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オプジーボ 適正使用ガイド

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(1)

適 正 使 用 ガ イ ド

日本標準商品分類番号 874291

〔警 告〕

1.本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験

を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。

また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を

得てから投与すること。

2.間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(息切れ、

呼吸困難、咳嗽、疲労等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。ま

た、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適

切な処置を行うこと。

(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)

〔禁忌(次の患者には投与しないこと)〕

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

オプジーボの適正使用情報は、下記ホームページでもご確認いただけます。 https://www.opdivo.jp/

特に注意を要する副作用

間質性肺疾患、肝機能障害・肝炎、甲状腺機能障害、Infusion reaction

抗悪性腫瘍剤/ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体

ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤

生物由来製品、劇薬、処方箋医薬品注) 注)注意−医師等の処方箋により使用すること

,

※:根治切除不能な悪性黒色腫 製造販売 プロモーション提携

悪性黒色腫

2014年9月∼2015年3月

(2)

適正使用のお願い

①緊急時に対応できる医療施設において、十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用してください 本剤の国内における使用経験は、現時点では非常に限られており、販売開始後に本剤投与による未知の副 作用が発現する可能性があります。緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知 識・経験を持つ医師のもとで、投与してください。 ②本剤の使用が適切と判断される患者さんについてのみ投与を行ってください 対象患者を慎重に選択してください。特に、間質性肺疾患のある患者さんやその既往歴のある患者さん、 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者さんにおいては、慎重 に投与の可否をご検討ください。 ③患者さん又はその家族に有効性及び危険性について十分説明し同意を得てください 本剤投与前に、患者さん又はその家族に本剤の効果及び起こり得る副作用とその対策等について十分説 明し、同意を得てから投与を開始してください。 ④間質性肺疾患には、特に十分な注意を払ってください 本剤投与により、間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されています。また、間質性肺疾患の ある患者さん又はその既往歴のある患者さんでは、間質性肺疾患が増悪するおそれがあります。投与開始後 は息切れ、呼吸困難、咳嗽、疲労、発熱、肺音の異常(捻髪音)等の臨床症状の確認及び胸部X線検査の実施、 SpO2のモニタリング等、観察を十分に行ってください。異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部 CT、血清マーカー等の検査を実施し、必要に応じて呼吸器専門医と連携してください。 間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ステロイドの投与等の適切な処置を行ってくだ さい。また、呼吸困難、咳嗽、発熱等があらわれた場合には、直ちに連絡するよう患者さんに対しご指導ください。 本剤の使用に際しては、最新の製品添付文書及び本適正使用ガイドを熟読の上、適正使用をお願いいたし ます。 オプジーボ投与開始 使用方法(P.25) 主な副作用とその対策 (P.3∼19) 投与中の注意点 (P.26) 治療体制の確認 ① 投与対象患者の選択 (P.23) ② 投与前のチェック インフォームド・コンセント (P.24) ③ 患者さんへの説明・同意の取得 経過観察と副作用対策 副作用発現時には、必要に応じてオプジーボの投与を 中止するなど適切な処置を行ってください。 ④

(3)

2

治療の流れ

……… 1

適正使用のお願い

……… 1

主な副作用とその対策

……… 3

−特に注意を要する副作用

……… 3 間質性肺疾患 ……… 3 肝機能障害、肝炎 ……… 9 甲状腺機能障害 ……… 11 Infusion reaction……… 13

−発現のおそれのある副作用

……… 16 過度の免疫反応 ……… 16

−その他の副作用

……… 17 皮膚障害 ……… 17 ブドウ膜炎 ……… 18 有害事象

治療における注意点

……… 19

国内第Ⅱ相試験(ONO-4538-02)における副作用

……… 20

海外第Ⅰ相試験(CA209003)における副作用

……… 21

オプジーボ使用に際しての注意

……… 23 投与前

投与対象患者の選択

……… 23 投与前

インフォームド・コンセント

……… 24 投与時

使用方法

……… 25 投与中

投与中の注意点

……… 26

参考資料

……… 27

国内第Ⅱ相試験(ONO-4538-02)における患者の選択基準及び除外基準

……… 27

国内第Ⅱ相試験(ONO-4538-02)における有害事象の対処法

……… 29

DrugInformation

目次

(4)

間質性肺疾患

●間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されています。 ● 息切れ、呼吸困難、咳嗽、疲労、発熱、肺音の異常(捻髪音)等の臨床症状の確認及び胸部X線検査の実施、 SpO2のモニタリング等、観察を十分に行ってください。 ● 異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施し、必要に応じて呼 吸器専門医と連携してください。 ● 間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ステロイドの投与等の適切な処置を行ってくだ さい。 [発現状況]1,2) 重篤な副作用として、国内第Ⅱ相試験においては間質性肺炎が1例に認められ、その発現時期は投与開始80日 目でした。また、海外第Ⅰ相試験においては間質性肺疾患が1例、肺臓炎が7例、肺浸潤が2例に認められ、その発現 時期は間質性肺疾患が投与開始82日目、肺臓炎7例が投与開始22~499日目、肺浸潤2例が投与開始53日目と 220日目でした。 間質性肺炎とは3,4,5) 薬剤性肺障害で最も頻度が高いのが間質性肺炎です。一般的に薬剤性肺障害の発症機序は、ほとんどが不明 であり、基本的には細胞障害性薬剤によるⅡ型肺胞上皮細胞、気道上皮細胞あるいは血管内皮細胞に対する直接 毒性及び免疫系細胞の活性化の機序が考えられています。臨床病型には、急性間質性肺炎/びまん性肺傷害パ ターンや特発性器質化肺炎/器質化肺炎を伴う閉塞性細気 管支炎パターンなどいくつかのパターンがありますが、本剤 投与後に発現する間質性肺炎のパターンについては、データ の集積が不十分なため不明です。 間質性肺炎は、肺の間質に特異的に炎症が起こり、血液に 酸素が取り込めず低酸素血症となり呼吸苦となります。また、 進行しコラーゲン線維などの結合組織が増加して間質が厚 く硬くなり(図)、広範囲に炎症や線維化が進むと、呼吸不全と なり死に至ることがあります。 薬剤性肺障害のリスク因子は、年齢60歳以上、既存の肺病変(特に間質性肺炎)、肺手術後、呼吸機能の低下、 酸素投与、肺への放射線照射、抗悪性腫瘍薬の多剤併用療法、腎障害の存在などが挙げられます。 [主な自覚症状]6) 間質性肺疾患:発熱、から咳、息苦しい、息切れ 抗癌剤治療における薬剤性間質性肺炎ガイドブック、 2007年、株式会社医科学出版社

主な副作用とその対策

−特に注意を要する副作用

間質性肺疾患

間質性肺疾患 ICH国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J)において、PT(基本語)の間質性肺疾患のLLT(下層語)として、間質性肺疾患、間質性肺炎、 memo

(5)

4 [診断] 自覚症状は薬剤性肺障害を診断する過程で重要となります。呼吸器症状としては、息切れ・呼吸困難、乾性咳 嗽、胸痛(胸膜炎、胸水貯留)、喘鳴(気道病変)、血痰(肺胞出血)があります。また、呼吸器感染症や肺水腫との鑑別 には特に注意が必要です3) 投与開始後は、早期発見のため定期的な胸部画像検査と血清マーカーやSpO2のモニタリング等を実施し、 臨床所見及び自覚症状の発現にご注意ください。異常が認められた場合は、呼吸器専門医に直ちにご相談く ださい。また、呼吸困難、咳嗽、発熱等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者さんに対しご指導くだ さい。 薬剤性肺障害の診断フロー 投与前 投与中 疑い時 身体所見 胸部聴診(ラ音の聴取) 症状・身体所見 咳(特に乾性) 息切れ・呼吸困難・ ラ音の聴取 症状・身体所見 皮疹, 咳(特に乾性), 息切れ・呼吸困難・ラ音の聴取 臨床検査 血算, 血液像, CRP, 肝機能, KL-6, SP-A, SP-D, DLST 鑑別診断(感染症など) β-Dグルカン サイトメガロウイルス抗原 喀痰 細菌塗抹・培養・DNA検査 抗酸菌塗抹・培養・DNA検査 ニューモシスチスDNA検査 胸部X線画像 胸部CT(HRCT)画像 胸部X線画像 胸部CT(HRCT)画像 胸部X線画像 胸部CT(HRCT)画像 KL-6, SP-D 薬剤性肺障害 BAL 肺病理 組織所見 原疾患の悪化 感染症の併発 KL-6, SP-D 日本呼吸器学会、薬剤性肺障害の診断・治療の手引き、2012年、株式会社メディカルレビュー社

(6)

