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誌名 水田複合経営の新作型の開発に向けた研究 巻/号

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(1)

水田複合経営の新作型の開発に向けた研究(プロジェクト研 究成果シリーズ566)

誌名

誌名 水田複合経営の新作型の開発に向けた研究 巻/号

巻/号 566号

掲載ページ

掲載ページ p. 1-52 発行年月

発行年月 2017年3月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

(2)

農林水産技術会議事務局

研 究 成 果

566

︵ ・ ︶

 

収益力向上のための研究開発

─水田複合経営の新作型の開発に向けた研究─

Possibility and Conditions for Turning out Profits of Paddy Farming Models 

adopt Vegetables

(3)

収益力向上のための研究開発

─水田複合経営の新作型の開発に向けた研究─

Possibility and Conditions for Turning out Profits of Paddy Farming Models adopt Vegetables

2 0 1 7 年 3 月

(4)

序   文

 研究成果シリーズは、農林水産省農林水産技術会議事務局が研究機関に委託して推進した研究の成果を、

総合的かつ体系的にとりまとめ、研究機関及び行政機関等に報告することにより、今後の研究及び行政の効 率的な推進に資することを目的として刊行するものである。

 この第 566 集「収益力向上のための研究開発-水田複合経営の新作型の開発に向けた研究-」は、農林水 産省農林水産技術会議事務局の委託プロジェクト研究として、2015 年度に、国立研究開発法人農業 ・ 食品 産業技術総合研究機構を中心に実施した研究成果をとりまとめたものである。

 水田作経営においては、近年、地域の農家戸数減少のもとで、担い手経営への急速な農地集積と規模拡大 が進み雇用型法人経営や集落営農法人経営が増加している。しかし、米価下落及び稲作収益低下のなかで、

雇用を安定し経営を存続するためには、主食用米以外の作目導入や既存作物の生産力向上による収益性の向 上が課題となっている。こうしたなかで、野菜作など新たな作目を含む水田複合経営モデルの開発が期待さ れている。

 本研究は、大規模水田作法人経営や集落営農法人経営を対象に、野菜作等を導入した複合経営モデルを策 定し、それによる法人経営の収益性向上の可能性とその条件、とくに導入する野菜作及び既存作物の課題を 明らかにし、今後の技術開発に資することを目的とした。

 この研究の成果は、今後の農林水産関係の研究開発及び行政を推進する上で有益な知見を与えるものと考 え、関係機関に供する次第である。

 最後に、本研究を担当し、推進された方々の労に対し、深く感謝の意を表する。

 2017 年 3 月

農林水産省農林水産技術会議事務局長    西郷 正道  

(5)

目   次

研究の要約………1 第1章 市場動向から見た主要野菜の国内生産拡大の可能性と条件の解明………6

第2章 寒地水田作における複合経営モデル策定と技術開発要素の提示………12

第3章 寒冷地水田作における複合経営モデル策定と技術開発要素の提示………18

  1 東北地域太平洋側の大規模水田作集落営農モデル策定と技術開発要素の提示………18

  2 東北日本海側における大規模集落営農経営モデル策定と技術開発要素の提示………22

第4章 温暖地水田作における複合経営モデル策定と技術開発要素の提示………26

  1 南関東地域における大規模水田作法人経営モデル策定と技術開発要素の提示………26

  2 東海地域における大規模水田作法人経営モデル策定と技術開発要素の提示………31

第5章 中山間地域水田作における複合経営モデル策定と技術開発要素の提示………42

第6章 暖地水田作における複合経営モデル策定と技術開発要素の提示………48

(6)

Ⅰ 研究年次・予算区分 研究年次:2015 年度

予算区分:農林水産省農林水産技術会議事務局  収益力向上のための研究開発(水田複 合経営の新作型の開発に向けた研究)

Ⅱ 主任研究者

主 査:国立研究開発法人農業 ・ 食品産業技術総 合研究機構

理事長

井邊 時雄(2015 年度)

推進リーダー:中央農業総合研究センター 農業経営研究領域長

仁平 恒夫(2015 年度)

Ⅲ 研究担当機関

国立研究開発法人農業 ・ 食品産業技術総合研究機 構

……(委託先)千葉県農林総合研究センター

……(委託先)愛知県農業総合試験場

Ⅳ 研究目的

 本研究「水田複合経営の新作型の開発に向けた研 究」では、市場動向から見た主要野菜の生産 ・ 消費 の動向、及び実需者ニーズから見た野菜生産拡大の 可能性と条件等を検討する。また、寒地、寒冷地、

温暖地、暖地、中山間地域の 5 地域において、野菜 作等を導入した収益性の高い水田複合経営モデルを 策定するとともに、その実現に必要な技術開発要素 を提示する。

Ⅴ 研究方法

 本研究で策定する複合経営モデルは、大規模水田 作法人経営(経営面積 80…ha 前後の雇用型法人経営

または集落営農法人)とする。

 まず、北海道、東北、関東 ・ 東海、近畿 ・ 中国

(中山間地域)、九州の各地域に実在する代表的大規 模水田作法人経営を対象に、これら経営体の技術・

経営構造の分析等を行い、営農を構成する各作目の 技術係数(収益 ・ 費用係数、労働係数)を明らかに するとともに、野菜作等の新作目導入の際の制約条 件等を把握し、線形計画法を適用した営農計画モデ ルを構築する。

 つぎに、稲作収益低下のもとで経営存続に向けた 営農上の課題、目標所得(付加価値額)水準等の経 営成立要件を地域及び組織形態別に確認するととも に、技術研究者、現場経営者とともに、導入の考え られる野菜作や既存部門(水稲、麦、大豆作等)の 技術改善、及び野菜作を組み入れた新たな作型の可 能性について検討する。その上で、当該野菜作や新 たな作型の技術係数を地域の農業経営指標等より把 握し、構築した営農計画モデルのプロセスに加え て、経営試算を行い、所得向上の可能性と条件を検 討する。

 目標とする収益水準は、「新たな食料 ・ 農業 ・ 農 村基本計画」に示される農業経営モデルの目標所得 等を参考にしつつ、現行に対して 3 割以上の所得

(付加価値額)の増加可能なモデルを検討する。そ して、野菜作の価格や収量水準、作期移行による経 営試算を繰り返し行い、この目標所得水準の達成に 必要な、野菜作や既存部門の技術開発課題(作期移 動、単収水準等)を明らかにする。

 さらに、これらの技術開発課題の妥当性につい て、技術研究者及び現場経営者と繰り返し検討を行 い、実現可能な技術開発要素を固め、水田作複合経 営モデル及びその実現に必要な技術開発課題を提示 する。

研 究 の 要 約

(7)

Ⅵ 研究結果

1.市場動向から見た主要野菜の国内生産拡大 の可能性と条件の解明

 BCG マトリクスを用いた分析から、タマネギ・

ブロッコリー・アスパラガス・トマト・エダマメ・

サトイモ・ジャガイモ・ニンジンが、今後、国内生 産拡大の余地が大きいことを明らかにした。また、

流通業者への聞き取り調査から、エダマメ・ブロッ

コリー・レタスは特に鮮度が重要視され、タマネギ は辛味が少ないもの、ネギは加熱したときに赤いも の、キャベツは食感がやわらかいもの、ホウレンソ ウはえぐみがなく甘いもの、アスパラガスはやわ らかく甘いものが求められること、特にタマネギ・

