• 検索結果がありません。

在宅看取りを希望する訪問看護利用者の最期に関する実態調査

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "在宅看取りを希望する訪問看護利用者の最期に関する実態調査"

Copied!
31
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)公益財団法人. 在宅医療助成. 勇美記念財団. 2017 年度 (前期) 一般公募「在宅医療研究への助成」完了報告書. 在宅看取りを希望する訪問看護利用者の最期に関する実態調査 ~訪問看護利用者が検死とならないために~. 申請者. :. 清水. 民枝. 所属機関・職名. :. 公益社団法人新潟県看護協会訪問看護ステーションみつけ・所長. 放送大学教養学部 指導者. :. 田城. 孝雄. 提出年月日. :. 2017 年 2 月 15 日. 全科履修生. ( 放送大学教授 ).

(2) 目次. I.. はじめに. 1. II.. 研究目的. 2. III.. 調査方法. 2. IV.. 結果. 3. 1.. 調査結果概要. 3. 2.. 調査結果. 5. V.. 考察. 20. VI.. 結論. 22. VII.. おわりに. 22. VIII.. 引用、参考文献. 23. 参考資料. 24.

(3) Ⅰ. はじめに 在宅での看取りは、医療機関における看取りと異なり、呼吸や心拍の停止時に医療. 者が立ち会わないことが多い。これらの時期に療養者を見守るのは家族だけであるこ とが多いため事前に家族には予測される状況や対応の方法について指導しておく。 一 般には、家族は呼吸の停止により、死を発見する。そして、呼吸が停止したと捉えて から医師や訪問看護師に連絡する。医師や訪問看護師は呼吸停止の連絡を家族から受 けると、訪問して死の 3 徴候である「自発呼吸の停止」「心拍の停止」「瞳孔の散大」 を確認する。 医師法では、在宅での看取りの場合、次のように定められている。「死の 24 時間以 内に診療が行われ、その死に異常がないことが明らかな場合、死後改めて医師が診察 を行わなくても、死亡診断書の発行が可能である」。このようなことから、看取りま での経過のなかで、家族、医師、看護師で看取りについて話し合い、合意が得られて いれば、死亡時あるいは死亡直後に医師の立ち会いは必ずしも必要ではない。 1) しかし、実際には在宅看取りを希望していても、 お盆・正月などの長期休日等、主 治医との連携が取りにくい状況下では検死が避けられない場合もある。また、最後ま で家に居たくても主治医が不在となる場合は入院をしなければならない状況になるな ど、安心した在宅看取りとは言えない現状が続いている。 以前、高齢で治療つくし、ADL 全介助で寝たきり状態、食事・飲水も摂れず、日 単位の状態の方が、家で最期を過ごすため退院した。在宅での看取りを承諾した開業 医がお盆の数日間不在になるため、医師不在時に検死にならない対応策を娘様と話し 合い、救急車で入院をしなければならないことも選択肢と上げていた。 しかし本人が 亡くなったのは、医師が不在となる前日で、死亡診断をしていただいた。しばらくし てお悔やみ訪問した時に娘から、「本人は意識がある時、『先生がいるうちに死ぬ。』 と言ってその通り亡くなっていきました。」と話された。 安心して在宅で最期を過ごせるよう退院したが、終末期の利用者、家族に 更に負担 を追わせている現状で、在宅看取りを薦めるには体制が不十分であり、対応策の必要 性を再認識した。 そこで今回、新潟県内訪問看護ステーション(訪問看護室含む)管理者を対象に質問 紙調査を用いて、在宅看取りを希望する訪問看護利用者が検死とならないために、最 期に関する実態調査を行い、検死に至った事例の背景、原因を明らかにし、今後の課 題を探った。. 1.

(4) Ⅱ. 研究目的 在宅看取りを希望する訪問看護利用者の中で、検死に至った事例の背景、原因を明. らかにし、主治医不在時でも利用者が安心、安楽に最期を迎えられることができるた めの一助にする。. Ⅲ. 研究方法 1.. 研究デザイン : 調査研究. 2.. 対象者 新潟県内訪問看護ステーション(訪問看護室含む)管理者. 3.. 140 人. 調査期間 平成 29 年 7 月 1 日~平成 29 年 7 月 31 日. 4.. 調査方法 (1). 自記式質問紙調査 ・調査用紙の配布および回収方法 各訪問看護ステーション管理者 に調査用紙と返信用封筒を郵送し、返送 してもらう。. (2). 調査内容(調査用紙参照) 1) 訪問看護ステーョンの状況(平成 29 年 3 月 31 日時点) 2) 情報共有を目的とした情報通信システム(以下 ICT システムとする)導入 状 況 3) 在宅看取りのマニュアルの有無 4) 在宅看取り時の連携について 5) 平成 28 年度訪問看護終了者における死亡人数 6) 検死となった利用者の背景. 5.. 分析方法 各設問について単純集計を行い、自由記載内容は、類似した意味内容毎に分類す. る。 6.. 倫理的配慮 研究の実施に際し、法的、社会的、その他不利益が生じないようまた、調査票の記入に. 関しては無記入とし個人が特定されないよう十分配慮し、「公益社団法人新潟県看護協 会倫理審査委員会」の承認の上、実施した。 1) 調査協力について 調査への協力は自由意思であり、協力が得 られない場合でも不利 益は生じない。調査 票の提出により同意を得たものとする。 2) 情報の保護及びデータ管理に関して 2.

