第一三共株式会社
コーポレートコミュニケーション部
IRグループ 白武 智子
日時:2017年3月23日(木)
将来の見通しに関する注意事項
本書において当社が開示する経営戦略・計画、業績予想、将来の予測や方針に関する情報、研究開発に関する情報 等につきましては、全て将来を見込んだ見解です。これらの情報は、開示時点で当社が入手している情報に基づく一定の 前提・仮定及び将来の予測等を基礎に当社が判断したものであり、これらには様々なリスク及び不確実性が内在しており ます。従いまして、実際の当社の業績は、当社の見解や開示内容から大きくかい離する可能性があることをご留意願いま す。また、本書において当初設定した目標は、全て実現することを保証しているものではありません。なお、実際の結果等に かかわらず、当社は本書の日付以降において、本書に記述された内容を随時更新する義務を負うものではなく、かかる方 針も有していません。 当社は、本書に記載された内容について合理的な注意を払うよう努めておりますが、記載された情報の内容の正確性、 適切性、網羅性、実現可能性等について、当社は何ら保証するものではありません。また、本書に記載されている当社グ ループ以外の企業・団体その他に係る情報は、公開情報等を用いて作成ないし記載したものであり、かかる情報の正確 性、適切性、網羅性、実現可能性等について当社は独自の検証を行っておらず、また、これを何ら保証するものではあり ません。 本書に記載の情報は、今後予告なく変更されることがあります。従いまして、本書又は本書に記載の情報の利用について は、他の方法により入手した情報とも照合し、利用者の判断においてご利用ください。 本書は、米国又は日本国内外を問わず、いかなる証券についての取得申込みの勧誘又は販売の申込みではありません。 本書は投資家判断の参考となる情報の公開のみを目的としており、投資に関する最終決定はご自身の責任においてご 判断ください。 当社は、本書に記載された情報の誤り等によって生じた損害について一切責任を負うものではありません。 1本日お話しする内容
医薬品市場について
第一三共の現況
第一三共の成長戦略
世界の医薬品市場(2015年 )
世界の医薬品市場は約1兆688億ドル規模
(約128兆円 $=120円換算)
うち日本は約7%を占める(約9兆円)
40.2%
13.5%
10.8%
7.3%
28.2%
米国
欧州主要5カ国
中国
日本
その他
©2016 IMSヘルスIMS Global Use of Medicines 2020 Report
*2
*3
*1:2015年1月-6月実績値、7月-12月予測値 *2:ドイツ・フランス・イタリア・スペイン・イギリスの合計値
世界の製薬企業ランキング (2015年)
順位
企業名
医薬品
売上高
17
武田薬品工業
13,681
19
アステラス製薬
11,391
24
大塚ホールディングス
8,612
25
第一三共
7,742
36
エーザイ
4,263
37
中外製薬
4,139
41
田辺三菱製薬
3,551
45
大日本住友製薬
2,996
47
塩野義製薬
2,507
順位
企業名
医薬品
売上高
1
ファイザー
(米国)
44,547
2
ノバルティス
(スイス)
43,415
3
ロシュ
(スイス)
41,071
4
サノフィ
(フランス)
34,804
5
メルク
(米国)
34,782
6
ギリアド・サイエンシズ
(米国)
32,639
7
ジョンソン&ジョンソン
(米国)
31,430
8
グラクソ・スミスクライン
(英国)
27,754
9
アストラゼネカ
(英国)
24,708
10 アッヴィ
(米国)
22,859
出典:NEW Pharma Future(Vol1, 2016年6-7月号 ) 編集・発行:研ファーマ・ブレーン *医療用医薬品、ワクチン、造影剤等の売上をまとめており、大衆薬(OTC)や動物薬、検査薬などを除外。 *2015年の為替レートは年平均レート
(単位:百万ドル)
トップ10
日本企業のランキング(50位まで)
日本の医薬品市場の構成
医療用医薬品
OTC医薬品
等
新 薬
(イノベーティブ医薬品)
後発医薬品
(ジェネリック医薬品)
• 一般用医薬品や配置用家庭薬など
• 薬局やドラッグストアなどで購入可能
• 個別ブランドとして宣伝が可能
医 薬 品
・ 医師の処方箋が必要
・ 公定価格(薬価)
製品名(Brand Name)
一般名(Generic Name)
約90%*
約10%*
薬が患者さんのお手元に届くまで
探索研究
非臨床
試験
臨 床 試 験
承認
審査
新薬
発売
再審査期間
(8年~
最長
10年)