キャベツでは加工・業務用の需要が伸びており、大 玉が求められること等を明らかにした。

研究計画表(研究室別年次計画)

研究課題 研究年度 担当研究機関・研究室

2015 機関 研究室

(1)市場動向から見た主要野菜の国内生産拡大の 可能性と条件の解明

(2)寒地水田作における複合経営モデル策定と技 術開発要素の提示

(3)寒冷地水田作における複合経営モデル策定と 技術開発要素の提示

1 東北地域太平洋側の大規模水田作集落営農 モデル策定と技術開発要素の提示

2 東北日本海側における大規模集落営農経営 モデル策定と技術開発要素の提示

(4)温暖地水田作における複合経営モデル策定と 技術開発要素の提示

1 南関東地域における大規模水田作法人経営 モデル策定と技術開発要素の提示

2 東海地域における大規模水田作法人経営モ デル策定と技術開発要素の提示

(5)中山間地域水田作における複合経営モデル策 定と技術開発要素の提示

(6)暖地水田作における複合経営モデル策定と技 術開発要素の提示

北海道農業研究セ ンター

北海道農業研究セ ンター

東北農業研究セン ター

中央農業総合研究 センター

千葉県農林総合研 究センター

愛知県農業総合試 験場

近畿中国四国農業 研究センター

九州沖縄農業研究 センター

水田作研究領域

水田作研究領域

生産基盤研究領域

農業経営研究領域

営農・環境研究領 域

作物開発・利用研 究領域

注)文中の図、表に付した番号は、上記研究課題番号とその中の一連番号を組合せて表示してある。(例:(1)

の課題の 1 番目の図の場合は、図 1-1 と、(4)の1)の課題の 1 番目の図の場合は、図 41-1 と表示)

(8)

2.寒地水田作における複合経営モデル策定と 技術開発要素の提示

 北海道南空知・岩見沢市を対象として、経営面積 約 84…ha の雇用型法人を素材に、加工業務用のタマ ネギ作を導入した複合経営モデルを策定し、収益向 上の可能性と技術課題等を明らかにした。その結 果、タマネギの移植栽培と直播栽培を導入した場 合、労働報酬は約 45% 向上するが、そのためには、

直播栽培において 10…a あたり 5 トン以上の収量確 保が必要となる。このため、移植後の干ばつ害回避 のための地下灌漑の効果的な利用技術、直播栽培向 けタマネギの適性品種の選定ないし開発、早期播種 を可能にする総合的圃場作り、播種・定植作業の省 力化を可能にする技術開発、さらに、タマネギ作を 含む合理的な輪作体系の確立が必要であることを明 らかにした。

3.寒冷地水田作における複合経営モデル策定 と技術開発要素の提示

 東北地域太平洋側と日本海側において、それぞれ 経営面積 150…ha、90…ha の集落営農法人を素材に、

複合経営モデルを策定した。太平洋側ではタマネギ 導入モデルにより付加価値額が 44% 増加する可能 性を示した。ただし、雇用延べ人数は 1182 人日、

8 月中旬には 1 日当たり 47.5 人の雇用確保が必要と なる。このため、収穫調製作業の省力化を可能にす る技術開発が必要なことを明らかにした。

 日本海側では水稲と大豆を作付する法人を素材 に、水稲 10…ha を園芸作に転換するモデルを作成し たところ、エダマメ 4…ha、ネギ 6…ha を導入したモ デルで付加価値額 3 割増の目標を達成できるという 試算結果を得た。その実現にはエダマメ生産におい て、オリジナル複数品種活用による連続収穫体系の 確立、ダイズサヤタマバエ等防除技術の確立・普 及、畝立て播種・同時マルチ作業機の開発、収穫作 業の機械化体系の確立が必要なことを明らかにし た。

4.温暖地水田作における複合経営モデル策定 と技術開発要素の提示

 南関東の経営面積 80…ha の雇用型法人と東海の 54…ha の雇用型法人、150…ha の集落営農法人を素材 に、複合経営モデルを策定した。南関東ではネギ、

ブロッコリーを導入した大規模水田作複合法人経営 モデルを策定し、これらにより付加価値額を 3 割程 度向上できることを示した。ただし、ネギは投下労 働時間が多いため、導入面積の拡大を図るには、作 期分散できる各種技術・作型の開発が必要なことを 明らかにした。ブロッコリーの投下労働時間は少な いが収益性が低いため販売額の増加に資する技術開 発が必要なことを明らかにした。さらに、水稲の乾 田直播栽培及び業務用向けの多収品種の導入、大豆 の不耕起狭畦密植栽培等、既存の土地利用型作物の 省力化技術もあわせて導入する必要があることを明 らかにした。

 東海では加工・業務用キャベツ及びその省力化栽 培技術・多収品種等の導入を想定して複合経営モデ ルを策定し、1 人当たり農業所得は雇用型法人モデ ルで 30%、集落営農法人モデルで 28% それぞれ向 上することを明らかにした。その効果を発揮するた めには、既存の稲・麦・大豆作の生産性向上を達成 するための施肥管理等の栽培技術や水田における露 地野菜栽培のための機械開発等も必要であることを 明らかにした。

5.中山間地域水田作における複合経営モデル 策定と技術開発要素の提示

 中国中山間地域の経営面積 80…ha 規模の集落営農 法人を素材に、既存の稲・麦・大豆作に加えて、ア スパラガス、ホウレンソウを導入した営農モデルを 策定し、日射拍動灌水技術によるアスパラガスの多 収技術と、既存作物の作期移動と多収技術等により 現行より約 48% の付加価値増加が可能なことを明 らかにした。また生物的防除技術を用いたホウレン ソウ(施設)の夏秋期多収技術と、既存作物の作期 移動等により現行より約 41% の付加価値増加が可 能なことを明らかにした。

6.暖地水田作における複合経営モデル策定と 技術開発要素の提示

 北九州水田地域の経営面積 56…ha の集落営農法人 を素材に、タマネギ、エダマメを導入した場合の営 農モデルを策定し、現行よりも 35% の付加価値増 加が可能なことを明らかにした。ただし、タマネギ では、12 月上中旬に移植し、5 月末までに収穫でき るマルチ等を利用した促成栽培技術の開発、エダマ

(9)

メでは、夏季における省力 ・ 低コスト防除技術の確 立と暖地水田向けの早生の枝豆専用品種の開発が必 要なことを明らかにした。

Ⅶ 今後の課題

 本研究で策定した複合経営モデルは、経営規模や 労働力などの経営資源、各作物の収量や費用、作業 労働時間などの技術係数、生産要素価格や生産物価 格、水田利活用等の交付金等、一定の経営的・技術 的・経済的条件を仮定した上での限定的なモデルで あり、新作型を導入した複合経営体の実現を必ずし も保証するものではない。このため、新作型を導入 した経営体における実証試験等を通じて、その実現 性を検証することが必要である。とくに、導入の想 定される野菜作については、大規模水田作経営にお ける既存の経営指標がなく、野菜専作経営等の経営 指標を流用している。今後、大規模水田作経営にお ける水田での野菜生産の実態に即して適宜修正し、

