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パネルディスカッション「その研究って音楽の必要あるの?」

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Academic year: 2021

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(1)Vol.2012-MUS-95 No.6 2012/6/2. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 合同特別企画. パネルディスカッション「その研究って音楽の必要あるの?」 オーガナイザー: 北原 鉄朗1. 江村 伯夫2. 概要:2012 年 6 月に行われる,情報処理学会音楽情報科学研究会と日本音響学会音楽音響研究会の共催研 究会では,「その研究って音楽の必要あるの?」と題したパネルディスカッションを予定している.本稿で は,このパネルディスカッションの企画主旨について述べる.. Panel Discussion: Why Do Your Studies Target Music? Organizers: Tetsuro Kitahara1. Norio Emura2. Abstract: In this paper, we describe a plan of the panel discussion entitled “Why Do Your Studies Target Music?”, which will be held in the joint meeting of IPSJ-MUS and ASJ-MA on June, 2012.. 情報処理学会音楽情報科学研究会(以下,音情研)と日. 野を広げることを目的としたものである.このパネルディ. 本音響学会音楽音響研究会(以下,MA 研)は,音楽を対象. スカッションには我々もパネリストとして参加したわけだ. とした理工系の学術研究会としては,国内有数の規模とア. が,実際に議論してみると,意外にどちらのコミュニティ. クティビティを誇るコミュニティである.音情研が音楽と. も「作る」こと, 「調べる」こと両方を重視していて,作る. 情報科学の接点を対象とし,MA 研が音楽を取り巻く音響. ために調べる人,調べるために作る人,自らの研究のゴー. 学を対象としている.分野に違いがあるものの,オーバー. ルに向かって作ることも調べることもどちらにも取り組む. ラップする部分も少なくなく,数年ごとに共催の研究会を. 人など,様々な立場から研究をしていることが分かった.. 行っている.記憶に新しいところでは,2008 年 12 月に龍. 今回の共催研究会では, 「作るだけでいいの? 調べるだけ. 谷大学で共催研究会を行い,2011 年 2 月には九州大学でも. でいいの?」の続編とも呼べるパネルディスカッションを. 共催研究会を行っている.. 実施しようということになった.この企画の目的は,両コ. 2008 年 12 月の共催研究会では, 「作るだけでいいの? 調. ミュニティにおける研究の立場や考え方,哲学などに関し. べるだけでいいの?」と題したパネルディスカッションを. て,意外な共通点や相違点などを浮き彫りにするというも. 行った.これは,音情研には「作る」側の研究者が,MA. のである.そんな困難極まりないゴールを掲げた企画が,. 研には「調べる」側の研究者が多い(はずだ)というとこ. 両研究会の若手研究者であり,年齢も近く,以前から交流. ろから着想を得, 「作る」研究者と「調べる」研究者が,お. のあった北原と江村に丸投げされ,この 2 人が中心となっ. 互いに何を考え,何にこだわり,どういう哲学で研究を進. て,企画を進めることになったのである.. めているのかを議論することで,互いの立場を理解し,視 1 2. 音情研と MA 研の最も分かりやすい共通点は,言うまで もなく,音楽を研究対象としていることである.ただ, 「音. 日本大学文理学部 金沢工業大学情報フロンティア学部. c 2012 Information Processing Society of Japan. 楽を研究対象とする」といっても,その意味や実態は,実. 1.

(2) Vol.2012-MUS-95 No.6 2012/6/2. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. はかなり人によって幅があるように思える.たとえば,音. かったり,わざわざ手をあげて発言するほどでもないと考. 楽だけでなく音声やそれ以外の様々な音に適用できる,何. えて発言を控えたりというケースや,逆に議論の流れを止. らかの汎用的な情報処理技術を開発したとして,評価実験. めるような質問をする聴講者がいるようなケースが多かっ. に音楽を使えば,それだけで「音楽を対象とした研究」と. たように思う.そこで,Twitter を使ってコメントや質問. 呼べるのだろうか.あるいは,楽器の音響解析や特徴抽出. などを幅広く集め,そこから面白そうな意見を積極的に取. に関する研究は,確かに音楽を奏でるための道具に対する. り上げるという方式を採る予定である.このパネルディス. 研究であることは間違いないが,単にそれだけで「音楽の. カッションは,インターネット上で生中継される予定なの. 研究」と言っていいのだろうか.さらには,そもそも音楽. で,会場に来ていない中継視聴者からもコメントや質問を. とは何なのか.音という存在のうち,どこからどこまでが. 募ることができる.. 音楽なのか.本人が音楽の研究だと思って扱っているその. この企画が,両コミュニティの研究者が研究の視野を広. 研究対象は,そもそも他の人は音楽だと思っているのだろ. げ,交流を促進し,研究を深化させる一助となることを切. うか.そういうことを考えていくと,「音楽を研究対象と. に願う.. する」といったときの「音楽」の位置づけに,その人の研. (文責:北原鉄朗). 究の立場や考え方がにじみ出てくると考えることができそ うだ.音楽以外にも適用できる汎用的な技術研究を重視し ている人もいるだろうし,音楽そのものの発展を願い,音 楽の本質をとらえる研究にアイデンティティを見出してい る人もいるだろう.今回のパネルディスカッションでは, 「その研究って音楽の必要あるの?」をテーマに,両コミュ ニティで行われている様々な研究における音楽の位置づけ について見ていくことにしたい. 先に断っておくと,このテーマは我々 2 人から生まれた テーマではない.我々と丸井淳史氏(東京芸大) ,大出訓史 氏(NHK 技研)との打ち合わせの過程で生まれたテーマ である.ご議論いただいたお二人に心から感謝申し上げる 次第である. この原稿を書いている 5 月 6 日の段階では,多くのこと がまだ未定ではあるが,現時点である程度決まっているこ とをいくつか述べていきたい(以下で述べている内容は, 当日までに大幅に変更になる可能性があるので,その点は ご了承いただきたい). まず,パネリストは音情研と MA 研から 2 人ずつ,計. 4 人を予定している.音情研側は,北原の他,馬場哲晃氏 (首都大)にお願いする予定である.馬場氏は,インタラク ティブアートなどの作品制作をご専門としており,北原と は専門分野が離れているという点で適していると考えてい る.MA 研側に関しては,現在調整中である. また,今回はディスカッションの進め方に関しても,新 たな試みを行いたいと考えている.その 1 つが,ポジショ ントークを一切(あるいはほとんど)行わないというもの である.いままでに,ポジショントークが長引き,ほとん どディスカッションの時間が取れないパネルディスカッ ションを見たことがないだろうか.そのような事態を避け るため,ポジショントークの時間を取らず,必要な自己紹 介や研究紹介もすべてディスカッションの流れの中で行う ようにしたいと考えている.もう 1 つが,Twitter で質問 を受け付ける点である.これまでのパネルディスカッショ ンでは,聴講者が面白いことを考えても発言する機会がな. c 2012 Information Processing Society of Japan. 2.

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