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学位論文題名 Consequences of NitrlCOXideGenerationinEpileptic―SeizureRodentModelsasstudiedby InvivoEPR

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 金 子 健 志

     学位論文題名

    Consequences of NitrlCOXideGeneration inEpileptic ― SeizureRodentModelsasstudiedby     InvivoEPR

(生体内電子常磁性共鳴法によるてんかん発作げっ歯類モデルにおける      一酸化窒素生成に関する研究)

学位論文内容の要旨

「は じめに」 一酸化 窒素(NO) は脳内 細胞間情 報伝達物 質とし て約10年前 に初めて確認され た。NOはNO synthase(NOS)によ りL―arginineから生 成され、 周囲に 速やかに拡散し、近傍 の細胞を様々な経路で活性化する。NOSは特にN−methyl―D−aspartate(NMDA)レセプター刺激 に よ り活 性 化 され 、 産 生さ れ たNOはguanyl cyclaseを誘 導 し 細胞 内のcyclicGMPを増加 さ せる 。NOのてん かんへ の関与が 推察さ れ多くの 報告がさ れてい るが、未 だ統一した見解は認 めら れていな い。本 研究では 生体内お よび生 体外電子常磁性共鳴法(electron paramagnetic resonance:EPR)スベクトロスコピーにより、pentylenetetrazole(PTZ)を投与したマウスおよ び ラ ット の 発 作時 の 脳 内NOレ ベル を 計測し 、脳内 の様々な 部位で のNO産生量 の定量 化を行 った。

「対象と方法」Wister種の雄ラット(120―150g、8週)およびICR雄マウス(15−20g、4週)を 用 い た 。PTZは10−100mg/kgを腹腔 内投与 した。投 与後の 様子はItoらの論 文に倣 い1: 痙攣 無 し、2:頭部の ひくっ き、3:間代性痙攣、4:カンガルー肢位、5:転倒(4と5を強直性痙攣 と判定)のようにスコアリングした。Diazepa亅n( 5mg/kg)とphenytoin( 60mg/kg)はPTZ投与の 30分 前に投与 した。NO―trapping剤と してDETC(Sodium diethyldithiocarbamate)500mg/kg を 腹腔内に 、およ び鉄クェ ン酸複合 体(50 mg/kg FeS04 7H20+250 mg/kg sodium citrate) を 皮 下 に 、 両 者 をPTZ投 与 の30分 前 に 投 与 し た 。NOS阻 害 剤 の 実 験 に際 し て は、L−NNA

(NG―nitro―L−arginine)50―100mg/kg、あるしヽ抂tL−NMMA(NG―monomethyl−L‑arginine) 50−250mg/kg、あるいは3Br−7NI(3―bromo―7―nitroindazole)1−20mg/kgをPTZ投与の30分 前 に腹腔内 投与し た。L−bandによ る生体内EPRにおいては、PTZ投与後の発作を観察した後、

pentobarbital(35mg/kg)を投与して鎮静し測定した。X−bandによる生体外EPRでの脳組織内 のNO濃度 の 測定に際 しては 、PTZ投 与後に 発作を観 察し、そ の後す みやかに 脳を摘 出し大脳 皮 質、小脳 、嗅球 、海馬、 及び視床 下部の 一部を凍 結保存 した。定 量化は 標準試料のスベク トルのビークとの比較により行った。

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【 結 果 」NO産生 量の検討 に際し て、PTZを投与 した26例全 てに間 代あるい は強直 性痙攣を 認 め た 。PT260mg/kgを 投 与し た 例 では18例中16例 で強直性 痙攣を 認めた。PT240mg/kgを投与 し た例では8例全 例に間 代性痙攣 を認め た。強直 性痙攣を 起こし た例においては、X−band生 体 外EPRで3峰性 の ス ペク ト ル が明 瞭 に 認め ら れ た。 こ の ス ベク トルはNOS阻害 剤を前投 与 す る こ とによ り抑制さ れた。 この結果 は、NOが 脳内でNOSによ り生成さ れている ことを 示唆 す る。間代 性痙攣を 起こし た例でも 同様の スベクト ルを認 めたが、 時間当たりのNO産生量は 強 直性痙攣 の例に較 ベ明ら かに少な かった 。