より現実的なモデルとすることが求められる。

 水田作経営における野菜作導入の一つのメリット として、田畑輪換による野菜の連作障害の回避や、

野菜の残肥効を活かした後作の土地利用型作物の生 産性向上が考えられる。しかし、策定した多くの複 合経営モデルは、導入する野菜作と水稲との輪作体 系は想定されていない。このため、今後、野菜作を 含む輪作体系の技術的可能性と経営成果に関わる実 証的研究が求められる。こうした点も含めて、水田 作経営における野菜等を導入した複合経営の利点を 理論的に整理する必要がある。

 多くの野菜作では、定植作業や収穫調製作業に多 くの労働力を必要とし、しかも短期間で実施せざる を得ない。策定した経営モデルではこうした農繁期 に臨時雇用の確保可能な前提で試算を行っている。

スポット的な臨時雇用の確保が現実に可能かどう か、検討する必要がある。また、これら作業の省力 化を可能にする新たな作業機の開発とその導入を可 能にする作付面積規模等を明らかにすることも求め られる。さらに、こうした機械が高額で大規模の稼 働面積を必要とする場合には、機械の共同利用や作 業請負組織(コントラクター)の設立による産地と しての複合経営モデル展開の可能性を検討する必要 がある。

 主要野菜の市場動向は、常に変化するため、定期

的に同様の調査・分析を行うことが望ましい。ま た、今回調査した流通業者 3 社はいずれも関東に本 社と主な流通拠点を置いているため、今後、近畿な ど他の地域で主に営業する流通業者の調査研究も必 要である。

Ⅷ 研究発表

… 1)吉田晋一(2016)市場動向から見た主要野菜の 国内生産拡大可能性.平成 27 年度東北農業試験研 究推進会議農業経営研究会

… 2)松本浩一(2016)…「経営展望」 の実現に向けた 線形計画モデルによる技術の経営的評価の到達 点-水田作経営を中心として-関東東海北陸農 業経営研究 106:29-39.

Ⅸ 特許取得・申請  なし

Ⅹ 研究担当者

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター

田口光弘、吉田晋一、細山隆夫、島 義史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター

高橋太一、磯島昭代

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター(現・中央農業研究セン ター)

仁平恒夫、松本浩一、房安功太郎 千葉県農林総合研究センター

高橋ゆうき、栗原大二、鎌田 譲、溝田俊之、

草川知行、町田剛史、竹内大造 愛知県農業総合試験場

落合幾美、土本浩介、鬼頭 功

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター(現・西日本農業研 究センター)

坂本英美、渡部博明、千田雅之

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター

田口善勝、相原貴之、岡崎泰裕

執筆者)

(10)

Ⅺ 取りまとめ責任者あとがき

 今日、農業従事者の激減など地域農業構造は大き く変化しつつあり、担い手経営においてもかつて所 与とされてきた農地面積など生産要素資源の制約が 緩和され、規模拡大も容易になってきている。他 方、米価低迷による農業収益低下のもとで、実需や 市場の将来動向も視野に入れながら、どのような作 目をどのように生産すれば良いのか、担い手経営は 作目選択を含めて模索している状況である。こうし た状況下では、特定の作目や技術を基に営農モデル を検討するのではなく、経営体の成立・存続のため の経済的条件を検討し、それを可能にする作目 ・ 作 型変更を含む営農の展開方向を提示し、営農モデル の具体的提示とその実現に必要な技術開発を提示し 実証する、と言ったバックキャスト的アプローチが 必要と考えられる。

 本研究は、大規模水田作経営を対象に、野菜作の 導入を想定した営農成立の可能性と技術条件等を、

経済性評価の可能な営農計画モデルの構築を通じて 検討を行った。とは言え、選択可能な野菜品目は多

数考えられるうえ、野菜以外の飼料作や 6 次化の対 応も、経営体にとっては有望な選択肢となる。立地 条件や経営資源の保有状況等に応じて、総合的な観 点から最適な作目構成や営農モデルを、その経済性 や実現可能性とともに提示する研究アプローチは いっそう必要になると考えられる。ちなみに、本研 究成果の一部は、平成 27 年度補正予算による「革 新的技術開発・緊急展開事業(地域戦略プロジェク ト)」にも反映されている。

 最後になりましたが、複数回にわたる研究会や現 地検討会には、東北農業研究センター畑作園芸研究 領域・松元哲領域長、野菜茶業研究所野菜生産技術 研究領域・佐々木英和上席研究員には毎回出席いた だき有益なコメントをいただいた。また、主要野菜 の実需者ニーズの把握、複合経営モデルの策定に当 たり、流通業者及び各地の先進農業経営の経営者の 皆様から、多大なご協力と情報提供をいただきまし た。感謝申しあげます。

(千田 雅之)

(11)

 ア 研究目的

 水田作経営では、米価及び主食用米収益性の低下 のもとで、新規作目・部門の導入を含めた営農の抜 本的な見直しが迫られている。本プロジェクト研究 では、導入すべき野菜品目を検討し、具体的な新作 型モデルの策定と技術開発課題の提示を行う。

 このうち本章では、第一に、導入すべき野菜品目 の検討の参考とするため、各種統計データ等から市 場動向を調査し、主要野菜の国内生産拡大の可能性 を明らかにする。

 第二に、本プロジェクトで水田作経営への導入が 検討されている野菜について、国内生産拡大の条件 を解明するため、流通業者に対する聞き取り調査か ら、(1)調達産地、および(2)近年の品質ニーズ、

需要に対し供給が不足している品目・時期を明らか にする。

 イ 研究方法

 (ア) 各種統計データ等からの市場動向の調査に 関しては、各種統計データや既存の調査報告、資料 などの一次資料、二次資料を用いて、主要な野菜 品目の動向を調査・把握した上で、BCG マトリッ クス*1を援用して分析する。対象品目は、指定野 菜 14 品目の全て(タマネギ、キャベツ、ネギ、ホ ウレンソウ、ジャガイモ、ニンジン、レタス、ダイ コン、ナス、ハクサイ、キュウリ、トマト、ピーマ ン、サトイモ)と特定野菜 35 品目中で水田作経営 への導入が考えられたエダマメ、アスパラガス、ブ ロッコリー、コマツナ、スイートコーンの 5 品目 である。調査対象期間は、データの入手しやすさ、

データ間の比較のしやすさから、2000 年から 2010 年とした。

 (イ) 流通業者からの聞き取り調査に関しては、

本プロジェクトで水田作経営への導入が検討されて いる野菜 7 品目(タマネギ、ブロッコリー、エダマ メ、ネギ、キャベツ、ホウレンソウ、アスパラガ ス)に加え、東海地方の水稲裏作で栽培が行われて いるレタスを主に取り上げ、タイプの異なる流通業 者 3 社に対して聞き取り調査を行う。

  a 聞き取り調査の対象は、小売業者 A 社、

生協の青果物調達業者 B 社、仲卸業者 C 社の3社 である。

  (a) A社は、インターネットなどを通じて一 般消費者へ特別栽培農産物、無添加加工食品など安 全性に配慮した食品・食材を販売する小売業者であ る。全国の消費者に宅配するほか、東京、千葉、神 奈川に実店舗と店内コーナーも展開している。2014 年度の売上高は約 181 億円であり、約 8 万人の会員 を有する。

  (b) B社は、関東地方および近隣の 1 都 9 県(組合員数約 190 万人)で宅配事業を展開してい る生活協同組合連合会(以下、BA 組合と表記)の 100% 出資子会社であり、BA 組合が取り扱う米や 青果物の産地開発および調達等を担っている。2014 年度における売上高は約 251 億円である。

