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中国赴日本国留学生予備学校における基礎日本語教育

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(1)

中国赴日本国留学生予備学校における基礎日本語教育

2011 年度派遣報告―より効果的な教育に向けて―

藤村 知子

【キーワード】 中国における日本語予備教育、アカデミック・ジャパニーズ、

JLC スタンダーズ、SPOT、e ラーニング

0.はじめに

中国吉林省長春市にある東北師範大学赴日本国留学生予備学校(以下、「赴日予 備学校」と略す。)においては公費派遣の中国人留学生に対する日本語予備教育を

1979

年より行っており、

2011

年度で

32

年目を迎えた。この間、経費負担や派遣 される留学生の在学段階等変遷があったが、

2006

年からは日本・中国政府間交流 事業として行われている。東京外国語大学からは、赴日予備学校設立当初より文部 科学省からの委託により、毎年日本語教員が派遣されている。筆者はちょうど

10

年前の

2001

年にも派遣されたが、その当時の中国経済の規模は、名目

GDP

で日 本の約

3

分の

1

、一人当たり

GDP

では約

30

分の1であった。それが

2010

年には 名目

GDP

は日本を抜いて世界第

2

位、一人当たり

GDP

も日本の約

10

分の

1

ま でに縮まった1。全教室にパソコン、プロジェクタが備えられているほか、キャン パスの並木や草花の手入れなどからも豊かな中国を感じることができた。

本稿では、今年度の授業内容の報告とその検証から導かれる改善案について述べ る。

1.東北師範大学赴日本国留学生予備学校の組織

赴日予備学校は、

2001

年の派遣時には、日本語教育のみの担当であったが、

2011

年は、図1に示すとおり、業務拡大に伴い留学生教育学院として再編され、日本語 教育は業務の一角を占めるに過ぎない。

拡大した業務の中で、特に興味を引くのが中国の大学学部進学を目的とする「予 科」で、全員が中国語予備教育1年、学部4年の計5年間、中国政府からの奨学金

1 田辺智子他(2005)「データで見る中国経済と日中経済関係」国立国会図書館レファレンス、2011

2

14

日付け日本経済新聞電子版ニュース「中国、日本を抜き

2

位確定

10

年名目

GDP

東京外国語大学

留学生日本語教育センター論集

38 : 135

~ 153, 2012

(2)

を受ける外国人留学生である。日本国文部科学省による学部進学の予備教育は、東 京外国語大学留学生日本語教育センター及び大阪大学日本語日本文化教育センタ ーの2機関合わせて約

70

名であるが、中国政府による予備教育機関は全国7大学2 に設置され、東北師範大学だけでも約

100

名の外国人留学生を受け持っていること からもその規模の大きさがわかる。

図1 赴日予備学校の組織(左 2001 年 右 2011 年)

2.2010/2011 年度博士班の学生

赴日予備学校の「博士班」の学生は、日本の大学院に進学して博士号を取得する という目的を一にする優秀な集団である

2001

年は推薦制で、中国の大学で既に博士号を取得し、ポストも得ている「修 了博士班」

76

名と日本の大学で博士号取得を目指す「進学博士班」

42

名という構 成であった。

2007

年度からは「進学博士班」に一本化されたほか公募制に変わり、

2008

年度から表1のとおり、公募情報や結果発表などが中国・国家留学基金管理 委員会のホームページで「日本政府(文部科学省)博士生奖 学金奖 目」という見出 しがつけられ公開されている3

2 予科班設置大学は、中国・国家留学基金管理委員会のホームページに記載された応募要項によれ ば、北京語言大学、天津大学、山東大学、南京師範大学、華中師範大学、同済大学、東北師範大 学の7大学。http://www.csc.edu.cn/Laihua/16552265c7d14cd4a916aa3534c9200c.shtml

3

http://www.csc.edu.cn/Chuguo/d4d1efc3d06e4e929b0cfb4e85b8dd28.shtml

など

(3)