(5) 調査により得られた紙媒体データおよび、電子データは、パスワードつきの USB に保存 し鍵のかかる場所に保管する。研究終了後は適切に破棄、処分する。 3) 研究成果の公表に関して 勇美財団法人の助成を受けた研究であり、勇美記念財団のホームページ、 また、放 送大学内での発表、紀要、学会発表を予定している。調査結果については、希望者に郵 送する。. Ⅳ. 結果 1. 調査結果概要 回収率は 68%であった。新潟県内訪問看護ステーション(訪問看護室含む)管理者 140 人中 96 人から回答を得た。 今回の調査で、訪問看護ステーション (訪問看護室含む)を利用している利用者 が永眠されて終了となった人数は 1,402 人。家で最期を迎えた、ターミナルケア 加算、ターミナルケア療養費を算定した 480 人は全体の 34%であった。66%が入院・ 入所または、予期せぬ死亡であった。 検死者は 18 人で、17 人の背景の記入があった。家族と在宅看取りの同意を得 ていた人は 5 人、利用者との合意は 0 人であった。 年齢は 60~100 歳台。病名は癌の方 5 人、癌以外 10 人。検案医師は、搬送先医 師 7 人、監察医 8 人、その他 2 人、検死場所は自宅 11 人、病院 6 人。家族と在宅 看取りの合意なしが 12 人、ありは 5 人。本人との合意はなしが 15 人、不明が 2 人であった。 どういう体制があれば検死を防ぐことができたと考えるかでは、 3 つのカテゴ リーに分けられた。(1)急変時の対応、(2)主治医不在時、死亡確認が可能となる システム、(3)24 時間 365 日対応可能な体制であった。 (1)急変時の対応では、6 つのカテゴリーに分けられ、①介護者・利用者への指 導・教育、②訪問看護師の対応、③主治医が病院の場合、④主治医が病院、開業 医、両方の場合、⑤疾患の治療が必要な場合、⑥予期せぬ急死であった。 ①介護者・利用者への指導・教育の具体的対応では、家族が慌てず対応できる ように、緊急連絡体制の徹底、主治医に連絡する時間帯の確認、訪問看護師主導 で主治医と家族が連絡体制を確実に取れるようにすることであった。 ②訪問看護師の具体的対応では、訪問看護師の冷静な判断、担当でない看護師 への情報共有、担当者へ相談をする、緊急訪問の実施後に、訪問看護師が判断を し、主治医連絡、対応することであった。 ③主治医が病院の場合の具体的対応は、往診医、開業医を決める、ターミナル 期の方の急変時の救急搬送の検討、病院、救急隊との調整であった。 ④主治医が病院、開業医、両方の場合の具体的対応は、開業医に連絡をしても 3.

(6) らうなど、救急隊との連携であった。 ⑤疾患の治療が必要な場合の具体的対応は、早急に入院のアプローチであっ た。 ⑥予期せぬ急死の場合は、検死であった。 (2)主治医不在時、死亡確認が可能となるシステムでは、3 つのカテゴリーに分 けられ、①医師間の連携、②医師と看護師との連携、③医師と他職種との連携で あった。 ①医師間の連携の具体的対応は、主治医二人制、診療録の開示、在宅医の確 保、病院医師、在宅医師の連携、歯科医師を含めた死亡確認できる在宅医師の拡 大、訪問診療への移行、入院であった。 ②医師と看護師との連携の具体的対応は、他の開業医と訪問看護師と死亡確認 ができるシステムの構築、看護師と主治医が連携し死亡確認ができるシステムの 構築であった。 ③医師と他職種との連携の具体的対応は、在宅医療 ICT システムの活用であっ た。 (3)24 時間 365 日対応可能な体制では、訪問看護ステーションの体制で、具体 的対応は訪問看護ステーションの 24 時間体制であった。 意見の中で、検死を防ぐ内容があったので報告する。3 つカテゴリーに分け、 1)在宅看取り可能な医師の確保、2)主治医と訪問看護との連携、3)新たなシステ ムの構築であった。 1)在宅看取り可能な医師の確保では、2 つのカテゴリーに分けられ、①往診や 訪問診療のない医療機関に通院している利用者への対策、②主治医が不在期間の 対応であった。 ①往診や訪問診療のない医療機関に通院している利用者への対策の具体的な対 応は、開業医の主治医二人制であった。 ②主治医が不在期間の対応の具体的な対応は、他の開業医に依頼、入院、機能 強化型在宅支援診療所の医師による連絡表の作成、ICT システムの活用であっ た。 2)主治医と訪問看護との連携では、家族への指導で、具体的には主治医と家族 が連絡体制を確実にとけるようにするであった。 3)新たなシステムの構築では、2つのカテゴリーに分けられ、①主治医と訪問 看護師が連携して死亡診断できる体制、②「看取士」のような国家資格のあ る専 門職の育成であった。 ①主治医と訪問看護師が連携して死亡診断できる体制の具体的な対応は、看護 師による死亡診断が可能になるシステムの構築であった。 ②「看取士」のような国家資格のある専門職の育成の具体的な対応は、主治医 4.

