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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 医 学 ) 大 河 内 俊 洋

     学位論文題名

Prognostic Signilicance of Bcl ― 2 , p53 0verexpression ,     and Lymph Node rvIetastasis

    in Surgically ― staged Endometrial Carcinoma      (術後臨床期分類された子宮体癌症例における予後因子としての     Bcl ― 2 , p53 過 剰 発 現 , リ ン パ 節 転 移 の 意 義 に つ い て )

学位論文内容の要旨

    緒言

近年我 が国に おける子 宮体癌 (以下体 癌)罹 患数の増 加カs指摘さ れており ,予後 不良症例 の 的確な 分別に もとづい た治療 法層別化 の確立 が求めら れている .体癌において,生物学的マー カー(biologcal markerが ,従来の 臨床進 行期,組 織分化 度,筋層 浸潤の深 さなど の予後因 子 よりも 優れた ものとな る可能 性が考え られる .しかし ,現在ま でのところ,体癌において従来 の 予 後 因 子 よ り も 信 頼 で き う る 生 物 学 的 マ ー カ ー は 確 立 さ れ て い な い . 系 統的 リ ン バ節 郭 清 術 を施 行し, 術後臨床 期分類 された体 癌症例 において ,生物 学的マー カ ーとし てのBd.2発現 ,p53過剰発現 につい て予後因 子として の意義を検討することを本研究の 目的と した・

    対象及び方法 痙倒

  1990一2000年ま での期間に,北海道大学医学部附属病院産婦人科において,体癌根治手術(準 広汎あ るいは広 澗性子宮全摘術+両側付属器摘出術十傍大動脈節までのりンバ節郭清術)後に術 後進 行期 分類なら びに体癌 の免疫 組織化学 染色を 施行され た102症例(年 齢23〜87歳 ,平均57 歳)を対象とした.術後進行朗分類(RG01988)の内訳はI期58例(56.9%),II期5例(4.9%),

m期28例(27.5% ) ,W期11例(10.8% )であっ た.術後 病理組 織学的検 索にお いて再発 の high・rimg卿lp(筋層浸潤>1尼,頚部浸潤,付属器転移,リンパ節転移,中等度〜高度脈管浸襲 な ど を 伴 う ) と 考 え ら れ る 症 例 にI蜘 謝 ヒ 学 糠 法 ( 蝉 洫50mg蝋 繃am刪 n3脚m如2 cydopho啣 珈 価de350mg/m2,3週 毎 ) を3〜6∞l職 施 行 した .組織型 は93例が 類内膜腺 癌,9 例が特 殊型(漿 液性腺癌 ,明細 胞腺癌) であっ た.病理 組織学 的予後因子としては筋層浸潤,

組織分 化度(構 造異型度 ),核 異型度, 脈管侵 襲,卵巣 転陟, リンパ節転移にっき検討した.

免疫轡盥出瑩

  免疫組織化学染色は凍結組織切片を用いて缸五r。ctslrepb切din‐bi06n.pem妬daSecompleX法に より 行 っ た. 抗 体 に は抗 ヒ トBd−2モノ ク ロ ーナ ル 抗 体(clone124,DAKO社 ) と抗 ヒトp53 モノク ローナル 抗体(D()・7,DAKO社)を用いた.Bd‐2の細胞質染色程度は,0:全く染色さ れない ,1十 :50%以下の腫瘍細胞が染色される,2十:50%を超える腫瘍細胞が染色される,と 分類し た.声3につい ては核 の染色強 度と陽 性細胞比率から,0:全く染色されない,1十:50%

(2)

を超 え る腫 瘍細胞に 弱い反 応が認め られるか ,ある いは50%以下の 細胞に強 い染色 を認める も の,2十: 500/0を 超える腫瘍細胞に強い染色が認められるもの,と分類した.2十をp3過剰発現 と規定 した.