  (c) C社は、卸売業者から青果物を購入して 小売業者等へ販売する仲卸業を主たる事業とする青 果物流通業者であり、2014 年度の売上高は 683 億 円である。

 ウ 研究結果

 (ア) 本節では各種統計データ等からの市場動向 の調査結果について述べる。

 国産野菜の出荷量の動向(原資料は野菜生産出荷 統計)としては、ブロッコリーが大きく増加してい る以外は、全ての品目で横ばいないし微減傾向にあ る。一方で国産野菜の価格(前述出荷量で後述産出 額を除して導出)はいずれの品目も上昇傾向にあ り、特にネギ・ピーマン・トマト・サトイモの価格 が堅調に上昇している。国産野菜の産出額(原資料 は生産農業所得統計)は、葉菜類で総じて増加傾向 にあり、なかでもブロッコリーが顕著に増加してい る。次いで、アスパラガス・コマツナ・タマネギも 大きく増加している。果菜類では、エダマメ・トマ ト・ピーマンが、根菜類ではニンジンが増加傾向で ある。

 用途別に見ると、家計消費量(原資料は家計調 査)は、タマネギ・キャベツ・ネギ・レタス・ハク

第1章 市場動向から見た主要野菜の国内生産拡大の可能性と条件の

解明

(12)

サイ・ニンジンは横ばいだが、ホウレンソウ・ナ ス・キュウリ・トマト・ピーマン・ジャガイモ・ダ イコン・サトイモは減少傾向にある。小林1,2)によ ると業務・加工用割合(数量ベース)は 4 割から 6 割で、なかでもニンジン・ネギ・トマト・ダイコン が高く、特にニンジン・ネギ・トマトは増加傾向に ある。また、業務・加工用において輸入が多いの は、トマト・ニンジン・タマネギである。農林水産 省3)によると価格については業務・加工用の方が 安価で、家計消費用の 6 ~ 8 割程度である。

 BCG マトリックスを用いて、主要な野菜品目を 対象に国産(前述産出額)と輸入(原資料は貿易統 計)を合計した金額ベースの市場規模について成長

率と国産のシェアを分析したところ(図 1-1、1-2、

1-3)、最も生産拡大の余地が大きい「低シェア・高 成長」に該当するのはタマネギ・ブロッコリー・ア スパラガス・トマト・エダマメ・サトイモ・ジャガ イモ・ニンジンであった。次いで生産拡大の余地 がある「高シェア・高成長」に該当するのはネギ・

キャベツ・レタスであった。同じく生産拡大の余地 がある「低シェア・低成長」に該当するのはスイー トコーンであった。最も生産拡大の余地が小さい

「高シェア・低成長」に該当するのは、ハクサイ・

ホウレンソウ・キュウリ・ナス・ダイコンであっ た。

タマネギ, 87, 118, 928

キャベツ, 99, 102, 931

ネギ, 97, 105, 1428

アスパラガス, 77, 101, 325 ブロッコリー, 76, 114, 426

ハクサイ, 100, 97, 431

80 100 120

60 100

市場成長率金額ベース市場規模単位% (2006-2010年平均/2001-2005年平均

国産野菜の市場シェア(金額ベース) 単位:%

(2006-2010年平均)

中央値95%

低シェア・低成長 低シェア・高成長 高シェア

・高成長

高シェア

・低成長

凡例2: 品目名,横軸 値,縦軸値,2006- 2010年平均市場規模

(単位:億円)

凡例1: 円の大 きさは2006- 2010年平均市 場規模を示す

ホウレンソウ, 97, 95, 1005

レタス, 99, 101, 729

図 1-1 葉茎菜類の BCG マトリックス

1)… 資料は(独)農畜産業振興機構「野菜統計要覧」。原資料は生産農業所得統計、貿易統計。

2)… 産出額と輸入額を足し合わせて市場規模と市場シェア、市場成長率を推計した。国産は農家庭 先、輸入は港受渡段階での金額である。

3)… 国産野菜の輸出や流通段階での減耗分、ミックス野菜や加工食品として輸入されたものは考慮 されない。生鮮以外の形態では輸入されたものの加工業者による付加価値額が含まれる。

(13)

 (イ) 本節では流通業者からの聞き取り調査結果 について述べる(表 1-1)。

 まず、タマネギの産地別調達動向については、3 月ごろ~ 7 月が佐賀県を中心とした九州産で、それ 以外の時期は北海道産や関東産であった。複数の事 例で欠品が多い時期とされたのは、九州産から北海 道産に産地が切り替わる 7 ~ 8 月である。品質に関 するトレンドとしては、サラダタマネギや白玉品 種(北見の「真白」等)といった辛みが少ないタマ ネギに対する需要が伸びている。また、加工用需要 も伸びており、そこでは歩留まりや作業性の観点か ら、大玉 2…L ~ 3…L が求められている。

 ブロッコリーについては、7 ~ 10 月が北海道、

11 ~ 6 月は九州や関東などからの調達が多く、4 ~ 6 月および 8 月が欠品しやすい時期といえる。需要

は伸びており、産地側に求められる対応は鮮度維持

(腐敗防止)のために氷詰めで流通業者へ輸送を行 うことである。

 エダマメについては、4 ~ 6 月が沖縄や九州、7

~ 10 月は関東、北陸、東北、北海道などから調達 されている。複数の事例で茶豆に対する需要は増え ており、取り扱い比率は、白毛種 6 ~ 7 割、茶豆 3

~ 4 割であった。さらなる供給が求められている時 期は 5 ~ 7 月であり、近年は 5 月から気温が上がっ てエダマメに対する需要があるにもかかわらず、供 給できる産地が限られているのが現状である。

 ネギの調達先については、関東のみや九州のみ、

あるいは関東以北で季節ごとに産地を変更するな ど、各社により異なる対応が見られた。欠品しやす い時期として、2 社から 5 ~ 6 月が挙げられた。品

トマト, 89, 109, 2257

エダマメ, 75, 102, 451

スイートコー ン, 69, 98,

457 キュウリ, 98,

99, 1425

ナス, 100, 94, 822

80 100 120

60 100

市場成長率金額ベース市場規模単位% (2006-2010年平均/2001-2005年平均

国産野菜の市場シェア(金額ベース) 単位:%

(2006-2010年平均)

中央値95%

低シェア・低成長 低シェア・高成長 高シェア

・高成長

高シェア

・低成長

凡例2: 品目名,横軸 値,縦軸値,2006- 2010年平均市場規模

(単位:億円)

凡例1: 円の大 きさは2006- 2010年平均市 場規模を示す

図 1-2 果菜類の BCG マトリックス 1) 図 1-1 に同じ。

図 1-3 根菜類の BCG マトリックス 1) 図 1-1 に同じ。

ニンジン, 95, 110, 663

サトイモ, 84,

103, 381 ジャガイモ,

75, 100, 1533

ダイコン, 99, 91, 951

80 100 120

60 100

市場成長率金額ベース市場規模単位% (2006-2010年平均/2001-2005年平均

国産野菜の市場シェア(金額ベース) 単位:%

(2006-2010年平均)

中央値95%

低シェア・低成長 低シェア・高成長 高シェア

・高成長

高シェア

・低成長

凡例2: 品目名,横軸 値,縦軸値,2006- 2010年平均市場規模

(単位:億円)

凡例1: 円の大 きさは2006- 2010年平均市 場規模を示す

(14)