 国内臨床試験においては、下記のアルゴリズムを使用しております。必要に応じて呼吸器専門医と連携し、本剤 の投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。 【肺関連有害事象の対処法アルゴリズム】 • オプジーボの投与の延期を検討する • 2∼3日ごとに症状のモニタリングを 行う • 呼吸器及び感染症専門医との協議を 検討する • オプジーボの投与を延期する • 呼吸器及び感染症専門医と協議する • 毎日症状のモニタリングを行い、入 院を検討する • 1.0mg/kg/日の静注メチルプレドニ ゾロン又はその等価量の経口剤を投 与する • 気管支鏡検査及び肺生検を検討する • オプジーボの投与を中止する • 入院 • 呼吸器及び感染症専門医と協議する • 2∼4mg/kg/日の静注メチルプレド ニゾロン又はその等価量の副腎皮 質ステロイドを静注する • 日和見感染症に対する抗生剤の予防 投与を追加する • 気管支鏡検査及び肺生検を検討する • 少なくとも3週間ごとに画像診断を行う 症状が悪化した場合 : • Grade 2又は3∼4の対処法で治療する • 1∼3日ごとに画像診断を行う 症状が改善した場合 : • 症状がベースライン時の状態近くまで改善した場合、少なくとも 1ヵ月以上かけてステロイドを漸減する。オプジーボの投与を 再開する。抗生剤の予防投与を検討する 症状が2週間を超えて改善しない又は悪化した場合 : • Grade 3∼4の対処法で治療する 症状がベースライン時の状態に改善した場合 : • 少なくとも6週間以上かけてステロイドを漸減する 症状が48時間を超えて改善しない又は悪化した場合 : • 免疫抑制剤の追加投与を行う(インフリキシマブ、シクロホスファ ミド、静注免疫グロブリン(IVIG)、ミコフェノール酸モフェチル) 肺臓炎のGrade (CTCAE v4) 対処法 フォローアップ Grade 1 Grade 2 Grade 3∼4 画像的変化のみ 軽 度 ∼ 中 等 度 の 新 たな 症状 重度の新たな症状 ; 新たな低酸素症/低酸素 症の悪化 ; 生命を脅かす

(7)

6

CASE REPORT

国内第Ⅱ相試験において、本剤との関連性が否定できない重篤な間質性肺炎を発現した症例の経過をご紹介 します1)

症例①

●間質性肺炎(Grade2) ●60歳代、女性 ●合併症:色素性乾皮症、不眠、ドライアイ ●診断名:悪性黒色腫 ●用 量:2mg/kg 肺転移観察。 胸部X線検査にて右肺野の陰影の増強を認め、痰も増加したため、インターフェロンβ投与開始。翌朝、37.8度の発熱。 胸部CT検査、気管支鏡検査実施、入院。プレドニゾロン20mg/日を再開し、抗生剤投与開始。 解熱。喀痰はほとんどなく、労作時呼吸困難も認めず。 BAL所見でリンパ球優位を認め、抗生剤投与中止。薬剤性肺炎の再燃。 改善傾向にあり退院。 胸部X線検査にて肺炎の改善傾向を認めた。その後、肺炎像の消失及び再燃がないことも確認され、 プレドニゾロンは漸減しDay 227に投与終了。回復。 Day オプジーボ2mg/kg投与開始。 1 オプジーボ2mg/kg投与(4回目、最終投与日)。胸部X線検査にて間質性肺炎の疑いあり。 66 胸部X線検査にて肺野陰影はほぼ消失。プレドニゾロン投与終了。 143 178 180 181 183 185 199 SpO2 98% 80 81 84 85 88 89 90 92 100 115 腫瘍評価のCT検査にて肺に非典型的な陰影が観察され、間質性肺炎が疑われ入院。抗生剤点滴投与。 4日程前より咳嗽及び黄痰、夜間の微熱あり。 胸部X線検査にて改善傾向を確認。最高体温38.1度。 軽度の息切れ、微量血痰あり。37.9度。胸部X線検査にて左上葉陰影のやや拡大を認めた。 気管支鏡検査(Day 80)の結果、器質線維化が著明な肺組織がみられ、抗生剤中止。 カヌラで酸素2L投与。 37.8度。胸部X線検査にて肺野陰影の範囲がさらに拡大傾向を認め、プレドニゾロン20mg/日投与開始。 36.0度に解熱。 胸部X線検査にて肺野陰影に改善傾向を認めた。酸素1Lに減量。 胸部X線検査にて肺野陰影の改善傾向の維持を認め、翌日退院。 胸部X線検査にて肺野陰影はわずかに残るまで改善。プレドニゾロン10mg/日へ減量(その後漸減)。 SpO2 91∼92% SpO2 95% SpO2 90%台前半 SpO2 93∼97% SpO2 95∼97% 経 過 −201 オプジーボ投与中止

(8)

症例②

●肺臓炎(Grade4) ●60歳代、男性 ●診断名:非小細胞肺がん(非扁平上皮がん) ●用 量:1mg/kg オプジーボ1mg/kg投与開始。 Day オプジーボ1mg/kg投与(2回目、最終投与日)。 胸部X線にてびまん性の浸潤を認めた。 17 18 22 23 26 29 30 CT検査にて両側性の間質性浸潤及び肺胞浸潤を認め、肺臓炎(Grade 4)と診断。経験的抗生物質療法開始。 メチルプレドニゾロン1g/日投与開始。 インフリキシマブ1回投与し、メチルプレドニゾロン500mg/日へ減量。 気管支生検にて糸状菌が検出され、敗血症と判断。肺の状態に臨床的改善がみられず。 抗生剤(広域スペクトル)投与開始。 心肺停止により死亡。 経 過 1 オプジーボ投与中止

症例③

●肺臓炎(Grade3) ●50歳代、男性 ●診断名:結腸直腸がん ●用 量:10mg/kg Day オプジーボ10mg/kg投与(7回目、最終投与日)。 胸部X線にて左側の肺浸潤を認めた。 肺臓炎(Grade 3)と診断。 抗生剤投与開始。 85 89 91 92 99 102 103 106 109 CT検査にて両側性の間質性肥厚及びすりガラス陰影を認め、斑状の基底浸潤影を伴っていた。メチルプレドニゾロン500mg をDay101まで投与。 プレドニゾン60mg投与開始。 急性呼吸窮迫症候群(Grade 4)と診断。プレドニゾン投与後メチルプレドニゾロン500mg/日に変更し、Day113まで投与 (その後漸減)。 ミコフェノール酸モフェチル2g/日をDay120まで投与。 インフリキシマブ投与。 経 過 オプジーボ10mg/kg投与開始。 1 喀痰培養にてエンテロコッカス・ラフィノーサス陽性。 118 オプジーボ投与中止 注)本邦において承認されているオプジーボの効能・効果は「根治切除不能な悪性黒色腫」、用量は2mg/kgです。 海外第Ⅰ相試験(CA209003)において、本剤との関連性が否定できない間質性肺疾患を発現後に死亡した症 例の経過をご紹介します2)。  

CASE REPORT

(9)

8

症例④

●肺臓炎(Grade4) ●40歳代、女性 ●診断名:非小細胞肺がん(非扁平上皮がん) ●用 量:1mg/kg Day CT検査にて肺臓炎の改善を認めた。 エルロチニブ投与開始。 36 37 息切れ増悪のため、ビノレルビン投与中止。 呼吸困難増悪のため、エルロチニブ投与中止。 64 66 CT検査により、肺臓炎(Grade 4)と診断。メチルプレドニゾロン50mgを1日3回と抗生剤の投与開始。 インフリキシマブ投与。 86 89 X線及びCT検査により肺臓炎(Grade 4)と診断。メチルプレドニゾロン50mgを1日3回、2日間静注。 プレドニゾン60mg投与(症状に応じ漸減投与)。 29 経 過 オプジーボ1mg/kg投与開始。 1 オプジーボ1mg/kg投与(2回目、最終投与日)。 14 ビノレルビン投与開始。 57 プレドニゾン漸減投与。 112 肺臓炎及び非小細胞肺がんに伴う呼吸不全により死亡。 120 オプジーボ投与中止 注)本邦において承認されているオプジーボの効能・効果は「根治切除不能な悪性黒色腫」、用量は2mg/kgです。 海外第Ⅰ相試験(CA209003)において、本剤との関連性が否定できない間質性肺疾患を発現後に死亡した症 例の経過をご紹介します2)

CASE REPORT

(10)