新 薬 開 発 : 9 ~ 17 年
独占販売期間
化合物のうち新薬になるのは
わずか1/30,000
長期
収載品
GE
発売
製剤化
研究
生物学的
同等性
試験等
承認
審査
ジェネリック
開発
3~4年
Ⅰ Ⅱ Ⅲ
特許権存続期間(20年)+ 延長(最長5年)
7
商 号 第一三共株式会社
設 立 2005年9月
~三共と第一製薬の共同持株会社として設立~
株式上場 東証一部 (証券コード:4568)
株式売買単位 100株
代 表 者 代表取締役社長 兼 CEO
中山 讓治
会社概要
三 共
1899年~
第一製薬
1915年~
9企業理念
革新的医薬品を継続的に創出し、
多様な医療ニーズに応える医薬品を提供することで、
世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する。
世界中で約15,000名の社員が働いています。
- ドイツ - イギリス - アイルランド - フランス - スペイン - ポルトガル - イタリア - オランダ - ベルギー - オーストリア - スイス - トルコ - 中国 - 韓国 - 台湾 - 香港 - タイ - インド - ブラジル - ベネズエラ欧州
1800
アジア
1700
中南米400
北米
2500
日 本
8700
グループ従業員数
(2016年12月末現在)
11連結業績の概要
(単位:億円)
純資産
総資産
自己資本比率
12,335億円
19,005億円
64.8%
2015年度末
2015年度実績
対売上収益 比率売上収益
9,864
---売上原価
3,186
32.2%
販売費・一般管理費
3,288
33.3%
研究開発費
2,087
21.2%
営業利益
1,304
13.2%
税引前利益
1,224
12.4%
当期利益
(親会社帰属)
823
8.3%
地域別売上収益 構成比
(2015年度)
58%
28%
8%
6%
5,745億円
(前期比 4.6%増)
2,754億円
(前期比 19.8%増)
747億円
(前期比 5.2%減)
618億円
(前期比 0.5%増)
9,864
億円
グループ売上収益
(全地域)
その他地域
欧州
北米
日本
13日本の事業
(2015年度 売上収益)
4つの事業を通じ、様々な医療ニーズや社会の流れに
的確に対応することで、日本の医療に総合的に貢献
76%
3%
6%
9%
5%「信頼される医療パートナー」
として、先進医療の進歩に貢献
超高齢化時代の国民医療に貢献
OTC医薬品
(534億円)
~第一三共ヘルスケア~
セルフメディケーションを推進し、
健康寿命の伸長に貢献
ジェネリック
(185億円)
~第一三共エスファ~
その他
新 薬
(4,394億円)
~第一三共~
ワクチン
(368億円)
~北里第一三共ワクチン・
ジャパンワクチン~
保健衛生の向上に貢献
5,745
億円
日本における
売上収益
日本の新薬事業の主な製品
抗凝固剤
『リクシアナ』
一般名:エドキサバン高血圧症治療剤
『オルメテック』
一般名:オルメサルタン高血圧症治療剤などの循環器領域の治療剤を
はじめとする豊富な製品ラインアップ
抗潰瘍剤
『ネキシウム』
一般名:エソメプラゾールアルツハイマー型認知症治療剤
『メマリー』
一般名:メマンチン抗血小板剤
『エフィエント』
骨粗鬆症治療剤
『プラリア』
一般名:デノスマブがん骨転移による骨病変治療剤
『ランマーク』
一般名:デノスマブ 一般名:プラスグレル2型糖尿病治療剤
『テネリア』
一般名:テネリグリプチン循環器領域
15第一三共ヘルスケア製品(OTC医薬品
等
)
新ルル
AゴールドDX
ロキソニンS
ロキソニンSテープ
クリーンデンタル
エージー
アレルカット
ミノン
全身シャンプー
第一三共統合以来の業績推移
(単位:億円)
8,801 8,035 8,055 7,955 7,636 8,130 8,991 9,194 9,864 1,568 1,076 952 998 837 818 1,129 744 1,3042007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
第1期中期経営計画
第2期中期経営計画
第3期中期経営計画
統合シナジー創出と
成長基盤の拡充
グローバルハイブリッド
ビジネスの推進
パテントクリフを越えた
持続的成長の実現
売上収益 営業利益 ※ ランバクシーを除く、業績推移 1710,000 15,000 20,000 25,000 1,000 1,500 2,000 2,500
株価推移
(2014年4月以降)
第一三共 株価(円) 日経225 株価(円)2017年2月末
株 価