  生 体内EPRは 、PT280mg/kgを 投 与 し3分 観 察 した 後 にL―band EPRによ り行った 。X‑band 生 体 外EPRと 同様のス ベクト ルが観察 された 。間代性 痙攣例に おいて は強直性 痙攣例 に比べ て 信 号 が 低 か っ た 。NOS阻 害 剤 を 前 投 与 し た 例 で は こ れ ら は 認 め ら れ な か っ た 。   NOS阻 害剤に よるNO産 生量およ び発作の 変化に ついても 検討し た。L−NNAに よりNO産 生量 は30X以下 に減少し た。3Br−7NIではさ らに著明 で、98%以上の 減少を認 めた。発作の抑制は L―NNAと3Brー7NIの 両 方で 認 め 、強 直性痙 攣から間 代性痙 攣への抑 制を認め た(L−NNAと 3Br−7NIとの間で の有意 差は認め なかっ た)。抗痙攣剤,diazepamあるいはphenytoinを前投 与 す る こと に よ るNO産 生量 の 変 化に ついて も検討し た。これ らの前 投与によ りPT280mg/kg の 投与にも かかわら ず強直 性痙攣は 抑制さ れた。間 代性痙 攣は認め られた。またNO産生量も 完 全にでは ないが減 少した 。

「 考察 」 て ん かん に お けるNOの役 割は 未だ不 明である 。動物実 験にお いては、NOは痙攣 を 抑制 するとも 促進する ともそ の両方が 推察さ れていた が、そ れらはNO産 生を実際に測定した ものではなかった。今回我々は(DETC)2ーFeーNO complexをL―band EPRで測定することにより、

マウ スの生体 内でのNO産生を直 接検討す ること が可能で あった 。痙攣を 誘発した例において NOレベルが上昇していることが確認できた。

  生 体 内 および生 体外EPRにより 、強直性 痙攣例 において 間代性 痙攣例よ りNOが多 量に産生 さ れて い ること が確かめ られた 。NOS阻 害剤の 投与によ りNO産生 量の減少 が認めら れ、ま た 間 代性 痙 攣から 強直性痙 攣への 移行が抑 制され た。Diazepam及 びphenytoinも 痙攣を 抑制し たが 、NOの産生 は完全 には抑制 しなかっ た。NO産 生量が著 明に減 少している例でも間代性痙 攣 が見 ら れてお り、少な くともPTZ投与 例にお いての間 代性痙攣 の発生 にはNOの直 接の関 与 が必 要ではな いことが 示唆さ れる。ま た3Br―7NIは 血管脳 関門を通 過しやすく、LーNNAより 効 カが 強 い と 考え ら れ る。 ま た 抗痙 攣剤の投 与によ りNO産生量 が減少 したこと からも 、NO が 痙攣 発 作 の 結果 、 脳 内のNOSに よ り産生さ れてい るという ことが 推察され る。ま たNOS抑 制剤 の投与に より強直 性痙攣 発作が抑 制され たという ことか ら、産生 された多量のNOが強直 性痙攣の誘発に重要な役割を示していることも推察される。

  今回 我々が強 直性痙 攣で認め たNOの量 は、敗血 症性ショ ヅクの 際に認められるものと同レ ベ ルで あ った。 将来的に はNOの産 生部位を 視覚化 するため にEPR imagingが行わ れること も 可能と考えられる。

「結 論」NOは 間代性痙 攣を直 接的に誘 発しないが、痙攣発作の結果として生成される。

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(3)

学位論文審査の要旨

     学 位 論 文 題 名      ●    ●

    Consequences of NitrlCOXideGeneration .      .

inEpileptic ‐ SeizureRodentModelsasstudiedby     InvivoEPR

(生体内電子常磁性共鳴法によるてんかん発作げっ歯類モデルにおける      一酸化窒素生成に関する研究)

  一 酸 化 窒素(NO) は 脳 内細胞 間情報 伝達物質 として 約10年前に 初めて 確認され た。NOはNO synthase(NOS ) に よ りL−arginineか ら 生 成 さ れ 、 周 囲 に 拡 散 す る 。NOSは 特 に N一 弛thy1‐D−aspartate(NMDA)レ セプター 刺激に より活性 化され、産生されたN0はguany1 cyclaseを 誘 導し 細 胞 内のcyclicGMPを 増 加さ せ る 。N0のて んかん への関与 について 未だ統 一 し た 見 解 は 認 め ら れ て い な い 。 本 研 究 で は 、 生 体 内 お よ び 生 体 外 電 子 常 磁 性 共鳴 法