0 20 40 60 80 100 120 2001年

進学博士班 2011 博士班

2001 進学博士班

2011 博士班

25歳未満 0 2

25~29歳 15 90

30~35歳 25 17

図2 (進学)博士班の年齢構成 表1 赴日予備学校博士班の公募から渡日まで

2008

年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度

公募 2011年度:

2009

11

月通知

2012

年度:

2010

11

3

日通知

2010

2

20

日~3

20

日受付

2011

2

20

日~4

10

日受付 面接4

通知 追跡できず

2008

5

5

2009

4

24

2010

4

23

2011

5

13

面接

実施 追跡できず

5

14

日~

16

日(武漢)

5

8

日~

10

日(上海)

5

5

日~

8

日(北京)

5

24

日~

27

日(北京)

結果 発表

2007

9

21

2008

5

29

2010

5

20

2011

6

8

予備5

教育

期間 追跡できず 追跡できず

2009

10

12

日~

2010

8

28

2010

10

11

日~

2011

8

31

2011

10

10

日~

2012

9

7

渡日 2008

10

月 2009

10

2010

10

月 2011

10

月 2012年予定 人数 107名 102名 102

文科系 30 理科系 79

109

121

名合格

外国語の習得に大きな影響 を与える年齢を見てみると、

2001

年の進学博士班は中国の 大学の講師職に就いている者

が全体の

66.7%を占め、平均年

30.5

歳、30歳以上

35

歳以 下の学生が

59.5%と過半数で

あったのに対し、2011 年の博

士班は平均

27.6

歳と若返り、図2のとおり、20代後半の学生が主力を占めた。

女性の割合も理科系が

7

割を占める中で

2001

年は

40.5%、 2011

年は

49.5%と

ほぼ半数となっている。

研究テーマを見てみると、2001年度は廃水処理や汚染物質除去などを研究テー マとする学生が目立ったが、2011年度は観光学、物流、ファッション、遠隔教育 など多様化し、生活の豊かさにつながるテーマが数多く見られるようになった。

4 面接通知、結果発表は受験番号ではなく、氏名が記載されている。

5 予備学校在籍時は、授業料は徴収されないものの、寮費と食費は自弁である。

(4)

3.赴日予備学校「博士班」における予備教育の内容 (1) 到達目標

博士班の到達目標及び使用教材、担当教員数、担当授業時間数は、日本国文部科 学省・中国教育部の間で策定した実施計画に定められている。

2007

年度以降の到 達目標は、「日本の大学に進学し、学習、研究の順調な発展を図るため、必要な基 礎日本語(日本語能力試験2級レベル)及び専門日本語に関する知識、能力を習得 させる」となっている。

2009

年度より、予備期

14

週間、前期

20

週間、後期4週 間の3期に分かれ6、予備期と前期合わせた

34

週で日本語能力試験旧2級レベルま での基礎日本語教育を行うこととなっている。後期は、東京工業大学を中心とする 日本人教員が専門日本語を担当し、修士課程の研究内容を日本語でまとめ、口頭発 表ができるよう指導している。

(2) 2011 年度の基礎日本語教育の内容

① 担当者

2010/2011

年度の基礎日本語教育の担当者は表3のとおりである。文科省派遣基

礎日本語教員は、本センターと日本学生支援機構からの派遣者からなる。今年度の 派遣者は、赴日予備学校経験者2名、長春市の日本語教育機関の経験者1名、東北 師範大学での教育実習経験者1名と「長春経験者」が4名含まれていた。また、日 本学生支援機構からの派遣教員と本センター非常勤講師1名は複数クラスで運営 される予備教育に携わっていること、本センター非常勤講師は、予備学校使用教材 を海外で使って教えた経験があることなど、教務、生活の面ともに順調に始めるこ とができた。

