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犬における非ステロイド系抗炎症剤の副作用に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

犬における非ステロイド系抗炎症剤の副作用に関する研究(

内容の要旨(Summary) )

Author(s)

成田, 達矢

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(獣医学) 甲第208号

Issue Date

2006-09-15

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/21391

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学 位 ゐ 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 成 田 達 矢(青森県) 博士(獣医) 獣医博甲第208号 平成18年9月15日 学位規則第3条第1項該当 連合獣医学研究科 獣医学専攻 岩手大学 犬における非ステロイド系抗炎症剤の副作用に関する 研究 主査 岩 手 大 学 教 授 副査 帯広畜産大学 副査 岩 手 大 学 副査 東京農工大学 副査 岐 阜 大 学 教 教 教 教 授 授 授 授 久 郎 男 久 嗣 善 和 晴 義 幸 藤 原 林 根 尾 内 宮 小 山 丸 論 文 の 内 容 の 要 旨 伴侶動物の寿命延長によって老齢性疾患が急増し,慢性痛を伴う変形性関節症な どの骨関節疾患がペットの生活の質(QualityofLife)を大きく脅かしている. 非ステロイド系抗炎症剤(Non-SteroidalAnti-InflammatoryDrugS:NSAIDs). は,麻薬性鎮痛薬とは異なり生体の意識に影幣なく強力な鉄痛作用が得られる薬剤 であり,慢性痛を伴う疾患に対して使用される頻度の高い薬剤である.しかしなが ら,NSAIDsは,シクロオキシゲナーゼー1(COX-1)阻害によると考えられる消 化管粘膜障害,腎障害,血小板止血機能障害などの副作用を発生させ,時として生 命に関わる重篤な副作用も発生することが知られている.NSAlDs関連性の副作用 は助物種により異なった程度で発生することから,NSAIDsを小動物に適応する場 合には,その動物種固有の安全性を確認する必要がある.しかし,現在までに犬の NSAIDs長期投与による副作用に関しては,最も発生頻度の高い消化管粘膜障害の みが非常に限られた条件下で検討されているだけであり,腎臓や血小板の副作用に 関しての研究は少ない.よって,本論文は,犬におけるNSAIDsの副作用に前日し, NSAIDs長期投与時の消化管粘膜障害,抒障害,血小板止血機能師害などの発生程 度や発生頻度の高い消化管粘膜障害の発現機序を解明することを目的として行った ものである.

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はじめにN蝕uDs関連性の副作用が認められた臨床例の犬2例について検討した. 1例は胃穿孔,1例は重度多発性胃潰瘍が認められ いずれも重篤な症状を示した. 副作用が発生するまでの投薬回数は1ないし2回であり,その発生のしやすさから も,犬におけるNSAIDsの安全性試験の必要性が示唆された. それらの症例報告から,犬での使用が承認されているケトプロフェンに着目し,急 性痺痛管理用址の1mg/kgのケトプロフェンを,30日間にわたり健康犬に経口投 与した・その結果,軽度から中程度の胃粘膜障害が普遍的に,また腎機能障害と腎 尿細管細胞障害が5頭中1頭に認められた.これらの所見から,ケトプロフェン

1mg/kg経口投与は消化管粘膜と腎臓に対する副作用を誘導し,長期投与時におけ

る安全性が低い可能性が示唆された. 次に,近年,慢性痔痛に対して良好な鎮痛効果が認められた低用量ケトプロフェン に着目し,低用量による副作用の減弱を期待して,0.25mg/kgのケトプロフェンを, 30日間にわたり健康犬に経口投与した.その結果,腎障害と血小板止血機能障害は 認められず,また投薬14日までであれば消化管粘膜障害はほとんど発生しないこと が判明した.しかしながら,21日間以上の投薬では1mg/kgのケトプロフエンと 同様の中程度の胃粘膜障害が認められた.これらの所見から低用量ケトプロフェン でも長期投与する際には消化管粘膜障害を定期的にスクリーニングし,必要に応じ て粘膜保苦剤などで治療する必要性が示唆された. また,NSAIDsとコルチコステロイド剤併用禁忌を検討するため,COX選択性の 異なる2種類のNSAlDs(COX-1選択的阻害剤としてケトプロフェン,COX-2選 択的阻害剤としてメロキシカム)とコルチコステロイド剤(プレドニゾロン)を併 用して投薬した.その結果,COX-1選択性のケトプロフエンとプレドニゾロン併用 により胃腸粘膜,腎臓,血小板に対して重度の副作用が認められた.一方で,COX-2 選択性のメロキシカムとプレドニゾロン併用でも異常な酵素尿症と■戸手尿細管細胞障 害が認められた.これらの所見から健康犬においてさえN弧Ds とコルチコステロ イド剤の併用は,例え消化管粘膜障害に関して高い安全性の確認されたCOX-2選 択性のNSAIDsであっても禁忌であることが示唆された. さらに,NSAIDs関連性の副作用として最も発生頻度の高いと考えられた消化管粘 膜障害に対して,その発生メカニズムを消化管運動と消化管ホルモンの面から検討 した.その結果,COX非特異的NSAlDsのインドメタシンにより胃潰瘍が発生する 前に,空腹期のInterdigestivemigratingcontractions(IMCs)と呼ばれる規則的な 運動が障害され,代わりに異常な持続性収縮が認められた.この空腹期異常運動下 では高モチリン血症が発生していることが判明した.さらにインドメタシン投薬に より十二指腸と空腸におけるモチリン細胞の分布が,陰商深部から陰裔上部ならび に絨毛へと変化していることも判明した.一方で,メロキシカムでは,これらの異 常は全く認められなかった.これらの所見から,インドメタシンは,食後期におけ る胃排出能低下と空腹期におけるIMCs阻害から粘膜障害を引き起こす可能性が示

