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ポケットに入れたセンサを用いた歩行者向けデッドレコニングに関する一検討

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 73 回全国大会. 3D-3. ポケットに入れたセンサを用いた歩行者向けデッドレコニングに関する一検討 村松 茂樹 †. 横山 浩之 †. はじめに. ズボンポケットに入れたセンサを用いた進 行方向推定. 携帯端末が人体に対して決められた姿勢で固定さ れている場合,人体が静止しているならば,携帯端 末が観測した磁気の向きと,重力加速度の向きから, 携帯端末の姿勢と,その人が向いている方角を求め ることができる. しかし,ズボンのポケットに収納した場合には,常 に同じ向きで収納したとしても,脚の動きの影響を 受け,歩行中の端末の姿勢は一定とはならない.ま た,加速度センサの検出する加速度は,重力加速度 A Study on Pedestrian Dead Reckoning using Sensors in Pockets †Shigeki Muramatsu, †Takafumi Watanabe, †Daisuke Kamisaka, †Arei Kobayashi, ‡Takeshi Iwamoto and †Hiroyuki Yokoyama †KDDI R&D Laboratories Inc. ‡Toyama Prefectural University. 3-5. −1.5. z axis. −1.0 −1.5. 2.0 1.5 1.0. −2.0. x axis. −0.5. 0.0. 0.5. 3D Acceleration Projected Acceleration. 0.5 0.0. −2.5. 近年,屋内等の GPS の利用が困難なエリアにお ける測位のニーズが高まっている.屋内での測位手 法についてはこれまでに様々な研究が行われており, インフラが不要な測位手法として,歩行者向けデッ ドレコニングが研究されている.従来の歩行者向け デッドレコニング手法の多くは,センサを人体の安 定した部位(腰など)や,歩行の特徴が得られやす い部位(足の甲など)に固定する必要があったが,筆 者らは,ナビゲーション機能を利用する場合を想定 し,手に持ったセンサ搭載携帯電話にも適用可能な 手法を提案,評価した [1].一方,Cui らの調査によ れば,携帯電話が収納されていることの多い場所と して,男性の約 60%が,ズボンのポケットだと回答 している [2].したがって,携帯電話を収納した場合 にも継続して測位を続けるためには,携帯電話をズ ボンのポケットに入れて歩行した場合に適用可能な 手法が必要となる.Steinhoff らは,ポケットに収納 した IMU(Inertial Measurement Unit) を用いて,セン サを人体に固定することを前提とした方位推定法の 精度を比較評価している [3].この評価では,グロー バルな座標系で各種センサの計測結果が得られるこ とを前提としているが,本稿では,ローカルな座標 系で得られたデータから進行方向推定を行う手法を 提案し,実測によって推定精度を検証する.. 2. 小林 亜令 † 岩本 健嗣 ‡ ‡ 富山県立大学. −0.5 −1.0 −1.5. −3.0. 1. 渡邉 孝文 † 上坂 大輔 † † 株式会社 KDDI 研究所. −1.0. −0.5. 0.0. 0.5. 1.0. 1.5. 2.0. y axis. 図 1: 加速度データの例 だけでなく運動の加速度も合成されたものであるた め,重力の向きを示しているとは限らない. そこで本稿は,歩行中,体幹が周期的に上下動と 進行方向の加速,減速を繰り返していること [4],お よび進行方向に脚が動くことを用いて進行方向を算 出する.すなわち,観測される加速度は,進行方向と 鉛直方向を含む平面上に分布すると仮定し,この平 面と磁北との角度を求めることで進行方向を求める. 図 1 に加速度センサをズボンポケットに入れて歩 行した際に観測された加速度データの例を示す.セ ンサの向きは,おおよそ x 軸が鉛直方向,y 軸が左 右方向,z 軸が前後方向である.鉛直方向,前後方 向への広がりが確認できる. 加速度の分布に基づく進行方向の推定手順は次の 通りである.. 1. 加速度の時系列データから加速度の分布する平 面を最小二乗法を用いて推定する. 2. 加速度の分布する平面の北に対する角度を求 める.加速度の分布する平面の法線方向が左 右であること,また,右手系において重力ベ クトルを G,地磁気ベクトルを M としたとき,. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 73 回全国大会. −600. W5. −200 0 200. W6. −600. W7. −200 0 200. W8 200 0 −200 −400 −600. W1. W2. W3. W4. M5. M6. M7. M8. 200 0. Northing(m). −200 −400 −600 200 0 −200. 図 2: 実験に用いた携帯電話端末. −400 −600. M1. M2. M3. M4. 