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森を見て木を見ず―ETF買入政策の影響―

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Academic year: 2021

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(1)森を見て木を見ず. ―ETF買入政策の影響― 原 田 喜美枝 (証券アナリストジャーナル編集委員会委員). 1.はじめに. 国民経済の健全な発展に資することをもって、そ. 日本銀行がETF(株価指数連動型上場投資信託、. の理念とする。」(日本銀行法第二条)と規定され. 以下ETF)の買い入れを通じて間接的に株式を保. ている。物価の安定という役割を担う金融政策で. 有していることはよく知られている。買ったまま. あるが、ETF買入政策に関してはリスク・プレミ. 保有してくれているから特段の問題はないだろう. アムの縮小という役割が強い。ETF買入政策は、. と考えるマーケット参加者もいるかもしれない. 「『長短金利操作付き量的・質的金融緩和』の枠組. が、この政策の持続可能性については誰しも気に. みの一つの要素として、株式市場におけるリスク・. なるところであろう。この世界に類をみない政策. プレミアムに働きかけることを通じて、経済・物. について考えてみたい。. 価にプラスの影響を及ぼしていく観点から実施」. 具体的には、日本銀行のETF買入政策の現状を. されている(注1)。. 認識し、市場関係者にとって無視できない競争環. しかし、ここでのリスクとは何かは明確にされ. 境と議決権行使面の観点から弊害について考察す. ていない。仮に、投資家のリスク回避度を下げる. る。運用業界に与えている影響や議決権行使に関. ことであれば、株式投資を促すのが狙いという見. する問題は一般にはあまり知られていない。この. 方もでき、株価買い支えが政策目的という考えを. 政策の進むべき方向性、公正な市場関係者として. 誤解として却下できない。. のスタンス、世界からみた日本の市場の異質性に. ETFなどのリスク性資産の買い入れは2010年. ついて、考察したい。. に導入された時限的政策であった。現在、ETFの 年間買入額は6兆円であり、18年7月には上下. 2.現状認識. に変動し得るとして政策が微調整された。19年. 日本銀行の金融政策の重要な目的は物価の安定. 11月後半時点では買い入れのない営業日が過去. であり、「日本銀行は、通貨及び金融の調整を行. 最長となり、国債と同様にステルステーパリング. うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて. (政策の変更を伴わない緩和縮小)に動き始めた. (注1) 2018年1月24日日本銀行・総裁記者会見要旨。 http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2018/kk180124a.pdf. 60. 証券アナリストジャーナル 2020. 1.

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