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1. はじめに 日本の小学校外国語活動の大きな目標は コミュニケーション能力の素地を養う ことである 英語の 4 技能の視点から見てみると, 文部科学省の作成した Hi, friends! は 聞くこと 話すこと を重視した構成となっている しかし, 果たして小学校の段階において 読むこと 書くこと

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小学校英語教育における

4 技能の視点からの「教科書

」分析

―韓国・中国の事例を参考にして―

A Comparative Analysis of Elementary School English

Textbooks in Japan, Korea, and China

in terms of Four Skills

早瀬 沙織

九州大学大学院

HAYASE Saori

Kyushu University Graduate School

キーワード:4 技能,教科書分析,文字指導

要旨

日本の小学校外国語活動では「コミュニケーション能力の素地を養う」ことが大きな目標として掲 げられている。しかし,4 技能の視点から『小学校学習指導要領』を見てみると,「聞くこと」「話す こと」は積極的に導入しているが,「読むこと」「書くこと」に関しては消極的な姿勢を見せているの が現状である。果たして,「読むこと」「書くこと」は小学校の段階では必要ないのであろうか。その 問題を解決すべく,授業の基盤となっている「教科書」を見ていくことにした。 本稿では,日本・韓国・中国の小学校英語教育で最も使用されている「教科書」を 1 種類ずつ選び, 4 技能の視点から詳細な分析を試みた。その結果,韓国・中国の教科書では学年が高くなるほど教科 書における「読むこと」「書くこと」の割合が増えていることが明らかとなった。一方,日本の教科書 は僅かな増加のみであった。このことは,さらに児童の発達面からの研究,そして日本の英語教育体 制の現状を含め,今後小学校の英語教育の発展を考えていく上で検討していくべき重要な点であると 考える。

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1. はじめに

日本の小学校外国語活動の大きな目標は「コミュニケーション能力の素地を養う」ことである。英 語の4 技能の視点から見てみると,文部科学省の作成したHi, friends!は「聞くこと」「話すこと」を 重視した構成となっている。しかし,果たして小学校の段階において「読むこと」「書くこと」は必要 ではないのだろうか。 本稿では,授業の基盤2となっており,英語教育における目標が反映されていると考える「教科書」 を分析することにより,上記の問題について考察していきたい。その際,日本と同じアジア圏でEFL

(English as a Foreign Language) の学習環境で学び,日常生活において英語を使用する機会があま りないという類似点をもつ韓国と中国の教科書を分析対象とする。韓国と中国は,日本よりも早い時 期に英語を小学校で導入し,また,日本の「領域」とは違い現在英語を「教科」として実施し,高い 成果を上げている3。したがって,韓国と中国の教科書を分析することは日本にとって非常に参考に なると考える。 以上のことを踏まえ,現在各国で最も授業で使用されている「教科書」を4 技能の視点から分析を し,実態を見ていくことで,今後の日本の小学校英語教育におけるより良い「教科書」を模索検討し ていく。

2. 先行研究

小学校英語「教科書」分析に関して,これまで語彙研究では中條・西垣等(2006)により,日本の 英語教科書出版社5 社により出版された 5 種類の小学校英語活動用「教科書」計 14 冊に出現した英 語,並びに教師用指導書に提示されている指導例や活動例から単語を収集し表にまとめられている。 また,西垣・中條等(2007)は単語の意味領域の観点から,小学校英語の語彙は日常生活語であり, 名詞の学習が中心であるという特徴を明らかにしている。

単元内容と目標に関しての研究は,井手(2013)によって,Hi, friends!1,Hi, friends!2 は 2 冊と

も,「~ができる/できるようになる」という表現がないことが指摘されている。目標が「教科書」に 書かれていないことからも「児童は目標を持って英語学習に望むのではなく,あくまで“英語に慣れ 親しむ”ことを目的として,英語学習に取り組めば良いのである」(p.16)と述べている点からも,文 部科学省の取り組みの姿勢が反映されていることを指摘している。 海外の教科書の構成や活動内容を分析したものは,高橋・柳(2012)や高橋(2007)により,韓国 の教科書の構成や活動内容,目標文法事項が分析されている。渡部(2009)は,フィンランドの文化 題材について各学年の教科書を分析しており,鹿野(2012)は,タイの国定教科書の構成,単元,文 法事項について分析を行っている。 日本と海外の比較研究としては,新保(2011)による,中国の小 6 の教科書に過去分詞の構文があ るが,それは日本の中3 レベルに相当するという指摘や,上西(2013)により,「日本の中学 1 年生 の英語教科書の総語数は,タイや中国の小学校1 年生の教科書の総語数よりはるかに少ない」p.116) という文法事項や語彙に関する分析結果が出ている。また,与那覇(2011)や八田(2009)により, 単語や文法事項についての日本の中学校と韓国やベトナムの「教科書」比較研究がなされている。伊 藤(2012)は日本・中国・韓国の小学 5・6 年生の「教科書」を国際理解教育の視点からどのような

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内容を扱っているのかを単元ユニット,そして学習項目ユニットにおいて詳細な分類で分析を行って いる。 このように,教科書の構成,目標,語彙,文化題材,文法項目,活動内容について日本や海外の「教 科書」分析がなされてきている。しかし, 4 技能の観点から具体的に小学校「教科書」分析を行って いるものはほとんど見当たらない4「コミュニケーション能力の素地を養う」という目標を考慮する ならば,4 技能の観点から「教科書」を分析していくことは重要であると考える。そこで,本稿では, 4 技能に着目し項目ごとに分類を行い「教科書」分析を行うことで,新たな視点からの考察を試みる ことにする。