質トレンドとしては、加熱したときに甘いもの(A 社)や、ミニネギ(C 社)が挙げられた。

 キャベツについては、7 ~ 10 月は長野県や群馬 県からの調達が多く、11 ~ 3 月は九州や愛知県な ど、4 ~ 6 月神奈川県や千葉県などからの調達が多 い。欠品しやすい時期として、3 社共通して指摘さ れたのが夏場であり、この時期に一大産地の長野県 や群馬県が気象条件により不作になったら、流通業 者は大きな影響を受けることになる。「トンガリボ ウシ」や「グリーンボール」、「金系 201 号」といっ た食感が柔らかい品種に対する需要が伸びている。

また、業務用需要も伸びており、大きさがそろった 大玉の冬系品種が求められている。

 レタスの調達動向については、6 ~ 10 月は 3 社 とも長野県や群馬県であり、それ以外の時期は関東 や東海、香川県などから調達している。共通して挙 げられた欠品が多い時期は 8 ~ 10 月である。求め られる品質要素としては鮮度であり、芯の部分が劣 化していないことが重要である。

 ホウレンソウについては、7 ~ 10 月は長野県や 栃木県の高冷地の他、東北や北海道が主要な調達先 である。11 ~ 6 月は関東地方が主要な調達先であ り、欠品は 1 月、4 月、7 ~ 9 月に生じやすい。品

質トレンドとしては、えぐみがなく甘いものが人 気であり、「まほろば」などのニホンホウレンソウ

(根元部分が赤く甘みがある)に対する需要が増え ている。

 アスパラガスの調達動向については、10 ~ 3 月 は九州産が中心だが、4 ~ 6 月ころは長野や香川、

九州など、7 ~ 10 月は北海道、東北、九州など各 社で調達先は異なる。欠品しやすい時期も 10 ~ 1 月(A 社)や 9 月(B 社)と各社で異なる。2 社に おいて北海道産アスパラガスは、いわば“プレミア ム商品”のような扱いで、大きなサイズのものが高 値で販売されている。品質については、やわらかく 甘いものが求められており、また若いうちに収穫し たミニアスパラガスの需要が伸びている。

 エ 考 察

 (ア) タマネギについては、国産の出荷量は微減 傾向だが、家計消費量も横ばいで一定水準を維持し ており、価格は上昇傾向のため、産出額は増加傾向 である。そして、生食用の品質トレンドとして、サ ラダタマネギや白玉品種といった辛みが少ないタマ ネギに対する需要が伸びている。一方で、業務・加 工用では海外産の割合が多いが、流通業者からの聞

品目 品質・品種・規格 欠品しやすい時期

生鮮用:辛みが少ないもの(サラダタマネギや北 見の「真白」など白玉品種)

加工・業務用(需要増):歩留まり・作業性から大 玉2L~3L

エダマメ

茶豆の需要増 鮮度対策が重要(収穫後の冷却 や鮮度保持袋利用) 枝付き形態は関東では不 人気

5~7月(供給できる産地が限ら

れる)

ネギ 加熱したときに甘いもの(A社)や,ミニネギ(C

社)

5~6月

ブロッコリー 花蕾10ないし11cm以上 氷詰め輸送の要望強 い

4~6月、8月(巨大産地の物流

不安定化のリスク)

生鮮用:食感が柔らかいもの(「トンガリボウシ」や

「グリーンボール」,「金系201号」など)

加工・業務用(需要増):大きさがそろった大玉の 冬系品種

レタス 鮮度が重要(芯が劣化していないこと) シャキ シャキとしてえぐみ少ないもの

8~10月(巨大産地の収量不

安定化のリスク)

ホウレンソウ えぐみがなく甘いもの(「まほろば」等のニホンホ ウレンソウ)

1月(12月集中の反動),4月

(特売のため),7~9月(夏・秋 作切り替え)

アスパラガスやわらかく甘いもの 若いうちに収穫したミニアス パラガスの需要増

10~1月(A社)や9月(B社)と

各社で異なる

タマネギ

7~8月(九州産から北海道産

に産地が切り替わる)

キャベツ

7~10月(巨大産地の収量不

安定化のリスク)

1)聞き取り調査による。

表 1-1 聞き取り調査結果の一覧表

(15)

き取り調査によれば、国産の使用量も増加してお り、そこでは歩留まりや作業性の観点から、大玉 2L ~ 3L が求められている。したがって、産地側の 対応としては、生食用での販売拡大を狙うならば黄 玉品種に限定せず、白玉品種やサラダタマネギの生 産に着手する必要がある。一方で、海外産の使用割 合が多く国産の供給拡大の余地が大きい業務用につ いては、販売先のニーズに則した大玉等を生産して いく必要がある。

 (イ) ブロッコリーは、唯一国産の出荷量が大き く増加している品目で、価格も堅調であるため、産 出額が増加している。市場規模の拡大、輸入からの シェア奪還の両面から生産拡大が望まれ、産地側に は生産面での拡大とともに、鮮度維持のために氷詰 めで流通業者へ輸送を行うことも求められている。

 (ウ) エダマメは、国産の出荷量が横ばいである が、価格が上昇傾向のため、産出額が増加してい る。販売拡大を狙う産地においては、需要が伸びて いる茶豆の生産拡大を行うことや、需要があるにも かかわらず供給が不足している 5 ~ 7 月に出荷でき る作型への取り組みが求められている。

 (エ) ネギは、国産の出荷量が微減傾向である が、家計消費量は堅調で、価格が上昇傾向のため、

産出額が増加している。他方で、業務・加工用の割 合が高まってきている。販売拡大に向けた産地側の 対応としては、こうした業務用の生産拡大や、生食 用における近年の品質ニーズ(加熱したときに甘い もの、ミニネギ等)に即した生産の拡大が求められ る。

 (オ) キャベツは、国産の出荷量が横ばい(家計 消費量も横ばい)だが、価格が上昇傾向のため、産 出額が増加している。業務・加工用の増加を示唆す るデータもあり、流通業者の調査からも業務用需要 は伸びていることから、販売拡大を狙う産地におい ては、大きさがそろった大玉の冬系品種など販売先 のニーズに則した業務用キャベツの生産拡大が一つ の対応方策といえる。一方、生食用における販売拡 大方策としては、「トンガリボウシ」や「グリーン ボール」、「金系 201 号」といった、需要が伸びてい る食感が柔らかい品種の生産拡大が挙げられる。

 (カ) レタスは、国産の出荷量が横ばい(家計消 費量も横ばい)で、価格も概ね横ばいのため、産出 額も概ね横ばいである。業務・加工用の増加を示唆

するデータもあることから、業務用需要に対応した 生産を行うことが販売拡大に向けた一つの対応方策 といえる。流通業者への調査によれば、レタスで求 められる品質要素は鮮度であり、特に芯の部分を劣 化させずに輸送することが求められている。

 (キ) ホウレンソウは、国産の出荷量が横ばい

(家計消費量は減少傾向)で、価格も概ね横ばいの ため、産出額も概ね横ばいである。そのような中で 販売拡大を狙う産地としては、流通業者がいう欠品 が多い 1 月や 4 月、7 ~ 9 月に出荷できる作型に取 り組むことや、需要が伸びている甘い品種(「まほ ろば」などのニホンホウレンソウなど)の栽培に取 り組むことなどが求められる。

