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高齢者向けサービス付き住宅事業経営の現状と課題に対する調査結果有料老人ホームとケアハウスの「危機管理」について

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Academic year: 2021

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平成10年1月15日 第45巻 日本公衛誌 第1号 73

高齢者向けサービス付き住宅事業経営の現状と

課題に対する調査結果

有料老人ホームとケアハウスの「危機管理」について

吉竹

弘行

目的 高齢社会に対応して,生活サービスのついた高齢者向けの住宅事業(以下「高齢者住宅事業」とする) は大幅に推進されると予想される。この事業は,住宅提供の他に高齢者に対する快適な生活サービス提 供というソフト面を含み,その充実のために,高齢者の生活につきものの「不測の事態」への対処をサ ービス提供システムにいかに組込むかが重要となる。本研究では,①この事業が抱える課題を明確に し,②この事業の経営者が,これらの課題に現状ではいかに取り組んでいるかをアンケート調査で明ら かにし,③結果の考察とこの事業の経営上の課題克服の方向を述べることを目的とする。 研究方法 全国の「有料老人ホーム」237ヵ所,「ケアハウス」155ヵ所を対象に,①事業者の高齢者住宅事 業に対する不安認識と危機管理②自分の施設でのサービス提供とそれに対する不安認識と危機管理③危 機管理のための情報収集方法の3項目についてアンケート調査を実施し(有効回答率34.7%),分析を 行った。 結論 1. 高齢者住宅事業の不安要素(経営を危うくする危機をもたらす要素)に関する不安認識は44.4%, 危機管理の必要性認識は39.7%,危機管理手法の採用意向は,その約半数の20.3%であった。  2. サービス提供比率は,「フロント」,「食事」が高く,提供サービスに関する不安認識は24.2%, 危機管理の必要性は26.3%,危機管理手法の採用意向は15.7%と不安要素に比較すると低かった。  3. 情報源では「地元役所」,「同業者組織」の比率が高かったが,「有料老人ホーム」については「有 料老人ホーム協会」の比率が高かった。  4. 不安要素に対する不安認識は,事業別では「インフレーション」のみ有料老人ホームの方が高か った。また規模別では,「対応不能な入居者等の不満」について100人未満の方が高く,「法的環境の変 化」について100人以上の方が高かった。  5. 提供サービスに対する不安認識は,「緊急対応」,「生きがい」,「カウンセリング」についてケア ハウスの方が高かった。  6. 不安要素に対する危機管理手法の採用率は有料老人ホームの方が高く,提供サービスについては ケアハウスの方が,若干高かった。  7. 現在採用している危機管理手法は,不安要素,提供サービス共に,直ちに採用でき,危機が起こ った後に効果を発揮する事後対策的な手法である。一方,今後採用を予定する比率が高い手法は,危機 が発生しないようにするための事前対策的で総合的な手法であった。

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