(7) 以外で死亡診断書が書ける職種(看護師、薬剤師、リハ職、救急救命士、僧侶、 等)を増やすであった。 意見から課題が示され、5 つのカテゴリーに分けら、(1)医師に関すること、 (2)地域格差、(3)主治医と訪問看護の連携・連絡体制について、(4)家族に関す ること、(5)訪問看護に関することであった。 (1)医師に関する課題は 2 つのカテゴリーに分けられ、1)在宅診療医師の不 足、2)医師の負担、であった。 1)在宅診療医師の不足の理由は、高齢医師は体力的にターミナル期の支援は難 しいこと、医師の病気療養で不足していると意見があった。 2)医師の負担の理由は、労務、負担があり軽減が必要、現職の医師だけでは多 死社会に対応できないのではないかと意見があった。 (2)地域格差では 2 つのカテゴリーに分けられ、1)開業医が不在な地域、2)各 地域の医師会活動に差がある、であった。 1)開業医が不在な地域があることが課題である。 2)各地域の医師会活動に差があるでは、地域により ICT システム活用に差があ る、県医師会、県の助言があるのかという意見があった。 (3)主治医と訪問看護の連携・連絡体制については、医師会から医師へ在宅看 取り体制の働きかけが課題である。自宅で看取った場合に、主治医と連携がとれ ないことがある、早朝亡くなり、主治医に連絡したら「行けない」と言われ、検 死となったことがある、主治医が週末不在時、救急隊を呼ぶよう指示があると意 見があった。 (4)家族に関しては、家族の負担が課題である。「検死」により警察の事情聴取 があり、家族の精神的ストレスがあると意見があった。 (5)訪問看護に関しては、訪問看護師の負担が課題である。主治医と連絡調整 にかける時間、病院主治医で亡くなると救急隊は搬送できないので「検死」とな り、訪問看護師も「不安」が生じる、看護師による死亡診断は賛成できない、等 の意見があった。. 2. 調査結果 訪問看護ステーョンの状況(平成 29 年 3 月 31 日時点). 表1. 訪問看護体制. 介護保険 医療保険. 緊急時訪問看護加算の届出. ・有り . 83 ・無し. 13. ・24時間連絡対応体制. ・有り . 80 ・無し. 14. ・24時間連絡体制. ・有り. 21 ・無し. 33. ・届出していない. 5.

(8) 表2. 在宅看取りの実施 n=95 している. 80. していない. 15. 図1. 在宅看取りの実施. 表3. 利用者人数. 0~50人以下. 平均. 73.8 人. 51~100人以下 101~150人以下 151~200人以下 200人以上. 31. 34. 16. 図2. 利用者人数. 表4. 終末期(3ヶ月位)の訪問回数の頻度. 毎日 週4~6日 週3回 1. 1. 11. 週2回 29. 3. 週1回 その他 29. 11. 6. 2.

(9) その他. ・利用者による・状況による・病状や家族による・希望に応じ。 ・介護力、経済力、往診との兼ね合いなどで変化。 ・1ヶ月以上前から訪問する人は少ない。. 表5. 終末期(1ヶ月位)の訪問回数の頻度. 毎日 週4~6日 週3回 3. 12. 27. 週2回 27. 週1回 その他 3. 10. その他 ・利用者による・状況による・病状や家族による。. 表6. 終末期(死亡週単位)の訪問回数の頻度. 毎日 週4~6日 週3回 26. 24. 14. 週2回 7. 週1回 その他 1. 11. その他 ・利用者による・状況による・病状や家族による。. 図3 終末期(3ヶ月位)の訪問回数 n=82 毎日 1%. 1%. 14% 14%. 図4 終末期(1ヶ月位)の訪問回数 毎日 n=82 4%. 週3回. 4%. 週2回. 12%. 週1回 35%. 35%. 週4~6 日 週3回. 週4~6日. その他. 33%. 7. 14% 33%. 週2回.

(10) 図5 終末期(週単位)の訪問回数 n=83. 毎日 週4~6日 週3回 週2回. 1%. 週1回. 13%. 9%. 31%. その他. 17% 29%. 図6. 訪問看護ステーションの訪問エリア内の ICT システムを導入状況 n=96. ・している . 44. ・していない. ・訪問エリア全地域の主治医 ・部分的 . 48. 5. n=44 複数回答. 41. ・地域別 (訪問エリアの一部のみ実施、等). 14. ・医師別 (医師の一部のみ実施、等). 33. ・その他( ). 7. n=41複数回答. その他 ・医師、サービス事業所全てが対象のうち登録している医師、事業所 ・エリア全域と一部医師 ・訪問介護、ケアマネの一部 ・ICT システム A ・ICT システム A があるが使用していない。 ・ICT システム B に登録している病院、医院と。 ・ICT システム導入によってスピーディーに情報共有がなされ良いと思うが、 C 地域においては地域連携手帳が根付いており、又在宅医(看取りを行う医 師が少ない)も少なく、今のところ必要性を感じていない。 ・導入しているが活用なし。 ・ソフトとシステムの連携不十分にてうまく利用できない。 ・ST 内 8.

(11) ・同意を得た事業所. 表7. 表8. ICT システム導入において参加する必要があると思う職種・関係機関 (複数回答). ・在宅医. 85. ・病院. 70. ・訪問看護ステーション. 81. ・救急隊. 28. ・かかりつけ薬局. 59. ・介護支援専門員. 69. ・在宅サービス. 44. ・その他. 8. 在宅サービスの内訳. デイサービス. 15. ショートステイ. 14. 訪問介護. 21. 訪問入浴. 5. 福祉用具. 1. 訪問リハビリ. 1. 全部. 1. その他 デイサービス. 1. ショートステイ. 1. ・現在はほぼ参加しているはず。しかし、在宅医の参加が少なくもっと参加が必要。. 表9. 在宅看取りのマニュアルの有無. ある. 55. ない. 37. n=92. 9.

(12) 図7 在宅看取りに関するマニュアルの有無 n=92. ない 40% ある 60%. 表 10. 在宅看取り時主治医との連携で行っていること(複数回答可). n=96. 医師不在時の対応について 医師と死亡時の対応についての確認. 82 (死亡確認の手順). 79. 医師に連絡する時間帯の確認. 64. 医療処置についての確認. 44. 医師不在時、他病院受診のため紹介状の確認. 36. エンゼルケアについての確認. 26. 医師が患者に対して作成した在宅看取り同意書. (署名、捺印)の確認. その他. 6 その他 ・後方病院の確認 ・病状の共有、一部の医師とは ICT システム A で情報共有 ・医師との連携方法(携帯等) ・E 地域で作成した在宅看取りの同意書の記入、確認. 表 11. 9. 主治医と連絡する手段(複数回答可). 電話. n=96. 86 10.