艫瞠鉋 鰹蚯

  観測値 の比較に はで‐検定あるいはFlsherの直接確率検定を用いた,リンバ節転夥のりスク因 子の検 討にはロ ジステ イヅク回 帰分析を 用いた .生存曲 線はKaplan・Mder法により求め,群間 の 比 較 に は1昭 一 r觚k検 定 を 用 い た , 予 後 因 子 の 検 討 に はCbx回 帰 分 析 を 用 い た .     結果

Bcl‑2登現

  Bc.2発 現はI期症例に おいてII‐W期 症例よ りも有意 に高頻 度に認め られた繦 /58v&12触,

p印.021).組 織型に関しては類内膜腺癌で39郎(41.9めに認められ,漿液性腺癌/明細胞腺癌 では2タ (22.2吻であっ た¢幻131). 類内膜 腺癌の組 織分化 度については,高分化型(G1)で 22/42(52.4卿 ,中 化 型 (G2) で13脚 (38.2吻 , 低 州啌(G3)で4/17ぱ13翻に認め られ,

G1に 比べてG卿3でBc1・2発現が抑 制されて いる傾 向を認め た(p印.05) .Bd‐2発現と 核異型 度との間には関連性は認められなかった.Bcl一2発現喪失と筋層浸潤の深さ(p〓0.0012冫,脈管侵 襲の程度(P.01の,リンバ節転陟の有無(p印1019)とは相関していた.

匹!過剰髄

  p53過剰発 現とBd―2発現 喪失との 間には 関連がある傾向が認められた(p釦.059).進行期と の関 連では1期症 例よりIII二rV期症例に有意に高頻度(5/58聡17m:p印.0003)に認められた・

組織 型との 関連をみ ると, 漿液性腺 癌/明細 胞腺癌では類内膜腺癌よりも著明に高頻度に認めら れた(7タ弧15/93:p印.0002).また類内膜脚畠においては分f匕度カ牴くなるほと淆意に高頻度に p53過剰発現が認められた(p=o.〔腦4).核異型度(p.0018),筋層浸潤¢め.卿),脈管侵襲 は0.喞1) ,卵 巣 転 移 〓.0029, リ ンノ 啣 転 移(p,00めに 関してもp53過剰 発現と 有意な関 連カ認められた.

竺2Z…Q!2丕2国壬

  ロ ジステ イヅク回 帰モデ ルを用い たりンバ 節転移 に関連す る因子 の多変量 解析で は,脈管 侵 襲 (p印 .0CKゆ と 核 異型 度 ¢印 .001$ のみが りンパ節 転侈の 独立した りスク因 子であ った・

王後国壬

  単変量解析では,臨床進行期(Im期v&I剛IV期:p印.頒)4の,維粥魑!Q〓0.(m4),維粥馴ヒ度

(p.032冫, 核 異 型 度卿 ,0001) ,筋 層 浸 潤卿 ,003の , ―。 印 馴 , 卵巣 転 移 鰰,0001),

リンバ節転移(pくo.(m1),Bcl・2発呪喪失(p印.Oり,p53過剰発現(p印.0002)が予後と関連して い た ,Cbx回帰 モ デ ル を用 い た 多変 量 解 析に お い ては , 核異型 度¢匐.019), リンバ 節転移

¢ = O. 〔 X的 8) , p53過 棗 順 覡 ¢ 〓 O. 001の が 独 立 し た 予 後 因 子 で あ っ た ・   進 行 体 癌 に お け る が3の 予 後因 子 と して の 重 要性 を 明 ら かに す る ため に ,IMV期 症例 に つ い てK蝌afトMder曲線 お よ び19g・mnk検定 を 行 った と ころ ,p53過剰発現 陽性例 は陰性例 と比 較 し て有 意 に 予後 不 良 で あっ た(P.0053冫 ・p53過 剰発現陽 性例と 陰性例の 推定5年生存 率は そ れ それ40.4% ,75.7% であっ た.IMV期症例 について の多変 量解析の 結果か らも核異 型度

(p=.0043),p53過剰発現¢如ば)44)が進行体癌の予後を規定する因子であることが明らかとな った・

    結論

  p53過 剰発 現 , 核 異型 度 , リンパ節 転移が ,系統的 リンバ節 郭清カ 漉行され た体癌 症例にお ける 重要な 独立予後 因子で ある.Bcl.2発現は体癌の悪性進展には重要な役割を果たしていない と 考 えら れ る .予 後 因 子 とし てはp53過剰発 現がBc1‐2発現喪 失よりも 重要であ る.進 行体癌 に お いて もp53過 剰 発 現の 有 無 によ り 予 後に 明 ら かな 差 がある ため,今 後,p53過剰発 現の認 められた進行体癌症例に対する治療法個別化の必要性が示唆される.