2,560.5円
一株あたり
純資産 1,801.9円
配当利回り 2.7% (年70円)
時価総額
1兆8,154億円
手元資金
約7,000億円
経営方針の転換
<中期経営方針>
第4期
中期経営計画
発 表
第一三共の成長戦略
2025年ビジョン
がんに強みを持つ
先進的グローバル創薬企業
がん事業を中心とするスペシャルティ
*
領域での事業が中核
(*病院・専門医で処方される医薬品)
各国市場に適合したリージョナルバリュー
*
製品が豊富
(*各地域の事業戦略に適合した製品)
SOC
*
を変革する先進的な製品・パイプラインが充実
(*スタンダード オブ ケア=現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法)
主要死因別死亡率の年次推移(日本)
0
50
100
150
200
250
300
1985 1990 1995 2000 2005 2010 2011 2012 2013 2014
悪性新生物
心疾患
肺炎
脳血管疾患
老衰
(年)
(対人口10万人)
(人)
5年ごと
各年
がん
出所:厚生労働省「人口動態統計」より医薬産業政策研究所にて作成が ん
21全世界の治療領域別市場動向(2015年)
ランク
治療領域
*全世界の処方箋薬・OTC薬の売上
2015
($ Bn)成長率
*21
抗がん剤
83.2
+5%
2
抗ウイルス剤
50.7
+18%
3
抗リウマチ剤
48.8
0%
4
糖尿病治療薬
41.7
0%
5
気管支拡張薬
30.2
-7%
6
高血圧治療薬
25.7
-16%
グローバルでのがん市場規模
年間約9兆6千億円
($=115円換算)
第4期中期経営計画の位置づけ
2025年
ビジョン
がん
に強みを持つ
先進的グローバル
創薬企業へ
2016~2020
第4期中計
[転 換]
循環器
や
感染症
等
世界中で使われる薬を
生み出してきた
23第4期中期経営計画 2つの課題
経営課題 ①
オルメサルタン パテントクリフの克服
持続的成長基盤の確立
パテントクリフとは
「 特 許 の 崖 」
特許権満了時の売上収益推移グラフ(イメージ)
特許権
満了
ジェネリック医薬品発売
25オルメサルタンの特許満了
921
870
1,116
720
589
420
216
210
2015年度
2016年度
その他
欧州
米国
日本
(予想)
9,864
億円オルメサルタンのグローバル売上収益
(2015年度)
29%
2,841
億円連結売上収益の29%を占めるオルメサルタンの
特許期間が2016年以降、世界各国で順次満了
グローバル
売上収益
2,220
億円経営課題2
持 続 的 成 長 基 盤 の 確 立
経営課題1
オルメサルタン パテントクリフ
*1
の克服
* パテンクリフ(特許の崖):特許満了による売上と利益の減少2020年度
目標
営業利益
1,650
億円
売上収益
1兆1,000
億円
第4期中期経営計画
2015年度
実績
営業利益1,304
億円
売上収益
9,864
億円
パテントクリフ*2017年度
目標
営業利益1,000
億円
売上収益
9,400
億円
既存主力製品の 成長加速 コスト削減
後期開発パイプライン
(新薬候補)価値向上
ROE8%以上の実現
27戦略目標 ~持続的成長基盤の確立に向けて~
① エドキサバン
(日本製品名: リクシアナ)
の成長
② 日本No.1カンパニーとしての成長
③ 米 国 事 業 の 拡 大
④ 利 益 創 出 力 の 強 化
⑤ がん事業の立上げ・確立
⑥ SOCを変革する先進的新薬の継続的創出
(現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法)
6つの戦略目標
① エドキサバン(リクシアナ)の成長
150
億円
2015
2017
2020
中長期成長の柱へ育成
2020年度までに
売上収益
1,200
億円
以上へ
■
その他
■
日欧
(日本製品名:リクシアナ)
抗凝固剤 エドキサバン
市場を上回る順調な売上の伸長
新規処方患者シェアの拡大
販売国の拡大
2016年度
29静脈血栓
(血液の固まり)
抗凝固剤
リクシアナ
治療薬
血流
① エドキサバン(リクシアナ)の成長
抗凝固剤 リクシアナ
静脈や心房内で、血液が固まることを抑えます
心房細動による血液の固まりが原因となる脳梗塞
等
の予防、及び
肺塞栓症
や、いわゆる
エコノミークラス症候群の治療・予防に用いられます
1,655
リクシアナ
(億円)1.6%
14
128
237
0
300
600
900
1,200
1,500
2014年
2015年
2016年