(13) FAX. 45. メール. 37. 地域の ICT システム. 29. スカイプ. 0. その他. 表 12. (・直接面接. ・地域連携手帳、等). 平成 28 年度訪問看護終了者における死亡人数. 5. n=96. 人数 ①. 永眠されて訪問看護が終了となった人数. 1,402. ②. ターミナルケア加算算定人数. ③. ②のなかで、病院での死亡人数. 76. ④. ターミナルケア療養費算定人数. 179. ⑤. ④のなかで、病院での死亡人数. 36. ⑥. 検死となった利用者人数. 18. 301. 11.

(14) 12.

(15) 6 男 76. ・間質 性肺 炎 ・脳梗 塞後 遺症 ・慢性 呼吸 不全. 〇. 不明. 〇. 〇. ・ターミナル期の方であったが、急変の為介護者が 動揺し、かなり慌てていた。緊急連絡を受けたスタッフ. 7 男 73. ・両側 肺癌. 〇. 〇. 〇. 〇. は、担当でないスタッフであった。介護者の動揺に スタッフも冷静な判断ができなかったかもしれない。 主治医の医療機関看護師と連絡し、相談し、病院へ. ・ COPD. 救急搬送となったが、結果的に検死となってしまった。. ・心房 細動. 担当スタッフに相談するなどの行動ができたら、まず 緊急訪問をしてからの対応をして、主治医からの 診断ができていたかもしれない。. ・通院している状況で死亡。 早期受診→訪問診療への移行をすすめたが. 〇. 8 男 80. 〇. 〇. 〇. 本人が病院に行っても何もしてもらうことはないと 拒否されていた。. ・膵 癌. 体制というよりも主治医のフォローの仕方だったと思う. 強いて言えば、病院医師が在宅医へ紹介しやすい 又、在宅医、病院医師、双方がフォローできる体制 があると良いかも. ・ターミナルの様子はなく、ヘルパーが 定期の訪問時に浴槽に浮いていた状態。. ・脊 9 髄小 脳変 男 92 性症. 10 女. ・アル ツハイ マー型 認知 86 症 ・頚椎 圧迫 骨折. 〇. 〇. 〇. 〇. ・急変時かかりつけの病院へ搬送指示あり、. 〇. 〇. 〇. 〇. 病院内、救急隊との調整が必要。 (今は亡くなっていると必ず警察に連絡がいく). ・末期の段階での急変時の救急搬送対応 検討。. 11 女. ・膀 〇 82 胱癌. 〇. 〇. 〇. (呼吸停止時は警察に情報提供され検死 となるケースがある。). 13.

(16) 〇. 〇. 〇. この方の場合は、夜中3時に主治医、看護師、 ケアマネ、誰とも連絡がつかず、検死に至って しまった。 第一の原因は急変時も慌てず、 朝になってから主治医と連絡をとるようにという 介護者への指導不足だった。 しかし現在とっていない24時間体制をとって いたなら、防げたかもしれない。 普段は、ターミナル期が近づいてきたら、 看護師主導で主治医と家族が連絡体制を 確実に取れるようにしている。 主治医も不在の期間がはっきりしている場合 は、他の開業医に依頼したり、やむおえない 場合は入院してもらうなど、検死を防ぐための 最大限の努力はしている。. 〇. 12 女 102 ・慢性 心不 全 ・変形 性膝 関節 症. ・主治医不在時でも死亡確認できるシステム. ・脳 13 男 72 出血 後遺 症. 14 女 86. ・中咽 頭癌 ・大腿 骨骨 折. ・胃 15 男 69 癌. 16 女 87. の構築. 〇. 〇. 〇. 〇. ・在宅医の確保 ・主治医二人制. ・骨折による血栓で死因となった。 何度も外来受診するも、診断をつけて. 〇. 〇. 〇. 〇. もらえず、やっと入院が決まった当日の死亡。 ・早く入院できるよう強く強くアプローチが 必要だった。. 〇. 〇. 〇. 〇. ・往診を受けていたが、状態安定したため 通院となった。 ・死亡間もなかったため救急要請するも 病院へは搬送されず。往診を待ってもらう、 連絡をとる等、救急車と連携して欲しい。 ・在宅医療ICTシステムの活用. ・統合 失調 症 ・脊柱 管狭 窄症 ・DM. 〇 ・地元警察 より紹 介?(本人と の関わりは ないDr.). 〇. 〇. 〇. ・開業医、往診医につながること。. 17 男 63. ・肝硬 変. 〇. 〇. 〇. 14. 〇.

(17) 別紙 1. 意見. ・主治医二人制が望ましいと思いますが、在宅医療に力を入れて下さっていた医師が 病気療養となり、今まで以上に厳しい状況となっています。 他の医院の医師も高齢となり、ターミナル期の支援が体力的に難しいと家族の依頼 を断る場面もありました。 在宅看取りを任って頂ける医師の確保を望んでいます。 ・往診や訪問診療のない医療機関にしかかかっていない方のケースが困る事が多い。 ・出生と死亡は対であり、自然現象でもある。出生時は医師と助産師がいるように、 死亡時には医師と「看取師」のような国家資格がある専門職の育成が必要と考える。 例えば、看護師、薬剤師、リハビリ職、救急救命士、僧侶などが「看取師」なる資 格を取得し、死亡診断できる仕組みが必要なのではないかと…つまり、死亡診断書 が書ける職種が増えた方がいいのではないか…そうでないと、現職の医師だけでは、 多死社会に対応できないのではないか… ・ターミナルケアの最期の看取りは、主治医との連携ができていて、日中以外であれ ば、看護師による死亡診断ができるようになると、主治医との連絡調整にかける時 間が短縮されると思う。主治医の労務軽減にもなれると思う。 ・普段は、ターミナル期が近づいてきたら、看護師主導で主治医と家族が連絡体制を 確実にとれるようにしている。主治医も不在の期間がはっきりしている場合は、他 の開業医に依頼し、やむおえない場合は入院してもらうなど、検死を防ぐための最 大限の努力はしている。 ・当ステーションは精神科の利用者が多く、介護保険利用者についても、多くが認知 症の利用者となっています。あまり参考にならずすみません。 ・F 市で ICT ツールを活用し機能強化型在宅支援診療所の医師で、不在時や連休の不 在時連携表を作成していただいています。 ・強化型診療所の医師は ICT に登録された利用者の情報は得ることで(パソコンで確 認)はでき、主治医不在時は対応して下さる様になっています。(今現在は、不在時の 対応で連絡表によって、別の医師に連絡をとったことはありません) ・自宅で看取った場合に、主治医に連絡がとれない場合も過去にあり、連絡表がある ことで、ステーションのスタッフも安心して対応できます。 ・自宅看取りを希望されて亡くなった場合等、主治医と連携 して死亡確認ができる体 制も必要だと思います。 ・G 市で医師が多くいると言えばいる地域なので、それほど困った事例になっていま せんが最近言われている看護師による死亡診断は、賛成できません。 ・昨年なかっただけで、これから秋にかけて 1 名検死になってしまうかも…という人 がいます。主治医が(簡単に)「週末は市内にいないので救急車呼んでよ」と言うため です。医師会を通して医師の啓蒙が必要と思います。 ・検死に至る問題は、何度も頭を悩まされていることなのに、該当者がいない時は「の 15.

