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電子商取引システムのペトリネットモデルと構造特性

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Academic year: 2021

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2−B−2

1998年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 秋季研究発表会

電子商取引システムのペトリネットモデルと構造特性

*日本大学 菅博幸男 1.はじめに ネットワーク上での商取引である電子商取引(Electoronic CommeTCe:以下ECと記す)の活用が 近年注目され、企業間のみならず、政府単位での開発・研究も盛んである。ECにおける標準仕様も まとまり、現在ではインターネットを通したECが主流となり、さらに活発化する兆しがある.、本研究で はECをモデル化し、不変集合解析により構造特性を解析する.。モデル化には、非同期・並列的な 挙動をするシステムを表現・解析するのに有益なべトリネット(PetriNet:以下PNと記す)を用いる。 2.ベトリネットについて PNは、システムにおける信号あるいは情報の流れを抽象化し、簡潔に表現できるモデルとして利 用されている。PNの図形表現により、システム中の事象の順序関係と状態の推移を視覚的に把握す ることができる。PNは、システムにおける条件と対応づけられる場所(placp)(⊂)印)の集合、システム 中の事象に対応づけられる遷移(transition)(l印)の集合及びそれらの条件と事象の関係を表す 有効線分(→印)で構成される一。更に、位置に刻印(●印)、つまりマーキングすることに上りシステム のある状態を示す。 3.ECのPNモデル 図1はECにおけるユーザー、バーチャルシ ョップ及びクレジット会社の関係を示したモデル である。ユーザーは、インターネット上のバーチ ャルショップで買い物をする際に注文書と支払 書を暗号化して電子証明書を添付してバーチ ャルショップへ一発信する。バーチャルショップで は注文書のみを復号化し、支払書をクレジット 会社へ発信する。クレジット会社はユーザーの P10 図1.ECのPNモデ/レ 認証と決済処理を行い、その通知をバーチャルショップとユーザーに返信する。.本研究では、2人の ユーザー(Userl,User2)が、異なる2つのバーチャルショップ(V−Shopl,V−・Srl叩2)で買い物をした 際の処理をモデル化した。各プレースとトランジィションの説明は以下の通りである。 p.userlがV−Shoplへ注文書と支払書を送信準備中 p2 User2がV−Shop2へ注文書と支払書を送信準備中 p,UserlはV−Shopl及びカード会社からの応答を待機中。 p.一uier2は∨−Shop2及びカード全社からの応答を待機中。 巧 V−Shoplは注文書をクレジット会社へ送る準備中。 p6.V−Shop2は注文事をクレジヅト会社へ送る準備中。 p,クレジット会社が決済処理中(終了通知を送る準備中) p。V−Shoplが決済処理の終了待ち状態。 p,、V−Shop2が決済処理の終了待ち状態。 p.。排他制御の準備中。 p‖ Userlへの処理終了通知の準備中。 pI2 User2への処理終了通知の準備中。 t,Userlから注文害と支払書がV−Shoplへ発信されたっ t2User2から注文番と支払寿がV−Shop2へ発信され7㌔ t。V−Shoplから与信(支払事)が発信された。 t.v−Shop2から与信(支払事)が発信された。 t5決済が終了したことがV−Shop】へ通知され、代金が支払われた tら決済が終了したことがV−Shop2へ通知きれ、代金が支払われt{ t,しJserlに商品が発送され、請求帯が届いた, t曾しJselつ=こ商品が儀眉涛れ、請求帯が届いた。 −122− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

図2は、図1の到達可能木であり、モデルの動的変化、つまりシステムの挙動を把握する方法とし て用いる。

4.構造特性

PNモデルの解析には、不変集合解 析を用いる。PNの不変集合は、PNとは 独立にPNの構造的な性質を解析する ための手法である。不変集合にはP−不 変集合とT一不変集合の2種額あり、PN の接続行列から計算することができる。 接続行列とは、プレースとトランジィション の接続状態を表した行列で、トランジイシ ョンを基準に、トークンが入力される場合 図2.図1のPNモデルの到達可能木 は一1、出力される場合は1となる。接続 行列をNとしたとき、P−不変集合xはプレースに注目した集合であり、次の式(1)を満たす、成分が0 または1で構成される非自明解の集合である。また、T一不変集合yはトランジションに注目した集合 で、次の式(2)を満たす成分が0または1で構成される非自明解の集合である。 N・Ⅹ = 0 (1)

NT・y = 0

(2) これらのx、yから発火系列を求めることにより、システム全体を通してPNモデルの動的な振る舞いを 解析することができ、ネット構造の動的処理、並びにデッド・ロックやオーバーフローなどが起こりうる 可能性などを独立に調べることができる。 5.おわりに 本研究ではPNを用いてECをモデル化し、不変集合解析を行うことにより、その構造的な特惟を 解析した。構造特性を解析することにより、発火の際の系列を求めることができるので、ECのような非 同期・並列的な構造を持つ複雑なシステム内で起こる事象・推移を構造的に把握し、的確に診断す ることができる。 参考文献 ・ 福島綾一 著「ループと伝送路を考慮した自立分散システムのモデル化と性能評価」 システム/情報合同シンポジウム講演論文集1996年 ・電子商取引実証推進協議会(ECOM)ホームページhttp://www.ecom.orjp/ ・ Visa]nternationalJapanホームページhttp://www.visa.cojp/ −123− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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