3. 4 技能に着目した日本・韓国・中国の英語教育における目標

3.1 日本の目標と 4 技能の特徴

文部科学省(2008)の『小学校学習指導要領』では,外国語活動の目標を次のように定めている。 外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろ うとする態度の育成を図り,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら,コミュニケー ション能力の素地を養う。(下線は筆者によるもの。1 本線は,目標の 3 本柱。2 重線は,3 本柱 を含む大きな目標を示している。) また,文部科学省は,「コミュニケーション能力の素地」とは「外国語活動を通して養われる,言 語や文化に対する体験的な理解,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度,外国語の音声や 基本的な表現への慣れ親しみを指したもの」(文部科学省2009,pp.8-9)としており,目標の 3 本柱 を示している。 日本における4 技能の特徴としては,文部科学省(2009)において,「4 技能の中で,あくまで音 声によるコミュニケーションを重視し,聞くこと,話すことを中心とする豊かなコミュニケーション を体験させることが大切である」(p.19)としている。「読むこと」「書くこと」に関しては,「音声面 を中心とした指導を補助する程度の扱いとするよう配慮し,聞くこと及び話すこととの関連をもたせ た指導をする必要がある」(p.19)と記されており,アルファベットなどの文字指導に関しては,「触 れる段階にとどめる」(p.19)こととされている。発音や綴りについては,「小学校段階では取り扱う こととはしていない」(p.19)と記されている。つまり,児童の学習負担を考慮して,極力文字指導を 取り入れず,「読むこと」「書くこと」に関して消極的な姿勢であることが読み取れる。目標を踏まえ た,5・6 年を通しての指導内容では,「聞くこと」「話すこと」についてのみ,積極的に行うことと書 かれている。

3.2 中国の目標と 4 技能の特徴

中華人民共和国教育部(2008)の「小学英 教学大 」では,以下のように目標が設定されている。 生き生きと活発な教室での教育活動を通して,児童に対し基本的な聞く,話す,読む,書く訓 練を進め,児童に発音,イントネーションの基礎を構築させ,一定の語彙や最も基本的な文法知

1. はじめに

日本の小学校外国語活動の大きな目標は「コミュニケーション能力の素地を養う」ことである。英 語の4 技能の視点から見てみると,文部科学省の作成したHi, friends!は「聞くこと」「話すこと」を 重視した構成となっている。しかし,果たして小学校の段階において「読むこと」「書くこと」は必要 ではないのだろうか。 本稿では,授業の基盤2となっており,英語教育における目標が反映されていると考える「教科書」 を分析することにより,上記の問題について考察していきたい。その際,日本と同じアジア圏でEFL

(English as a Foreign Language) の学習環境で学び,日常生活において英語を使用する機会があま りないという類似点をもつ韓国と中国の教科書を分析対象とする。韓国と中国は,日本よりも早い時 期に英語を小学校で導入し,また,日本の「領域」とは違い現在英語を「教科」として実施し,高い 成果を上げている3。したがって,韓国と中国の教科書を分析することは日本にとって非常に参考に なると考える。 以上のことを踏まえ,現在各国で最も授業で使用されている「教科書」を4 技能の視点から分析を し,実態を見ていくことで,今後の日本の小学校英語教育におけるより良い「教科書」を模索検討し ていく。

2. 先行研究

小学校英語「教科書」分析に関して,これまで語彙研究では中條・西垣等(2006)により,日本の 英語教科書出版社5 社により出版された 5 種類の小学校英語活動用「教科書」計 14 冊に出現した英 語,並びに教師用指導書に提示されている指導例や活動例から単語を収集し表にまとめられている。 また,西垣・中條等(2007)は単語の意味領域の観点から,小学校英語の語彙は日常生活語であり, 名詞の学習が中心であるという特徴を明らかにしている。

単元内容と目標に関しての研究は,井手(2013)によって,Hi, friends!1,Hi, friends!2 は 2 冊と

も,「~ができる/できるようになる」という表現がないことが指摘されている。目標が「教科書」に 書かれていないことからも「児童は目標を持って英語学習に望むのではなく,あくまで“英語に慣れ 親しむ”ことを目的として,英語学習に取り組めば良いのである」(p.16)と述べている点からも,文 部科学省の取り組みの姿勢が反映されていることを指摘している。 海外の教科書の構成や活動内容を分析したものは,高橋・柳(2012)や高橋(2007)により,韓国 の教科書の構成や活動内容,目標文法事項が分析されている。渡部(2009)は,フィンランドの文化 題材について各学年の教科書を分析しており,鹿野(2012)は,タイの国定教科書の構成,単元,文 法事項について分析を行っている。 日本と海外の比較研究としては,新保(2011)による,中国の小 6 の教科書に過去分詞の構文があ るが,それは日本の中3 レベルに相当するという指摘や,上西(2013)により,「日本の中学 1 年生 の英語教科書の総語数は,タイや中国の小学校1 年生の教科書の総語数よりはるかに少ない」p.116) という文法事項や語彙に関する分析結果が出ている。また,与那覇(2011)や八田(2009)により, 単語や文法事項についての日本の中学校と韓国やベトナムの「教科書」比較研究がなされている。伊 藤(2012)は日本・中国・韓国の小学 5・6 年生の「教科書」を国際理解教育の視点からどのような

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識をマスターさせ,児童の基本的な日常会話の能力及び読み書きの能力を養うことである。 同時に,児童が英語を学ぶ興味を養い,彼らに英語を学び,英語を使う喜びを味わわせ,彼ら が中学校に進学後も引き続き英語を学習するための初段階の基礎を築くことに重きを置く。(中 国語の日本語訳,下線は筆者によるもの。) 目標に,「聞く」「話す」「読む」「書く」訓練とあるように,4 技能全てを小学校段階で意識し,取 り入れていることが分かる。また,語彙や文法知識,日常会話の能力や読み書き能力を養うことも目 標として掲げられている。 中国の4 技能の特徴は,上記のように目標として 4 技能の訓練が記されているが,小学校では段階 的に4 技能を取り入れている。中国では,小学校の英語教育は以下の 3 段階に分けられる。 ① 1・2 年生で主に「聞く」「話す」 ② 3・4 年生で引き続き「聞く」「話す」,それに「読む」「書く」が続く ③ 5・6 年生で「聞く」「話す」「読む」「書く」全体の訓練 まず,①は,発音・イントネーションをインプットする段階。②は発音・イントネーションをイン プットし,書き取る段階。そして,③が発音・イントネーションをインプットし,それと読み書きを 並行する段階である。 単語では,小学校終了時までに合計で1200 語程度を「聞くこと」「話すこと」「読むこと」ができ, そのうち450 語の日常よく使う単語は,「書くこと」もできることが教育内容として設定されている。 また,単語だけでなく簡単な文においても,「読むこと」「書くこと」ができることが望まれる。 さらに,中国では,独自に学習目標や具体的内容を1 級から 9 級までの等級に分けて規定している。 1 級は小学 3・4 年生,2 級は小学 5・6 年生を対象としており,2 級が小学 6 年生の卒業時のレベル として定められている。また,各級で目標類別に具体的な目標が記されている。(付録の表1 中国の 小学校英語教育目標 参照)