1,290
889
9.9%
14.3%
Copyright © 2017 QuintilesIMS. JPM 2014年1月-2016年12月をもとに作成 無断転載禁止① エドキサバン(リクシアナ)の成長
日本における成長 新規の経口抗凝固剤の市場は順調に拡大中
リクシアナの売上シェアも14.3%まで伸長
(暦年ベース
) 31② 日本No.1カンパニーとして成長
1,711
億円
2,260
億円
2020年度までに
売上収益
2,430
億円
以上へ
(主要6品目合計)
抗潰瘍剤
ネキシウム
アルツハイマー型
認知症治療剤
メ マ リ ー
骨粗鬆症治療剤
プラリア
がん骨転移による
骨病変治療剤
ランマーク
抗血小板剤
2型糖尿病治療剤
主力製品の成長
シェア
No.1
シェア
No.1
シェア
No.1
シェア
No.1
② 日本No.1カンパニーとして成長
332012
2013
2014
2015
2016
武田薬品工業
アステラス製薬
第一三共
中外製薬
ファイザー
田辺三菱製薬
MSD
ノバルティス ファーマ
エーザイ
医療用医薬品 国内販売会社
売上推移 2012年-2016年
(暦年ベース)
出所: Copyright (c) 2017 QuintilesIMS. IMS医薬品市場統計(トップライン市場データ)をもとに作成 (無断複製・転載禁止)
2016年8月
抗てんかん剤
「ビムパット」
の発売および効能追加申請
2016年7月
Amgen社からの
バイオ後続品
(9品目)の導入
4年連続
医師からのMR評価 No.1
の獲得
(株式会社アンテリオ 調査)
② 日本No.1カンパニーとして成長
2016年度 主な取り組み状況
③ 米国事業の拡大
第一三共Inc.(DSI)
(ニュージャージー州)
ルイトポルド・
ファーマシューティカルズInc.(LPI)
(ニューヨーク州)
主力領域を循環器領域から
疼痛領域、がん領域へ転換
鉄欠乏性貧血領域、及び
ジェネリック注射剤 に強み
35③ 米国事業の拡大
■
ミロガバリン
■
モバンティック
CL-108
2020年度までに
売上収益
1,000
億円
以上へ
第一三共Inc.
疼痛領域での事業拡大
20
億円
ルイトポルド
鉄欠乏性貧血領域の成長
910
億円1,200
億円2020年度までに
売上収益
1,500
億円
*へ
■
ジェネリック注射剤
他■
鉄欠乏性貧血治療剤
インジェクタファー
Inspirion社から
オピオイド鎮痛薬
(乱用防止製剤)
2剤を導入
2016年度
186
億円④ 利益創出力の強化
研究開発費
原価
販管費
利益創出
中計での
実現
グローバル
生産体制最適化
グループ全体での大幅なコスト削減・効率化
調達機能の強化
国内外の4つの研究開発拠点の閉鎖(機能集約)を決定
2016年度 主な取り組み状況
~2015
年度
秋田工場売却
日本構造改革
研究開発体制
再編
欧州営業体制
再編
米国営業体制
再編
37⑤ がん事業の立上げ・確立
パイプライン (新薬候補) 拡充
2020年度までに
売上収益
400
億円
以上へ
2025年度までに
売上収益
3,000
億円
規模へ
がん領域での大きな変革
DS-8201
フラッグシップアセット
新たなフランチャイズ
強力なリサーチエンジン
戦略的投資
⑤ がん事業の立上げ・確立
オンコロジー研究開発グローバルヘッド
アントワン イヴェル
39⑤ がん事業の立上げ・確立
抗体薬物複合体(ADC)
急性骨髄性白血病(AML)
第一三共がん領域の
新しい2つのフランチャイズ
複数の新規薬剤の開発
独自技術の開発 ・ 開発技術の応用
41
⑤ がん事業の立上げ・確立
第一三共独自の技術
抗体*
リンカー
抗体薬物複合体(ADC)
薬物
抗体薬物複合体
G
② 強い効果
と
特徴的な性質
① 前世代ADCの
2倍の薬物搭載
による
効果増強
血中での高い
安定性
を保ち、
薬物と抗体を
一体化
抗原
が
ん
細
胞
正
常
細
胞
が
ん
細
胞
H
標的がん細胞の
表面の抗原と結合し、
薬物を特異的に送達
*抗体 : 特定の異物である抗原に作用することで、生体の防御に関わっている分子。
抗体は、医薬品としても用いられており、「抗体医薬品」もしくは、「バイオ医薬品」 と呼ばれる。
乳がん
グローバルで承認を目指す
患者さんの未充足ニーズが高い
日本で承認を目指す
胃がん
FDA
優先承認審査
指定
次世代の抗体薬物複合体(ADC)
フラッグシップアセット:第一三共にがん領域で強みをもたらす鍵
DS-8201(HER2 ADC)
⑤ がん事業の立上げ・確立
43
欧州臨床腫瘍学会(ESMO)ハイライト演題
B: 乳がん G: 胃がん