1)名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 2)名古屋市健康福祉局 3)愛知県がんセンター中央病院 放射線治療部 芝本雄太1) 、杉江愛生1)、荻野浩幸2)、富田夏夫3)
放射線生物研究 ( )
高精度放射線治療における 修復と再酸素化
1.はじめに
年代に入ってから、体幹部を含む定位放射線照射や強度変調放射線治療(
)といった新しい照射法が導入され、本邦でも多くの施設 でこれらの高精度放射線治療が可能となってきた。このような新しい放射線治療は物理的線量分 布の点において優れたものであるが、一方では従来の放射線治療と比べて一日の治療に時間がか かるため、その治療効果について生物学的な考察が必要と考えられるようになっている。通常の 対向二門照射では、一回の照射に要する時間は 分程度であるが、高精度放射線治療において は、通常一回 分程度は要する。我々の施設におけるライナックを使用した頭部定位照射に おいては、通常 つの角度からの振り子照射を行うが、それぞれの振子照射の間に 分の間隔 が必要であり、総治療時間は 分 分程度必要である。体幹部定位照射は7つの様々な方向か らの固定ビームを用いて行っているが、それぞれの門の間に数分程度の間隔が必要であり、総治 療時間は 分である。 では、 (金属ブロック)が連続的に動いて、
照射が途切れずに行われる 法を用いているので、照射時間は 分以内であるが、
その間にターゲットは小さい線量を間歇的に蓄積していくことになる。
このような間歇的治療の生物効果は、連続照射の効果と比べてどうなるであろうか? 代に ら( )が有名な亜致死損傷からの回復現象( )を報告し て以来、照射が中断して分割照射となると効果が減少することが認識されてきた。 らの実 験では 分の中断によって明らかな が起こることが示されているが( )、しかし臨床的に 重要となるそれより短い中断の場合、どの程度の が起こりうるかについては、まとまった 研究はなされてこなかった。すなわち分単位の照射中断によって、どれくらい による効果
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1
@
キーワード 亜致死損傷、修復、 回復、再酸素化、高精度放射線治療