3.3 韓国の目標と 4 技能の特徴

Korea Institute for Curriculum and Evaluation (2012) の The National School Curriculum: English によると,韓国では目標を以下のように定めている。 「英語に対する関心を高め,英語で理解して自己表現できる基礎的な能力を育てること」とし, 以下の4 点を具体的な目標として掲げている。 英語に対し興味と関心を持つ。 基礎的な英語使用に対する自信を持つ。 日常生活において英語で基礎的なコミュニケーションができる土台を築く。 ④ 英語学習を通じて他の国の慣習や文化を理解する。(英語の日本語訳,下線は筆者によるもの。) 韓国では,英語に対する興味を高め,かつ日常生活においてのコミュニケーションの基礎,そして 文化や慣習についての理解を深めることを目標としている。

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韓国における4 技能の特徴としては,3 年生から 6 年生まで学年ごとに 4 技能別の達成目標が定め られている。3 年生までは「聞くこと」「話すこと」が主で,「読むこと」はアルファベットや簡単な 単語のみであり,「書くこと」は求められていない。4 年生からは「書くこと」を含め,4 技能につい て扱われる。6 年生では,簡単な話を読み,理解すること。音声で発せられた表現や文を書き取るこ とができ,簡単なバースデーカードや感謝を表す文章を書くことなどが求められている。

4. 文字指導について

韓国・中国では4 技能の習得を意識した目標設定がなされている。一方,日本では「聞くこと」「話 すこと」の2 技能のみを意識した目標設定である。日本の文部科学省の考えとしては,3.1 で前述し たように,文字指導は児童の負担となり,英語嫌いを生み出す要因になるとして,アルファベットも 触れる段階にとどめ,発音と綴りとの関係は小学校で取り扱うこととはしていないという方針を示し ている(文部科学省2009,p.19)。確かに,英語を習い始める頃から,発音や綴りに気をつけてばか りいては,とてもつまらない授業で,英語嫌いの児童を生み出しかねないという配慮は理解できる。 しかしながら,やはり「コミュニケーション能力の素地を養う」ことを目標にしているならば,4 技能のバランスの良い指導が重要であり,発達年齢を考慮し,文字指導を小学校で導入するべきでは ないかと考える。バトラー後藤(2005)は「文字への関心が高まっている時期に,あえて文字を導入 しないのは不自然である」(p.138)と述べている。だが,どのような形で文字言語(読むこと・書く こと)への導入を行うかが問題であると指摘している(p.250)。さらに,アレン玉井(2008)は「現 代の社会で求められる言語力は『読み,書き』を含めてのコミュニケーション能力である」(p.16)と して「『日本人として21 世紀を生き延びるために必要な学力』を育てるのであれば,英語教育におい てはリテラシー指導を小学校の段階から漸次すすめていくべき」(p.22)と述べている。渡辺(2001) は,「ライティングを含めバランスのとれた英語指導のシステムを考えることにより英語の実践的コミ ュニケーション能力のレベルを上げることができる」(p.41)とし,小学生の段階からライティング指 導を含めたさらに高い指導目標の設定を提案している。また,樋口(2005)も「音声指導の次の段階 として,文字の指導をことさら遅らせたり,『読む』『書く』指導へとつなげることを無理に避ける必 要はない」(p.138)と述べ,文字指導の意義を 3 点挙げている。1 点目に,文字指導が児童の知的意 欲,興味に合致している点。2 点目に,文字が記憶の手だてとなり,記憶を保持させる点。3 点目に, 聴覚情報に視覚情報が加わることで,内容理解が進み,英語学習を促進させる点である(p.138)。 文字指導を小学生に対して導入することに関して文部科学省も否定的ではない。筆者が2013 年 6 月に文部科学省に訪問し,初等中等教育局の視学官,教科調査官の2 名の方に聞き取り調査をした際, なぜ文字指導を制限させているのかを尋ねたところ,「書かせても問題ない。書くことを制限させてい るというわけではない」という返答を頂いた。「むしろ,絵と共に文字を見せる方が習得しやすい児童 もいる。しかしながら,書けることを求めてはいけない。また,できないからダメと言ってはいけな い」という話であった。つまり,書かせても問題はないのであるが,書けることを求めてはいけない ということである。ならば,どんどん書かせていいのかというと,そうではないのである。コミュニ ケーション能力の素地を養うことを目標としているので,まずは綴りや発音を気にしすぎず,話して みること,そして英語の音に触れることを大事にしなければならないという考えのもと補助的に文字 を取り入れても良いということである。 識をマスターさせ,児童の基本的な日常会話の能力及び読み書きの能力を養うことである。 同時に,児童が英語を学ぶ興味を養い,彼らに英語を学び,英語を使う喜びを味わわせ,彼ら が中学校に進学後も引き続き英語を学習するための初段階の基礎を築くことに重きを置く。(中 国語の日本語訳,下線は筆者によるもの。) 目標に,「聞く」「話す」「読む」「書く」訓練とあるように,4 技能全てを小学校段階で意識し,取 り入れていることが分かる。また,語彙や文法知識,日常会話の能力や読み書き能力を養うことも目 標として掲げられている。 中国の4 技能の特徴は,上記のように目標として 4 技能の訓練が記されているが,小学校では段階 的に4 技能を取り入れている。中国では,小学校の英語教育は以下の 3 段階に分けられる。 ① 1・2 年生で主に「聞く」「話す」 ② 3・4 年生で引き続き「聞く」「話す」,それに「読む」「書く」が続く ③ 5・6 年生で「聞く」「話す」「読む」「書く」全体の訓練 まず,①は,発音・イントネーションをインプットする段階。②は発音・イントネーションをイン プットし,書き取る段階。そして,③が発音・イントネーションをインプットし,それと読み書きを 並行する段階である。 単語では,小学校終了時までに合計で1200 語程度を「聞くこと」「話すこと」「読むこと」ができ, そのうち450 語の日常よく使う単語は,「書くこと」もできることが教育内容として設定されている。 また,単語だけでなく簡単な文においても,「読むこと」「書くこと」ができることが望まれる。 さらに,中国では,独自に学習目標や具体的内容を1 級から 9 級までの等級に分けて規定している。 1 級は小学 3・4 年生,2 級は小学 5・6 年生を対象としており,2 級が小学 6 年生の卒業時のレベル として定められている。また,各級で目標類別に具体的な目標が記されている。(付録の表1 中国の 小学校英語教育目標 参照)