肝機能障害、肝炎

● AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、γ-GTP増加、Al-P増加等を伴う肝機能障害、肝炎があらわれることがあ ります。 ●本剤の投与開始前は、毎回、肝機能検査値を確認するなど、観察を十分に行ってください。 ● 異常が認められた場合には、肝機能障害の原因鑑別のための精密検査を行い、投与を中止するなど、適切 な処置を行ってください。また、必要に応じて消化器専門医と連携してください。 [発現状況]1,2) 重篤な副作用として、国内第Ⅱ相試験においては肝障害が2例に認められ、その発現時期は投与開始2日目と 83日目でした。また、海外第Ⅰ相試験においては肝炎が2例、AST(GOT)増加が1例、ALT(GPT)増加が1例、トラン スアミナーゼ上昇が1例に認められ、その発現時期は肝炎2例が投与開始15日目と251日目、AST(GOT)増加と ALT(GPT)増加は同一症例で投与開始155日目、トランスアミナーゼ上昇が投与開始43日目でした。 国内第Ⅱ相試験発現例 性別 年齢 有害事象名(程度) 投与開始 から発現 までの日 数 有害事象 の持続期 間 有 害 事 象 発 現 後の本剤の投与 状況 処置 転帰 女性 30歳代 肝障害 (Grade 3) 2日 46日 休薬(当該事象発現後に投与は 再開されず、肺 転移を含む原疾 患の悪化のため 試験中止) ブドウ糖-電解質液(開始液)、ブドウ糖-電解質 液(維持液)、ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸 液、プレドニゾロン錠、注射用プレドニゾロンコ ハク酸エステルナトリウム、乳酸リンゲル液、ベ タメタゾン錠、ベタメタゾンリン酸エステルナ トリウム注射液、グリチルリチン酸一アンモニ ウム・グリシン・L-システイン塩酸塩水和物 軽快 女性 60歳代 肝障害 (Grade 3) 83日 113日 中止 プレドニゾロン錠、乳酸リンゲル液 消失 [主な自覚症状]6) 肝機能障害:からだがだるい、白目が黄色くなる、吐き気、嘔吐、食欲不振、かゆみ、皮膚が黄色くなる、尿が黄褐色 になる 肝炎:からだがだるい、白目が黄色くなる、吐き気、嘔吐、食欲不振、皮膚が黄色くなる [診断]7) 本剤の投与開始前は、毎回、肝機能検査値を確認してください。肝機能障害の発現が本剤に関連しない原因(感 染症、疾患の進行、併用薬、アルコールなど)と考えられる場合と本剤との関連性が疑われる場合とでは、対処法が 全く異なるため、鑑別のための評価又は精密検査が重要です。 ▶P.26 国内第Ⅱ相試験「検査スケジュール」 参考

肝機能障害、肝炎

(11)

10 [対処法]  国内臨床試験においては、下記のアルゴリズムを使用しております。必要に応じて消化器専門医と連携し、本剤 の投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。 【肝関連有害事象の対処法アルゴリズム】 • オプジーボの投与を継続する • オプジーボの投与を延期する • 肝機能モニタリングを3日ごとに行う • オプジーボの投与を中止する* • 肝機能モニタリングを1∼2日ごとに 行う • 1∼2mg/kg/日の静注メチルプレド ニゾロン又はその等価量の副腎皮 質ステロイドを静注する** • 日和見感染症に対する抗生剤の予防 投与を追加する • 消化器専門医と協議する • 肝機能モニタリングを継続する 肝機能が悪化した場合 : • Grade 2又は3∼4の対処法で治療する 肝機能がベースライン時の状態に改善した場合 : • 通常診療時の肝機能モニタリングに切り替える。オプジーボの投 与を再開する 上昇が5∼7日を超えて持続する又は悪化した場合 : • 0.5∼1.0mg/kg/日の経口メチルプレドニゾロン又はその等価量 の経口剤を投与し、肝機能がベースライン時の状態又はGrade 1 に回復した場合は少なくとも1ヵ月以上かけてステロイドを漸減し、 日和見感染症に対する抗生剤の予防投与を検討する。オプジーボ の投与を再開する 肝機能がGrade 2に改善した場合 : • 少なくとも1ヵ月以上かけてステロイドを漸減する 肝機能が3∼5日を超えて改善しない、悪化又は再度悪化した場合 : • ミコフェノール酸モフェチル1gの1日2回投与を追加する • それでも3∼5日以内に治療への反応が認められない場合は、ガイ ドラインに従い他の免疫抑制剤の使用を検討する 肝機能検査値 上昇のGrade (CTCAE v4) 対処法 フォローアップ Grade 1 Grade 3∼4 AST又はALTが施設正常 値上限∼3倍以下、総ビリ ルビンが施設正常値上限 ∼1.5倍以下又はその両 方 Grade 2 AST又はALTが施設正常 値の3倍∼5倍以下、総ビ リルビンが施設正常値の 1.5倍∼3倍以下又はその 両方 AST又はALTが施設正常 値5倍超、総ビリルビンが 施設正常値の3倍超又は その両方 *: AST又はALTが施設正常値の8倍以下でかつ総ビリルビンが施設正常値の5倍以下である場合は、オプジーボの投与を中止せずに、延期 してもよい。 **:Grade 4の肝炎に対して推奨される開始用量は静注メチルプレドニゾロンの2mg/kg/日である。

(12)

甲状腺機能障害

甲状腺機能障害

●甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症等の甲状腺機能障害があらわれることがあります。 ● 本剤の投与開始前及び投与期間中は、定期的なTSH、FT3、FT4等の測定を実施し、異常が認められた場合 には、必要に応じて内分泌専門医と連携するなどし、適切な処置を行ってください。 ● 副腎機能低下(不全)を併発する場合がありますので、必要に応じて一般的な血液検査に加えACTH、コル チゾールの測定を実施してください。 [発現状況]1,2) 重篤な副作用として、国内第Ⅱ相試験においては甲状腺機能低下症が1例に認められ、その発現時期は投与開 始169日目でした。また、海外第Ⅰ相試験においては甲状腺機能低下症が1例、甲状腺機能亢進症が1例に認めら れ、その発現時期は甲状腺機能低下症が投与開始113日目、甲状腺機能亢進症が投与開始41日目でした。 国内第Ⅱ相試験発現例 性別 年齢 有害事象名(程度) 投与開始 から発現 までの日 数 有害事象 の持続期 間 有 害 事 象 発 現 後の本剤の投与 状況 処置 転帰 女性 50歳代 甲状腺機能 低下症 (Grade 2) 169日 274日 休薬(当該事象 発現後に投与は 再開されず、細 菌性肺炎のため 試験中止) レボチロキシンナトリウム錠 軽快 [主な自覚症状]6) 甲状腺機能低下症:からだがだるい、むくみ、寒がりになる、動作やしゃべり方が遅い 甲状腺機能亢進症:汗をかきやすい、体重が減る、眼球突出、甲状腺のはれ、胸がドキドキする、手のふるえ、不眠 [診断] 本剤の投与開始前及び投与期間中は、定期的なTSH、FT3、FT4等の測定を実施してください。また、内分泌障 害の症例において、副腎機能低下(不全)を併発する場合がありますので、倦怠感などが出現した際には、一般的 な血液検査に加えACTH、コルチゾールなどを測定してください。 ▶P.26 国内第Ⅱ相試験「検査スケジュール」 参考

(13)

12 [対処法]  国内臨床試験においては、下記のアルゴリズムを使用しております。必要に応じて内分泌専門医と連携し、本剤 の投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。 【内分泌障害の対処法アルゴリズム】 • オプジーボの投与を継続する • TSHが施設正常値下限の0.5倍未満又は上限の2倍超、若しくは連続した2回の検査で正常値から逸脱していた場合 : 臨床的に必要であれば、次回測定時にFT4の検査を含める ; 内分泌専門医との協議を検討する 症状が改善した場合(ホルモン補充療 法の有無は問わない) : • 少なくとも1ヵ月以上かけてステロイ ドを漸減し、日和見感染症に対する 抗生剤の予防投与を検討する • オプジーボの投与を再開する • 副腎不全を有する患者は鉱質コルチ コイド作用を有するステロイドの継続 を必要とする場合がある • 内分泌機能の評価を行う • 下垂体撮影を検討する 症候性で臨床検査値異常又は下垂体撮影で異常を認める場合 : • オプジーボの投与を延期する • 1∼2mg/kg/日の静注メチルプレドニゾロン又はその等価量の 経口剤を投与する • 適切なホルモン療法を開始する 臨床検査値及び頭部MRIによる下垂体撮影で異常は認めないが、 症状が持続する場合 : • 1∼3週間ごとの臨床検査又は1ヵ月ごとのMRIを継続する • オプジーボの投与を延期又は中止する • 敗血症を除外する • ストレス用量の鉱質コルチコイド作用を有するステロイドを静注 する • 輸液を行う • 内分泌専門医との協議を行う • 副腎クリーゼが除外された場合は症候性の内分泌障害の対処法 で治療する 無症候性の TSH増加 症候性の 内分泌障害 副腎クリーゼの 疑い (原疾患及び合併症から想 定しにくい程度の重度の脱 水、低血圧、ショックなど)

