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学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 氏 名

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Academic year: 2021

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((別紙様式第7号)

学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名 Nguyen Lan Huong

審 査 委 員

主 査 井藤 和人 ◯ 副 査 中島 廣光 ◯ 副 査 横山 和平 ◯ 副 査 木原 淳一 ◯ 副 査 巣山 弘介 ◯

題 目

Genetic and Ecological Studies on 2,4-Dichlorophenoxyacetic Acid (2,4-D)- and 2,4,5-Trichlorophenoxyacetic Acid (2,4,5-T)-Degrading Bacteria in Vietnamese Soils

(ベトナム土壌における 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 (2,4-D)および 2,4,5-トリクロロ フェノキシ酢酸 (2,4,5-T)分解菌の遺伝学的および生態学的研究)

審査結果の要旨(2,000字以内)

本研究は、フェノキシ酢酸系除草剤である 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)および 2,4,5- トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)を主成分とする枯葉剤による汚染歴のあるベトナムの土壌 に生息する 2,4-D および 2,4,5-T 分解菌の遺伝学的および生態学的特徴を明らかにするための研 究で、その成果は以下の様に要約される。

枯葉剤が使用された経歴の有無に関係なく、ベトナムの広範囲にわたる 10 種類の土壌から、

様々な 2,4-D および 2,4,5-T 分解菌が単離された。353 株の分解菌は Burkholderia sp.、 Sphingomonas sp.およびRalstonia sp.の 3 つの主要な属と、Bradyrhizobium sp.とNocardioides sp.の 2 つのマイナーな属に分類された。全分解菌の内、65%は 2,4-D だけでなく 2,4,5-T も分解 し、それらは、10 箇所全ての土壌から単離され、Sphingomonas sp.、Burkholderia sp.および Bradyrhizobium sp.に分類された。Burkholderia sp.の分解菌はベトナムの中央部と南部のみか ら、また、Ralstonia sp.の分解菌は 1 つの例外的な菌を除いて、北部のみで単離された。

Sphingomonas sp.は広く分布していた。

2,4-D オキシゲナーゼをコードした tfdA は Burkholderia sp.、Ralstonia sp.、および Nocardioides sp.で検出され、tfdAと相同遺伝子であるtfdAαが Bradyrhizobium sp.で検出さ れた。2,4-DCP ヒドロキシラーゼをコードした tfdB はすべての分解菌で検出され、系統的に Ralstonia sp.、Nocardioides sp.およびBurkholderia sp.からなるグループ、Sphingomonas sp. からなるグループおよびBradyrhizobium sp.からなるグループに分類された。2,4,5-T オキシゲ

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ナーゼをコードしたtftAと相同性のあるcadAは、Bradyrhizobium sp.とSphingomonas sp.で検 出された。tftAと 2,4,5-TCP オキシゲナーゼをコードしたtftCはBurkholderia sp.の 2,4,5-T 分解菌にだけ検出された。

Bradyrhizobium sp.の 2,4-D 分解菌は、これまで農薬使用歴の無い環境からしか単離されてい なかったが、汚染された土壌からもBradyrhizobium sp.に属し、2,4-D だけでなく 2,4,5-T をも 分解する菌が単離された。Bradyrhizobium sp.の 2,4,5-T および 2,4-D 分解菌のtfdBの間には、

塩基配列で 59%、アミノ酸配列では 64%の相同性があり、それらは系統的に区別された事から、起 源が異なること、また、それらは水平伝達によって獲得された遺伝子であることが示唆された。

2,4-D 分解菌の TfdB はこれまでに報告されている TfdB と比較して 、より狭い範囲の基質にしか 活性を示さなかった。

単離した分解菌の中で Sphingomonas sp.、Bradyrhizobium sp.、Nocardioides sp.、および Burkholderia sacchari JS150 を除いて、単離した分解菌のほとんどがプラスミドを持ち、大き さが異なる少なくとも 4 種類のプラスミドが存在した。それらはtfd遺伝子を持っていたが、cad およびtft遺伝子は持っておらず、また、大きさの違いと土壌の採取場所や分解菌の系統学的グ ループとの関連性は無かった。これらの結果から、tfd 遺伝子は Burkholderia sp.および

Ralstonia sp.の間で、複数のプラスミドを媒体とした水平伝達によって、ベトナムに広く分布し

たものと考えられた。

ベトナム土壌の集積培養によって、多様な 2,4-D および 2,4,5-T 分解菌が単離された。単離さ れた分解菌の集積培養中における挙動と土壌懸濁液中の微生物群集の遷移を、16S rRNA 遺伝子に よる変性剤濃度勾配ゲル電気泳動分析(DGGE)によって検証した。それぞれのサンプルで、2,4-D および 2,4,5-T が分解した時の DGGE の主要なバンドの多くは、単離した 2,4-D および 2,4,5-T 分解菌の 16S rRNA 遺伝子と一致し、多様な分解菌微生物群集の遷移が明らかとなった。これらの 結果から、単離した 2,4-D および 2,4,5-T 分解菌が土壌懸濁液の中で 2,4-D および 2,4,5-T の分 解に主な役割をはたしていることを示した。

本研究は、高濃度の2,4-D および2,4,5-T に長期間汚染されたベトナムの土壌から多種多様な

2,4-Dおよび2,4,5-Tを単離し、それらの系統学的特徴や分解遺伝子、プラスミドおよび分解酵素

の特徴を調べ、これまでに報告されている分解菌との違いを明らかにした。さらに、2,4-D およ

び 2,4,5-T の土壌中での分解過程における微生物群集の変遷を調べ、単離された分解菌の挙動と

の関係から、培養法および非培養法のいずれもが重要であることを明らかにした点で、今後、分 解菌を含む土壌微生物の生態学的研究を進めていく上で重要な成果であり、博士(農学)の学位 を与えるに十分な価値を持つものと判定した。

参照

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