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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 唐    金 偉

学 位 論 文 題 名

Corrosion protection of magneslumalloySbyeleCtrO ‐depOSition     OfmetalCOatingSfromaqueouSSOlutionSandioniCliquid      (水溶液およびイオン液体からの金属電析コーテイングによる      マ グ ネ シ ウ ム 合 金 の 腐 食 防 食 に 関 す る 研 究 )

学位論文内容の要旨

  資源量が豊富であり,軽量,高い重量比強度といった特徴をもつ金属マグネシウムおよびその合金 は,携帯・運輸機器をどで今後の利用拡大が期待される資源である。しかし教がら,マグネシウムは 耐 食性が 著しく低い卑金属であるためガルバニック腐食をどを受けやすく,屋外で使用される機材 を ど実用 面での利用拡大が制約されている。そのため,マグネシウム合金に対する耐食性コーティ ン グ技術 の研究開発が国内外で活発に展開されている。この極かでも耐食性金属めっきは,コスト や 簡易性 の点 で利点 がある 。本博 士論 文研究 では, 広く用 いられ てい るA291Dをどのマグネシウ ム 合金に 対し,水溶液系のWatt浴からの耐食性ニッケルめっき,および非水溶媒であるイオン液体 浴 からの アルミニウムめっきを行うための手法を開発した。耐食性に乏しいマグネシウム合金は,

め っき処 理の各過程において表面にダメージを受けやすく,また合金組成分布と組織構造に起因す る 表面活 性の不均一性により,密着性の良いめっき層を得ることが困難である。そこで,めっきに 先 立つ表 面調整として,表面の保護と均一顔活性面を与えるためのジンケート前処理法の最適化を 行 った。 これに続くめっき過程においても,腐食と電気化学の観点からの処理法・電析条件の見直 し を行う ことで,従来にをい高い密着性と欠陥の少をい均一をめっき膜が得られることを示した。

  第1章は,マグネシウムおよびその合金の工業的を利用,物理,化学,機械的を特徴,および腐食特 性 に関し て述べられている。マグネシウム合金の防食技術に関する近年の発展を概観し,その問題 点.および本研究の目的について述べている。

  第2章 は. マグネ シウム 合金の ジンケート処理の改善に関して述べている。ジンケート前処理を 施 したA291D合 金表面 の電子 顕微 鏡観察 より, 亜鉛は 主にn相表面に析出し,ジンケート前処理初 期 に超音 波照 射を行 うこと でロ相 表面 にも亜 鉛析出 できることを明らかにした。この置換面に対 し,マグネシウムに対するダメージの少をいアルカリ浴を用いて銅電析めっきを行うことで,めっき 膜の密着強度を改善することができた。めっき箔裏面の観察より,剥離倣めっき′下地界面の銅/亜 鉛混在層で起こっていることがわかった。また,鋼めっき浴にホウ酸を添加することで,めっき膜の 平滑性が改善された。

  第3章 は‐ 銅イオ ンを活 性化浴 に添加する「銅前処理」がジンケート置換面およびめっき膜の品 質 改善に 及ば す効果 に関し て述べ てい る。A231に 対する通常のジンケート処理では,合金表面の 粒 界に亜 鉛の偏析が起こるため,均一をめっき膜が得られをい。これに対して微量の銅イオンを添 加 した活 性化浴にA231合金を浸漬すると,合金表面に微小を銅が高密度で析出し,これに続くジン ケ ート前 処理過程において鋼微粒子が亜鉛析出の核形成点とをるため,亜鉛置換面の亜鉛析出物密 度 および 均一性が改善した。また,この置換面に対して銅を電析させた試料の断面電子顕微鏡観察 より,めっきの均一性,銅析出密度,めっき/下地界面の低欠陥密度,および密着強度において大幅な

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改善が見られた。こうしためっき膜の改善に関して,電気化学測定,電子顕微鏡観察,エネルギー分 散型X線分 光によりその機構 を調査した。

