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沖縄本島海岸の実態調査(第1報): University of the Ryukyus Repository

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Academic year: 2021

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Title

沖縄本島海岸の実態調査(第1報)

Author(s)

津嘉山, 正光

Citation

琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science &

Engineering Division, University of the Ryukyus.

Engineering(1): 81-90

Issue Date

1968-05

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/23787

(2)

81

沖 縄 本 島 海 岸 の 実 態 調 査 (

1報)

津 裏 山

光 *

SurveyofNorthernCoastofOkinawaIsland Seik6 TsUKAYAMA

SynopsIS

Inthispaper,the author treats data of waves Characteristics which were

obtainedbyhissurveyof the Northern coast Of Okinawa Isl. under normal weatberconditions,andalsohediscussestheconditionsofthecoastintheview ofCoastalEngineerlng.

Thefollowingresultswerederived.

1) The wave heigh tsonthe sites werefound somewhathigher than the

normalsforthewaveperiods, and as a result the wave steepness values0f tho駅 WaVeSWere largerthanthe criticalvalueof o.025, pr田entedby

J.

W John。On.The factmaybe signs that on the sites, beach erosive actions of wavesareprogressive

2)Presently beach defence works are built only partly along thecoast. However, to prevent coast defect by thesea waterandthe disaster due to Typhoonitisnecessarytoaddmoredefenceworksalongthecoast

島国である沖縄では海岸近 くまで人家や耕地があって、毎年定期的 に貞来す る台風や、荒 天時の潮害 とか海岸洗掘 による海岸後退や崩壊の脅威 にさらされているところがかな りある ようである。従 って、 このよ うな海岸 の維持や養浜及び防災 のための対策が必要 となるわけ だが、そのためにはその基礎 となる海岸状況や海浜波 に関す るデー タが必要である。 しか し なが ら、 これまでの ところ沖縄 の海岸 に関す るそのよ うな基礎 デー タがほ とん ど見 当らない よ うで、海岸工学上 の問題 を取扱 うのにも非常 な支障 をきた してい る。 筆者は海岸工学 に関係す る者 の一人 として、上記のよ うな郷土沖縄 の海岸防災等 について の基礎的研究 を思いたち、ますその足 がか りとなる海浜波 を中心 とした沖縄本島の海岸調査 に着手 した。調査範囲は広域 にわたるので逐年実施 の予定であるが、本報告はその調査結果 についての第一報であ り、沖縄本島の北部 における海浜波 と海岸状況 についてのべ、若干 の

*

琉球大学理工学部土木工学科

(3)

82 津 嘉 山 :沖 縄 本 島 海 岸 の 実 態 調 査 (1報) 考察 を試みた。 海岸工学 の立場か ら海浜調査 を行 な う場合、海浜-襲来す る波の特性値、波の回折屈折状 況及 び海岸の状態即 ち砂浜の消長、浜勾配や浜がげの形成 、 さらには特殊地形 に起因す る潮 流現象等 の観測 を行 なわなければな らないが、今回の調査はいわば予備踏査的性質 ももつ も のであるか ら、平常時の海浜波の特性値 と海岸実態 の把握 を主にして行 なった。なお、沖側 の深海波や潮流等の観測は後 日機会 をみて行 な う予定であるO 海岸防災お よび維持 の面か らすれば、短時間における海岸変動 を支配す る荒天時の波の特 性値 を観測す る必要があるが、そのためには、観測場所 の選定や方法の検討な どあ らか じめ 各海岸の実状 を把握 した上 で準備 をし実行 しなければ、かな りの危険 を伴 な うと同時 に、十 分所期の 目的にかな うデー タは得 られない と考 え、 まず平常時の海浜波の観測 か ら行 な うこ とにした。 さらに、海浜波の観測 は長期 に亘 り継続 して行 な うことが最 ものぞましいのであ るが、それには専用 の波浪観測所 を設 けるか、 自記式の波浪特性値観測装置の設置が必要 と なるわけで、 この ことについても、今回の調査 の完了をまって検討 してみたい と考 え て い る。

1 親

1

調査項 目 調査 に当っては、海浜波について

a)

波高

(

wa

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;H)

b)

波の周期

(

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波の方向

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を観測 し波

長 (

wa

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el

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n

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h;L

)は、 深海部 と浅海部 において周期がほぼ一定であるとい (1).

