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附属中学校におけるテレビ会議を用いた海外との授業交流

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Academic year: 2021

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鳴門教育大学情報教育ジャーナル No.15 (1) pp.51-52 2017

51

附属中学校におけるテレビ会議を用いた海外との授業交流

曽根直人

,福池美佐

**

,畑江美佳

***

鳴門教育大学附属中学校では,英語科の授業においてオーストラリア クイーンズ ランド州の Merrimac State High School とのテレビ会議を用いた交流を行なった。 附属中学校には授業用に利用できるテレビ会議端末は設置されておらず,教室のノー ト PC にテレビ会議用のソフトウェアをインストールし,ビデオカメラやマイクを接 続することで準備を行なった。本報告では,テレビ会議による授業交流に際して利用 したシステムについて述べる。 [キーワード:テレビ会議,H.323,ゲートキーパー,授業交流]

1. はじめに

2015 年 9 月にオーストラリア クイーンズランド州 政府より,日本の中学校との授業交流を希望する旨 の問合せがあり,附属中学校との間での交流授業実 施に向けての検討が始まった。当初は Skype による 交流ということであったが,打ち合わせを進めてい くと実際は Skype ではなく一般的な H.323 テレビ会 議による接続が必要であるという情報が得られた。 既に H.323 については,サテライト研修用のシステ ムとして活用[1]しており,附属中学校と海外との交 流授業でも既存のソフトウェアや機材を組み合せる ことで実現できると判断し,準備を進めた。2016 年 11 月にテスト接続,12 月に第 1 回の授業交流を実施 することになった。2017 年の 4 月には第 2 回の授業 交流を実施した。 本報告では,授業交流を実現するために用いたテ レビ会議システムについて述べる。

2. テレビ会議による交流授業の実施

授業交流は附属中学校とオーストラリア クイーン ズランド州の Merrimac State High School の間で実 施された。附属中学校側の会場は第 1 メディア室を 使い,そこへテレビ会議用の機材を搬入した。H.323 の接続はオーストラリア側が準備したクラウドサー ビスの Pixip を介しての接続であった。附属中学校 の H.323 端末は学内のゲートキーパーに登録し,学 外とはゲートキーパーがプロキシとして動作する。 事前に附属中学校の端末はゲートキーパーに登録を 行なった。 第 1 回交流授業の接続時に附属中学校側で用いた 機材の接続図を図 1 に示す。教室が広いため,USB 接 続の小型カメラではなく,ビデオカメラにより撮影 することを考えたが,附属中学校にあったビデオカ メラは USB Video Class には対応しておらず,パソ コンと接続しても記憶媒体として認識される USB mass storage class 対応の製品のみであり,パソコ ンのビデオ入力用としては利用できなかった。そこ で USB Video Class に 対 応 す る ビ デ オ ミ キ サ ー (Roland 社 VR-3)を利用し,ビデオカメラ映像および 音声をミキサーで USB へ変換しパソコンへ入力した。 音声はテレビ会議用のバウンダリーマイクを用意し, ミキサーに接続した。H.323 テレビ会議用ソフト ウェアとしては Polycom 社 RealPresence Desktop を 利用した。この構成で先方から指示されたアドレス を呼び出し接続した。無事に交流授業を実施するこ とができたが,ビデオミキサーを介して USB 接続し ていたため,配線や操作が複雑になり機器の操作に 人員を割り当てる必要があった。 ビデオミキサーを利用すれば,4 台のカメラ,1 台 のパソコン,7 個のマイクを切り替えることが可能 となり,テレビ局の番組のように広角や発話者のク ローズアップを撮影するカメラを分けるといった 凝った撮影も可能である。しかし授業交流では,ミ キサーを操作する人員の余裕もなく凝った映像より も確実に機材が動くことが重要なため,よりシンプ ルな機材での運用が望まれた。そこで,第 2 回の交 流授業では,より手軽な運用を目指して機材を変更 した。図 2 に第 2 回交流授業時で利用した機材の接 続図を示す。 第 1 回との違いはビデオミキサーを廃し,代りに USB3 接続の HDMI キャプチャ装置を導入したことであ る。この装置により,パソコンのビデオ入力用とし 実践報告 * 鳴門教育大学 大学院 自然・生活系教育部 ** 鳴門教育大学 附属中学校 *** 鳴門教育大学 大学院 人文・社会系教育部

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52 鳴門教育大学情報教育ジャーナル て,HDMI 出力を持つビデオカメラを利用できるよう になった。音声も第 1 メディア室には YAMAHA 社のマ イクスピーカシステム YVC-1000 が設置されており, これをパソコンに接続し利用した。もともとテレビ 会議での利用を想定した機材のため教室のような広 い空間においても明瞭に音声を拾うことができた。 ビデオミキサーを廃したことにより,複数のカメラ 切り替えといった複雑な運用は不可能になるが,よ り単純化された操作により,オペレータ不在でもテ レビ会議を行なえる可能性を示した。 第 2 回交流授業の様子を図 3 に示す。大型の液晶 テレビに相手校の様子を写し,視線を一致させるた めテレビの前にビデオカメラを設置し,撮影を行 なった。

3. まとめ

H.323 テレビ会議を用いてオーストラリアと附属 中学校での授業交流を実現した。鳴門教育大学では 附属学校・園も含め LAN に接続したパソコンとビデ オカメラ,HDMI キャプチャ装置,ディスプレイがあ れば学内外との H.323 テレビ会議は支障なく実施で きる環境が整えられており,既設のハードウェアを 利用すれば経済的なテレビ会議を実現できる。相手 との通信路において十分な帯域が確保できる状況で あれば,H.323 方式において良好なテレビ会議を行 うことができた。 今回利用した H.323 以外にも多くのテレビ会議シ ステムが利用されている。中でも Skype はよく利用 されている。Skype はクラウドで提供されるシステ ムであり,H.323 よりもネットワークの制約が少な く,より簡便に利用できるがその品質はサービス事 業者に委ねられており,品質に不満がある場合も利 用者側で行なえる改善はない。H.323 および Skype そ れぞれの利点と欠点をよく理解した上で,環境に応 じて最適な方式を選択すべきである。また,オース トラリア側が利用していたクラウドサービス Pixip は H.323 や Skype,WebRTC など複数のビデオ会議端 末が相互に接続可能なゲートウェイとして提供され ている。今後,さまざまな拠点とのテレビ会議の必 要性が高まるようであれば,このようなサービスの 利用も検討する必要がある。

参考文献

[1] 曽根直人・竹口幸志(2016) サテライト研修用 テレビ会議システムの構築,鳴門教育大学情報 教育ジャーナル,No.13,pp.43-47. 図 1 第 1 回交流授業時の機器接続図 図 2 第 2 回交流授業時の機器接続図 図 3 交流授業の様子

参照

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