3.3 韓国の目標と 4 技能の特徴

Korea Institute for Curriculum and Evaluation (2012) の The National School Curriculum: English によると,韓国では目標を以下のように定めている。 「英語に対する関心を高め,英語で理解して自己表現できる基礎的な能力を育てること」とし, 以下の4 点を具体的な目標として掲げている。 英語に対し興味と関心を持つ。 基礎的な英語使用に対する自信を持つ。 日常生活において英語で基礎的なコミュニケーションができる土台を築く。 ④ 英語学習を通じて他の国の慣習や文化を理解する。(英語の日本語訳,下線は筆者によるもの。) 韓国では,英語に対する興味を高め,かつ日常生活においてのコミュニケーションの基礎,そして 文化や慣習についての理解を深めることを目標としている。

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また,小学校教師からも文字指導に関して積極的な意見が見られる。2012 年 11 月に小学校教師へ のアンケート調査5を実施し「どんな『教科書』が今後あったらいいか」という質問を投げかけた。 すると以下のような様々な回答を頂いた。 ・書く活動も入っているもの ・基礎英語,日常的に必要な英語 ・絵カードの代わりになる,絵と単語が載っているもの ・毎日よく使う簡単な英会話集のようなもの(児童は英語を知り,使いたがっている) ・児童の知的好奇心を刺激し,やり取り(コミュニケーション)の必然性のある題材を教材化し たもの ・デジタル教材を一人ずつに,発音も確認できるように ・新しい単語や表現を習得していくことを目的としたものでは,児童の英語に対する反発,英語 嫌いが増える気がする 書く活動の入っているもの,そして絵と単語が載っているものとあるように,文字を取り入れた活動 を望んでいる小学校教師の意見が存在する。

5. 日本・韓国・中国の「教科書」の特徴と活動項目の分析

日本の「教科書」は文部科学省の作成したHi, friends!(小学5・6 年生用),韓国の教科書は韓国 教育課程評価院の作成したELEMENTARY SCHOOL ENGLISH(小学3・4・5・6 年生用),中国 の教科書は人民教育出版社の作成したPEP(小学3・4・5・6 年生用)を分析対象とした。各「教科 書」の構成を以下の表にまとめた。(表1 「教科書」の構成) 表1 「教科書」の構成 単元数 本文のページ数 絵カードの ページ数 活動項目数・種類数 日本 Hi, friends! ①9 ②8 ①39 ②39 ①8 ②8 ①53・5 ②45・5 韓国 ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH ③15 ④15 ⑤13 ⑥13 ③128 ④128 ⑤190 ⑥190 ③17 ④17 ⑤15 ⑥15 ③208・27 ④233・24 ⑤234・33 ⑥221・23 中国 PEP ③12(6・6) ④12(6・6) ⑤12(6・6) ⑥10(6・4) new③12(6・6) ③144(72・72) ④168(84・84) ⑤168(84・84) ⑥156(84・72) new③136(68・68) なし ③197・15(98・99、13・13) ④225・30(116・24、109・20) ⑤296・33(147・22、149・27) ⑥247・35(135・25、112・27) new③157・18(79・13、78・16)

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*①、②、③、④、⑤、⑥等の数字は「教科書」名としてそれぞれ明記してある数字を示す。 *中国は各学年上册・下册の 2 冊を合計したものを示している。( )内に上册・下册の順で内訳を示している。 *中国の new③というのは、中国の他の教科書とは違い改訂された最新版である。3 年生の教科書とせず、あえて別に 設けたのは、他の学年のものと紙面の様式が変化していたためである。 *中国の活動項目数・種類では、活動項目数は上册・下册を足した数になるが、活動項目種類は上册・下册を足した数 ではなく、1 学年を通して見られた活動種類の数を示している。つまり、上册・下册で同じ活動項目名がそれぞれある 場合でも、全体で合計した数では1 として数えている。

5.1 各国の「教科書」の紙面上の特徴的な点

日本の「教科書」は, Let s Listen , Let s Play , Let s Sing , Let s Chant , Activity の 5 種 類の活動項目で構成されている。全体的に,絵が多く見られ英語の文字は少ない。 次に韓国の教科書であるが,活動項目・種類が多い。最も特徴的なのが,活動の実践に有効な絵カ ードが充実していることである。例えば,すごろくのサイコロ,文字を読むもの,お金,表現が書い てあるもの,英単語と絵が併記されているものなどがある。また,各単元に Story A , Story B が 3 年生の教科書から存在している。 最後に,中国の教科書の特徴であるが,韓国と同じく活動項目・種類が多い。最も特徴的なのが, すべて教科書が英語表記であることである。韓国と同じように各単元に Story Time が存在するが, 韓国と異なるのが,その会話がすべて英語表記されている点である。(韓国の教科書では文字はなく絵 のみが記載されている。) Let s learn という活動項目では,英単語と絵が併記されている。

5.2 各「教科書」の活動項目における 4 技能の割合

それぞれの活動項目で,4 技能のうち何の能力を育成するものかを判断し分類を試みた。 分析手順としては,まず各活動項目がどの技能・活動に属するかを判断し分類した6。全体での割 合を計算し,グラフにし,最終的に4 技能のものだけを横棒グラフに示した。(図 1 分析手順) 1 分析手順(例:Hi, friends! ) 表やグラフでは「聞くこと」を「L」,「話すこと」を「S」,「読むこと」を「R」,「書くこと」を「W」 で記載した。「聞くこと」「話すこと」の割合はどの「教科書」も多く見られた。したがって,今回は 「読むこと」と「書くこと」の割合の変化に注目し見ていくことにする。