 (ク) アスパラガスは、国産の産出額が大きく増 加しており、市場規模の拡大、輸入からのシェア奪 還の両面から生産拡大が望まれる。販売拡大に向け た産地対応としては、需要が伸びている柔らかく甘 い品種の生産拡大や、若いうちに収穫するミニアス パラガスの供給拡大が求められる。

 オ 今後の課題

 (ア) 市場動向は常に変化するため、定期的に同 様の調査・分析を行うことが望ましい。

 (イ) 聞き取り調査について、今回調査した 3 社 がいずれも関東に本社と主な流通拠点を置く流通業 者である。近畿など他の地域で主に営業する流通業 者の調査を行うことが課題である。

 カ 要 約

 (ア) BCG マトリクスを用いた分析から、国内 生産拡大の余地が大きいのは、タマネギ・ブロッコ リー・アスパラガス・トマト・エダマメ・サトイ モ・ジャガイモ・ニンジンと見られる。

 (イ) 流通業者への聞き取り調査から、エダマ メ・ブロッコリー・レタスは特に鮮度が重要視さ れ、タマネギは辛味が少ないもの、ネギは加熱した ときに赤いもの、キャベツは食感がやわらかいも の、ホウレンソウはえぐみがなく甘いもの、アスパ ラガスはやわらかく甘いものが求められている。ま た特にタマネギ・キャベツでは加工・業務用の需要 が伸びており、大玉が求められている。

(16)

 キ 引用文献

… 1)…小林茂典(2006)野菜の用途別需要の動向と国 内産地の対応課題.農林水産政策研究.11:1-27.

… 2)…小林茂典(2012)野菜の用途別需要の動向と対 応課題.農林水産政策研究所レビュー.48:2-3.

… 3)…農林水産省(2015)野菜をめぐる情勢

http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai/

pdf/2yasai2511.pdf(参照日:2015.12.24)

 研究担当者(田口光弘、吉田晋一

1:BCG マトリクスはボストン・コンサルティング・グループが開発した分析手法で、複数ある自社の商 品(ないし事業)の位置づけを把握するためのものである。この手法は PPM(プロダクト・ポートフォ リオ・マネジメント)とも呼ばれている。

 具体的には、縦軸を市場成長率、横軸を相対市場シェアとしたマトリックスに自社の商品(ないし事 業)をプロットし、1)市場成長率が高く高シェア(「花形」と呼ばれる)、2)市場成長率が高く低シェ ア(「問題児」と呼ばれる)、3)市場成長率が低く高シェア(「金のなる木」と呼ばれる)、4)市場成長 率が低く低シェア(「負け犬」と呼ばれる)に分類する。2)「低シェア・高成長」は、他社のシェアが大 きく、なおかつ市場自体も大きくなっていることから、最も生産拡大の余地が大きいと言える。1)「高 シェア・高成長」は、他社のシェアが小さいため、他社からシェアを奪う余地が少ないが、市場自体が 大きくなっていることから、生産拡大の余地はあると言える。4)「低シェア・低成長」は、市場自体は 大きくなっていないが、他社のシェアが大きいため、他社のシェアを奪うことで、生産拡大の余地はあ ると言える。3)「高シェア・低成長」は、他社のシェアが小さく、なおかつ市場自体も大きくなってい ないため、最も生産拡大の余地が小さいと言える。

(17)

 ア 研究目的

 石狩川流域の道央水田地帯の中でも、下流域・南 空知では専業的自作農が支配的な下で我が国最大の 大規模農業地域を形成してきている。

 岩見沢市を例にすると、①泥炭土壌も含み、稲作 生産力がやや低い下で離農が大量発生するととも に、残存農家による農地購入と規模拡大が進行して きている。②泥炭土壌条件が作用し、準良食味米で あって約 50% の高生産調整率に置かれている。反 面、小麦、大豆の収量は優れている。③最近では新 たな農地の受け手として、複数農家から構成される 協業法人も展開しつつある。

 このような中であるが、2014 年産の米価下落を 受け、あらためて大規模水田作経営では野菜作を組 み込んだ複合化の方向が模索されている。ここで注 目されるのが岩見沢市におけるタマネギである。タ マネギ作は土地利用型の転作作物であるとともに、

収益性も高い作物となってきている。同時に、国内 では業務加工用タマネギへの実需ニーズは根強い状 況にある。だが、昨今では輸入品に押される傾向に あると同時に、岩見沢市では収量の低下、不安定化 が見られている。従って、あらためてタマネギ作の 技術的確立が要請されている。

 以上を踏まえ、本稿では南空知・岩見沢市を対象 としつつ、タマネギ作を導入した①大規模水田作経 営の計画モデルを構築するとともに試算を行い、② 複合経営モデル成立に必要な技術開発課題等を提示 する。

 イ 研究方法

 大規模水田作経営の実態調査、及び経営計画モデ ルの構築と試算を行う。

 ウ 研究結果

 (ア) 経営モデル構築の素材事例   a 経営の概況

 A経営は岩見沢市旧北村S地区・旧第 1 集落に 所在する 2 戸協業の法人であり、現在の経営面積 は 83.7…ha まで拡大されている(表 2-1)。農地基盤 については、地区として、地下水位制御を導入した

大区画圃場整備を実施中である。また、労働力は 男子 3 人(旧世帯主 2 人+従業員 1 人)、女子 1 人

(代表の妻)となっている。作付けは、水稲 1,735…a、

秋小麦 3,426…a、春小麦 1,644…a、大豆 702…a、小豆 255…a、緑肥 56…a で、主な農業機械はトラクタ:ホ イールタイプ 2 台(95…ps、64…ps)、クローラタイプ 2 台(135…ps、135…ps)、田植機:8 条× 1 台である。

 その下、水田輪作のあり方は可能な限り、良質米 生産を志向した転作田固定方式、即ち水稲作付け水 田と転作対応水田とを分離した方式を選択してきて いる。従って、転作対応水田は転作畑作物の連作=

畑輪作となり、その最近の作物作付け順序は「大 豆」→「小麦 3 年(鶏糞投入、3 年目後にハクサ イ)」→「大豆」→「春小麦の初冬播き」もしくは

「大豆間作小麦」となっている。

  b 新技術の導入経過と残された技術的な課題  A経営での技術導入の経過や今後の技術面での課 題を踏まえ、後述の経営試算に盛り込むべき技術要 素を整理する。A経営では、規模拡大への対応の一 環として小麦、大豆作において省力、作業分散技術 を導入してきた。それが、春小麦の初冬播き、秋小 麦の大豆間作、大豆の晩播きである。これによっ て、小麦栽培の作期の分散、作物切り替え時の作業 省力、作物間の競合回避を実現している。

 他方、現状での経営課題への技術対応を整理する と、春季における狭い稲作適期幅が作用し、稲作面 積の拡大が困難となっている。水稲移植体系のみで は現状規模が限界であり、乾田直播実施に向けての 模索が始まっており、乾田直播の導入に伴う今後の 水田輪作の検討がなされている。A経営では急速に 規模を拡大してきており、その下での水田輪作の確 立が必要となっている。従来、水稲は固定圃での移 植栽培のみであったが、集中管理孔による地下潅漑 が可能になる中で、水稲乾田直播、小麦・大豆との 田畑輪換といった方向性が考えられる。

 また、タマネギの導入を想定する場合には、A経 営では畑作物を大規模に作付けしており既にレー ザー均平機を所有していることから、均平不良が指 摘されるタマネギ作での活用も可能である。水稲・