(

2

)

(31 うことよ り、観測周期か ら深海波長 を求 め、 これに浅海波補正 を加 えて得た ものである。波 観測時の気象条件 として d)風 向 e)風 速 も計測 してある。 また、海岸状鰭 に関 しては、砂れきの堆積状況、護岸工事、浜勾配や浜がけの形成 の様子 等 を観測調査 した。

2

観測地点 海浜波お よび海岸実態 の観測 を行 なった地点は、Fig.1に番号 を付 して示 した13の地点で

(4)

琉球大学理工学部紀要 (工学篇) 83

Fig.1LocatioTlSOfobsorvationpointsofwavecharacteristics.

ある。 これ らの地点の選定 に当っては、次のよ うな条件 を考慮 に入れた。す なわち、 a)各点はそれぞれの地点の近傍の代表的な値 を示 し うること。 b)陸上よ りその地点の海岸-の到達 が容易で、観測す るのに便利 なこと。 C)各点によって代表 され る区間長 がなるべ く等 しくなるよ うにす ること0

調査結果および考察

1 観測波の特性値 各観測点において観測 された波の特性値は Tablel に示す通 りである。 これ らの値 は、

(5)

84 津 裏 山 :沖 縄 本 島 海 岸 の 実 態 調 査 (1報)

Tab】e1.wavecharacteristicsofnortherncoastofOKINAWA i'sl.

*

meatlSthewi ndvelccitywaszero.tbereforewi nddirectioncouldn'tberecorded. (4) 同様 な気象条件下 におけ る岩垣 らの大阪湾 においての観測値、〟-50-80cm、T-3.5secに 比べ周期 は大 きめに、波高 は小 さめにな ってい るが、同湾 と沖縄 では沖波の条件 もちが うと 思 われ るし、浅海領域 に入 ってか らの波の減衰 に対す る海底摩擦 の影響 の度合い も異 なるは ずだ し、外海 よ り直接海岸 に波が襲来す る場合 と、内海波の典采 の場合 とでは後者 には さら に湾 内静振 の影響 な ども入 って くるので、 これ ら観測値 の差 のあ らわれ るのはむ しろ当然か と思 われ る。

l

T

:

海岸状 況 各海岸 の状況写実 の うち6枚 をえ らんで、Platelお よびPlate2に示 してあるが、それ ぞれ の観測点 を中心 に した海岸 区域の状態 について、観測点番号の順 にしたが ってのべるこ とにす る。 1)北部東側海岸 観測点① の辺戸岬付近 は波が荒 く、海岸 はFig.2に示 す よ うに前浜 において急勾配 になっ

(6)

琉球大学理工学部紀要 (工学篇) 85

Fig.2 Equi-waterdepthlines

てお り、いわ ゆる急深海岸 にな ってい る。海岸 は 自然 の ままで、波打際 は海水 に よ って浸 蝕 され た岩石 が多 くみ られ る。 辺戸岬 と観測点⑨ の楚州間 の海岸 は、絶 壁 が多 く浸 蝕性 の様相 を呈 してい る。 わずか に河 口に当 る部分 で湾形 を形成 し、若 干 の堆砂 がみ られ る。 観測点① と観測点③ の安 波 の間 も、ほ とん どの区域 が陸 はほぼ直角 に海 面 にお ち、その立 上 り部 は海水 によって浸蝕 され て突起 の多 い岩肌 を さらしてい る。安 波部落 の海岸 は安 波川 の川 口に当 り、入江 の よ うにな ってい るが割合 波 が高 く、 波打 際 には径

1

5-1

0

0

mm

程度 の

(7)

