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<シンポジウム15>特発性正常圧水頭症(iNPH):病態研究最近の進歩ねらい

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Academic year: 2021

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50:959

<シンポジウム 15>特発性正常圧水頭症(iNPH):病態研究最近の進歩

ねらい

座長

山形大学医学部第三内科 鎌ヶ谷総合病院千葉神経難病医療センター

加藤 丈夫

湯浅 龍彦

(臨床神経 2010;50:959) iNPH は,歩行障害,認知症,尿失禁を 3 徴とし,シャント 手術により症状の改善が期待できる高齢者の疾患である. シャント手術が有効なことより,脳脊髄液(髄液)の循環動態 に異常があることはまちがいないと思われるが,Adams らの 最初の報告(1965 年)から 45 年が経過しているが,未だ病 因・病態(発症メカニズム)は不明である.iNPH の病因・病 態が解明できれば,発症予防や発症後の症状悪化を抑制でき る有効な治療法の開発も夢ではない.このような観点から,本 シンポジウムでは iNPH の病態に関する最近の研究の進歩に 焦点を当てて討論する.最初に,iNPH の症候の特徴や,それ が脳のどの部位の障害に由来するのか(局在)について MRI をもちいた研究を紹介し,さらに脳画像診断法の進歩,髄液 tap test の意義についても紹介する.次に,iNPH に関する国 内外の疫学研究を概説し,国内の地域在住高齢者を対象にお こなった脳 MRI 検診の結果を紹介する.そして,地域住民の 中には,iNPH に特徴的な脳 MRI 所見を呈しながら神経症状 のみとめられない“健常高齢者”がいることを紹介し,それら が iNPH の予備軍となる可能性についても考察する.次に,髄 液 flow に関する諸説を紹介し,さらに,造影剤をもちいない 新たな髄液動態画像を紹介し,健常者と iNPH 患者での髄液 動態の違いを動画をもちいて呈示する.最後に,iNPH の診断 に役立つ可能性のある髄液バイオマーカーについて紹介す る.これらのバイオマーカーは iNPH で特異的に変動するの で,iNPH の病態を生化学的に解明する糸口になる可能性に ついても考察する.シンポジストによる講演の後に,iNPH の将来展望を参加者と一緒に論じたい.iNPH は高齢化社会 において,treatable gait disturbance & preventable dementia として常に念頭におくべき疾患である.

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