  第4章は ,3章 にお い てA231のめっきに対して 大きを改善効果の 得られた「銅前処理 」をA291D 合金に適用した結果 を述べている。両 合金は組成およぴ 組織が異教るため,前処理機構の比較検討 を行った。また耐食 性めっき膜として ,より一般的をニ ッケル電析膜を製膜 した。A291Dに通常の ジンケート前処理を 適用すると,a相表面で亜鉛 の偏析が起こる。 これに対して銅前処理を適用し たA291D合 金で は ,析 出し た 銅微 粒子 が 電極 電位 を貴側にシフト させることで合金のa相とロ 相 の両方の表面の均一溶解を促進させるとともに,亜鉛の迅速を置換析出を起こした。これにより,均 一かつ高密度の亜鉛 析出が短い時間で 形成できた。この 置換面に対して薄い銅のアンダーコート層 を電析した後,ニッケルを電析した。めっき膜の断面電子顕微鏡観察より,欠陥が少をいめっき膜/

下 地 の 界 面 構 造 が 確 認 さ れ , ま た 密 着 強 度 も 高 い こ と が 明 ら か に さ れ た 。   第5章は ,イ オ ン液 体か ら のア ルミ ニ ウム 電析 条 件の 最適 化 に関 して述 べている。マグネ シ ウム 合金 に 対し て耐 食 性が 高く 柔 軟を アル ミ ニウムめっ きを施すことは有 効を手段である。 本 章で は,マグネシウ ム合金へのめっき に先立ち,白金電極 に対してAICl3を含むEMIC (l‑ethyl‑3 methylimidazolium chloride)イオン液体からのアルミニウム電析を行い,最適を電析条件を検討し た。定電流またはパ ルスカソード分極 初期の挙動は,電 析条件に依存する電析核形成過程が反映し ていることが確認で きた。電子顕微鏡 観察およびインピ ーダンス測定より,アルミニウム析出粒子 サイズはカソード電 流密度とともに小 さくをること,パ ルス分極により析出物が平坦化されること をどが示され,析出 物の表面粗度とパ ルス条件の関係を どが調査された。アノードパルスを併用し たカソードパルス(バイポーラパルス)分極条件の最適化により,めっきの平坦化および密着強度が 改善された。

  第6章は ,4章 で最 適 化され たジンケート前処 理により調整され たA291D合 金に対してイオン 液 体めっき浴よルアル ミニウムを電気め っきした結果に関 して述べている。ア ルミニウムはa相,ロ 相の両方の表面に均 一に析出した。電 析物の表面形態は 電析条件に依存し,例えばめっき層の緻密 さはパルス電析のデ ューティ比に依存 して変化した。最 適化されたバイポーラパルス電解条件を用 いて製膜したアルミ ニウムめっきはllMPa以上の 高い密着強度が得 られ,まためっき/下地界面で 剥離 する こ とは 顔か っ た。め っきした試料の耐 食試験をNa0水溶液中で行い ,耐食性の改善が 見 られた。

  第7章は 本論文の総括であ る。

  以上,本論文では,マグネシウム合金に対する実用的極耐食性めっきを施すために,腐食制御と電 気化学制御の観点か ら基材の前処理お よびめっき過程を 吟味し,また従来の水溶液浴以外にも新規 誼イオン液体浴を用いることで,密着性,均一性,低欠陥性の点で従来を大きく上回るニッケルおよ びアルミニウムめっ きを実現すること ができた。これら は,将来の利用拡大が期待されるマグネシ ウムの利用拡大に対 して工学的・学術 的に寄与するもの である。

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学 位 論 文 審 査 の 要 旨

主 査    教 授    安 住 和 久 副 査    教 授    幅 崎 浩 樹 副 査    准 教 授    上 田 幹 人

学 位 論 文 題 名

Corrosion protection of magneslumalloySbyeleCtrO ・depOSition     OfmetalCOatingSfromaqueouSSOlutionSandioniCliquid      (水溶液およびイオン液体からの金属電析コーテイングによる      マ グ ネ シ ウ ム 合 金 の 腐 食 防 食 に 関 す る 研 究 )