機械操作にも明るく、全員が

PowerPoint

を効果的に利用し、授業を進めていた。

② 使用主教材

これは上述の「実施計画」に明記されており、

2011

年も例年通り、初級段階で は赴日予備学校博士班の学生を主な対象に作成された『実力日本語

(

)

(下)』、中 級段階では学部進学留学生を対象に作成された『中級日本語』を主教材として用い た。いずれも本センターで編集・作成したものである。

6

2008

年までは後期にも専門日本語と並行して基礎日本語の授業が行われていた。

(5)

表3 2010/2011 年 基礎日本語教育担当者

予備期 14 週間×26 時間

前 期 20 週間7 ×28 時間

中国人日本語教員 中国人日本語教員 文部科学省派遣基礎日本語教員 副教授 馬軍先生

副教授 菫春琪先生 副教授 高在学先生 講師 謝忠宇先生 講師 辺家勝先生 講師 李軍先生 講師 張麗先生

1班 馬軍先生 本センター非常勤講師 渕上真由美先生 2班 辺家勝先生 東京日本語教育センター専任講師

(副団長) 平山允子先生 3班 菫春琪先生 大阪日本語教育センター非常勤講師 廣岡真帆先生 4班 謝忠宇先生 本センター非常勤講師 木村かおり先生

統括責任者

教授 張群舟先生 副教授 鄭国愛先生

5班 李軍先生 大阪日本語教育センター非常勤講師 嶋本紀子先生 本センター(団長) 藤村知子

③ 時間割

前期の時間割に関しては研究日を入れない年度と入れる年度があるが、

2011

年 度は研究日を入れることとした。

2001

年度は研究日を入れない時間割で、体調を 崩したとき、休みがとれずに大変だったという意見に配慮したためである。研究日 を入れる長所としては、体調不良の教員がいる場合に代講を立てやすい、1つのク ラスに複数の教員が入るため問題を一人で抱え込まずに済む、といったことが挙げ られる。短所としては、1日6時間連続授業の曜日ができてしまうことである。教 員の負担を減らすため、

5/6

時間目を通常授業ではなく個人指導の時間としたが、

これによって通常授業の時間数が減るといったことが挙げられる。今年度はその長 短両面が現れた。予備期8・前期の時間割を表4・表5に示す。

7 前期は、日本人教員が赴任する前の

3

週間は中国人教員のみで行っている。

8 実施計画によれば、予備期の日本語授業は1週

26

時間となっているが、

2010/2011

年予備期の時 間割をみると、

1

24

時間となっている。

(6)

表4 2010/2011 年度予備期時間割 表5 2011 年度前期時間割

今年度は

6

13

日から

10

日間

1

名の教員が入院したが、代講をすぐに立て、

2

週目からは合同クラスを編成して乗り切ることができた。代講や合同クラスにスム ーズに移行できたのは、研究日を入れる時間割にしていたことが大きい。合同クラ スの運営に当たっては、平山副団長の的確な管理と指示により、各班の進度を合わ せることができ、円滑に進めることができた。

④ 授業内容-「導入」と「練習」

予備期、前期を通して「導入」「練習」の枠が設けられている。初級段階の「導 入」は直接法による文型導入と定着を図るための基礎練習を行い、「練習」は導入 から2~3日遅れて文型をより具体的な状況の下で発話させる応用練習を行う。こ れは同じ文型や語彙に何回も触れることによって、定着を図ろうとするものである。

そのほか、聴解を中心とした総合練習の時間が1週

2

時間設けられている。

日本人教員の赴任後は、中国人日本語教員が「導入」を担当し、日本人日本語教 員が「練習」を担当するという形でのチームティーチングを行っている。初級・中 級段階で行った内容をまとめると表6のとおりとなる。

(7)

表6 前期の導入と練習の内容

導入 中国人教員担当

練習 日本人教員担当

聴解・読解 団長担当

初級

・直接法による 文型導入 語彙導入

・定着を図るため の基礎練習

・場面を設定した文型練習

・発音-『実力日本語(上)