(18) ど元過ぎれば…」で忘れてしまいます。 H 市は(特に I 地域は)在宅診療を行える医師が不足しています。そうかといって、 病院も充実しているとは言えません。その現状によるものなのか、 「 自宅での看取り」 を希望される方は多くありません。(少なくとも当ステーション関わりでは)、その 中で、自宅での看取りを希望されれば、お受けいたしますが、特定の医師 (J 内科医 院)であれば、何ら問題なく、(携帯電話を入浴の際も持っていると言われているの で)安心して対応できるのですが、他、例えば病院主治医のままでは、家で亡くなっ ていたら、救急隊は運んでくれず「検死」になることを考えると、 スタッフ間でも 「不安」が充満します。開業医であっても、常に連絡がとれるとは限りません。そ の点、 「医師二人体制」は理想的であり、H 市にそんなシステムが構築できたら、と 個人的に思います。 今回のアンケート期間には事例はありませんでしたが、過去にやはり病院に運ん でもらえず(救急隊が連絡したため)検死に至ったことがありました。結局、いろい ろな経緯があり、直近まで診てもらっていた K 医師を連れてきて診断書を書いても らいましたが… 別のケースでは、ずっと長期にわたり診てもらっていたのに、早朝亡くなって連 絡したら医師に「行けない」と言われ、検死になったこともありました。 「検死」は 家族が非常に嫌な思いをする、と聞き心を痛めました。 今、特に I 地域は医師(開業医)が不在となり問題です。 ・看護師が医師と連携し、死亡確認できるシステムが必要と思います。医師の負担も 軽減できると考えます。 ・H28.4.1~H2.3.31 までの死亡者のうち、ターミナルケア行っていて入院後亡くなっ た方 2 名ありました。(入院後死亡するまでの日数は、16~24 日でターミナルケア 療養費にいたりませんでした) ・国の方針として ICT システムを利活用する方向になっているのにどうして自分達の 住んでいる地域は進まないのか疑問である。各地域の医師会は基金を使用し、医療 連携がとれるよう努力している所と、実施していない地域がある。ICT システム導 入していない地域に対して医師会・県は助言、指導はないのだろうか。地域の方針 だから地域格差があって仕方ないのだろうか。 ・利用者、家族が、安心、安楽で家で最期を迎えたい人で、事件性のない人は、自然 に死亡確認、診断ができるようになって欲しい。 ・自宅に帰ってからも、警察の事情聴取を受けねばならず、精神的にストレスとなる。 法整備が必要なのではないか。. 16.

(19) 表 14. n=17. 性. 表 15. 男. 10. 女. 7. 年齢. n=17. 100 歳以上. 1. 91~100 歳. 5. 81~90 歳. 4. 71~80 歳. 5. 61~70 歳. 2. 表 16. 表 17. 病名. n=17. 癌. 5. 癌以外. 10. 検案医師. n=17. 搬送先の医師. 7. 監察医. 8. その他. 2. 表 18. 表 19. 表 20. 検死場所. n=17. 自宅. 11. 病院. 6. その他. 0. 本人との合意. n=17. あり. 0. なし. 15. 不明. 2. 家族と在宅看取りの合意 あり. 5. なし. 12. n=17. 17.

(20) 表 21. どういう体制があれば検死を防ぐことができたと考えるか. 体制・システム 急変時の対応(6). 対象者への対策. 具体的な対応. 介護者・利用者への指. 緊急連絡体制の確認の徹. 導・教育. 底. (慌てずに対応できるよう. (1). に)(3). 主治医へ連絡する時間帯 の確認 (急変時慌てず朝になって から連絡する等)(1) 訪問看護師主導で主治医 と家族が連絡体制を確実 にとれるようにする。(1). 訪問看護師の対応(4). 訪問看護師の冷静な判断 (1) 担当でない看護師への情 報共有(1) 担当者へ相談をする(1). 緊急訪問の実施後に、訪 問看護師が判断をし、主 治医連絡、対応する。(1) 主治医が病院の場合. 往診医、開業医を決める. (急変時指示:かかりつけ. (3). 病院へ搬送)(4). ターミナルの急変時の救 急搬送の対応の検討(1) 病院、救急隊との調整(1). 主治医が病院、開業医、. 救急隊との連携(開業医に. 両方の場合(1). 連絡してもらう)(1). 疾患の治療が必要な場合. 早急入院のアプローチ(1). (1) 予期せぬ急死(1). 18. 検死(1).