(14)

Infusion reaction

Infusion reaction

● 発熱、悪寒、そう痒症、発疹、高血圧、低血圧、呼吸困難等を含むInfusion reactionがあらわれることがあり ます。 ● 本剤の投与中及び投与後は、バイタルサインを測定し、患者さんの状態を十分に観察してください。 ● 異常が認められた場合には、投与を中止して適切な処置を行い、症状が完全に回復するまで患者さんの状 態を十分に観察してください。 [発現状況]1,2) 国内第Ⅱ相試験においては、本剤投与によるInfusion reactionは認められませんでした。 重篤な副作用として、海外第Ⅰ相試験において過敏症が2例に認められました。その発現時期は投与開始1日目と 568日目(41回目投与当日)でした。(P.14症例⑤、⑥) [主な自覚症状] Infusionreaction: 呼吸困難、意識障害、まぶた・唇・舌のはれ、発熱、さむけ、嘔吐、咳、めまい、動悸 [診断] 本剤の投与中及び投与後は、バイタルサインを測定するなど、患者の状態に十分注意してください。また、2回 目以降の本剤投与時に、初めて重度のInfusion reactionを発現することもあるので、本剤投与中は毎回患者の 状態に十分注意してください。 [対処法]8) 異常が認められた場合、まずは注入速度を緩めるか中止し、重症度によって下記の処置を行ってください。 軽症~中等症: 注入速度を緩めるか中止しても症状が改善しない場合、解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ス テロイドなどを投与してください。 重    症: 直ちに投与を中止し、酸素吸入、アドレナリン、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイド、昇圧薬の投与 など、適切な処置を行ってください。 海外臨床試験では、Infusion reactionが認められた患者さんには、次回投与時からアセトアミノフェンやジ フェンヒドラミンを本剤投与前に予防的に投与し、必要に応じて副腎皮質ステロイドが投与されましたが、重篤な 症状が発現した患者さんへの本剤の再投与の可否を判断する基準は確立していません。 アセトアミノフェンの効能・効果 1.頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛 2.急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)の解熱・鎮痛

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症例⑥

●過敏症(Grade3) ●80歳代、女性(69.2kg) ●診断名:非小細胞肺がん(非扁平上皮がん) ●用 量:10mg/kg Day 554 561 568 経 過 オプジーボ10mg/kg投与開始。 1 オプジーボ10mg/kg投与(33回目)後、発疹(Grade 1)が脚及び前腕に発現。局所的にヒドロコルチゾン(クリーム)塗布。 456 オプジーボ10mg/kg投与(40回目)。 そう痒症(Grade 1)を認めた。 オプジーボ10mg/kg投与(41回目、最終投与日)30分後、寒気を訴え、悪寒発現。嚥下に影響を及ぼす舌腫脹を認めた。過敏 症(Grade 3)と診断。ヒドロキシジン、ヒドロコルチゾン(静注)、ジフェンヒドラミン(静注)及びメピリジン(静注)投与。症状回 復及びバイタルサイン正常。過敏症回復。発疹及びそう痒症は継続。 オプジーボ投与中止

症例⑤

●過敏症(Grade3) ●50歳代、男性(67.5kg) ●診断名:結腸直腸がん ●用 量:10mg/kg 1 7 経 過 オプジーボ10mg/kg初回投与18分後、息切れ、咳嗽及び顔面潮紅を訴え、両眼赤く痒みあり。過敏症(Grade 3)と診断。頭 痛(Grade 1)を認めた。      生理食塩液、ジフェンヒドラミン50mg、ヒドロコルチゾン100mg、ファモチジ ン20mg及びアセトアミノフェン650mg/日を投与。       アルブテロール(サルブタモール)ネブライザー25mg/3mL吸入、100%酸素マスク装着。バイタルサイン安定。      聴診にて喘鳴認めず。2時間後、過敏症改善し、酸素供給中止。過敏症回復。 頭痛消失。 Day オプジーボ投与中止 SpO2 87% SpO2 99% 注)本邦において承認されているオプジーボの効能・効果は「根治切除不能な悪性黒色腫」、用量は2mg/kgです。 海外第Ⅰ相試験(CA209003)において、本剤との関連性の否定できない重篤なInfusion reactionを発現し た症例の経過をご紹介します2)

CASE REPORT

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注)本邦において承認されているオプジーボの効能・効果は「根治切除不能な悪性黒色腫」、用量は2mg/kgです。 海外第Ⅰ相試験(CA209003)において、本剤との関連性の否定できない非重篤なInfusion reactionを発現 し、本剤の投与中止に至った症例をご紹介します2)

症例⑦

症例⑧

●60歳代、男性 ●60歳代、男性 ●診断名:非小細胞肺がん ●用 量:1mg/kg ●診断名:非小細胞肺がん ●用 量:10mg/kg 有害事象名 (程度) 発現時期 有害事象発現 後の本剤の投 与状況 その他の症状 処置 注入に伴う反応 (Grade 2) 初回投与当日 中断 - ジフェンヒドラミン、ラニチジン塩酸塩 注入に伴う反応 (Grade 2) 2回目投与当日 中止 口内乾燥、嘔気 ヒドロコルチゾン、グラニセトロン塩酸塩 有害事象名 (程度) 発現時期 有害事象発現 後の本剤の投 与状況 その他の症状 処置 注入に伴う反応 (Grade 2) 初回投与当日 - 胸部絞扼感、咳嗽、顔面紅潮、低血圧、呼吸困難、喘鳴 グアイフェネシン 注入に伴う反応 (Grade 1) 2回目投与当日 - 鼻閉、鼻漏、胸部絞扼感 [予防投与あり]アルブテロール(サルブタモー ル)、ナプロキセン 注入に伴う反応 (Grade 2) 3回目投与当日 中断 流涙、顔面紅潮、疲労、くしゃみ [予防投与あり]ヒドロコルチゾン 注入に伴う反応 (Grade 2) 6回目投与当日 中止 - [予防投与あり]

CASE REPORT

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過度の免疫反応

● 本剤は抗原特異的なT細胞の活性化を増強することにより抗腫瘍効果を発揮すると考えられており、自己 免疫応答が誘発された場合、免疫介在性の有害事象を引き起こす可能性があります。 ● 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往がある患者さんでは、自己免疫疾 患が増悪するおそれがあります。 ●ワクチンの接種により、ワクチンに対する過度な免疫反応に基づく症状が発現するおそれがあります。 [非臨床試験の知見] ・ PD-1を人為的に欠損させたマウスでは、各々の系統・遺伝的背景に応じて、異なる自己免疫疾患関連症状 (BALB/c:自己抗体の産生を伴う拡張型心筋症の発症、C57BL/6:全身性エリテマトーデス様の糸球体腎炎 及び関節炎の発症、MRL:自己抗体の産生を伴う心筋炎の発症、NOD:Ⅰ型糖尿病の発症促進)を呈すること が報告されています9,10) ・ 本剤は各種抗原(HBsAg、SKMel及びDNP-Ficoll)を接種したサルの細胞性免疫応答及び液性免疫応答を増 強することが報告されています。 [対処法] 鑑別診断は通常の手順に従って行い、本剤の中止も含め適切な処置を行ってください。 免疫に起因する有害事象に対しては、副腎皮質ステロイドや、免疫抑制剤の投与が考慮されますが、長期にわた る免疫抑制は日和見感染やB型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化等のリスクもあります。詳しくはP.19をご参照く ださい。 ▶P.29 国内第Ⅱ相試験「有害事象の対処法アルゴリズム」 参考

主な副作用とその対策

−発現のおそれのある副作用

過度の免疫反応

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主な副作用とその対策

−その他の副作用

皮膚障害

●そう痒症、白斑等の皮膚障害があらわれることがあります。 [発現状況]1,2) 国内第Ⅱ相試験においては、重篤と判断された皮膚障害の副作用は認められませんでした。 重篤な副作用として、海外第Ⅰ相試験において斑状皮疹が1例、そう痒症が1例、発疹が1例に認められ、その発 現時期は斑状皮疹とそう痒症は同一症例でどちらも投与開始592日目、発疹は投与開始26日目でした。 [対処法] 軽症:抗ヒスタミン剤やステロイドの局所使用などの対症療法を行ってください。 重症: 本剤の投与を中止して、副腎皮質ステロイドを投与してください。皮膚生検や皮膚科専門医との連携も考 慮してください。  国内臨床試験においては、下記のアルゴリズムを使用しております。必要に応じて皮膚科専門医と連携し、本剤 の投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。 【皮膚関連有害事象の対処法アルゴリズム】 • 対症療法(抗ヒスタミン剤、局所ステ ロイドなど) • オプジーボの投与を継続する • オプジーボの投与を延期又は中止 する • 皮膚生検を検討する • 皮膚科専門医と協議する • 1.0∼2.0mg/kg/日の静注メチルプ レドニゾロン又はその等価量の副腎 皮質ステロイドを静注する 症状が1∼2週間を超えて持続する又は再発した場合 : • 皮膚生検を検討する • オプジーボの投与を延期する • 0.5∼1.0mg/kg/日の静注メチルプレドニゾロン又はその等価量 の経口剤を投与する。改善した場合、少なくとも1ヵ月以上かけて ステロイドを漸減する。抗生剤の予防投与を検討する。オプジー ボの投与を再開する 悪化した場合 : • Grade 3∼4の対処法で治療する 症状がGrade 1に改善した場合: • 少なくとも1ヵ月以上かけてステロイドを漸減し、日和見感染症に 対する抗生剤の予防投与を追加する • オプジーボの投与を再開する 発疹のGrade (CTCAE v4) 対処法 フォローアップ Grade 1∼2 Grade 3∼4 体表面積の≦30%を占め る* 体表面積の>30%を占め る ; 生命を脅かす* *:用語固有のGrade分類に関しては、CTCAE v4を参照。