86 津 嘉 山 :沖 縄 本 島 海 岸 の 実 態 調 査 (1報) 玉砂利 の堆積 がみ られ る。部分的 に浜がけの形成 もみ られ る。 観測点㊥の安波か ら観測点④ の大泊までの海岸 は、かな りけわしいために陸側 よ り海浜に 接近 して観測す ることは困難 で、崖上 よ り望見す ると海岸線 か ら200-300mの リー フ の 上 で、♯来波が砕 けてい るのがみ られ る。 観測点④大泊か ら観軌 点⑤平良に至 る海岸 は、幾分地形的なけわしさは少な くな り、 とこ ろによっては堆砂 もみ られ る。平良湾内に入 ると、波高 はやや高いけれ ども湾 口から湾奥に かけてかな りの堆砂がみ られ る。.これは波が湾奥 に向 って進行す るとき海水の実質移動 を伴 ない、砂 を浮遊状態 のまま運搬 して、打上 げの際放出す るためだ と考 え られ る。満潮時の波 打際か ら15-20mの ところに、高 さ1m程度 の浜がけの形成 がみ られ る。人家 のある区域は 高 さ2mの コンク リー ト製護岸堤があ り、道路 が海沿いに走 ってい るところでは、海べ りの 路側 を粗石積 にして路肩 を保護 している。 観測点㊥平良か ら観測点⑥有銘 に至 る間は、平良湾内は上述 の通 りであるが、慶佐次近 く の岬では外海波の直接 の車乗 を受けて波があら く、砂浜はほ とん どみ られない。有銘湾は細 長いⅤ形の湾形 をなし、天仁屋岬 と慶佐次側岬の遮蔽 を受けて湾奥はかな り静穏 である。湾 奥部は岸近 くに人家があるため、 コン クリー ト護岸堤が築かれている0 観測点⑥有銘か ら観測点①嘉陽 にかけては砂浜がよ く発達 している。 ここは特別護岸堤 を 築いてない ようであるが、防風林があ り、防災には効果 をあげているよ うであるo 観測点㊥の瀬嵩のある大浦湾はほぼU字形 をなす湾である。南 よ りの波は辺野古崎、東北 よ りの波は安部暗 によ りさえぎられ るが、湾 口が広 く、回折波の減衰が少ない よ うで、湾奥 部 で も割合波高が高い。海岸線 に道路が近接 している部分が多 く、護岸工はそのまま道路数 を保護す る形 になっている。汀間か ら瀬嵩に及ぶ海岸 は堆砂 も多い ようである。 2)北部西側海岸 観測点①辺戸岬か ら観測点⑨字嘉 までの海岸 は、 まず辺戸岬 をまわ って宜名真 に及ぶ区間 で、前浜勾配 が急であ り、そのため外洋の波の減衰度が小 さ く海岸線近 くまで うちよせ、急 峻岸壁 に当ってはねかえって くる海水 のために巻 き波の形で砕波 し、岸 に勢いよ くつき当っ ている。 このため、岸近 くの岩石は浸蝕 されて多孔質で突起.の多い様相 を呈 している。宜名 真海岸 は辺戸岬の遮蔽が効 き、波 もおだやかで、堆砂 もかな りみ られ るよ うである。宜名実 か ら宇嘉 までの海浜は、海浜波の状況はほぼ宜名実海岸 のそれ と同様 であるが、砂の堆積 は あま り多 くないよ うであるO宇嘉海岸 は宇嘉川 の川 口に当 り、砂腫はあま りみ られないが、 川 よ り流出 した と推定 され る玉砂利 の堆積 がみ られ る。 観測点⑨字嘉 か ら観測点⑲伊地 に至 る海岸 には、辺野暮川、佐手川 、与郷川な どの河 口が あ り、 これ らの河 口部 には玉砂利 の分布がみ られ る。前浜部波打際あた りは、洗た く板状の 波形 をなす岩部分が多 く、砂唯は後浜部 にみ られ るが分布範囲はせ まい。与琳川の河 口部 は 北方 に向 った Ⅴ字形 をな し、波は開 口部 よ り入 って奥の方 に集中し、波高 もかな り高 く岸の 岩 に当 って くだけ白い水 しぶきを上 げている。伊地か ら辺土名までは、波高はやや高いが波 頂は円み をおびた海浜波であ り、砂唯の形成 もみ られ、40-100cm程度の浜がけの形成 もみ られ る。護岸堤 は人家 のある部分 を除いてはみ られないよ うであるが、浜がけ近 くに砂れき をも り上 げて堤代用 にしてい るよ うである。赤丸岬か ら謝 名城 までの海岸 は、赤丸岬の遮蔽 を受 けて静穏であ り砂堆分布 もみ られ る。

(8)