(21) 主治医不在時、死亡確認. 医師間の連携(7). が可能となるシステム(3). 主治医二人制(2) 診療録の開示(1) 在宅医の確保(1) 病院医師、在宅医師の連 携(1) 歯科医師を含めた死亡確 認できる在宅医師の拡大 (1) 訪問診療への移行(4) 入院(3). 医師と看護師との連携(2). 他の開業医と訪問看護師 と死亡確認ができるシス テムの構築(1) 看護師と主治医が連携し 死亡確認ができるシステ ムの構築(3). 医師と他職種との連携(1). 在宅医療 ICT システムの 活用(1). 24 時間 365 日対応可能な. 訪問看護ステーションの. 訪問看護ステーションの. 体制(1). 体制(1). 24 時間体制(1). 体制・システム. 対象者への対策. 具体的な対応. 在宅看取り可能な医師の. 往診や訪問診療のない医. 主治医二人制(開業医)(2). 確保(2). 療機関に通院している利. 表 22. 意見. 用者への対策(1) 主治医が不在期間の対応. 他の開業医に依頼(1). (4). 入院(1) 機能強化型在宅支援診療 所の医師による、連絡表 の作成(2) ICT システムの活用(1). 19.

(22) 主治医と訪問看護との連. 家族への指導(1). 携(1). 主治医と家族が連携体制 を確実にとれるようにす る。(1). 新たなシステムの構築(2). 主治医と訪問看護と連携. 看護師による死亡診断が. して死亡診断できる体制. 可能になるシステムの構. (1). 築(3). 「看取士」のような国家. 主治医以外で死亡診断書. 資格のある専門職の育成. が書ける職種を増やす。. (1). 看護師・薬剤師・リハ 職・救急救命士・僧侶、 等(1). 表 23. 意見・課題 項目. 医師に関すること(2). 課題 在宅診療医師の不足(2). 理由 高齢医師は体力的にター ミナル期の支援は難し い。(1) 医師の病気療養(1). 医師の負担(3). 医師の負担軽減が必要。 (1) 主治医の労務軽減が必 要。(1) 現職の医師だけでは多死 社会に対応できないので はないか。(1). 地域格差(2). 開業医が不在な地域(1). 開業医が不在な地域があ る(1). 各地域の医師会活動に差. 地域により ICT システム. がある。(2). 活用に差がある。(1) 県医師会、県の助言はな いのか。(1). 主治医と訪問看護の連. 医師会から医師への在宅. 自宅で看取った場合に、. 携・連絡体制について(1). 看取り体制の働きかけ(3). 主治医と連絡がとれない ことがある。(1). 20.

(23) 早朝亡くなり、主治医に 連絡したら「行けない」 と言われ、検死となった ことがある。(1) 主治医が週末不在時、救 急隊を呼ぶよう指示があ る。(1) 家族に関すること(1). 家族は負担感がある(1). 「検死」により、警察の 事情聴取があり、家族の 精神的ストレスがある。 (2). 訪問看護に関すること(1). 訪問看護師の負担(3). 主治医と連絡調整にかけ る時間(1) 病院主治医で亡くなる と、救急隊は搬送できな いので「検死」となり、 訪問看護師も「不安」が 生じる。(1) 看護師による死亡診断は 賛成できない。(1). Ⅴ. 考察 今回の調査で、新潟県内の訪問看護ステーション (訪問看護室を含む)を利用してい. る方の中で検死に至った事例は 18 人であった。永眠されて終了となった 1,402 人中 1%であり、意見の中からも訪問看護ステーションが検死にならないよう努力が伺われ た。 どういう体制があれば検死を防ぐことができたと考えるかでは、 3 つのカテゴリー に分けられた。1.急変時の対応、2.主治医不在時死亡確認が可能となるシステム、 3.24 時間 365 日対応可能な体制であった。 1.急変時の対応 17 人の背景の記入があり、年齢は 60~100 歳台。病名はがんの方 5 人、がん以外 10 人、家族と在宅看取りの同意を得ていた人は 5 人、利用者との合意は 0 人あった。 非がん疾患の特徴は、終末期を迎える経過はがんと異なり、比較的ゆっくりだが、 時として急速に病態が変化する。生命予後の予測が難しい。認知症、神経変性疾患、 脳卒中などでは、患者本人による意思決定が困難な場合が多い。 2) 等である。 21.

(24) 今回の結果からも、利用者、家族と在宅看取りの同意を得る段階でなく、急な病状 の変化のため死に至り、検死となっている。 早期の段階で、利用者・家族と最期の過ごし方の意向の確認、それに沿った利用 者、家族へ療養指導、および急な病状の変化で死にいたる場合があり、医師に死亡確 認がしてもらえない場合は検死となる場合があることを説明、主治医と具体的な死亡 確認方法の確認、緊急連絡体制の確認、訪問看護ステーション内の情報共有、 非がん 疾患の特徴を踏まえたマニュアルの作成、見直し、実践が必要である。 それらが緊 急訪問時に訪問看護師の冷静な判断・対応につながり、検死を防ぐことができると考 える。 2.主治医不在時死亡確認が可能となるシステム 在宅看取りの場合は事前に医師と、医師不在時の対応について (85%)、死亡時の対応 についての確認(死亡確認の手順)(82%)を、電話(89.5%)、FAX(46.9%)、メール(38.5%)、 ICT システム(30.2%)で行っている。しかし、主治医が不在の場合や、主治医が病院で 死亡後救急搬送された場合は、現状のシステム、法律では死亡診断書でなく検死 とな った。 調査から、複数医師間の連携、病院主治医の場合は往診可能な医師との連携、医師と 看護師の連携、医師と他職種との連携で検死が防げると考える。また、平成 29 年9月 厚生労働省から「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」 3) が策定さ れたことにより、必要要件を満たす場合、医師と一定の教育を受けた看護師との連携 で検死を防ぐことができる可能性がある。 医師が不在時、必要条件がそろえば最期の時もその場所で死亡確認できるシステム が増えたことは、利用者、家族は安心して過ごせるであろう。 訪問看護師はそれに応えられるよう努力する必要がある。そして実践後主治医と訪 問看護の連携で、検死が防ぐことができたか検証が必要 と考える。 3.24 時間 365 日対応可能な体制 調査では 85%の訪問看護ステーョン(訪問看護室含む)は、24 時間対応体制とってい る。 事前に死亡時の対応を家族、サービス関係者と打ち合わせをしていても、利用者が 死亡時、家族が医師と連絡が取れず対応に不安な場合や、関係者から病状の変化があ った場合、訪問看護は要請がある場合は緊急訪問し、慌てず医師への報告、対応する ことで検死を最小限に防ぐことは可能と考える。しかし、体制を整えていないことで 訪問できず、検死に至る場合もある。 訪問看護師は、夜間休日は家で休養している時間帯で、緊急訪問時は家庭生活を中 断し一人で対応するため負担感が生ずる。新潟県、公益社団法人新潟県看護協会実施 の訪問看護の実態調査報告書(平成 27 年度) 4) で、訪問看護を行う上で問題と感じてい ることでは、24 時間体制によるストレスが一番となっている。 また、在宅療養者に対 22.