200. 表 1: 進行方向の誤差. 0 −200. 被験者 M1 M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8. 誤差(rad) 0.571 0.515 0.683 0.747 0.676 0.535 0.578 0.795. 被験者 W1 W2 W3 W4 W5 W6 W7 W8. 誤差(rad) 0.791 0.597 1.051 0.630 0.288 0.706 0.554 0.318. −400 −600 −600. −600. −200 0 200. Easting(m). 図 3: 推定歩行軌跡. E = G × M が東向きになることに基づいて算 出する.. 3. −200 0 200. 評価実験. ズボンポケットに入れたセンサを用いた進行方向 推定を評価するための実験を行った. 実験には,加速度および地磁気センサ(AK8976A, 旭化成製)を搭載したセンサアタッチメントを接続 した携帯電話端末(W62CA)を用いた.図 2 にセン サアタッチメントと携帯電話端末の接続の様子を示 す.センサアタッチメントで計測されたデータは,携 帯電話端末に送られ,携帯電話端末上で動作する記 録用のアプリケーションによって保存される. 被験者は,利き腕の側のズボンのポケットに入れた 状態で端末を所持し,屋外に設定した 1 周約 1,500m の周回コースを 1 回ずつ,自然な速度(customary walking speed, [4])で歩行する.被験者は男性 8 名 (M1–M8),女性 8 名(W1–W8)である.なお,端末 を入れたポケットは,W5 のみ左,残りは右である. 歩行実験によって取得された加速度センサと地磁 気センサの値から 2 節の手順によって進行方向を算 出し,歩幅を乗じて歩行軌跡を推定する.なお,歩 数は加速度のピーク検出後目視で補正し,歩幅は [1] に基づいて与えた. 図 3 は,推定された歩行軌跡である.灰色の線は 歩行コースで観測された GPS による測位結果を結ん. 3-6. だものである.おおむね周回できているものの停止 位置が南西にずれる傾向が全体的にみられる.この 傾向は手に持った場合にもみられたものであり [1], 重力の向きが正しく推定できていないことに起因す ると考えられる.表 1 は,GPS による測位結果と比 較した進行方向の誤差である.数値は,歩行コース 上の 20 箇所で求めた誤差の平均である.. 4 おわりに 本稿では,携帯電話をズボンポケットに入れて歩 行した場合の進行方向の推定について報告した.16 人の被験者による評価実験によれば,周回している 様子は確認できるが,14 人の被験者で平均 0.5(rad) を超える進行方向の誤差がみられた.また,重力ベ クトルの推定誤りに起因すると推測される傾向が確 認された.今後は,さらに評価を進める予定である.. 参考文献 [1] 上坂大輔,村松茂樹,岩本健嗣,横山浩之:手に保持さ れたセンサを用いた歩行者向けデッドレコニング手法の 提案,情報処理学会論文誌, Vol. 52, No. 2 (2011). [2] Cui, Y., Chipchase, J. and Ichikawa, F.: A Cross Culture Study on Phone Carrying and Physical Personalization, Proceedings of the 2nd international conference on Usability and internationalization, pp. 483–492 (2007). [3] Steinhoff, U. and Schiele, B.: Dead reckoning from the pocket - An experimental study, Proceedings of Eighth Annual IEEE International Conference on Pervasive Computing and Communications, pp. 162–170 (2010). [4] Perry, J.: Gait Analysis: Normal and Pathological Function, SLACK Incorporated, Thorofare (1992).. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(3)

図 2: 実験に用いた携帯電話端末 表 1: 進行方向の誤差 被験者 誤差( rad ) 被験者 誤差( rad ) M1 0.571 W1 0.791 M2 0.515 W2 0.597 M3 0.683 W3 1.051 M4 0.747 W4 0.630 M5 0.676 W5 0.288 M6 0.535 W6 0.706 M7 0.578 W7 0.554 M8 0.795 W8 0.318 E = G × M が東向きになることに基づいて算 出する. 3 評価実験 ズボンポケットに入れたセンサを

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