琉球大学理工学部紀要 (工学篇) 87 観測点@謝名城 は玉砂利 の分布 があ り,波打際 は横線状 に浸蝕 された岩肌 を示 してい る。 このあた りか ら大兼久 に及ぶ海浜 は、赤丸 岬 をまわ った波 が回折 しなが ら入 りこんできて、 波の進行方向は海岸線 に直角 にはな らず、そのため打上 げた波 はアーチ状 に引いていき、砂 をしだいに南側 に輸送 してい く作用 をもつ よ うであ る。従 って このあた りでは、平常時 に波 のお よばない後浜 の一部 を除 いてあま り堆砂 がみ られ ない。大兼久 と安根間 の海岸 は砂堆部 が小 さ く、海岸線 に沿 って走 る道路横 の護岸近 くまで波 が うちよせ て くる。 観測点⑲ の安根 か ら同⑲源河 に至 る海岸 は、古宇利 、屋我地両島 と本 島 によってか こまれ るいわば内海 々岸 に当るため、海浜 は静穏 で塩屋湾近 くにはかな りの砂堆がみ られ る。一号 線道路の整備 に伴 ない、路肩部 に波返 しをつけた コン ク リー ト堤又 は石横 堤が、海岸沿 いの 部分 にはつ くられてい る。 屋我地湾内の海岸 は、屋我地島 と奥武島によって十分 に遮蔽 されて海水湖 の状態 にあ り、 非常に静穏 である。 ここは水深 も浅 く、干潮時 には大部分が干上 って しま う。地形上 はいわ (5) ゆる トンボ ロの発達す る条件 を備 えてい るが、それが顕著 でないのは、上述 の よ うに湾内は 死水領域 にな ってお り、波浪 による トンボ ロの形成作用 があま り活発でないため と考 え られ る。

結 語 以上調査結果 についてのべてきたが、観測波 は周期 の割 に波高 が大 き く、従 って波形勾配

*

∂はJ

W

・Johnsonによる限界値∂-0.025よ り大 き く、波 は海岸 に対 して浸蝕性 の作用 を す るもの と思 われ る。 尚今回の観測値は、一回 もし くは二回の観 測によるものであ り、海岸 変動の検討のためには長期的 な波浪観測のデー タが必要 である。 それ故 、今 回の観測のみか ら海岸変動 について言及す るのは危険であ る と思 われたので、 この ことにはふれ ない ことに した。 調査 を行 な った海岸 は、護岸堤 のない 自然海岸 の部分 が多 く、海 蝕崖の様相 を呈 してい る ところもある。 このよ うな海岸 は、た とえば捨石 とか、 コン ク リ- トプ ロッ トや水制 な どに よって波のエネル ギー を減殺 し、保護 す る方策 を講 じなければ、将来思 わぬ災害 を招 くこと も予想 され る。 地形上 の理 由か ら、道路 が海岸近 くを通 ってい る箇所 が多いが、海側 の路側 に右横 をす る か コン ク リー ト堤 を作 って路床 や路肩 を保護 す る必要があ ると思 われ る。 また海岸近 くに人 家 のあるところは一応 コン ク リー ト又 は石積 みの堤が築 かれてい るよ うだが、荒天時 の堤 の 波浪遮蔽効果 が十分でない と思 われ る ところもあ り、今後横形実験 な どに よって検 討 を 加 え、必要 とあれば現存 の堤前面 に潜堤 を設 けるか、所 要 の 目的 に合 った コン ク リー トブ ロッ ク類 による海波減勢等 の方策 をたて ることも考慮 した方 が よい と思 われ る。 おわ りに、本調査 に当 っては琉球大学土木工学科 の学生 、伊佐真栄 、金城英男両君 の協力 があ った ことを記 し謝意 を表す る。 *∂ -H/L

(9)

88 津 嘉 山 :沖 縄 本 島 海 岸 の 実 態 諏 査 (1報) 参 考 文 献 1)荒木正夫、椿東一郎 :水理学演習 (下)森北出版、P、253(昭和37年) 2)渡辺弥作 :港湾工学、 コロナ社、P.43(昭和34年) 3)本間仁、石原藤次郎 :応用水理学 中 (I)、P540(昭和33年) 4)岩塩雄一、柿沼忠男、宮井宏 :現地海岸における海底摩擦係数について、第12回海岸工学講 演 会 講 演 集、土木学会、PP、35-40(1965)

5)Sauvage de Saints Mare.; Transport LittoralFormation etdeTombolos,pr

o

c

.

Slth. ConferenceCoastalEng.(1954)

Exp】anationofplates Plate1;ViewsofNorth-EasternCoastsofOkina・walsl.

(A);Heゎ (B);Alla (C);Taira

PJate2;ViewsofNorthwesternCoastsofOkinawalsl. (A);Ginam a(B);Uka (C);Shioya

(10)

琉球大学理工学部紀要 (工学篇) P】ate 1

妻 *{kv

(11)

90 津 寡 山 :沖 縄 本 島 海 岸 の 実 態 調 査 (第 1報) Plate 2

Tab】 e1.wavechar a ct e r i s t i c so fnor t he r nc oa s to fOKI NAWA i ' s l .

参照

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