(25) する地域単位の夜間休日臨時対応体制のあり方に関する研究. 5). では患者・家族の夜間. 休日の緊急対応に対する安心度、満足度も高く在宅療養を担う医師や看護師が患者・ 家族の夜間休日の緊急事態を支えている。しかし、臨時対応業務が医師や看護師個人 に与える心理的負担、精神的負担が大きく、家庭生活への影響も少なくないと報告さ れている。 24 時間体制の負担感で看護師の離職、人材確保困難、という課題も残っているが、 訪問看護ステーションの 24 時間体制が検死を防ぐためには必要と考える。. 研究の限界 各事業所、法人、地域包括ケアシステムにより差があること、平成 29 年9月厚 生労働省から「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」 3) が策定さ れたことで、今回の結果を一般化することは限界がある。. Ⅵ. 結論 今回の調査では訪問看護ステーションを利用しているなか の、検死者 18 人のうち. 17 人の検死に至った背景を把握することができた。 癌罹患者以外の高齢の訪問看護利用者は急に病状が悪化し死に至り検死となるケー スが多かった。 検死を防止するには、訪問看護師は家族に対して、 急変時や、死亡時に慌てずに対 応できるよう説明をすること。また、訪問看護師間で、利用者の情報共有を行い、不 明な時は担当者に相談すること。緊急訪問を行い冷静に判断、対応し主治医へ連絡す ること。24 時間対応可能な体制が検死を防ぐことができると示された。 しかし疾患の治療が必要な場合は、早急入院のアプローチが必要であり、また予期 せぬ急死は検死が必要である。 主治医不在時死亡確認が可能となるためには、複数医師間の連携、病院主治医の場 合は往診可能な医師との連携が図れるようにすることや、急変時の対応の検討、病院 と救急隊との調整が必要である。また、主治医が病院、開業医、両方の場合は、救急 隊が開業医に連絡できる連携が必要である。 意見の中では、在宅看取り可能な医師の確保、主治医と訪問看護師の連携、 医師と 他職種との新たな連携システムの構築が必要と示された。 課題として、在宅診療医師の不足、医師の負担、地域格差、主治医と訪問看護の連 携・連絡体制、家族の負担、看護師の負担が示された。 23.

(26) Ⅶ. おわりに 本研究にご協力いただきました訪問看護ステーション(訪問看護室含む)の管理者の皆様に. 心より感謝申し上げます。なお、本研究は、2017 年度(前期)公益財団法人在宅医療助成勇 美記念財団より助成を受けて実施した研究です。ここに深謝いたします。. Ⅷ. 引用文献. 1)福島道子,河野あゆみ : 新訂在宅看護論,第 3 刷, p.221~222,一般財団法人放送大 学教育振興会,東京, 2013. 2)宮下光令 : ナーシング・グラフィカ成人看護学⑥緩和ケア ,p284,株式会社メディ カ出版,大阪市,2016. 3) 厚生労働省 : 情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン,2017. http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T170913G0020.pdf 4) 新潟県,公益社団新潟県看護協会 : 訪問看護の実態調査報告書(平成 27 年度),p.4, 2016. 5) 吉江悟 : 在宅療養者に対する地域単位の夜間休日臨時対応体制のあり方に関する研究 平成 26 年度 委託業務成果報告書,p.1,東京大学医学部附属病院,東京,2015.. 参考文献 1) 井尾和雄 : インタビュー在宅看取りはどうして進まないのか,医療と介護 NEXT, pp.14~15,2016. 2) 石川美智 : 在宅での看取りに関わる訪問看護師の死亡診断時におけるケアの現 状,勇美記念財団完了報告書,2010. 3) 厚生労働省、医政局、政策統括官(統計・情報政策担当) :平成 29 年度版死亡診断 書(死体検案書)記入マニュアル http://www.mhlw.go.jp/toukei/manual/ 4) 厚生労働省 : 健康・医療戦略 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000153486.pdf 5) 厚生労働省 :【テーマ 1】看取り参考資料 http://www.mhlw.go.jp/file/05Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000156003.pdf 6) 新潟県医師会 : 医療と介護の連携にかかるアンケート調査結果 ,2016. 7) 橋本雄太郎 : 救急隊の心肺蘇生中止を考える, 医療と介護 NEXT, pp.46~ 24.