皮膚障害

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ブドウ膜炎

ブドウ膜炎

●ブドウ膜炎があらわれることがあります。 ● 比較的急速な視力低下や失明に至る場合もある疾患ですので、薬剤性ブドウ膜炎が疑われる患者さんに は、本剤の投与を中止し、眼科への受診を勧めてください。 [発現状況]1,2) 国内第Ⅱ相試験においては、副作用としてブドウ膜炎(非重篤)が1例に認められました。 重篤な副作用として、海外第Ⅰ相試験においてブドウ膜炎が1例に認められ、その発現時期は投与開始106日目 でした。 [対処法] ブドウ膜炎はブドウ膜の炎症です。ブドウ膜は眼球を覆う膜で、色素と血管に富み、脈絡膜、毛様体、虹彩から成 ります。ブドウ膜炎の最も一般的な症状は、眼の充血(特に角膜辺縁部)、羞明、眼痛、視力低下若しくは霧視、飛蚊 症等であり、重篤例では、白内障、緑内障、網膜浮腫、永久失明などにつながるおそれがあります。 薬剤性ブドウ膜炎が疑われる患者さんには、本剤の投与を中止し、眼科への受診を勧めてください。また、眼の 炎症は下垂体の炎症が原因である可能性もあることを考慮してください。

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治療における注意点

●有害事象に対して、長期間にわたって副腎皮質ステロイド又は免疫抑制薬の投与 が必要な場合、日和見感染症を防ぐため、抗菌薬又は抗真菌薬の予防的投与を検 討してください。 ●有害事象に対して副腎皮質ステロイドを投与する際には、B型肝炎ウイルス (HBV)の再活性化のリスクがあることから、「免疫抑制・化学療法により発症する B型肝炎対策ガイドライン(改訂版)」に準拠した対策を行ってください11)

有害事象

HBVキャリアに合併した悪性腫瘍患者に対し、副腎皮質ステロイドを併用した化学療法を施行し た場合、HBVの再活性化が起こることが知られています。また、HBV遺伝子にはglucocorticoid enhancement elementが存在するため、副腎皮質ステロイドにより直接的にウイルス複製が助長 される可能性があり、副腎皮質ステロイドの製品添付文書においても「HBVの増殖」が注意喚起され ています。 HBV再活性化による肝炎は重症化しやすいだけでなく、肝炎の発症により原疾患の治療を困難に させるため、発症そのものを阻止することが最も重要であり、強力な免疫療法を行う際には、厚生労 働省研究班による「免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン(改訂版)」に準拠し た対策の実施が推奨されます。 オプジーボの投与中にHBVの再活性化がみられた場合は、副腎皮質ステロイドは直ちに中止せ ず、肝臓専門医と連携し対応してください。 [対策]12) ① スクリーニング検査により患者のHBV活性化リスクを同定する必要があります。治療開始前に HBs抗原を測定し、HBs抗原が陽性の場合は更にHBe抗原、HBe抗体及びHBV-DNA定量検査を 実施してください。HBs抗原が陰性の場合はHBc抗体及びHBs抗体を測定し、いずれかが陽性の 場合はHBV-DNA定量検査を実施してください。なお、HBs抗原陰性でHBc抗体又はHBs抗体の いずれも陰性の場合でも、既に免疫抑制状態にある患者では抗体が検出されないことがあること から、HBV-DNA定量検査を実施することが好ましいとされています。 ② HBVキャリア及び既感染者は、できる限り早期に核酸アナログの予防投与が推奨されます。核酸 アナログの投与中は、原則として毎月1回、HBV-DNA定量検査を行ってください。核酸アナログ 投与にあたっては、肝臓専門医と連携し、投与終了後少なくとも12ヵ月間は慎重に経過観察する 必要があります。

HBVの再活性化のリスクとは

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国内第Ⅱ相試験(ONO-4538-02)における副作用

安全性評価対象例数 35例

副作用発現症例数 30例

副作用項目 全Graden(%) Grade 3-4n(%) Grade 5n(%) 全体 30(85.7) 9(25.7) 0 心臓障害 1(2.9) 徐脈 1(2.9) 内分泌障害 5(14.3) 甲状腺機能低下症 5(14.3) 眼障害 2(5.7) ブドウ膜炎 1(2.9) 視力低下 1(2.9) 胃腸障害 8(22.9) 2(5.7) 便秘 1(2.9) 下痢 4(11.4) 1(2.9) 口内乾燥 1(2.9) 悪心 2(5.7) 1(2.9) 口内炎 2(5.7) 一般・全身障害および投与部位の状態 9(25.7) 疲労 5(14.3) 倦怠感 2(5.7) 末梢性浮腫 1(2.9) 疼痛 1(2.9) 発熱 3(8.6) 口渇 1(2.9) 肝胆道系障害 2(5.7) 2(5.7) 肝障害 2(5.7) 2(5.7) 感染症および寄生虫症 3(8.6) 1(2.9) 癰(よう) 1(2.9) 蜂巣炎 1(2.9) 歯周炎 1(2.9) 細菌性肺炎 1(2.9) 1(2.9) 臨床検査 25(71.4) 6(17.1) アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 4(11.4) 1(2.9) アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 5(14.3) 2(5.7) 血中アルブミン減少 2(5.7) 血中クロール減少 1(2.9) 血中コルチコトロピン減少 1(2.9) 血中クレアチンホスホキナーゼ減少 2(5.7) 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 5(14.3) 3(8.6) 血中クレアチニン増加 2(5.7) 血中ブドウ糖増加 2(5.7) 血中乳酸脱水素酵素増加 5(14.3) 1(2.9) 血中カリウム減少 1(2.9) 血中ナトリウム減少 1(2.9) 血中甲状腺刺激ホルモン減少 3(8.6) 血中甲状腺刺激ホルモン増加 7(20.0) C-反応性蛋白増加 5(14.3) 1(2.9) 補体成分C3増加 1(2.9) 好酸球数増加 4(11.4) γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 4(11.4) 4(11.4) 尿中ブドウ糖陽性 2(5.7) ヘマトクリット減少 1(2.9) 1(2.9) 尿中血陽性 1(2.9) ヘモグロビン減少 3(8.6) 1(2.9)

副作用項目 全Graden(%) Grade 3-4n(%) Grade 5n(%) リンパ球数減少 5(14.3) 1(2.9) 単球数増加 1(2.9) 好中球数減少 2(5.7) 1(2.9) 好中球数増加 1(2.9) 酸素飽和度低下 2(5.7) 血小板数減少 2(5.7) 1(2.9) 赤血球数減少 2(5.7) 1(2.9) 白血球数減少 6(17.1) 白血球数増加 1(2.9) 血中リン増加 1(2.9) 補体成分C4増加 1(2.9) 遊離トリヨードチロニン減少 8(22.9) 遊離トリヨードチロニン増加 2(5.7) 遊離サイロキシン減少 6(17.1) 遊離サイロキシン増加 2(5.7) リウマチ因子増加 3(8.6) 血中アルカリホスファターゼ増加 5(14.3) 1(2.9) 抗甲状腺抗体陽性 3(8.6) 補体因子増加 1(2.9) 細胞マーカー増加 2(5.7) 抗核抗体増加 2(5.7) サーファクタントプロテイン増加 4(11.4) 代謝および栄養障害 4(11.4) 糖尿病 1(2.9) 高カリウム血症 1(2.9) 高尿酸血症 1(2.9) 食欲減退 1(2.9) 筋骨格系および結合組織障害 3(8.6) 筋痙縮 2(5.7) 四肢痛 1(2.9) 神経系障害 4(11.4) 味覚異常 2(5.7) 末梢性ニューロパチー 2(5.7) 呼吸器、胸郭および縦隔障害 4(11.4) しゃっくり 1(2.9) 間質性肺疾患 1(2.9) 喉頭痛 1(2.9) 口腔咽頭痛 1(2.9) 皮膚および皮下組織障害 20(57.1) 1(2.9) 脱毛症 1(2.9) 湿疹 1(2.9) 皮脂欠乏性湿疹 1(2.9) 白斑 6(17.1) そう痒症 11(31.4) 乾癬 1(2.9) 1(2.9) 発疹 2(5.7) 斑状丘疹状皮疹 2(5.7) 脂漏性皮膚炎 2(5.7) 皮膚色素減少 4(11.4) 蕁麻疹 1(2.9) 中毒性皮疹 1(2.9) MedDRA/J ver 16.0により読み替え、CTCAE v4.0 日本語訳JCOG版により評価した。

