風疹と麻疹
滋賀大学保健管理センター(2009.2)風疹(三日はしか)
風疹は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴と するウイルス性発疹症です。近年国内において もその発生は減少傾向にありますが、先天性風 疹症候群予防のために、妊娠可能年齢およびそ れ以前の女性に対するワクチン対策が重要な疾 患です。 症状 症状 症状 症状 春先から初夏にかけて多く、風疹ウイル スへの感染から 14-21 日の潜伏期間の後、発 熱、発疹、リンパ節腫脹(ことに耳介後部、後 頭部、頚部)が出現します。発疹は小さな紅斑、 あるいは紅色丘疹で、全身に拡大します。リン パ節は発疹の出現する数日前より腫大し、3-6 週間位持続します。結膜の軽度の充血や口蓋粘 膜の出血斑、肝機能障害などが見られることも あります。通常は予後良好な疾患ですが、稀に 血小板減少性紫斑病(3,000-5,000 人に 1 人)、 脳炎(4,000-6,000 人に 1 人)などの合併症が発 生することがあります。また、15-30%程度の人 では不顕性感染で終わるとされています。 風疹に伴う最大の問題は、免疫が不十分な妊 婦が、妊娠初期に風疹ウイルスに感染すると、 感染が胎児に及ぶために、難聴・心疾患・白内 障・精神運動発達遅滞等の障害をもった先天性 風疹症候群児が出生する可能性があることで す。同症候群の発生する確率については、妊娠 20 週までの期間に感染した場合には 20-25%、 特に妊娠 12 週までに限定すると 25-90%と報 告されており、12 週以内の感染の場合に危険性 が高いというのが、世界的に一致した見解とい えます。 予防 予防予防 予防 風疹を予防するために、弱毒生ワクチ ンが実用化され広く使用されています。我が 国では、平成 18 年の予防接種法改正に伴い、 生後 12-24 カ月および小学校入学前 1 年の 男女に、麻疹・風疹ワクチンが定期接種にな っています。さらに、平成 20 年 4 月 1 日から 5 年間の期限付きで、第 3 期(中学 1 年生相 当年齢)、第 4 期(高校 3 年生相当年齢)にも 麻疹・風疹ワクチンの定期接種が拡大されて います。 ワクチンによる免疫獲得率は 95%以上とさ れています。ワクチンを接種することが適当 でない者として、 (1) 明らかな発熱を呈している者 (2) 重篤な急性疾患にかかっていることが明 らかな者 (3) 本剤の成分によってアナフィラキシーを 呈したことがあることが明らかな者 (4) 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有 する者及び免疫抑制をきたす治療を受け ている者) (5) 妊娠していることが明らかな者 (6) 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うこ とが不適当な状態にある者 が挙げられています。また、ワクチン接種後 2ヶ月間は避妊することが必要です。ワクチ ン接種の副反応として、稀に(接種 10 万人あ たり 0.1-0.3 人)血小板減少性紫斑病が報告さ れています。 学校保健安全法上、紅斑性の発疹が消失する まで出席停止となります。国立感染症研究所 感染症動向調査 (2009.1.6)による 平成20年の週ごとの麻疹発生数 (合計発症者数11,005)