(27) 47,2016. 8) 三浦久幸 : 救急隊の心肺蘇生中止を考える, 医療と介護 NEXT, pp.44~45, 2016. 9) 水野敏子:「独り暮らし」高齢者の在宅死を可能にする終末期看護モデルの構築、 科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)報告書,2013~2015. 10) 吉江悟,松本佳子:厚生労働省委託事業 医療・介護連携推進事業. 在宅医療・介護連携推進支援事業「在宅. プラン作成強化セミナー」レクチャー現状把握と分析を. 通じた効果的な事業展開について,2016.. 25.

(28) 在宅看取りを希望する訪問看護利用者の最期に関する実態調査 当てはまる項目に、〇をつけて下さい。 1 平成29年3月31日時点の状況をお聞かせください。 ① 訪問看護体制 介護保険 医療保険. 緊急時訪問看護加算の届出. ・有り ・無し. ・24時間連絡対応体制. ・有り ・無し. ・24時間連絡体制. ・有り ・無し. ・届出していない ② 在宅看取りを実施していますか。 ・している. ・していない. ③ 利用者人数. 人. ④ 終末期の訪問回数の頻度 ④-1 終末期(3ヶ月位)の訪問回数の頻度はどれくらいですか。一つ〇をつけてください。. ・毎日 ・週4~6日 ・週3回 ・週2回 ・週1回 ・その他( ) ④-2 終末期(1ヶ月位)の訪問回数の頻度はどれくらいですか。一つ〇をつけてください。. ・毎日 ・週4~6日 ・週3回 ・週2回 ・週1回 ・その他( ) ④-3 終末期(死亡週単位)の訪問回数の頻度はどれくらいですか。一つ〇をつけてください。. ・毎日 ・週4~6日 ・週3回 ・週2回 ・週1回 ・その他( ) 2 情報共有を目的とした情報通信システム(以下ICTシステムとする)の導入状況について ① 貴訪問看護ステーションの訪問エリアではICTシステムを導入していますか。 ・している ・していない. ・訪問エリア全地域の主治医. ・地域別 (訪問エリアの一部のみ実施、等). ・部分的 . ・医師別 (医師の一部のみ実施、等). (複数回答可). ・その他( ). ② ICTシステム導入において参加する必要があると思う職種・関係機関はどこですか。(複数回答可) ・在宅医. ・病院. ・訪問看護ステーション. ・救急隊. ・かかりつけ薬局. ・介護支援専門員. ・在宅サービス( ). ・その他( ). 3 在宅看取りに関するマニュアルはありますか。 ・ある. ・ない. 26.

(29) 4 在宅看取り時の連携について ① 主治医との連携で行っていることをお聞かせください。 (複数回答可) ・医師と死亡時の対応についての確認 (死亡確認の手順 ) ・医師不在時の対応についての確認 ・医師不在時、他病院受診のため紹介状の確認 ・医師が患者に対して作成した在宅看取り同意書(署名、捺印)の確認 ・医師に連絡する時間帯の確認 ・医療処置についての確認. ・エンゼルケアについての確認. ・その他( ) ② 主治医と連絡する手段をお聞かせ下さい。 (複数回答可) ・電話. ・FAX. ・メール. ・スカイプ ・地域のICTシステム ・その他( ). 5 平成28年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)について、該当する人数をお聞かせください。 ① 永眠されて訪問看護が終了となった人数. 人. ② ターミナルケア加算算定人数. 人. ③ ②のなかで、病院での死亡人数. 人. ④ ターミナルケア療養費算定人数. 人. ⑤ ④のなかで、病院での死亡人数. 人. ⑥ 検死となった利用者人数. 人. 6 5の⑥で検死となった方の背景について個別に、次ページの別紙1にご記入ください。. 27.

(30) 28. 4. 3. 2. 1. 例. 6. 男. 性. 96. ・脳血 管疾 患 ・慢性 腎不 全 ・骨粗 鬆症. 〇. の医師. 年齢 病名 ①搬送先 ③その他 ②監察医 (具体的に) ①自宅. 検案医師. 検死となった利用者の背景. 〇. ②病院. 検死場所 ③その他 (具体的に). ①あり. 〇. ②なし. 本人との合意. 〇. ①あり. ②なし. 家族と在宅看取りの合意. ・在宅医療ICTシステムの活用 等. ・歯科医師を含めた死亡確認できる在宅医師の拡 大 ・看護師が主治医と連携し死亡確認ができるシス テムの構築. ・主治医二人制 ・診療録の開示. ・主治医が遠方に行き不在時でも、死亡確認が可 能となるシステムの構築. どういう体制があれば検死を防ぐことができた と考えますか。. 別紙1.

(31) 29. お忙しいところ、ご協力ありがとうございました。. その他ご意見等ございましたらお書きください。.

(32)

参照

関連したドキュメント

「社会人基礎力」とは、 「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な 力」として、経済産業省が 2006

参考資料12 グループ・インタビュー調査 管理者向け依頼文書 P30 参考資料13 グループ・インタビュー調査 協力者向け依頼文書 P32

[r]

参加者:黒崎雅子 ( 理事:栃木、訪問看護ステーション星が丘 ) 、杉原幸子 ( 役員:君津中央病院医療連携室 ) 、大桐 四季子 ( 役員:ふたわ訪問看護ステーション

意向調査実施世帯 233 世帯 訪問拒否世帯 158/233 世帯 訪問受け入れ世帯 75/233 世帯 アンケート回答世帯 50/233 世帯 有効回答数 125/233

の 立病院との連携が必要で、 立病院のケース ー ーに訪問看護の を らせ、利用者の をしてもらえるよう 報活動をする。 の ・看護 ・ケア

では,訪問看護認定看護師が在宅ケアの推進・質の高い看護の実践に対して,どのような活動

411 件の回答がありました。内容別に見ると、 「介護保険制度・介護サービス」につい ての意見が 149 件と最も多く、次いで「在宅介護・介護者」が