  資源量 が豊富であり,軽量 ,高い重量比強度といった特徴をもつ金属マグネシウムおよびその合金 は,携帯 ・運輸機器をどで今 後の利用拡大が期待される資源である。しかしをがら,マグネシウムは 耐食性が 著しく低い卑金属で あるためガルバニ ック腐食をどを受 けやすく,屋外で使 用される機材 社ど実用 面での利用拡大が制 約されている。そ のため,マグネシ ウム合金に対する耐 食性コーティ ング技術 の研究開発が国内外 で活発に展開され ている。この菰か でも耐食性金属めっ きは.コスト や簡易性 の点で利点がある。 本博士論文研究で は,最も広く用い られているマグネシ ウム合金であ るA291Dに対 し, 水 溶液 系のWatt浴 から の 耐食 性ニ ッ ケルめっき,およ ぴ非水溶媒である イオン 液体浴か らのアルミニウムめ っきを行うための 手法を開発した。 耐食性に乏しいマグ ネシウム合金 は,めっ き処理の各過程にお いて表面にダメージを受けやすく,また合金組成分布と組織構造に起因 する表面 活性の不均一性によ り,密着性の良いめっき層を得ることが困難である。そこで,めっきに 先立つ表 面調整として,表面 の保護と均一を活 性面を与えるため のジンケート前処理 法の最適化を 行った。 これに続くめっき過 程においても,腐 食と電気化学の観 点からの処理法・電 析条件の見直 しを行う ことで,従来に社い 高い密着性と欠陥 の少をい均一をめ っき膜が得られるこ とを示した。

  第1章は,マグネ シウムおよぴその合金の工業的を利用,物理,化学,機械的を特徴,および腐食特 性に関し て述べている。マグ ネシウム合金の防食技術に関する近年の発展を概観し,その問題点,お よび本研 究の目的について述 べている。

  第2章 は,マグ ネシウム合金のジ ンケート処理の改 善に関して述べてい る。ジンケート前 処理を 施 したA291D合金 表 面の 電子 顕 微鏡観察より ,亜鉛は主にa相表面に析出 し,ジンケート前 処理初 期 に超 音波 照 射を 行う こ とで ロ相 表面にも亜鉛析出 できることを明らか にした。この置換 面に対 し,マグ ネシウムに対するダ メージの少をいアルカリ浴を用いて銅電析めっきを行うことで.めっき 膜の密着 強度を改善すること ができた。めっき膜裏面の観察より,剥離はめっき/下地界面の銅′亜 鉛混在層 で起こっていること がわかった。また,鋼めっき浴にホウ酸を添加することで,めっき膜の 平滑性が 改善された。

  第3章 は,銅イ オンを活性化浴に 添加する「銅前処 理」がジンケート置 換面およびめっき 膜の品 質 改善 に及 ば す効 果に 関 して 述べ ている。A231に対 する通常のジンケー ト処理では,合金 表面の 粒界に亜 鉛の偏析が起こるた め,均一誼めっき 膜が得られをい。 これに対して微量の 銅イオンを添     ―84―

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加 した活性化浴にA231合金を浸涜すると ,合金表面に微小 を鋼が高密度で析 出し,これに続くジン ケ ート前処理過程に おいて銅微粒子が亜 鉛析出の核形成点 とをるため,亜鉛 置換面の亜鉛析出物密 度 およぴ均一性が改 善した。また,この 置換面に対して銅 を電析させた試料 の断面電子顕微鏡観察 より,めっきの均一性,銅析出密度,めっき/下地界面の低欠陥密度,および密着強度において大幅を 改 善が見られた。こ うしためっき膜の改 善に関して,電気化学測定,電子顕微鏡観察,エネルギー分 散 型X線分光 によりその機構を 調査した。