・聴解-『わくわく文法リスニング

99』

・読解-『初級で読めるトピック

25』

・活動-『クラス活動集

131』など

・読解

-『実力日本語』

の読み物

・聴解

-日本語能力 試験対策問題

中級

・直接法による 文型導入

・定着を図るため の基礎練習

・短文作成練習

『中級日本語』本文精読

・聴解-『日本語総まとめ問題集』

・語彙

-『分野別カタカナ語彙トレーニング』

・会話-『実力日本語』会話

・読解

-『大学・大学院留学生の日本語読解基礎編』

・図表の説明

・メールの書き方

・口頭発表の練習

⑤ 進度―初級と中級の時間配分の問題

初級レベルと中級レベルごとに要した授業時間数でまとめたものを図3に示す。

参考までに旧日本語能力試験の認定基準及び

1

年間の日本語予備教育を行ってい る本センター

1

年コースの

2009

年度の授業時間数も掲げた。1年コースの主教材 は、博士班と初級は異なるものの、中級教材は同じものを用いている。

図3 初級、中級に要する授業時間数

本センター1年コースの学生の方が

10

代後半と若く、1クラス

10

名と少なく、

日本国内での教育など恵まれた点もあるが、非漢字圏の学習者が

9

割以上を占め

(8)

ているというハンディがあることを考慮に入れれば、博士班との比較もあながち無 理とはいえない。図3に示したとおり、赴日予備学校の進度は初級レベルの『実力 日本語』に少し時間をかけすぎているのではないだろうか。そのせいか、『中級日 本語』に入ると、授業のスピードが速くなり、上位の学生以外は授業を理解してい ないのではないかという報告がクラス担当から入った。中級の授業時間数としては 本センターの1年コースと大きな差があるわけではない。授業のスピードが博士班 の学生にとって速く感じられた理由は、学生の日本語運用能力を伸ばしたいと考え、

1年コースの内容に比して、多くの内容を入れたことにある。特に、「練習」に短 文作成を入れるよう団長である筆者からの依頼が大きく影響した。博士班の学生は 留学後、論文の執筆や学会発表の際に正確な文章の産出が必要になるため、その練 習を試みたが、これを行うと、導入の時間に行ったはずの文型の説明をもう一度し なければならず、同じことを2回繰り返すことになってしまった。定期テストや授 業評価アンケートの結果からも、学習項目が十分に定着しなかったことが窺える。

中でも土屋

(2008)

が指摘しているように今年度も態や授受に関する問題は正答 率が

30

40

%と低い。授受表現に関しては、文法の時間だけでなく、会話の時間 に依頼の表現として何度も取り上げて練習しているが、その効果が出ていない。ま た、聴解は、クラス授業で練習を毎日行っているにもかかわらず、前期に

4

回実 施した定期テストのうち

3

回は、約

3

分の1の学生が

60

%を切る得点であった。

日本国内の学習者に比べ、海外の日本語学習者は聴解力が低いことは、日本語能力 試験の結果9にも現れているが、効果が出るような対策が必要である。

(3) 今年度の取り組み

本節では、

2001

年には実施しなかったことを取り上げる。

① 専門分野に関する口頭発表

これは昨年度に引き続き、専門日本語への接続を考えて行った。後期の専門日本 語の修了試験で修士論文の内容と日本で行う予定の研究について口頭発表するこ とになっているが、そこで使われる共通した表現に、事前に一度触れておいた方が 多少なりとも、専門日本語の授業に貢献できるのではないかと考えたことによる。

9

2009

7

月に実施された旧日本語能力試験

2

級の場合、国内受験者の平均点が

68.0

点だったの

に対し、海外受験者の平均点は

52.3

点(

100

点満点)。なお、この回に限り、海外の実施会場は 中国、台湾、韓国のみで、中国本土の受験者が海外受験者の

66.2%を占める。

(国際日本教育支援 協会ホームページより

http://www.jlpt.jp/statistics/pdf/2009_1_06.pdf

(9)