(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨

     学位論文題名

Prognostic Signilicance of Bcl‑2 ,p53 0verexpression ,     and Lymph Node lVIetastasis

    in Surgically‑staged Endometrial Carcinoma

( 術 後臨 床 期 分類 さ れた 子 宮 体癌 症 例 にお け る予後 因子とし ての     Bcl‑2 , 'p53 過 剰 発 現 , リ ン パ 節 転 移 の 意 義 に つ い て )

近 年 ,我 が 国 にお け る 子宮 体 癌( 以 下 体癌 ) 罹患 数 の 増加 が 指摘され ており, 予後不良 症 例の的確な分別にもとづいた治療法の層別化の確立が求められている.

系 統 的リ ン バ 節郭 清 術 を施 行 し, 術 後 臨床 期 分類 さ れ た体 癌 症例にお いて,生 物学的マ ー カ ー としての Bcl‑2 発 現, p53 過剰 発現につ いて予後 因子とし ての意義 を検討する ことを本 研 究の目的とした・

  1990 〜 2000 年 ま で の 期 間 に , 体 癌根 治 手 術後 に 術後 進 行 期分 類 (FIG01988) な ら びに 体 癌 組 織 の 免 疫 組 織 化 学 染 色 を 施 行 し た 102 症 例( 年 齢 23 〜 87 歳 , 平均 57 歳; I 期 58 例, II 期 5 例 , III 期 28 例 , IV 期 11 例 ) を 対 象 と し た . 術 後 病 理 組 織 学 的 検 索 に お い て 再 発 の high‑risk‑group ( 筋層浸潤 > 1/2 ,頚部浸潤,付属器転移,リンパ節転移,中等度〜高度脈管 浸 襲 などを伴う )と考え られる症 例には術 後化学療 法 (cisplatin50mg/m2 , addamyccin30140 m 〆 m cyclophosphamide350mg/m2 , 3 週毎 )を 3 〜 6course 施 行した. 組織型は 93 例が類内 膜 腺 癌, 9 例 が 特 殊型 ( 漿液 性 腺 癌|明細 胞腺癌) であった .病理組織 学的予後 因子とし て は筋層浸潤,組織分化度(構造異型度),核異型度,脈管侵襲,卵巣転移,リンノヽ節転移につ き検討した.

   免疫組織化学染色は凍結組織切片を用いてindirectstreptavidin ‐bi 而n ‐peroxidasecompleX 法 に よ り行 っ た .抗 体 に は抗 ヒ ト Bcl ‐ 2 モ ノ ク口 ー ナル 抗 体 ( clone124 , DAKO 社)と抗ヒ ト p53 モ ノク ロ ー ナル 抗 体 (DO − 7 , DAKO 社) を用いた . Bcl ‐ 2 の細 胞質染色 程度は, O : 全く 染 色されな い, 1 十: 50 % 以下の腫 瘍細胞が染色される, 2 十: 50 %を超える腫瘍細胞が染色さ れ る,と分 類した. p53 に ついては 核の染色強度と陽性細胞比率から, 0 :全く染色されない,

l 十 : 50 %以下 の細胞に染 色を認め るか,あ るいは 50 % を超える 腫瘍細胞に弱い反応が認めら れ るもの, 2 十: 50 %を超 える腫瘍 細胞に強 い染色が 認められ るもの,と分類した.2 十を p53 過剰発現と規定した.

  Bcl ‐ 2 発 現はI 期症例 において u ‐ IV 期症例 よりも高 頻度に認 められた ( 28 / 58VsI12/44 , p −−O .021 ).組織型に関しては類内膜腺癌で39 /93 (41 .9 %)に認められ,漿液性腺癌/明細胞腺

敬 郎

   

   

   

   

和 征

木 嶋

吉 長

授 授

教 教

査 査

主 副

(4)