小麦・大豆作については既存の機械で対応し、新規

第 2 章 寒地水田作における複合経営モデル策定と技術開要素の提示

(18)

取得が必要なのはタマネギ作の導入に伴う移植機や 収穫機、育苗ハウス等の機械・施設類のみと考えら れる。あわせて、集中管理孔については今後も整備 面積が拡大していくことが見込まれ、地下潅漑のタ マネギ圃場での利用を想定することができる。

 (イ) 経営試算の前提条件と試算の内容   a 技術係数、利益係数

 ここでの試算で用いる各作物の耕種概要、技術係 数は、北海道農政部[2013]にもとづいている1)。 水稲移植栽培は成苗ポット栽培、水稲直播は乾田直 播栽培、小麦、大豆はそれぞれ転換畑での技術係数 を用い、小麦については通常の秋播き小麦に加えて 大豆間作栽培、春小麦の初冬播き栽培を想定してい る。タマネギについては、移植栽培は春まき普通播 種栽培、直播栽培では露地直播栽培の技術係数を用 いている。

 また、利益係数に関しては、単収水準は水稲、小 麦、大豆については北海道農政部[2013]に依拠し

ており、タマネギについては移植栽培では技術研究 者による試験栽培の結果値、直播栽培では北海道野 菜低コスト生産システム推進協議会[2012]の目標 値を用いている2)

 試算に用いた価格は、水稲及び飼料用トウモロコ シについては対象地域の状況を踏まえて設定し、小 麦、大豆については生産費統計の過去 5 年の平均 値、タマネギの移植栽培は営農類型別経営統計の過 去 2 年の平均値を用い、タマネギ直播栽培は北海道 野菜低コスト生産システム推進協議会[2012]にお ける業務加工向け出荷の想定値に依拠している。な お、この想定値は、聞き取り調査によって対象地域 での業務加工向け価格の現状を反映していることを 確認している。

 加えて、交付金に関しては、水稲、小麦、大豆と も対象地域の現行水準の交付金収入を想定してい る。タマネギについても現行水準の産地交付金が得 られることとして試算している。また、固定的費用

設立年 企業形態 構成農家 居住集落

経営耕地

集落 経営体No.

①2007 749 旧第1 No.6 合理化 330

②2013 1,601 旧第3 NS氏 70

③2014 550 旧第1 No.13 320

圃場条件 ・圃場65枚,平均圃場区画1,203a,6団地,最遠圃場距離1.8km

(2014年) ・多数の畦畔除去を行い,圃場区画の拡大を実施.

水稲     :17.35ha 麦跡キャベツ  : 0.5ha 作付け構成 秋小麦    :34.26ha 麦跡ハクサイ  : 1.5ha

(2014年) 春小麦・初冬播:16.44ha 緑肥(ヒマワリ): 0.56ha 大豆     : 7.02ha

小豆     : 2.55ha

★トラクタ:ホイールタイプ2台(95ps,64ps),クローラタイプ2台(135ps,135ps)

★田植機:8条×1台

農業機械装備 ★播種機:ドリル1台,プランター1台

★収穫機:米麦はライスセンター利用,大豆は汎用コンバイン

★乾燥機:米麦はライスセンター利用,大豆は乾燥機(25石)

★鎮圧機:ケンブリッヂローラ

★レーザー均平機

●春小麦の初冬播き→収穫早期化による穂発芽回避

●大豆間作小麦の実施→麦,大豆の競合回避  大豆の晩播(水稲移植後)→水稲、大豆の競合回避

●レーザー均平機の稼働:畦畔除去後の圃場集約(65枚へ)→作業の効率化

☆基盤整備事業開始,集中管孔も導入→汎用水田化の実現へ 目標規模

旧・S地区第1集落 旧・S地区第4集落

2006年 株式会社

労働力構成

1 5

5 5

取締役:妻(57歳)

研修生男子1名(43歳:農の雇用事業)

臨時雇用:田植え(40人日),管理作業(20人日),ハクサイ収穫(35人日)

83.68ha(うち合理化事業利用29.0ha)

協業法人化以 降の農地集積

年次 集積面積(a) 相手 集積方法 10a当たり価格(千円)

100ha:現在83.68haであり,残り16ha程度の集積で目標実現。

新技術導入と その効果

水田輪作 ☆転作田固定方式:大豆→麦3年(鶏糞投入,3年目後にハクサイ1.5ha)→大豆→春小麦の初冬 播きor間作麦

☆圃場の配置状況: 経営全体として6団地,最遠圃場距離1.8km

表 2-1 (株)A経営の経営概要

資料)2011 年 8 月、9 月、2012 年 3 月、2013 年 12 月、2015 年 1 月の法人実態調査より作成。

注 1)「圃場条件」「作付け構成」を除き、2015 年 1 月時点の数値で示している。

… 2)「合理化」:北海道農業公社による農地保有合理化等事業の利用を示す。

… 3)「年次(年)」:農地保有合理化事業の契約開始年を示す。

… 4)「価格(千円)」:買い取り予定価格を示す。

(19)

については事後的に控除している。農機具費等につ いては、2013 年の営農類型別経営統計(北海道水 田作)を用いて面積規模に関する回帰式を求めて推 計し、地下潅漑の整備に要する費用については、整 備が進む地域における土地改良水利費の農家実態か ら整備費用を見込んだ。以上の各作物の生産性等は 表 2-2 に整理している。

  b 土地制約、労働制約

 土地制約及び労働制約はモデルの素材としたA経 営の実態に即している。また、作付構成について は、水稲作付面積や田畑輪作の体系に関してはA経 営および対象地域の実態を踏まえた制約を置くとと もに、タマネギとトウモロコシとの輪作についての 制約はA経営の想定する作付けを当てはめている。

なお、粘土、泥炭といった土壌条件の制約は本報告 での試算においては設けていない。

 労働力については常時は男性常雇 1 を含む 4(男 性 3、女性 1)とし、繁忙期には臨時雇用を導入す る。具体的には春季は 5、6 月、夏・秋季は 8 ~ 10 月であり、タマネギ収穫期の 9 月上旬と 10 月上旬 はそれぞれ 3 人、7 人(各旬 5 日間)とし、それ以 外は 1 人(同)を上限として導入できるようにして いる。

 また、労働面では降雨による影響も考慮してい る。過去 5 年間(2010 ~ 2014 年)のアメダスデー

タ(岩見沢市)をもとにして作業可能日数を算出 し、降雨状況によって作業可能時間が影響を受ける 作業に対して制約式を挿入している。降雨量及び降 雨時間からの作業可能日数の算出方法は仁平[2005]

による3)

  c 試算の内容

 上述のように土地制約をA経営の実態にあわせ、

経営展開の中でのタマネギ作の導入による作付構 成、収益性の変化を試算する。まず、[試算 1]現 行規模で水稲乾田直播に取り組んだ場合、[試算 2]

現行規模で水稲乾田直播に加えてタマネギの直播栽 培に取り組んだ場合、[試算 3]現行規模で水稲乾 田直播に加えてタマネギの移植栽培と直播栽培に取 り組んだ場合の 3 つのケースである。

 (ウ) 試算結果

  a 作付構成と収益性の変化

 それぞれの試算で選択された作付構成を確認す ると、現行規模で水稲乾田直播栽培を選択可能に した場合、[試算 1]では、乾田直播栽培の面積が 18.7…ha となった(表 2-3)。これに、タマネギ直播 栽培を選択可能にした[試算 2]において、タマネ ギ直播栽培は 5.6…ha が採用される結果となった。