学生も日本語学習の目的が明確になり、熱心に取り組んだ。当初はこの準備に、論 文・レポート作成の表現をまとめた『実践研究計画作成法』や『留学生と日本人学 生のためのレポート・論文表現ハンドブック』など使い、例えば序論の先行研究の 紹介で使われる文末表現や接続詞等のまとめなどを行う予定であったが、前述のと おり、中級に入るのが遅かったため、「まとめ」の時間をとることはできなかった。

『中級日本語』だけを使っていては、なぜ文末表現や複合助詞を習うのか、学生に は見えづらいが、前述のアカデミックライティングに関係する参考書を見れば、何 のために中級文型を学習しているかがよくわかるものと思われる。このようなアカ デミックライティングにつなげていくために、中級文型が終わった段階でまとめ直 す時間を確保し、専門日本語へつなげていきたい。

なお、口頭発表は、学習効果は高いが、教師の添削の負担も大きいため、学生同 士のピア活動など、実施上の工夫が必要である。

② SPOT の実施

筑波大学で開発した

SPOT

3

月下旬、初級終了時、中級終了時の計3回実施 した。学習到達度を測る復習テストではわからない、日本語の習熟度を見るためで ある。3回実施した結果を表7に示す。

SPOT-A

は日本語能力試験旧

3

級相当の 日本語力の識別、

SPOT-B

は旧2級相当の識別ができるテストである。

3

月下旬に 行った第1回の

SPOT-A

の平均点は

47.0

点(

60

点満点)で、筑波大学の

SPOT

開発担当教員からは、

SPOT-A

で平均

47.0

点であれば、しっかり初級レベルの日 本語が身についていると判断できるとのコメントがあった。

初級段階の復習テストでは天井効果で試験範囲内の到達度しか測れないが、

SPOT-B

を実施したことにより、日本語能力試験旧

2

級相当まで判定することが

できた。その結果、予備期の履修免除者10を中心にすでに

2

級に達している学生か ら

4

級程度までと学生の日本語力にばらつきが見られることがわかった。同一問 題を

3

回行ったため、学習効果の影響は避けられないが、表7の平均点を見る限 りでは、着実に日本語力が伸びたといえよう。

10 日本語能力試験

3

級以上を取得している学生は予備期の授業を、2級以上の場合は、予備期及び 前期の基礎日本語の授業の履修を免除されている。

(10)

図6

JPLANG

による

Can-Do-Statement

調査画面

表7 SPOT 実施結果

SPOT 平均点 SPOT-B(60 点満点)

3 級と 4 級の識別

SPOT-A(65 点満点)

2 級と 3 級の識別

1

回(3

29~31

日実施)

47.0

点 34.9

第2回(5

27

日実施) 53.3点 44.4 第3回(7

15

日実施) 59.0点 50.0

③ Can-do-Statements

学生による日本語運用能力の自己評価の 調査を実施した。これは、本センターが開 発した「JLC日本語スタンダーズ

2011

年 版」の

Can-Do-Statements

を中国語に翻 訳し、「聞く」「話す」「読む」「書く」の

4

技能11のそれぞれの項目について「できる」

「できない」「わからない」を自分で判断し て回答するものである。e ラーニングシス

テム

JPLANG

を利用して実施、集計した。

図6は

JPLANG

の画面である。

「Can-Do 調査」の中国での調査データ

としては、高校生の英語教育に関する調査ではあるが、吉田他(2004)が日本、韓国、

中国の高校生の英語能力と自己評価の関係ついての三者の傾向を調べている。それ によれば、日本の高校生は自己の英語力を過小評価する傾向にあるのに対し、中国 の高校生の場合は、英語力の高低によって自己評価に日韓ほど差が出ない傾向にあ る、ということが指摘されている。