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海外第Ⅰ相試験(CA209003)における副作用

安全性評価対象例数 306例

副作用発現症例数 230例

副作用項目 全Graden(%) Grade 3-4n(%) Grade 5n(%) 全体 230(75.2) 52(17.0) 2(0.7) 血液およびリンパ系障害 21(6.9) 5(1.6) 貧血 4(1.3) 好酸球増加症 1(0.3) 白血球増加症 1(0.3) 白血球減少症 2(0.7) リンパ球減少症 12(3.9) 4(1.3) 好中球減少症 2(0.7) 血小板減少症 1(0.3) 1(0.3) 心臓障害 4(1.3) 動悸 1(0.3) 頻脈 3(1.0) 耳および迷路障害 3(1.0) 聴力低下 2(0.7) 耳鳴 1(0.3) 内分泌障害 19(6.2) 3(1.0) 副腎機能不全 2(0.7) 1(0.3) 自己免疫性甲状腺炎 1(0.3) 甲状腺機能亢進症 4(1.3) 1(0.3) 下垂体炎 1(0.3) 1(0.3) 甲状腺機能低下症 11(3.6) 1(0.3) 続発性副腎皮質機能不全 1(0.3) 1(0.3) 甲状腺炎 2(0.7) 眼障害 17(5.6) 結膜充血 1(0.3) 結膜炎 1(0.3) 眼乾燥 4(1.3) 眼刺激 1(0.3) 眼痛 1(0.3) 眼部腫脹 1(0.3) 流涙増加 4(1.3) マイボーム腺機能不全 1(0.3) 眼充血 1(0.3) 羞明 1(0.3) 網膜変性 1(0.3) ブドウ膜炎 1(0.3) 霧視 1(0.3) 胃腸障害 86(28.1) 6(2.0) 腹部不快感 2(0.7) 腹部膨満 3(1.0) 腹痛 15(4.9) 3(1.0) 上腹部痛 2(0.7) 1(0.3) 大腸炎 6(2.0) 2(0.7) 便秘 5(1.6) 下痢 41(13.4) 3(1.0) 口内乾燥 13(4.2) 1(0.3) 消化不良 5(1.6) 嚥下障害 1(0.3) おくび 1(0.3) 変色便 1(0.3) 鼓腸 2(0.7) 排便回数増加 1(0.3) 歯肉痛 1(0.3) 舌炎 1(0.3) 舌痛 1(0.3) 口唇水疱 1(0.3) 口唇浮腫 1(0.3) 口唇腫脹 1(0.3) 吸収不良 1(0.3) 口腔内潰瘍形成 1(0.3) 粘液便 2(0.7) 悪心 27(8.8) 2(0.7) 口腔内不快感 1(0.3) 口腔内痛 2(0.7) 膵炎 1(0.3)

副作用項目 全Graden(%) Grade 3-4n(%) Grade 5n(%) 胸部不快感 2(0.7) 胸痛 2(0.7) 悪寒 7(2.3) 疲労 86(28.1) 7(2.3) 冷感 1(0.3) 歩行障害 2(0.7) 1(0.3) 空腹 1(0.3) インフルエンザ様疾患 4(1.3) 注入部位そう痒感 1(0.3) 注射部位反応 1(0.3) 易刺激性 2(0.7) 倦怠感 1(0.3) 粘膜の炎症 5(1.6) 小結節 1(0.3) 浮腫 1(0.3) 末梢性浮腫 3(1.0) 疼痛 8(2.6) 発熱 17(5.6) 温度変化不耐症 1(0.3) 口渇 2(0.7) 肝胆道系障害 3(1.0) 2(0.7) 肝炎 2(0.7) 1(0.3) 高ビリルビン血症 1(0.3) 1(0.3) 免疫系障害 5(1.6) 2(0.7) 過敏症 4(1.3) 2(0.7) 季節性アレルギー 1(0.3) 感染症および寄生虫症 15(4.9) 3(1.0) 2(0.7) 気管支肺アスペルギルス症 1(0.3) 1(0.3) カンジダ症 2(0.7) 蜂巣炎 2(0.7) 1(0.3) 憩室炎 1(0.3) 毛包炎 1(0.3) 帯状疱疹 1(0.3) インフルエンザ 1(0.3) 鼻咽頭炎 2(0.7) 肺炎 2(0.7) 2(0.7) 敗血症 2(0.7) 2(0.7) 尿路感染 1(0.3) 傷害、中毒および処置合併症 15(4.9) 挫傷 2(0.7) 注入に伴う反応 12(3.9) 術後創合併症 1(0.3) 臨床検査 81(26.5) 15(4.9) アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 11(3.6) 1(0.3) 抗核抗体増加 2(0.7) 抗核抗体陽性 2(0.7) アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 9(2.9) 血中アルカリホスファターゼ増加 5(1.6) 2(0.7) 血中ビリルビン増加 1(0.3) 血中コルチコトロピン増加 1(0.3) 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1(0.3) 1(0.3) 血中クレアチニン増加 4(1.3) 1(0.3) 血中乳酸脱水素酵素増加 1(0.3) 血中リン減少 2(0.7) 1(0.3) 血中リン増加 1(0.3) 血圧上昇 1(0.3) 血中甲状腺刺激ホルモン増加 11(3.6) 1(0.3) 血中尿酸 1(0.3) 血中尿酸増加 5(1.6) 1(0.3) 体温上昇 2(0.7) CD4リンパ球異常 1(0.3) CD4リンパ球減少 5(1.6) 3(1.0) C-反応性蛋白増加 1(0.3) 好酸球数増加 2(0.7) 顆粒球数減少 1(0.3)

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副作用項目 全Graden(%) Grade 3-4n(%) Grade 5n(%) 臨床検査(つづき)    好中球数減少 4(1.3) 好中球数増加 1(0.3) 血小板数減少 8(2.6) 1(0.3) 総蛋白減少 1(0.3) 総蛋白増加 1(0.3) 赤血球数減少 1(0.3) 遊離サイロキシン減少 2(0.7) 遊離サイロキシン増加 1(0.3) トランスアミナーゼ上昇 1(0.3) 1(0.3) 体重減少 11(3.6) 体重増加 1(0.3) 白血球数減少 9(2.9) 白血球数増加 2(0.7) 代謝および栄養障害 56(18.3) 7(2.3) 食欲減退 28(9.2) 1(0.3) 脱水 2(0.7) 1(0.3) 糖尿病 1(0.3) 水分過負荷 1(0.3) 高血糖 4(1.3) 1(0.3) 高カリウム血症 1(0.3) 高尿酸血症 8(2.6) 1(0.3) 低アルブミン血症 3(1.0) 低カルシウム血症 4(1.3) 低カリウム血症 1(0.3) 低マグネシウム血症 1(0.3) 低ナトリウム血症 1(0.3) 低リン酸血症 12(3.9) 3(1.0) ビタミンD欠乏 1(0.3) 筋骨格系および結合組織障害 48(15.7) 6(2.0) 関節痛 15(4.9) 関節炎 3(1.0) 1(0.3) 背部痛 3(1.0) 1(0.3) 骨痛 1(0.3) 側腹部痛 1(0.3) 1(0.3) 関節硬直 4(1.3) 筋痙縮 5(1.6) 筋攣縮 1(0.3) 筋力低下 4(1.3) 筋骨格痛 7(2.3) 2(0.7) 筋骨格硬直 2(0.7) 筋肉痛 9(2.9) 1(0.3) 筋炎 1(0.3) 1(0.3) 四肢痛 9(2.9) シェーグレン症候群 1(0.3) 腱痛 1(0.3) 弾発指 1(0.3) 良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む) 4(1.3) 3(1.0) 慢性骨髄性白血病 1(0.3) 1(0.3) 悪性新生物進行 1(0.3) 1(0.3) 骨髄異形成症候群 1(0.3) 1(0.3) 脂漏性角化症 1(0.3) 神経系障害 31(10.1) 注意力障害 1(0.3) 浮動性めまい 10(3.3) 味覚異常 8(2.6) 頭痛 8(2.6) 記憶障害 1(0.3) 末梢性ニューロパチー 5(1.6) 嗅覚錯誤 1(0.3) 末梢性感覚ニューロパチー 1(0.3) ヘルペス後神経痛 1(0.3) 失神寸前の状態 1(0.3) 振戦 1(0.3) 精神障害 4(1.3) 不安 1(0.3) うつ病 3(1.0) 睡眠障害 1(0.3) 腎および尿路障害 4(1.3) 腎不全 3(1.0)