(eleCtronpar皿a和etiCreSOnanCe:EPR)により、pentylenetetraZ01e(PTZ)を投与したマウ ス およ ぴ ラ ット の 発 作時 の 脳 内で のN0産 生 の 計測 を 行った 。対象と して、Wister種の雄 ラ ット(120―150g、8週)およぴICR雄マウス(15ー20g、4週)を用いた。N0−trapping剤として diethyldithiocarbamate(DETC)およぴ鉄クエン酸複合体をPTZ投与の30分前に投与した。NOS 阻 害 剤 前 投 与 の 実 験 に 際 し て はLーNNA(NG―nitr0‐L−arginine) ま た はL−NMMA

(NG‐mon冊ethyl―L―arginine)または3Br‐7NI(3ーbrom0―7―nitroindazole)を、抗痙攣剤の実験 に 際 し て はdiazep皿ま た はphenytoinをPTZ投与 の30分 前 に 投与 し た 。L−band生 体 内EPR に お い て は 、PTZ投 与 後の 発 作 を 観察 し た 後pentobarbitalを 投 与し て 鎮 静 し測 定 し た。

X―band生体外EPRでの 脳組織内 のN0濃度 の測定に 際して は、PTZ投与後に発作を観察した後、

大脳皮 質、小脳 、嗅球 、海馬、 及ぴ視 床下部の 一部を摘 出した 。結果と して、 強直性痙 攣を 起 こし た 例 にお い て はX―band生体外EPRで3峰性の スベク トルが明 瞭に認 められ、 このス ペ ク トル はNOS阻 害 剤の 前 投与 により 抑制され た。間代 性痙攣 を起こし た例で も同様の スベク ト ルを 認 め たがNO産生 量 は 強直 性 痙 攣の 例 に 較ベ 明 らかに 少なかっ た。L―band生体 内EPR でもX‐band生体 外EPRと同様の スペク トルが観 察され た。間代 性痙攣例 におい ては強直 性痙 攣例に 比べて信 号が低 かった。NOS阻 害剤の前 投与によ りこれ らは抑制 された 。NOS阻 害剤に よ るNO産 生量 お よ び発 作 の 変化 に つ いてX−band生 体外EPRにより検 討した 。L−NNAに より     ―3211

司男 弘       和充 山坂 岡 小 宮 吉 授授 授 教教 教 査査 査 主副 副

(4)

ND産生量は309C以下に、3Br―7NIでは98X,以上の減少を認めた。発作についてはL−NNAと 3Br‐7NIの両方で強直性痙攣から間代性痙攣への抑制を認めた。抗痙攣剤の前投与について も検討した。これらにより強直性痙攣は抑制され、間代性痙攣は認められた。NO産生畳は減 少した。このように今回の実験では(DETC)z―Fe―NO complexをEPRで測定することにより、生 体内でのNO産生を直接検討することが可能であった。痙攣を誘発した例においてNOレベル が上昇し、強直性痙攣例において間代性痙攣例よりNOが多量に産生されていることが確かめ られた。NOS阻害剤の投与によりNO産生量の減少が認められ、また強直性痙攣が抑制された ことから、産生されたNOが強直性痙攣の誘発に重要な役割を示していることが推察される。

またNO産生量が著明に減少している例でも間代性痙攣が見られており、間代性痙攣の発生に はNOの直接の関与が必要ではないことが示唆される。また抗痙攣剤の投与によりNO産生量 が減少したことから、NOが痙攣発作の結果として産生されていると推察される。結諭として、

NOは間代性痙攣を直接的に誘発しないが、痙攣発作の結果として生成されると考えられる。

  口頭発表に際し、副査の吉岡充弘教授から、EPRの定量測定やスベクトルがNOに由来する ものと考えた根拠、PTZの機序およぴ選択した理由、他の痙攣モデルでの予測、NOによる生 体への影響、NOS阻害薬の臨床応用についての質問があった。副査の宮坂和男教授から、NO 産生畳の部位における差異、低磁場MRI装置を用いてEPRの画像化について、次いで主査の 小山司教授から、スピントラヅプ剤によるNOの捕捉率、pentobarbitalの影響、今後の課題 について質問があった。申請者は実験結果や他の研究報告などを弓「用し概ね妥当な回答を行 った。

  この論文は、直接計測することが困難であった脳内のNO産生量をEPRスペク,トロスコピー により検出して定量化し痙攣発作との関連を考察している点で高く評価され、今後のてんか んに対する研究への応用が期待される。

  審査員一同は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位なども併 せ申 請 者 が博 士 (医 学 ) の学 位 を受 けるの に十分な 資格を有 するもの と判定した 。

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参照

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