第4章は ,3章 に おい てA231のめ っき に 対し て大 き を改 善効 果 の得 られ た 「銅 前処 理 」をA291D 合 金に適用した結果 を述べている。両合 金は組成および組 織が異をるため, 前処理機構の比較検討 を 行 った。また耐食性 めっき膜として, より一般的をニッ ケル電析膜を製膜し た。A291Dに通常の ジ ン ケート前処理を適 用すると,a相表面で亜鉛の 偏析が起こる。こ れに対して銅前処 理を適用し たA291D合 金で は, 析 出し た銅 微 粒子 が電 極 電位 を貴 側 にシ フト さ せること で合金のa相とロ相 の 両方の表面の均一 溶解を促進させると ともに,亜鉛の迅速を置換析出を起こした。これにより,均 一 かつ高密度の亜鉛 析出が短い時間で形 成できた。この置 換面に対して薄い 銅のアンダーコート層 を 電析した後,ニッ ケルを電析した。め っき膜の断面電子顕微鏡観察より,欠陥が少をぃめっき膜′

下 地 の 界 面 構 造 が 確 認 さ れ , ま た 密 着 強 度 も 高 い こ と が 明 ら か に さ れ た 。   第5章 は ,イ オン 液 体か らの ア ルミ ニウ ム 電析 条件 の 最適 化に 関 して 述べ て いる 。マ グ ネシ ウ ム 合金 に対 し て耐 食性 が 高く 柔軟 な アル ミニ ウ ムめ っき を 施す こと は有効を手段 である。本 章 で は,マグネシウム 合金へのめっきに 先立ち,白金電極 に対してA103を含むEM[C(1 ‑ ethyl‑3 methylimidazolium chloride)イオン液体からの アルミニウム電析を行い,最適を電析条件を検討し た 。定電流またはパ ルスカソード分極初 期の挙動は,電析 条件に依存する電 析核形成過程が反映し て いることが確認で きた。電子顕微鏡観 察およびインピー ダンス測定より, アルミニウム析出粒子 サ イズはカソード電 流密度とともに小さ くをること.パル ス分極により析出 物が平坦化されること を どが示され,析出 物の表面粗度とパル ス条件の関係をど が調査された。ア ノードパルスを併用し た カソードパルス( バイポーラパルス) 分極条件の最適化により,めっきの平坦化および密着強度が 改 善された。

  第6章 は .5章 で最 適化 さ れた ジン ケ ート 前処 理により 調整されたA291D合金に対し てイオン液 体 め っき浴よルアルミ ニウムを電気めっ きした結果に関し て述べている。アル ミニウムはa相,ロ 相 の両方の表面に均 一に析出した。電析 物の表面形態は電 析条件に依存し, 例えばめっき層の緻密 さ はパルス電析のデ ューティ比に依存し て変化した。最適 化されたバイポー ラパルス電解条件を用 い て 製膜したアルミニ ウムめっきはllMPa以上の高 い密着強度が得ら れ,まためっき/ 下地界面で 剥 離 する こと は をか った 。め っきした試料の耐食 試験をNaCI水溶液 中で行い,耐食性 の改善が見 ら れた。

  第7章は本 論文の総括である 。

  これを要するに, 筆者は,マグネシウ ム合金に対する実用的を耐食性めっきを施すために,腐食制 御 と電気化学制御の 観点から基材の前処 理およびめっき過 程を吟味し,また 従来の水溶液浴以外に も 新規をイオン液体 浴を用いることで, 密着性,均一性,低欠陥性の点で従来を大きく上回るニッケ ル およびアルミニウ ムめっきを実現する ことができた。こ れらは,将来の利 用拡大が期待されるマ グ ネシウムの利用拡 大に対して工学的・ 学術的に寄与する ものである。よっ て筆者は,北海道大学 博 士(工学)の学位 を授与される資格あ るものと認める。

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参照

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