副作用項目 全Graden(%) Grade 3-4n(%) Grade 5n(%)

腎損傷 1(0.3) 尿細管間質性腎炎 2(0.7) 生殖系および乳房障害 2(0.7) 陰嚢浮腫 1(0.3) 外陰腟乾燥 1(0.3) 呼吸器、胸郭および縦隔障害 47(15.4) 8(2.6) 急性呼吸窮迫症候群 1(0.3) 1(0.3) 急性呼吸不全 1(0.3) 1(0.3) 咳嗽 11(3.6) 1(0.3) 咽喉乾燥 2(0.7) 呼吸困難 12(3.9) 労作性呼吸困難 1(0.3) 喀血 1(0.3) 高炭酸ガス血症 1(0.3) 1(0.3) 低酸素症 3(1.0) 2(0.7) 間質性肺疾患 1(0.3) 肺浸潤 3(1.0) 1(0.3) 鼻閉 1(0.3) 口腔咽頭痛 1(0.3) 胸水 1(0.3) 肺臓炎 12(3.9) 4(1.3) 肺線維症 1(0.3) 気道の炎症 2(0.7) アレルギー性鼻炎 4(1.3) 鼻漏 2(0.7) 副鼻腔うっ血 2(0.7) くしゃみ 2(0.7) 上気道咳症候群 1(0.3) 喘鳴 2(0.7) 皮膚および皮下組織障害 93(30.4) 1(0.3) ざ瘡 1(0.3) 脱毛症 3(1.0) 水疱 1(0.3) 皮膚炎 2(0.7) ざ瘡様皮膚炎 7(2.3) 薬疹 1(0.3) 皮膚乾燥 10(3.3) 湿疹 1(0.3) 紅斑 3(1.0) 剥脱性発疹 2(0.7) 毛髪成長異常 1(0.3) 毛質異常 1(0.3) 多汗症 2(0.7) 過角化 1(0.3) 網状皮斑 1(0.3) 爪の障害 2(0.7) 寝汗 3(1.0) 爪破損 1(0.3) 手掌・足底発赤知覚不全症候群 1(0.3) 光線過敏性反応 5(1.6) そう痒症 32(10.5) 1(0.3) アレルギー性そう痒症 1(0.3) 全身性そう痒症 1(0.3) 発疹 45(14.7) 紅斑性皮疹 3(1.0) 全身性皮疹 2(0.7) 斑状皮疹 4(1.3) 1(0.3) 斑状丘疹状皮疹 3(1.0) そう痒性皮疹 7(2.3) 皮膚色素減少 3(1.0) 皮膚刺激 1(0.3) 顔面腫脹 2(0.7) 蕁麻疹 6(2.0) 尋常性白斑 10(3.3) 血管障害 21(6.9) 2(0.7) 潮紅 7(2.3) ほてり 2(0.7) 高血圧 4(1.3) 1(0.3) 低血圧 7(2.3) 起立性低血圧 2(0.7) 1(0.3) MedDRA ver 15.1により読み替え、CTCAE v3.0により評価した。

(24)

投与対象患者の選択

投与前のチェック

本剤の使用に際しては、臨床症状を十分に観察し、必要に応じて胸部X線検査及び臨床検査を実施する等観察 を十分に行った上で、使用が適切と判断される患者さんについてのみ投与してください。 : 適応外です。    : 投与の適格性を考慮してください。 : 投与禁忌です。   : 投与の可否について判断し、慎重に投与してください。 診断名 ■ 根治切除不能な悪性黒色腫 ■ その他 本剤の適応は「根治切除不能な悪性黒色腫」です。 同意 ■ 取得 ■ 未取得 本剤投与前にインフォームド・コンセントを実施してください。 【投与状況】 化学療法未治療患者である ■ いいえ ■ はい 有効性及び安全性は確立していません。 他の抗悪性腫瘍剤との併用である ■ いいえ ■ はい 術後補助化学療法である ■ いいえ ■ はい 【禁忌・慎重投与】 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 ■ いいえ ■ はい 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者 〔自己免疫疾患が増悪するおそれがあります。〕 ■ いいえ ■ はい 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者 〔間質性肺疾患が増悪するおそれがあります。(「警告」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」 の項参照)〕 ■ いいえ ■ はい 【間質性肺疾患のリスク因子】 下記の間質性肺疾患のリスク因子を有する ■ いいえ ■ はい ・ 既存の肺病変(特に間質性肺疾患) ・ 肺手術後 ・ 呼吸機能の低下 ・ 酸素投与 ・ 肺への放射線照射 【特殊患者さんへの投与】 該当する場合は右の注意点についてご確認ください。 高齢者である ■ いいえ ■ はい 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与してください。 妊娠可能な女性である ■ いいえ ■ はい 妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。やむを得ず投与する場合は適切な避妊法を用いるよう指導してください。 授乳中である ■ いいえ ■ はい 授乳中の投与に関する安全性は確立していないので、授乳婦に投与 する場合には授乳を中止するよう指導してください。 〔本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていませんが、ヒトIgGは乳 汁中に移行することが知られているので、本剤も移行する可能性が あります。〕 小児である ■ いいえ ■ はい 使用経験がなく、安全性は確立していません。 【相互作用】 生、弱毒生、不活化 ワクチンの併用 ■ いいえ ■ はい 本剤のT細胞活性化作用による過度の免疫反応が起こるおそれがあります。 ▶P.26 国内第Ⅱ相試験「投与延期又は休薬基準」 ▶P.27-28 国内第Ⅱ相試験「患者の選択基準及び除外基準」 参考

オプジーボ使用に際しての注意

投与前

(25)

24 インフォームド・コンセント ● オプジーボにて治療を開始される患者さんやご家族の方に対しては、投与前に必ず治療法や本剤の効果及び 起こり得る副作用とその対策等について十分に説明し、同意を得てから投与を開始してください。 ● 本剤投与により発現する可能性のある副作用については、具体的に説明を行ってください。呼吸困難、咳嗽、発 熱など間質性肺疾患を疑う所見がみられた場合や、その他に何か異変に気が付いた場合、すぐに主治医に連絡 するよう患者さんに注意喚起を行ってください。

オプジーボ使用に際しての注意

投与前

(26)

オプジーボ使用に際しての注意

使用方法

用法・用量

通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回2mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静注する。 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 (1)注射液の調製法及び点滴時間(「適用上の注意」の項参照) 1) 本剤の投与時には1回投与量として2mg/kgとなるように必要量を抜き取る。 2) 本剤は、1時間以上かけて点滴静注すること。 (2) 本剤の投与にあたっては、インラインフィルター(0.2又は0.22μm)を使用すること。 (3) 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。 (製品添付文書「用法・用量」より)

調製時及び投与時の注意

①一般的に振盪により凝集体が認められることがあるため、振盪しないよう扱ってください。 ② 日局生理食塩液に希釈し、総液量は60mLを目安としてください。 ③添加後は、静かに混和してください。激しく振ると凝集することがあります。 ④希釈した溶液は、長期間の安定性が確保されていないので、速やかに使用してください。 ⑤ 使用後の残液は、安定性及び無菌性の維持という観点から廃棄し、使用しないでください。 ⑥ 希釈後の点滴溶液中での安定性が確認されていないため、最終濃度は0.35mg/mL以上になるようにしてくだ さい。 ⑦ 本剤は他剤との混注をしないでください。 ⑧ 本剤は静脈内投与以外の投与経路での有効性及び安全性は確認されていません。必ず静脈内投与してください。 ⑨ 本剤は抗体製剤(注射用製剤)であり、急速静注により重大なショック症状及び過敏症を引き起こす危険性があ るため、必ず点滴静注で投与してください。 ▶P.13 Infusion reaction 参考

投与時

(27)