L S W R Chant Sing Game その他 18 10 1 0 10 2 8 5 L 33.3 S 18.5 R 0 W 1.9 Chant 18.5 Sing 3.7 Game 14.8 その他 9.3 1. 各項目がどの技能・活動に属するか分類する 2. それぞれの技能・活動は一冊にどのくらいあるか表にする 3. 全体での割合を計算 4. グラフにする 5. 4 技能のものだけをグラフにする ○Lesson1 Let s Listen (L) Let s Listen (L) Let s Listen (L) Let s Chant (Chant) Let s Play (その他)名刺を作る Activity (S) また,小学校教師からも文字指導に関して積極的な意見が見られる。2012 年 11 月に小学校教師へ のアンケート調査5を実施し「どんな『教科書』が今後あったらいいか」という質問を投げかけた。 すると以下のような様々な回答を頂いた。 ・書く活動も入っているもの ・基礎英語,日常的に必要な英語 ・絵カードの代わりになる,絵と単語が載っているもの ・毎日よく使う簡単な英会話集のようなもの(児童は英語を知り,使いたがっている) ・児童の知的好奇心を刺激し,やり取り(コミュニケーション)の必然性のある題材を教材化し たもの ・デジタル教材を一人ずつに,発音も確認できるように ・新しい単語や表現を習得していくことを目的としたものでは,児童の英語に対する反発,英語 嫌いが増える気がする 書く活動の入っているもの,そして絵と単語が載っているものとあるように,文字を取り入れた活動 を望んでいる小学校教師の意見が存在する。

5. 日本・韓国・中国の「教科書」の特徴と活動項目の分析

日本の「教科書」は文部科学省の作成したHi, friends!(小学5・6 年生用),韓国の教科書は韓国 教育課程評価院の作成したELEMENTARY SCHOOL ENGLISH(小学3・4・5・6 年生用),中国 の教科書は人民教育出版社の作成したPEP(小学3・4・5・6 年生用)を分析対象とした。各「教科 書」の構成を以下の表にまとめた。(表1 「教科書」の構成) 表1 「教科書」の構成 単元数 本文のページ数 絵カードの ページ数 活動項目数・種類数 日本 Hi, friends! ①9 ②8 ①39 ②39 ①8 ②8 ①53・5 ②45・5 韓国 ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH ③15 ④15 ⑤13 ⑥13 ③128 ④128 ⑤190 ⑥190 ③17 ④17 ⑤15 ⑥15 ③208・27 ④233・24 ⑤234・33 ⑥221・23 中国 PEP ③12(6・6) ④12(6・6) ⑤12(6・6) ⑥10(6・4) new③12(6・6) ③144(72・72) ④168(84・84) ⑤168(84・84) ⑥156(84・72) new③136(68・68) なし ③197・15(98・99、13・13) ④225・30(116・24、109・20) ⑤296・33(147・22、149・27) ⑥247・35(135・25、112・27) new③157・18(79・13、78・16)

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まず,日本のHi, friends!を見ていく。図1 の日本 1 はHi, friends!1で小学5 年生用,日本 2 は Hi, friends!2で小学6 年生用の「教科書」を示している。「読むこと」(R)は日本 1 では 0%である が,日本2 では 4%となっており,「書くこと」(W)は日本 1 では 4%で,日本 2 では 10%と僅かな 増加が見られる。(図2 参照)

次に,韓国のELEMENTARY SCHOOL ENGLISHを見ていく。図2 の韓国 3 はELEMENTARY SCHOOL ENGLISH3で小学3 年生用,韓国 4 はELEMENTARY SCHOOL ENGLISH4で小学4 年生用,韓国5 はELEMENTARY SCHOOL ENGLISH5で小学5 年生用,韓国 6 はELEMENTARY SCHOOL ENGLISH6で小学6 年生用の教科書である。「読むこと」(R)は韓国 3 では 3%であるが, 韓国6 では 18%となっており,「書くこと」(W)は韓国 3 では 10%であるが,韓国 6 では 14%とな っており,「読むこと」の活動項目が,学年が上がると大幅な増加が見られることが分かった。(図3 参照)

最後に,中国のPEPを見ていく。中国は1 学年で上・下と 2 冊存在する。図 3 の中国 3 上はPEP 三年 上册,中国3 下はPEP三年 下册,中国4 上はPEP四年 上册,中国4 下はPEP四年 下 册,中国5 上はPEP五年 上册,中国5 下はPEP五年 下册,中国6 上はPEP六年 上册,中国 6 下はPEP六年 下册,そして,3 年生の教科書だけ最新版の教科書が手に入ったので,それも調査 対象とした。中国new3 上はPEP三年 上册(2012),中国 new3 下はPEP三年 下册(2013)で ある。「読むこと」(R)は,中国 3 上では 9%であるが,中国 6 下では 21%となっており,「書くこと」 (W)は,中国 3 上では 0%であるが,中国 6 下では 20%となっており,「読むこと」も「書くこと」 も大幅な増加が見られる。(図4 参照) また,中国の小学3 年生の教科書の変化として,中国 3 下(2011)と中国 new3 下(2012)を比較 すると,「読むこと」が7%から 20%に増加し,「書くこと」が 0%から 8%と増加しているという変化 が見られる。このことは,より読み書きを重要視してきているのではないかと考えられる。中国の英 語教育の目標にあるように,4 技能を統合して教えようという方針の教科書への現れであるだろう。 (図5 参照) このように,韓国と中国の教科書においては,学年が上がるごとに「読むこと」「書くこと」の割 合が増えていることが明らかである。授業時間数も異なり制度も違うので,3 ヵ国で単純に比較する ことはできないが,英語学習を開始してからの2 学年を見てみても,日本の「読むこと」「書くこと」 の割合は合計して,小学5 年生で全体の 4%,小学 6 年生で 14%に対し,韓国では小学 3 年生で 13%, 小学4 年生では 21%を占めており,中国では小学 3 年生で 9%,小学 4 年生では 33%,新しい 3 年生 の教科書では小学3 年生で 28%をも占めていることが分かる。このように,韓国・中国では英語を開 始して2 年目には 20%から 30%の割合で「読むこと」「書くこと」を育てる活動を行っている。 図2 日本のHi, friends!の4 技能の割合 41% 62% 45% 34% 4% 0% 10% 4% 日本2 日本1 L S R W

