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S pecial edition paper

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Academic year: 2021

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JR EAST Technical Review-No.31

S pecial edition paper

加振台による腰掛振動測定

3.

 走行試験では、腰掛は外部のさまざまな強制加振を受け ており、腰掛そのものの振動特性が表れているとは言えな い。そこで、腰掛そのものの振動特性を把握するため、加 振台による腰掛振動測定を実施した。入力となる加振台床  腰掛はお客さまが直接触れる一番身近な設備であり、サー

ビスを図るうえで腰掛が果たす役割は大きい。鉄道車両の 腰掛は、腰掛本来の座り心地の向上を図ることはもちろんだ が、走行時の振動条件下でも快適に使用できる腰掛が求め られる(1)。新幹線高速試験電車 FASTECH360S の走行 試験において、高速走行に伴う高周波振動が発生し、それ が腰掛へと伝わることで、座り心地に悪影響を及ぼす現象 が発生した。そこで、高速走行時でも不快な振動が発生し ない腰掛の設計手法の検討を行うため、高速走行時の腰 掛振動測定、加振台による腰掛振動測定および腰掛の力 学モデルの構築と数値シミュレーションを実施した。

高速走行時の腰掛振動測定

2.

  高 速 走 行 時 の 腰 掛 の 振 動 特 性を把 握 するた め、

FASTECH360S の走行試験(320km/h)で、腰掛(空席)

の振動加速度測定を実施した。測定点を図 1 に示す。測 定項目のうち、床面の前後方向fx、上下方向fz、背もたれ 上部の面外方向hxのパワースペクトル密度(以下、「加速 度 PSD」とよぶ)を図 2 に示す。これより背もたれの加速度 PSD には 7Hz、11Hz、25Hz、32Hz 付近にピーク周波数 があることが確認できた。なお、32Hz 付近のピーク周波数は、

車輪のアンバランスに起因する振動(2)である。

高速車両用腰掛の ダイナミクス解析

島宗 亮平*

安井 義隆*

横山 義彦*

●キーワード:新幹線、腰掛、高周波振動、加振台試験、数値シミュレーション

 新幹線高速試験電車FASTECH360Sの走行試験で、高速走行に伴う高周波振動が車内床面で発生し、それが 腰掛へ伝わることで、座り心地に悪影響を及ぼす現象が発生した。そこで、この腰掛の振動特性を把握するため、

高速走行試験と加振台による腰掛振動測定を実施した。その結果、走行試験において顕著である背もたれの前 後方向の振動は、車輪のアンバランス加振に起因する床面振動によって、腰掛の固有振動が励起されているこ とがわかった。また、不快な振動が発生しない腰掛の設計手法を検討するため腰掛の力学モデルを構築し、数 値シミュレーションにより腰掛振動を再現することができた。

JR東日本研究開発センター 先端鉄道システム開発センター

図1 腰掛の振動加速度測定点

図2 高速走行試験の測定結果(320km/h)

1. はじめに

(2)

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JR EAST Technical Review-No.31

Special edition paper

 図 5 は、加振台の測定結果と力学モデルを用いたシミュ レーション結果について「前後並進振動」と「ねじり振動」

を比較したものである。図 5 より、両者の加速度 PSD のピー ク周波数がほぼ一致しており、この腰掛モデルは、実際の 腰掛の振動を再現する妥当なモデルであるといえる。

5. おわりに

 高速走行時と加振台による振動測定を行い、腰掛の振 動特性を把握することができた。また、腰掛の力学モデル を構築し、その妥当性を検証した。今後は、この力学モデ ルを用い、不快な振動が発生しない腰掛の設計手法を検討 していく。

面の加速度 PSD は、約 10-3(m/s22/Hz で一様な大きさと し、前後 ・ 左右 ・ 上下方向の 3 軸同時加振を行った。測 定点は走行試験時と同様とした。測定項目のうち、床面の 前後方向fx、上下方向fz、背もたれ上部の面外方向hx の加速度 PSD を図 3 に示す。これより、背もたれの加速度 PSD は 13Hzと34Hz 付近にピーク周波数があることを確認 できた。

 これらの結果から、走行試験において顕著であった 32Hz 付近の背もたれ前後振動は、車輪のアンバランス加振に伴う 床面振動が入力となって、腰掛単体にみられた 34Hz 付近 の固有振動が励起されていることがわかった。

数値シミュレーション

4.

4.1 腰掛の力学モデル

 腰掛の振動を再現する背もたれと座面を含んだ腰掛の力 学モデルを考える。背もたれは 2 つの剛体倒立振子とばねと ダンパ、座面は剛体とばねとダンパでモデル化し、9 自由度 の腰掛モデルを構築した。腰掛の力学モデルを図 4 に示す。

倒立振子と座面をつなぐヒンジ部分、さらに左右の倒立振子 間には回転角に応じて復元力を発生させる回転ばね(ktr、 ktl、krl)とダンパ(ctr、ctl、crl)を、座面と床の間には上下 方 向に 4 つ(kz1、kz2、kz3、kz4)、(cz1、cz2、cz3、cz4)、 前 後方向に 2 つのばね(kx1、kx2)とダンパ(cx1、cx2)を配置 した。この腰掛モデルは、床面の前後、上下加速度を入力 として、背もたれの面外方向の加速度および座面の前後、

上下、ピッチ、ロール、ヨー加速度を出力する。θ0は背も たれのリクライニングの初期角変位、θr、θlはリクライニング 角変位である。

4.2 数値シミュレーション

 これまでの振動測定で背もたれの振動には、背もたれが 前後に揺れる「前後並進振動」と背もたれがねじれながら 揺れる「ねじり振動」があることがわかっている。

図4 腰掛の力学モデル

図5 加振台測定とシミュレーション結果の比較 図3 加振台試験の測定結果

参考文献

1) 白戸、中川、藤浪;振動環境における座席評価手法の研究 開発、J-Rail 96講演論文集、pp.275-278、1996.

2) 廣瀬、高尾、林田、田口;高速車両の高周波振動、J-Rail 94講演論文集、pp.277-280、1994.

参照

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