癌 で は2/9 (22.2%) で あ った (pー―0.31) . 類 内膜 腺 癌 の組 織 分 化度 に つ いて は ,Glで22/42 (52.4% ) , (砲 で13/34 (38.2% ) ,くbで4/17 (25.3% ) に認 められ ,Glに比べ てG2/G3でBcl‑2 発 現 が 抑 制 さ れ て い る 傾 向 を認 め た (p ̄0.05). Bcl‑2発 現 喪失 と 筋 層浸 潤 の 深さ(p=0.0012), 脈 管 侵 襲 の 程 度O 0.017), リ ン バ 節 転 移 の 有 無 (p二 ニ 0.019)と は 相 関 し て い た .   進 行 期 と の 関 連 で はI期 症 例 よ りn‑iv期 症 例 に高 頻 度 (5/58 vs. 17/44:p 0.0003)にp53過 剰 発 現 が 認 め ら れ た . 組 織 型 と の 関 連 を み る と , 漿 液 性腺 癌 / 明細 胞 腺 癌で は 類 内膜 腺 癌 より も 高 頻 度 に認 め ら れた(7/9 vs. 15/93:p 0.0002).ま た 類内 膜 腺 癌に お い ては 分 化 度が 低く なる ほ ど 高 頻 度 に p53過 剰 発 現 が 認 め ら れ た (p 0.0054). 核 異 型 度(p=0.0018), 筋 層 浸 潤

(p二ニO.0007),脈管侵襲(pく0.0001),卵巣転移(p二二ニ0.0029),リンバ節転移(p―−0.0024)に関しても p53過剰発現と関連が認められた.

  ロ ジ ス テ イ ッ ク 回 帰 モ デ ル を 用 い た り ン バ 節 転 移 に 関 連 す る 因 子 の 多 変 量 解 析 で は , 脈 管 侵 襲O O.o006) と 核異 型 度Q O.o015)の み が り ンバ 節 転 移の 独 立 した り ス ク因 子 であ った・

  単 変 量 解 析 で は , 解 析 し た10因 子 が 予 後 と 関 連 し て い た が ,Cox回 帰 モ デ ル を 用 い た 多 変 量解析においては,核異型度(p O.019),リンノヾ節転移(p−―0.0008),p53過剰発現(p O.0015) が独立した予後因子であった・

  p53の 予 後 因 子 と し て の 重 要 性 を 明 ら か に す る た め に , 進 行 体 癌 (mV期 ) 症 例 に つ い て Kaplan‐Meier曲 線 お よ びlog‐rank検 定 を 行 っ た と こ ろ ,p53過 剰 発 現 陽 性 例 は陰 性 例 と比 較 し て 予 後 不 良 で あ っ た (p ̄0.0053) .IMV期 症 例 に つ い て の 多 変 量 解 析 の 結 果 から も 核 異 型 度 (p O.0043) ,p53過剰発現 (p 0.0044)が進行 体癌の 予後を規 定する 因子であ ることが 明ら かとなった・

  公 開 発 表 に 際 し て , 副 査 の 長 嶋 教 授 よ り ,Bcl.2発 現 喪失 が 体 癌の 悪 性 進展 の 要 因に な ら な い 理 由 に つ い て , 体 癌 のp53変 異 が 多 く 認 め ら れ る エ ク ソ ン に つ い て , 変 異 の 種 類 と 予 後 と の 関 連 に つ い て ,p53過 剰 発 現 と 体 癌 の 予 後 と の 関 連 が 認 め ら れ た 背 景 に つ い て , 質 問 が あ った.次いで,副査の藤本教授からは,Bcl‐2(う,p53(・)群とBcl.2(う,p53(り群との予後の問に 有 意 差 が な か っ た 理 由 ,p53過 剰 発 現 症 例 の 治 療 の 個 別 化 の 具 体 に つ い て , 質 問 が あ っ た . 主 査 の 吉 木 教 授 よ り は , 野 生 型p53の 過 剰 発 現 と 変 異 型p53の 過 剰 発 現 と の 区 別 に つ い て , 卵 巣 癌 や 頚 癌 で のBcl‐2,p53発 現 と そ の 意 義 に つ い て , 核 異 型 度 が 高 い こ と と 腫 瘍が 低 分 化 であることとの異同について,質問があった・

  い ず れ の 質 問 に 対 し て も , 申 請 者 は , 対 象 症 例 の デー 夕 解 析結 果 , `内 外 の 文献 的 知 見, 自 身の臨床経験などをもとに概ね妥当な回答をなしえた・

審 査 員 一 同 は ,p53過 剰 発 現 , 核 異 型 度 , リ ン バ 節 転 移 が 体 癌 に お け る 独 立 予 後 因 子 で あ る こ と を 解 明 し え た 本 研 究 の 成 果 を 高 く 評 価 し , 申 請 者 が 博 士 ( 医 学 ) の 学 位 を 受 け る の に 十分な資格を有するものと判定した.

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参照

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