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図3 韓国のELEMENTARY SCHOOL ENGLISHの4 技能の割合 図4 中国のPEPの4 技能の割合 図5 中国の 3 年生の教科書の変化(4 技能の割合) 33% 39% 35% 39% 43% 37% 51% 58% 26% 28% 34% 36% 27% 30% 42% 33% 21% 19% 16% 14% 17% 17% 7% 9% 20% 14% 15% 11% 13% 16% 0% 0% 中国6下 中国6上 中国5下 中国5上 中国4下 中国4上 中国3下 中国3上 L S R W 48% 51% 0 51% 58% 24% 30% 0% 42% 33% 20% 13% 0% 7% 9% 8% 6% 0% 0% 0% new3下 new3上 3下 3上 L S R W 36% 37% 47% 48% 32% 36% 32% 39% 18% 18% 6% 3% 14% 9% 15% 10% 韓国6 韓国5 韓国4 韓国3 L S R W まず,日本のHi, friends!を見ていく。図1 の日本 1 はHi, friends!1で小学5 年生用,日本 2 は

Hi, friends!2で小学6 年生用の「教科書」を示している。「読むこと」(R)は日本 1 では 0%である が,日本2 では 4%となっており,「書くこと」(W)は日本 1 では 4%で,日本 2 では 10%と僅かな 増加が見られる。(図2 参照)

次に,韓国のELEMENTARY SCHOOL ENGLISHを見ていく。図2 の韓国 3 はELEMENTARY SCHOOL ENGLISH3で小学3 年生用,韓国 4 はELEMENTARY SCHOOL ENGLISH4で小学4 年生用,韓国5 はELEMENTARY SCHOOL ENGLISH5で小学5 年生用,韓国 6 はELEMENTARY SCHOOL ENGLISH6で小学6 年生用の教科書である。「読むこと」(R)は韓国 3 では 3%であるが, 韓国6 では 18%となっており,「書くこと」(W)は韓国 3 では 10%であるが,韓国 6 では 14%とな っており,「読むこと」の活動項目が,学年が上がると大幅な増加が見られることが分かった。(図3 参照)

最後に,中国のPEPを見ていく。中国は1 学年で上・下と 2 冊存在する。図 3 の中国 3 上はPEP 三年 上册,中国3 下はPEP三年 下册,中国4 上はPEP四年 上册,中国4 下はPEP四年 下 册,中国5 上はPEP五年 上册,中国5 下はPEP五年 下册,中国6 上はPEP六年 上册,中国 6 下はPEP六年 下册,そして,3 年生の教科書だけ最新版の教科書が手に入ったので,それも調査 対象とした。中国new3 上はPEP三年 上册(2012),中国 new3 下はPEP三年 下册(2013)で ある。「読むこと」(R)は,中国 3 上では 9%であるが,中国 6 下では 21%となっており,「書くこと」 (W)は,中国 3 上では 0%であるが,中国 6 下では 20%となっており,「読むこと」も「書くこと」 も大幅な増加が見られる。(図4 参照) また,中国の小学3 年生の教科書の変化として,中国 3 下(2011)と中国 new3 下(2012)を比較 すると,「読むこと」が7%から 20%に増加し,「書くこと」が 0%から 8%と増加しているという変化 が見られる。このことは,より読み書きを重要視してきているのではないかと考えられる。中国の英 語教育の目標にあるように,4 技能を統合して教えようという方針の教科書への現れであるだろう。 (図5 参照) このように,韓国と中国の教科書においては,学年が上がるごとに「読むこと」「書くこと」の割 合が増えていることが明らかである。授業時間数も異なり制度も違うので,3 ヵ国で単純に比較する ことはできないが,英語学習を開始してからの2 学年を見てみても,日本の「読むこと」「書くこと」 の割合は合計して,小学5 年生で全体の 4%,小学 6 年生で 14%に対し,韓国では小学 3 年生で 13%, 小学4 年生では 21%を占めており,中国では小学 3 年生で 9%,小学 4 年生では 33%,新しい 3 年生 の教科書では小学3 年生で 28%をも占めていることが分かる。このように,韓国・中国では英語を開 始して2 年目には 20%から 30%の割合で「読むこと」「書くこと」を育てる活動を行っている。 図2 日本のHi, friends!の4 技能の割合 41% 62% 45% 34% 4% 0% 10% 4% 日本2 日本1 L S R W

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5.3 活動例

それでは,「書くこと」「読むこと」に関し,実際の教科書ではどのような工夫が見られるかを見て いくことにする。 日本では,「書くこと」に関しては,「教科書」に載っているアルファベットを書く活動であるのに 対し,韓国・中国では常に絵とともに文字を併記している。また,その単語を使った表現や,単語の 穴埋め式の問題を設けることによって綴りをも習得させようとしており,「書くこと」を強く意識した 活動が存在する。日本でも文字を絵と併記させるという方法は,アンケート調査を行った教師の意見 からも出ており,学習意欲を促すものであると考える。

韓国4 では, Look & Write で見られるように,その前に絵と英単語を併記したもので学んだ後に, 綴りを穴埋め式で書くという活動がある。(図6 参照)また,中国 4 上では,韓国のものと同じよう に Write & say のような,その前に絵と英単語を併記したもので学んだあとに,穴埋めのアルファベ ットを書かせる活動項目が存在する。(図7 参照)アルファベットをただ A, B と覚えるだけではなく, A から始まる単語を絵とともに一緒に学習できるのは,英語に慣れる上でも重要なことであると思う。 図6 韓国 6 教科書 図 7 中国 4 上 教科書 また,「読むこと」に関しては,日本では文字を「教科書」にほとんど載せていないが,物語の音 声を聞き,文字を一緒に確認しながら読む活動項目が存在する。韓国・中国では,「聞くこと」から始 まり,その後「読むこと」や「話すこと」など1 つの技能だけでなく,ほかの技能をも組み合わせた 活動が見受けられる。また,ただ読むだけではなく,コミュニケーション活動につながる活動項目が 存在する。 韓国6 では, Let s Read という活動項目があり,手紙を読み,質問を聞き取って答え内容理解を も問う活動がある。(図8 参照)ただ読むだけではなく,手紙というコミュニケーション方法は英語