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唆された. 以上のことから,本論文は,犬に対するCOX-1選択性の高いNSjuDsであるケ トプロフェン投与によって消化管粘膜障害と腎障害を発生させるが,低用貼化によ り腎障害は予防できることを明らかにした.またNSAIDs と併用が禁忌と考えられ ていたコルチコステロイド剤との併用ではCOX-2選択性のNSAIDsであっても副 作用が認められることから併用禁忌である証拠を示した.きらに最も発生頻度の高 い消化管粘膜障害は消化管運動と消化管ホルモンの異常からも発生することを明ら かにし,これらの改善から消化管粘膜障害を予防することが出来る可能性を示唆し た. 審 査 結 果 の 要 旨 非ステロイド系抗炎症剤(Non-SteroidalA血i-InflammatoryDrugS:NSAlDs)は,麻薬 性鎮痛薬とは異なり生体の意識に影響なく強力な鎮痛作用が得られる薬剤であり,慢性 痛を伴う疾患に対して使用される頻度の高い薬剤である.NSAIDsを小動物に適応する 場合には,その動物種固有の安全性を確認する必要がある. 本論文は、犬におけるNSAlDsの副作用に着目し,NSAlDs長期投与時の消化管粘膜 障害,腎障害,血小板止血機能障害などの発生程度や発生頻度の高い消化管粘膜障害の 発現機序を解明することを目的として行ったものである. はじめにNSAlDs関連性の副作用が認められた臨床例の犬2例について検討した.1 例は胃穿孔,1例は重度多難胃潰瘍が認められ,いずれも重篤な症状を示した. それらの症例報告から、犬での使用が承認されているケトプロフェンに着目し,急性 痺痛管理用量の1mが唱のケトプロフェンを,30日間■にわたり健康犬に経口投与した. その結果,軽度から中程度の胃粘膜障害が普遍的に,また腎機能障害と腎尿細管細胞障 害が5頭中1頭に認められた. 次に,近年,慢性痺痛に対して良好な鎮痛効果が認められた低用量ケトプロフェンに 着目し,低用量による副作用の減弱を期待して,0.25m跡gのケトプロフェンを,30日 間にわたり健康犬に経口投与した.その結果,腎障害と血小板止血機能障害は認められ ず,また投薬14日までであれ療肖化管粘膜障害はほとんど発生しないことを明らかにし た. また,NSADsとコルチコステロイド剤併用禁忌を検討するため,COX選択性の異な る2種類のNSAmsとコルチコステロイド剤を併用して投薬した.その結果,COX-1選 択性のケトプロフェンとプレドニゾロン併用により胃腸粘膜,腎臓,血小板に対して重 度の副作用が認められた. さらに,NSAms関連性の副作用として最も発生頻度の高いと考えられた消化管粘膜障 害に対して,その発生メカニズムを消化管運動と消化管ホルモンの面から検討した.そ の結果,COX非特異的NSAⅢsのインドメタシンにより胃潰瘍が発生する前に,空腹期 のhterdigestivemigratingmtractions(IMCs)と呼ばれる規則的な運動が障害され、代わり に異常な持続性収縮が認められた.この空腹期異常運動下では高モチリン血症が発生し

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ていることが判明した.これらの所見から,インドメタシンは,食後期における胃排出 能低下と空腹期におけるMG阻害から粘膜障害を引き起こす可能性が示唆された. これらのことから,本論文は,犬に対するCOX-1選択性の高いNSAIDsであるケトプ ロフェン投与によって消化管粘膜障害と腎障害を発生させるが,低用量化により腎障害 は予防できることを明らにした.また,NSAmsの副作用の中でも最も発生頻度の高い

消化管粘膜障害は消化管運動と消化管ホルモンの異常からも発生することを明らかにし,

これらの改善により消化管粘膜障害を予防することが出来る可能性を示唆した. 以上について、審査委員全員は一致して本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の 学位論文として十分価値のあるものと認めた。 基礎となる学術論文

題 目 ‥E飴ctsoflong-termOraladmimistrationof ketoprofenin clinical1yhealthybeagle dogs 著者名 ‥Narita,T,Tbm血wa,N.,Sato,R.,Goryo,M.andHara,S. 学術雑誌名:TheJournalofⅥterinaryMedicalScience 巻・号・貢・発行年‥67(9):847-853,2005 題 目:非ステロイド系抗炎症剤により重度胃粘膜障害を起こした犬の2例 著者名:成田達矢,佐藤れえ子,安田準,谷健二,小守忍,御領政信,原茂雄 学術雑誌名 日本獣医師会雑誌 巻・号・貢・発行年:59(3):197-202,2006 題 目:Safttyofreduced-dosageketoproftnforlong-termOraladmhistrationinhealthydogs 著者名:Narita,T,Sato,R.,Tbmizawa,N.,Thi,K.,Komori,S.andHara,S. 学術雑誌名 ‥AmericanJoumalofⅥte血aryResearch 巻・号・貫・発行年:67(7):1115-1120,2006

参照

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