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分散型遺伝的アルゴリズムにおける巡回セールスマン問題の解析

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Academic year: 2021

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分散型遺伝的アルゴリズムにおける巡回セールスマン問題の解析

日大生産工(学部) ○菅原 真希 日大生産工 山内 ゆかり

まえがき

分散遺伝的アルゴリズム(Distributed Genetic Algorithm: DGA)は母集団を複数の 部分集団に分割し,その部分集団毎に遺伝操 作を行い,一定期間に異なる部分集団に移住 を行う。DGAは単一母集団に比較して,良質 な解が得られることが知られている1)。本報 告では,巡回セールスマン問題に対して,条 件を変化させた場合にどのような解探索能力 の違いが現れるのかについて考察する。巡回 セールスマン問題のベンチマーク問題に対し て,実験を行い,有効性を報告する。

DGAの有効性

DGAと単一母集団でのGA(Simple Genetic Algorithm: SGA)の性能を比較し た。

本実験では,遺伝子表現に最初に訪れる都 市を固定した場合と固定しない場合の2通り を用いて,多様性の維持の効果を比較した。

最初に訪れる都市を固定した場合を Fix(F),固定しない場合をRandom(R)とし,

それぞれに単一母集団GAをSGA,移住を行 わないDGAをD1,移住を行うDGAをD2と定 めた。尚,実験には,表1のパラメータを用 いた。結果の値は,10試行での平均をとった。

TSPLIB4) のベンチマーク問題ulysses16を 使用し,最適距離370.22であった。

表2より,最初に訪れる都市を固定した場 合と固定しない場合の両方において,DGAは 単一の母集団のGAと比較して早い世代数で 最適解を得ることができた。

最初に訪れる都市を固定しない場合,移住 ありDGAが最も優秀な結果が得られた。最初 に訪れる都市を固定した場合,移住なしDGA が最も優秀な結果が得られた。

以上のことから,分散遺伝的アルゴリズム は単一の母集団の遺伝的アルゴリズムと比較 して,効果的な解探索を行うことが確認でき た。また,分散遺伝的アルゴリズムにおける 移住の効果は,遺伝子の構成法により異なる 影響がみられた。

表1 パラメータ 個体数 400 部分集団数 4

移住間隔 20世代 都市数 16

交叉 一点交叉 交叉率 0.7 突然変異率 0.1

表2 最適解が得られた世代の比較 最適解が得られた

世代 SGA(Random) 4620.6 DGA(Random)

移住なし 4542.2 DGA(Random)

移住あり 3789.8 SGA(Fix) 3673.5 DGA(Fix)

移住なし 1667.6 DGA(Fix)

移住あり 2597.3

Analysis on Traveling Salesman Problem in Distributed Genetic Algorithm Maki SUGAWARA, Yukari YAMAUCHI

−日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)−

― 107 ― 7-31

(2)

分散の効果

分散の効果をみるために,DGAと単一母集団 でのGAの性能を比較した。

図1に各手法の世代におけるエリート解の距 離を示す。実験結果より移住を行わないDGA は,単一母集団でのGAと比較して,最初に訪れ る都市を固定した場合とそうでない場合の両方 で高品質な解を得ることができる。

よって母集団の分散は解探索能力の向上に寄 与することが確認できた。

図1 DGAとSGAの解探索過程

4 移住の効果

DGAは,1部分集団辺りの個体数が少ないと 初期段階で局所解に陥りやすい3)。移住の効果 を検討するために,移住を行わないDGAと移住 を行うDGAの比較を行う。

図2の結果より,移住を行うDGAは,移住を 行わないDGAよりも収束が遅いことが分かる。

これは移住によってエリート個体の情報が交換 されたことにより,探索の局所解への収束が回 避されたためである。

また,最初に訪れる都市を固定しない場合の DGAは,都市を固定した場合のDGAと比較し て,最適解に辿り着くのが遅いことがわかる。

以上より移住を行うDGAでは,部分集団毎に 世代更新を行うことで多様性を維持しつつ,移 住よって,大域的な最適解を求められることが 期待されるが,提案手法ではエリート個体を移 住してしまうことによる悪影響が見られる。

図2 DGAにおける解探索過程

まとめ

本報告では,巡回セールスマン問題に対し て,DGAと単一母集団のGAの性能比較を行 った。DGAは,単一母集団のGAと比較して 高い性能を示したが,移住を行うことによる 母集団全体の多様性の維持は効果的な場合 とそうでない場合があった。また多くの検証 が行われているように,探索後半からのパラ メータ設定が重要である。

今後の課題は,各部分集団のエリート個体 を維持しつつ移住を行うことで,より効果的 な分散遺伝的アルゴリズムの実現を目指す ことが挙げられる。

「参考文献」

1) Reiko Tanese., “Distributed genetic algorithms”, Proc, 3rd International Conference on Genetic Algorithms, (1989) pp.434-439

2) 金子美華,三木光範,廣安知之,分 散GAにおける解探索メカニズム情 報処理学会研究報告. MPS, 数理モデ ル化と問題解決研究報告,(2000), pp.21-24

3) 渡邉 真也,廣安 知之,三木 光範, 多目的最適問題における進化的アルゴ リズムの並列化,第8回創発システム研 究交流会講演会,(2001)

4) TSPLIB, http://elib.zib.de/pub/mp -testdata/tsp/tsplib/tsplib.html

― 108 ―

参照

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