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ではどのように書けばいいのかなども,この活動を通して学ぶこともできる。そして,中国new3 上 では, Read it aloud というような,話を読み,そして演じてみようという活動項目が存在する。(図 9 参照)ただ,文章が何文もあるだけではつまらないが,漫画のように,会話文が存在し,そこに英 文が書かれていることにより,「読むこと」そしてその後「話すこと」へとコミュニケーションにつな がる活動項目であるといえる。 図8 韓国 6 教科書 図9 中国 new3 上 教科書

5.3 活動例

それでは,「書くこと」「読むこと」に関し,実際の教科書ではどのような工夫が見られるかを見て いくことにする。 日本では,「書くこと」に関しては,「教科書」に載っているアルファベットを書く活動であるのに 対し,韓国・中国では常に絵とともに文字を併記している。また,その単語を使った表現や,単語の 穴埋め式の問題を設けることによって綴りをも習得させようとしており,「書くこと」を強く意識した 活動が存在する。日本でも文字を絵と併記させるという方法は,アンケート調査を行った教師の意見 からも出ており,学習意欲を促すものであると考える。

韓国4 では, Look & Write で見られるように,その前に絵と英単語を併記したもので学んだ後に, 綴りを穴埋め式で書くという活動がある。(図6 参照)また,中国 4 上では,韓国のものと同じよう に Write & say のような,その前に絵と英単語を併記したもので学んだあとに,穴埋めのアルファベ ットを書かせる活動項目が存在する。(図7 参照)アルファベットをただ A, B と覚えるだけではなく, A から始まる単語を絵とともに一緒に学習できるのは,英語に慣れる上でも重要なことであると思う。 図6 韓国 6 教科書 図 7 中国 4 上 教科書 また,「読むこと」に関しては,日本では文字を「教科書」にほとんど載せていないが,物語の音 声を聞き,文字を一緒に確認しながら読む活動項目が存在する。韓国・中国では,「聞くこと」から始 まり,その後「読むこと」や「話すこと」など1 つの技能だけでなく,ほかの技能をも組み合わせた 活動が見受けられる。また,ただ読むだけではなく,コミュニケーション活動につながる活動項目が 存在する。 韓国6 では, Let s Read という活動項目があり,手紙を読み,質問を聞き取って答え内容理解を も問う活動がある。(図8 参照)ただ読むだけではなく,手紙というコミュニケーション方法は英語

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このように韓国・中国の教科書では,「読むこと」「書くこと」に関し,絵とともに単語が併記さ れていたり,単独の技能の活動だけではなく,ほかの技能とも統合させたりして,コミュニケーシ ョン活動につながる活動項目となっている。このような工夫は,今後日本においても取り入れるこ とが出来るのではないだろうか。

6. まとめ

日本・韓国・中国の小学校英語教育に関して4 技能に着目し,目標はどのように掲げられているの か,指導の基盤となる「教科書」はどのような特徴があり,4 技能は「教科書」でどのようなバラン スで記載されているのか詳細な分析を行った。 結果として,韓国・中国の教科書は学年が高くなるにつれて「読むこと」「書くこと」の割合が増 えていった。一方,日本は小学5 年生よりも小学 6 年生が増えたものの,僅かな増加であった。英語 学習を初めて2 年目までで比べても,日本では「読むこと」「書くこと」の合計した割合は 14%であ るのに対し,韓国・中国では20%から 30%を占めていることが明らかになった。 制度が異なるので,単純に比較はできないが,今後日本で英語教育が推進され、教科として英語が 導入される時には,4 技能の視点を考慮した教科書を作成する必要があると考える7 日本の文部科学省が示すように,小学校段階で「聞くこと」や「話すこと」といった音声面を重視 するということは大切であると考える。それに対し,「読むこと」「書くこと」に対しては消極的な態 度を見せているが,現在の学習指導要領の規定範囲内であっても,改善できる余地はあると考える。 「教科書」にもっと絵と共に文字を併記することや,前述の5.3 の活動例で示したように,単独の技 能の活動だけではなく,ほかの技能とも統合させ,コミュニケーション活動につながる活動を行うこ とは十分可能であると考える。文字を「教科書」に取り入れることは,児童の負担になるよりも,書 かせることを強要しない限り,むしろ音声だけよりも高学年の児童にとっては記憶の定着に繋がると 考える。また,教える際にも,例えばアルファベットの音を聞き,皆で歌や発音で導入したのちに, 身の回りにあるアルファベットを探して書いてみたり,言ってみたりすることや,アルファベットか ら関連する簡単な単語を物や絵と共に文字を見せ,音声を聞いた上で文字を見せつつ発音し,穴埋め などクイズ形式で読む書く活動へと繋げていくことなど,総合的に4 技能を取り入れた活動を取り入 れることで,授業の活動もより充実し,英語力の向上をも図ることが出来ると考える。 また,「書くこと」「読むこと」はつまらない授業になりかねない,英語嫌いを招くと言う意見も見 られるが,「書くこと」「読むこと」を楽しく授業で学ばせるための工夫が重要になってくると考える。 しかも,ただ「書く」「読む」のではなく,韓国や中国の教科書に見られる活動のように,コミュニケ ーションに繋がる指導を検討していく必要があるのではないだろうか。 今回は成長段階を考慮した具体的な考察は行わないが,今後発達段階の視点からも文字指導につい て考察していきたいと思う。

(13)

日本では,外国語活動は「教科」でなく「領域」なので,多くの学校で使用されているHi, friends! は教科書ではない。しかし,ほとんどの学校において授業のカリキュラムを構成する上での基盤と なっていることから,本稿では教科書にカギカッコをつけた「教科書」で統一して明記することに する。また,日本・韓国・中国などすべての国の教科書を統合して言う際も「教科書」と明記する。 (韓国・中国など日本の小学校用以外の教科書を言う際には,カギカッコをつけない。) 2 「教科書を教えるのではなく,教科書で教える」と言われているが,現状として多くの教師が教科 書を頼りにして授業を組み立ていることから,教科書は授業の基盤であると考えられる。 3 TOEFL は 1 つの基準でしかなく,直接的に小学校での英語教育の導入が成果に結びついているか は今後詳細な分析が必要である。しかし,TOEFL スコアで見てみると,日本はアジアの 30 ヵ国中 2007 年に 29 位,2009 年に 28 位,2010 年に 27 位,2011 年に 28 位と辛うじて最下位ではないが、 底辺を彷徨っている。韓国は,2007 年に 12 位,2009 年に 9 位,2010 年に 10 位,2011 年には 7 位となっている。中国においても,韓国ほどではないものの,2007 年に 11 位,2009 年に 15 位, 2010 年に 16 位,2011 年に 14 位となっている。(ETS 発行の TOEFL Test and Score Data Summary の情報によるもの) 4 高橋・柳 (2012) で教科書の 4 技能について,上西 (2013) や高橋 (2007) などでは文字指導につ いて概観している。しかし,詳細な分析には至っていない。 5 2012 年 11 月 27 日に佐賀市立勧興小学校で開催された佐賀県小学校教育研究会外国語活動部会に おいて,アンケート用紙を一人一人の教師に手渡し,調査への協力を依頼した。その結果,27 名の 教師から回答を得た。 6 分類する際,児童の視点から「教科書」を見て分かる範囲での分類を行った。つまり,「教科書」 の各活動項目の指示や「教科書」から予想される最低限の能力で分類をした。4 技能で分類を試み

