(複数回答可)  ① 児童との関わり方⒂ ②指導技術⒀ ③児童理解⑺ ④学級経営⑹ ⑤学校の組織や教師集団⑵など でした。  ⑶学級の担当を…指導補助として…    22名の学生は1年生から6年生さらに障害児学級の各クラスに配属され、学級担任の指導下に入るこ とにしました。何よりもそのクラスの「子どもたちのために何ができるか」をポイントと考えました。   子どもとの関わりの中で成長するには、日常的に同じ空間を共有することが必要です。    九九の教え方が学生の習った方法と違うのに感動している学生、自己紹介の時、今まで声を出して自 分の名前や妹の名前を言ったことがなかったM子に感動する学生などクラスに入り込むことによって、 一人ひとりの子どもとの交流が深まっている様子が分かります。 4.戸惑いの中に充実が  ⑴学生に充実感が −定例省察会から−  ・A(1回生)…1年生担当    授業中に先生の話を聞かないで立ち歩く子がいるが、 どう関わればいいのか、私に何ができるのか悩みです。 私を待っていてくれる子どもがかわいいです。行くの が楽しみです。  ・B(1回生)…3年生担当    思いっきり子どもにぶつかっています。子どもの反応 が嬉しく、楽器をを聞かせたりする中で子どもとのい い関係を作っているつもりです。大変充実した日を 送っています。  ・C(3回生)…6年生担当            親しげに話しかけてくるが、授業に参加できない子どもへいかに厳しく対応したらいいか悩んでいま す。  ⑵子どもに輝きが(学校の先生のコメント)   D担任… 若さはいいです。どの子も自分に関わってほしいとせがんでます。上手に相手してくださっ てます。   E担任… 一緒に遊び、学習の手伝いをし、得意な面を見せていただくなど、子どもたちにとって素晴 らしい時間を過ごさせてもらっています。   F担任… 個別指導により、子どもたちが「よく分かる」と言い、休み時間の遊びも楽しみにしていま す。    少人数指 導担当…学生さんの大変熱心で気持ちよい態度から、私たち教員は忘れかけているフレッ シュな気持ちになっています。学校にとってもいい影響があると思います。  ⑶学校に活気が    校長先生… 子どもは新鮮な感覚で人に接することができるので喜んでいます。学校にとっては新しい 発想、若い学生のアイディアも役立っています。    教頭先生… どのサポーターも礼儀正しく、さわやかな雰囲気で、子どもにとってもフレッシュな教育 環境が、大きな力です。 5.課題と展望  まだ始動したところであり、全てがスムーズに展開できていないし、課題や展望について述べる段階で はありませんが、現段階では次のように考えています。  ⑴課題   ①担任の先生と話す(指導を受ける)時間や子どもにゆっくり関わる(遊ぶ)時間の確保   ②教育体験活動の現状分析や課題解決のための省察活動の充実   ③参加学生の縦割り班活動の自主的活動の推進  ⑵展望   ①本プロジェクトの大学隣接の幼稚園と中学校への拡大   ②「地域密着型モデル事業」としてさらなる展開   ③附属教育実践総合センター主催の「教育実践講座」で報告し理解推進

参照

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