26

オプジーボ使用に際しての注意

投与中の注意点 本剤投与中は、Infusion reactionや間質性肺疾患、甲状腺機能障害等の副作用の発現に注意し、定期的に臨 床検査又は画像検査を行うなどの安全性への配慮をお願いします。国内第Ⅱ相試験において実施された検査スケ ジュールを下表にご紹介します1) 国内第Ⅱ相試験(35例)で認められた主な副作用(15%以上)としては、そう痒症(11例、31.4%)、遊離トリヨード チロニン減少(8例、22.9%)、血中TSH増加(7例、20.0%)、白斑(6例、17.1%)、白血球数減少(6例、17.1%)及び 遊離サイロキシン減少(6例、17.1%)が挙げられます。また、甲状腺機能障害の症例において、副腎機能低下(不 全)を併発する場合がありますので、倦怠感などが出現した際には、一般的な血液検査に加えACTH、コルチゾー ルなどを測定してください。 国内第Ⅱ相試験 検査スケジュール(6週を1サイクルとして、3週間隔で本剤を2回投与) 項目 開始前治療 1サイクル

Day 1(投与日) Day 3 Day 10 Day 22(投与日) Day 43 投与前 終了後投与 投与開始3時間後 投与前 終了後投与 バイタルサイン ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ 12誘導心電図 ○ △ △ △ △ △ 胸部X線 ○ ○ ○ 臨床検査 (一般、免疫学的、ホルモン) ○ □ □ ○ ○ 妊娠検査 血液検査 尿検査 尿検査 ウイルス検査 ○ Performance Status ○ △ △ ○ ○ △はサイクル1、4のみ実施し、□はサイクル1のみ実施。

投与延期又は休薬基準

国内第Ⅱ相試験において用いられた投与延期又は休薬基準をご紹介します1) 下記を参考に、患者さんの背景、既往歴及び合併症を考慮して本剤の投与延期又は休薬をしてください。 1. 本剤との因果関係の有無にかかわらず、Grade 3以上のAST(GOT)上昇又はALT(GPT)上昇が認められた 場合 2. Grade 3以上の副作用[ただし、リンパ球数減少及び総ビリルビン上昇を除く] 3. AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇又は総ビリルビン上昇が本剤での治療前より継続し、Grade 2段階以上 の悪化が認められた副作用 4. 自他覚所見及び臨床検査などにより、自己免疫疾患の発症が強く疑われた場合 5. 本剤との因果関係の有無にかかわらず、有害事象発現のため、本剤の休薬が必要と医師が判断した場合

投与中

(28)

国内第Ⅱ相試験(ONO-4538-02)における患者の選択基準及び除外基準

国内第Ⅱ相試験において用いられた患者の選択基準及び除外基準をご紹介します1) 選択基準 下記の全ての基準を満たす患者を選択しました。 1.性別不問 2.20歳以上(同意取得時) 3.入院・外来不問 4. 悪性黒色腫であることが組織診又は細胞診により確認され、RECISTガイドライン1.1版に定義される測定可能病 変を1つ以上有する根治切除不能なⅢ期/Ⅳ期又は再発の悪性黒色腫患者 5.原疾患に対する治療として、ダカルバジンを含む化学療法の治療歴を有する患者 6.Performance Status(ECOG)が0~1の患者 7.3ヵ月以上の生存が期待される患者 8. 妊娠する可能性のある女性※1(化学閉経などの医学的理由により月経がない患者も含む)の場合、同意取得時か ら治験薬最終投与後少なくとも300日間の避妊※2に同意した患者 9. 男性の場合、治験薬投与開始時から治験薬最終投与後少なくとも300日間の避妊※2に同意した患者 10. 初回治験薬投与前7日以内に実施した最新の臨床検査値が下記の基準を満たす患者 -白血球数が2,000/mm3以上かつ好中球数が1,500/mm3以上 -血小板数が100,000/mm3以上 -ヘモグロビンが9.0g/dL以上 -AST(GOT)及びALT(GPT)が施設正常値上限の3.0倍以下 -総ビリルビンが施設正常値上限の2.0倍以下(ジルベール症候群の患者は3.0mg/dL以下とする) -クレアチニンが2.0mg/dL以下 ※1 : 妊娠する可能性のある女性とは、初潮を経験しており、不妊手術(子宮摘出術、両側卵管結紮又は両側卵巣摘出術など)を受けておらず、閉経していない女 性全てが含まれる。閉経後の定義は、特筆すべき理由がないにもかかわらず、12ヵ月以上連続して無月経であることとする。経口避妊薬、その他のホルモン 避妊薬(膣内避妊薬、注射型避妊薬など)又は子宮内避妊器具やバリア法などの機械的避妊法を使用している女性は妊娠する可能性があるものとみなす。 ※2 : 避妊については、男性患者又は相手男性の精管切除あるいはコンドーム、女性患者又は相手女性の卵管結紮、避妊ペッサリー、子宮内避妊器具、殺精子 剤あるいは経口避妊薬のうち、いずれか2つによる二重避妊に同意する必要がある。

患者の選択基準及び除外基準

参考資料

(29)

28 除外基準 下記のいずれかの基準に該当する患者は除外しました。 1.他の抗体製剤に対して高度の過敏反応の既往がある患者 2. 前治療による副作用又は手術療法の影響が残存しており、治験責任医師又は治験分担医師が治験薬の安全性評 価に影響を及ぼすと判断した患者 3.食道又は直腸を原発とする悪性黒色腫患者 4. 同時重複がんを有する患者(完全切除された基底細胞がん、ステージⅠの有棘細胞がん、上皮内がん又は表在性 膀胱がん、若しくは5年間以上の転移・再発が認められない他のがんを除く) 5. 自己免疫疾患の合併又は慢性的あるいは再発性の自己免疫疾患の既往を有する患者、若しくは全身性副腎皮質 ステロイドや免疫抑制剤の投与を必要とする疾患を有する患者(自己免疫疾患以外の疾患に対する副腎皮質ス テロイドの外用、関節内投与、鼻腔内投与、点眼又は吸入などの局所投与、その他、造影剤アレルギーの予防又は アレルゲンへの接触による過敏症などの治療に対する副腎皮質ステロイドの一時的な使用は可能とする) 6. 脳及び髄膜に原発巣又は転移巣を有する患者(ただし、以下の全ての基準を満たす患者については登録可能とす る;①CTやMRIの検査で何らかの処置を必要とする脳浮腫の徴候を認めない、②放射線治療から4週間以上経過し ており、放射線治療開始前より病勢の進行が認められない、③副腎皮質ステロイドによる治療を必要としない、④臨 床症状が観察されない) 7. 慢性的あるいは再発を繰り返す憩室炎又は症候性消化管潰瘍の既往がある患者、若しくは憩室炎又は症候性消 化管潰瘍疾患を合併する患者 8.移植療法を必要とする患者、又は移植療法の既往がある患者(自己移植を除く) 9.免疫抑制剤の使用を治験薬投与前4週間以内に中止できない疾患を有する患者 10.同一用法・用量の鎮痛薬にて骨転移に伴う骨痛が安定していない患者 11.治験薬投与前4週間以内に化学療法、免疫療法又は全身麻酔を伴う手術療法を受けた患者 12.治験薬投与前2週間以内に局所又は表面麻酔を伴う手術療法、ガンマナイフ治療を受けた患者 13. 治験薬投与前4週間以内に放射線療法を受けた患者。また、治験薬投与前8週間以内に放射性医薬品(検査及び 診断を目的とした放射性医薬品の使用を除く)の投与を受けた患者 14.HIV-1抗体及びHIV-2抗体検査、HTLV-1抗体検査、HBs抗原検査、HCV抗体検査のいずれかが陽性の患者 15.妊娠中、授乳中並びに妊娠している可能性のある患者 16.治験薬投与前4週間(抗体製剤の場合は90日間)以内に他の治験薬の投与を受けた患者 17. 過去にONO-4538(MDX-1106又はBMS-936558)又は抗CTLA-4抗体、その他のT細胞制御を目的とした抗 体療法又は薬物療法の前治療歴を有する患者 18.認知症の合併などにより同意能力を欠く状態であると判断される患者 19.その他、治験責任医師又は治験分担医師が治験対象として不適当と判断した患者

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国内第Ⅱ相試験(ONO-4538-02)における有害事象の対処法

国内臨床試験において使用している有害事象の対処法アルゴリズムをご紹介します。 対処法アルゴリズム 原則として、鑑別診断は通常の手順に従って行い、必要に応じて専門医と連携するなどし、本剤の中止を含め適 切な処置を行ってください。

有害事象の対処法

●肺関連有害事象の対処法アルゴリズム ……… P.5 (間質性肺疾患) ●肝関連有害事象の対処法アルゴリズム ……… P.10 (肝機能障害、肝炎) ●内分泌障害の対処法アルゴリズム ……… P.12 (甲状腺機能障害) ●皮膚関連有害事象の対処法アルゴリズム ……… P.17 (皮膚障害) ●胃腸関連有害事象の対処法アルゴリズム ……… P.30 ●腎関連有害事象の対処法アルゴリズム ……… P.31 ●神経関連有害事象の対処法アルゴリズム ……… P.32

参照

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