 また、タマネギの移植栽培も選択できる条件とし た[試算 3]ではタマネギ移植栽培が 3.0…ha 採用さ れた。[試算 1]と対比すると小麦と大豆の面積が

(金額は円/10a)

作物 水稲 水稲 秋播き小麦 秋播き小麦 春播き小麦 大豆 タマネギ タマネギ 飼料用トウモロコシ

作型等 移植 乾田直播 転換畑 大豆間作 転換畑・初冬まき 転換畑 移植・春まき普通播種 直播 サイレージ用

品種 ななつぼし等業務加工米飯向け きたほなみ 春よ恋

用途 主食用 主食用 食用 食用 食用 食用 生食用 生食用・業務加工向け 飼料用

単収(kg/10a)

540 480 480

400 300

240 7,425

6,400 6,500

収入合計 106,482 84,300 121,616 117,216 104,392 116,232 513,775 238,000

64,250

販売収入 98,982 76,800 32,400 27,000 20,250 29,736

467,775

192,000 29,250

販売単価(円/kg) 183 160

68 68 68

124

63 30 5

交付金収入 7,500 7,500 89,216 90,216 84,142 86,496 46,000 46,000 35,000 変動費 40,621

33,226 36,227

27,037 33,032 34,707 160,503 88,508 21,779

種苗費 977

4,440

1,279 3,198

5,525

3,920 29,692 28,413 4,513

肥料費

5,349

5,199 10,633 3,413 9,846 9,212 12,769 20,919 5,570

農薬衛生費 4,926

5,846

3,497 2,803 1,999 5,113 12,561

8,379 824

光熱動力費

3,860 2,827

1,487

430

1,141 2,602

4,446 3,777

1,920 その他の諸材料費 9,556 1,917 1,147 1,147 1,147 211 20,200  - 496 土地改良・水利費

5,356 5,356 5,356 5,356 5,356 5,356 5,356 5,356 5,356

賃借料・料金 9,740

6,880

12,800 10,667 8,000 8,200 50,346  -  -

荷造運賃手数料

857 762 29 24

18 92 25,133 21,664  -

その他の費用 3,100

限界利益

65,861

51,074

85,389

90,179 71,360 81,525

353,272

149,492 42,471

労働時間(hr/10a) 9.70 4.65 1.91 0.91 1.47 5.63 29.40 18.80 0.80 表 2-2 各作物の生産性等

※四捨五入して表示しているため表示と計算が合致しない箇所あり

(20)

タマネギに振り向けられており、[試算 3]におい てタマネギは合計で 8.6…ha となっている。

 それぞれの試算の収益性を見ると[試算 1]に比 べて、タマネギの直播栽培を導入した[試算 2]は 労働報酬(構成員 1 人当たり)が 10.8% の向上と なっている(表 2-4)。収益性の面では、移植タマネ ギと直播タマネギの両方を採用した[試算 3]が有 望と言え、労働報酬は[試算 1]に比べて 45.4% 向 上という結果となった。

  b タマネギ直播栽培の単収による採択可能性  上記の試算結果の分析に加え、単収を変化させた 場合のタマネギ作の採択可能性について検討した い。ここで注目するのは直播栽培の単収である。タ マネギ直播栽培に関しては現在まで多くの試験が行 われてきているが、望ましい収量水準を安定的に確

保して広く普及するには至っていない。タマネギの 直播栽培については北海道野菜低コスト生産システ ム推進協議会(2012 年)の中で、生産者受取価格 が 30 円 /kg の際に利潤を確保できる収量として 6.4 トン /10…a、所得が生じる収量として 4.8 トン /10…a が目標収量としてあげられている。

 ここでの検討はタマネギ直播栽培の単収のみを変 化させ他の条件は一定とした簡単なものである。タ マネギ直播栽培のみ選択可能とした[試算 2]の場 合、タマネギ直播栽培が選択されるのは単収が 4.15 トン /10…a 以上となり、面積は 1.5…ha となる(図 2-1)。また、単収が 4.50 トン /10…a になると 4.4…ha となり、5.6…ha まで採択されるには 4.67 トン /a 以 上の単収が必要と試算された。

 タマネギの移植栽培と直播栽培の両方が選択され

(単位:万円) 水稲乾田直

播導入

[試算1]

タマネギ直播 導入

[試算2]

タマネギ直 播・移植導入

[試算3]

粗収益

9,087 9,767 10,877

販売収入

4,063 5,060 6,363

交付金収入

5,024 4,707 4,514

変動費

2,828 3,135 3,534

限界利益

6,259 6,632 7,343

固定費

5,279 5,447 5,498

固定物財費・地

下潅漑整備費

2,480 2,604 2,637

労働費

1,239 1,283 1,301

小作料

1,205 1,205 1,205

法人利益

980 1,185 1,845

付加価値額

3,424 3,673 4,351

法人所得

1,909 2,114 2,774

雇用労賃

310 354 372

小作料

1,205 1,205 1,205

労働報酬額

636 705 925

1)… -はプロセスを設けていない、または選択されないよ

うに制約。

(単位:ha)

作物

水稲乾田直 播導入

[試算1]

タマネギ直播 導入

[試算2]

タマネギ直 播・移植導入

[試算3]

移植水稲

10.6 13.9 13.6

乾田直播水稲

18.7 15.4 15.7

秋小麦

33.5 29.5 26.3

春小麦初冬播き

3.9 1.3 4.9

大豆

17.0 16.4 11.9

タマネギ移植 - -

3.0

タマネギ直播 -

5.6 5.6

飼料用トウモロコシ

1.7 2.6

面積計

83.7 83.8 83.6

表 2-3 作付構成 表 2-4 収益性

0 1 2 3 4 5 6

3.50 4.00 4.50 5.00

採択面積

(ha)

単収(トン/10a)

直播栽培と移植栽培の両方 を選択可能とした場合

直播栽培のみ選択

図 2-1 タマネギ直播栽培の単収採択面積

表 41-3 雇用型法人における現行モデルの試算結果 表 41-4 土地利用型作物の新技術 1)水稲の単位収量は期待値である。 2)大豆の単位収量および投下労働時間の出所は、千葉 県J町のJ営農組合の 2014 年産調査データである。 1)「法人所得」とは、常時従事者の労働費を含 む法人利益であり、農業所得に類似する概念 として使用している。経営面積 80.0 (ha)作付のべ面積105.0(ha)移植水稲55.0(ha)小麦25.0(ha)大豆25.0(ha)総労働時間9,060 (時間)1人当たり労働時
表 41-6 ネギの開発要素技術の概要
表 61-4 裏作制約の設定 表 61-5 試算結果1)裏作のみの作付は認めないこととする。 2)土地利用率向上の観点から、水稲の直播は裏作の実施を前提とする。aba1a2b1b2c1c2 d1 d2 a b a b○○○10下耕起○×○11上耕起 耕起△(b2以降)○○11中収穫耕起 耕起 耕起 耕起耕起△(d2のみ)△(bのみ)○11下収穫耕起耕起耕起×××12上 耕起タマネギ大豆bエダマメ表作水稲(移植)水稲(直播)大豆a裏作大麦小麦(参考:大豆と裏作との関係)月旬作型大麦小麦タマネギ大豆

参照

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