たが,今回はSing や Chant は別の項目として分類した。また,Game とのみ書かれているものは Game に分類,名刺を作るや工作などの活動はその他として分類した。また,英文の書かれている ものは「読む」にも分類した。(単語のみの英語表記は「読む」に含めない)最後に,1 つの技能を 1 として数えたため,1 つの活動項目で 2 つ以上の技能が見られる場合,その技能の数に応じで計 算した。つまり,1 つの活動項目に 2 つの技能が存在する場合 2 と数えた。 文部科学省は,2013 年 12 月 13 日に,「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」において, 小学校高学年で英語を「教科」として週に3 コマ程度 2020 年度からの全面実施に向けて,2018 年 度から段階的に導入することを発表した。

引用文献

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6. まとめ

日本・韓国・中国の小学校英語教育に関して4 技能に着目し,目標はどのように掲げられているの か,指導の基盤となる「教科書」はどのような特徴があり,4 技能は「教科書」でどのようなバラン スで記載されているのか詳細な分析を行った。 結果として,韓国・中国の教科書は学年が高くなるにつれて「読むこと」「書くこと」の割合が増 えていった。一方,日本は小学5 年生よりも小学 6 年生が増えたものの,僅かな増加であった。英語 学習を初めて2 年目までで比べても,日本では「読むこと」「書くこと」の合計した割合は 14%であ るのに対し,韓国・中国では20%から 30%を占めていることが明らかになった。 制度が異なるので,単純に比較はできないが,今後日本で英語教育が推進され、教科として英語が 導入される時には,4 技能の視点を考慮した教科書を作成する必要があると考える7 日本の文部科学省が示すように,小学校段階で「聞くこと」や「話すこと」といった音声面を重視 するということは大切であると考える。それに対し,「読むこと」「書くこと」に対しては消極的な態 度を見せているが,現在の学習指導要領の規定範囲内であっても,改善できる余地はあると考える。 「教科書」にもっと絵と共に文字を併記することや,前述の5.3 の活動例で示したように,単独の技 能の活動だけではなく,ほかの技能とも統合させ,コミュニケーション活動につながる活動を行うこ とは十分可能であると考える。文字を「教科書」に取り入れることは,児童の負担になるよりも,書 かせることを強要しない限り,むしろ音声だけよりも高学年の児童にとっては記憶の定着に繋がると 考える。また,教える際にも,例えばアルファベットの音を聞き,皆で歌や発音で導入したのちに, 身の回りにあるアルファベットを探して書いてみたり,言ってみたりすることや,アルファベットか ら関連する簡単な単語を物や絵と共に文字を見せ,音声を聞いた上で文字を見せつつ発音し,穴埋め などクイズ形式で読む書く活動へと繋げていくことなど,総合的に4 技能を取り入れた活動を取り入 れることで,授業の活動もより充実し,英語力の向上をも図ることが出来ると考える。 また,「書くこと」「読むこと」はつまらない授業になりかねない,英語嫌いを招くと言う意見も見 られるが,「書くこと」「読むこと」を楽しく授業で学ばせるための工夫が重要になってくると考える。 しかも,ただ「書く」「読む」のではなく,韓国や中国の教科書に見られる活動のように,コミュニケ ーションに繋がる指導を検討していく必要があるのではないだろうか。 今回は成長段階を考慮した具体的な考察は行わないが,今後発達段階の視点からも文字指導につい て考察していきたいと思う。

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『教科書フォーラム 中研紀要』第10 号, 14-25. 上西幸治 (2013). 「小学校英語テキスト再検討―中国とタイの英語教科書に学んで―」『広島外国語 教育研究』第16 号, 103-123. 課程教材研究所 (2008). PEP四年 上册, 人民教育出版社. 課程教材研究所 (2010). PEP三年 下册, 人民教育出版社. 課程教材研究所 (2010). PEP四年 下册, 人民教育出版社. 課程教材研究所 (2011). PEP三年 上册, 人民教育出版社. 課程教材研究所 (2012). PEP三年 上册, 人民教育出版社. 課程教材研究所 (2012). PEP五年 上册, 人民教育出版社. 課程教材研究所 (2012). PEP五年 下册, 人民教育出版社. 課程教材研究所 (2012). PEP六年 上册, 人民教育出版社. 課程教材研究所 (2012). PEP六年 下册, 人民教育出版社. 課程教材研究所 (2013). PEP三年 下册, 人民教育出版社.

韓国教育課程評価院 (2012). ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH5, 天才教育出版社. 韓国教育課程評価院 (2012). ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH6, 天才教育出版社. 韓国教育課程評価院 (2013). ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH3, 天才教育出版社. 韓国教育課程評価院 (2013). ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH4, 天才教育出版社.

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付録

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図 3  韓国の ELEMENTARY SCHOOL ENGLISH の 4 技能の割合  図 4  中国の PEP の 4 技能の割合  図 5  中国の 3 年生の教科書の変化(4 技能の割合) 33%39%35%39%43%37%51%58%26%28%34% 36%27%30% 42% 33%21% 19% 16% 14%17%17% 7%9%20%14%15%11%13%16% 0%0%中国6下中国6上中国5下中国5上中国4下中国4上中国3下中国3上LSRW48%51%051%58%24%30%0

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