赴日予備学校の学生も、授業では初級レベルの

3

分の

2

が終了した段階ではあ るが、こちらが中級レベルと想定した

Can-Do-Statement

であっても、「できる」

と回答した学生が多く、日本人教員の印象より高めに日本語運用能力を自己判断し ている傾向が見られる。その一方で、赴日予備学校の学生の多くが「できない」と 判断している項目は、主に専門教育への橋渡しの項目であり、学生が望んでいるの はこの分野であると考えられた。

11 「JLC日本語スタンダーズ」では、「聞く・話す」の

Can-Do-Statements

も作成しているが、デ ィスカッションを想定したものであり、赴日予備学校の日本語教育では実施しないため、本調査 からは外した。

(11)

学生による日本語能力の自己評価を、日本人教員着任直後の

4

月上旬に続いて、

基礎日本語終了時点でも行った。

4

月(

1

回目)と

7

月(

2

回目)を比較できるよ うなグラフを作成し本稿末に示す。初回実施の際は、終了時にグラフが「できる」

を表す■で黒くなることをめざしたが、残念ながら、そうはならなかった。

1) 「聞く」に関すること

最も変化が少なかったのは、「聞く」に関する項目で、復習テストで不合格者が 多い科目である。変化が少なく「できる」という回答が

50

%を切っている項目と しては、a)談話の構成に沿ってメモをとったり、聞いたりすること、b)話し手 の意見や評価の受け取りに関する項目である。前者a)については十分に授業でき なかった。授業時間内に手際よく終えられる教材を中心に選んでしまい、どのよう な技能を伸ばすかといった観点から指導について教員間で議論しなかったことが 挙げられる。「初めに教材ありき」ではなく、伸ばすべき技能を定め、それに適し た教材を選ぶよう、団長がリーダーシップを発揮するべきであった。後者b)につ いては、中級の文型をすべて導入したあと、まとめ直しの時間が必要と考える。

2) 「話す」に関すること

口頭発表の最終日に

Can-Do-Statements

の調査を行ったため、口頭発表に関係 する「

[25]

自分の専門についてわかりやすく説明できる」「

[22]

レジュメやパワー ポイントなどを使って説明できる」「

[23]

アウトラインに沿って発表できる」など は、

90

%近くが「できる」と回答している。ただし、それに必要な「

[24]

話の展開 を考えながらまとまりのある話ができる」「

[16]

文と文の関係に注意しながら話せ る」などの自己評価は低く、「わかりやすく説明する」ためには何が必要なのか、

授業で明確に説明する必要があった。

また、『実力日本語(下)』と

JPLANG

を組み合わせて行った「会話」は、「

[26]

あらたまった場、くだけた場など場の雰囲気に合わせて話ができる」ことを目指し て行った授業12であるが、難しさを認識させただけなのか、自己評価が低く「でき る」と答えた学生は

23

%に過ぎなかった。

12 『実力日本語(下)』の「会話」の設定を変えて、指導教員と話す場合の会話を授業前に学生に作

らせて

JPLANG

で送信→授業で注意点を説明→再度会話を作り直して提出→教師による添削→

返却→暗唱という活動を行った。

(12)

3) 「読む」に関すること

「できる」という回答が全般的に多くなってはいるが、まだ

50

%を切っている 項目がある。

[10][11]

の予測、

[13]

未知語の意味の推測、

[20]

省略の復元である。こ れらは、できるだけ速く正確に文意をくみ取るのに必要なスキルの一部である。『中 級日本語』の本文読解、読解教材(プリント)でも行っているが、明確に説明する 必要があった。

4) 「書く」に関すること

4

月と

7

月で変化が大きいのは、「書く」に関することだが、授業内容からする と、最も手薄だったところである。学生は「口頭発表」の発表原稿で苦労していた 時期だったので、「発表原稿を作った」=「書けた」と解釈したものと思われる。

この項目には

[11]

研究計画書の作成が入っているが、これは専門日本語で完成させ るべきものなので、そこへ持っていくまでのお膳立てを基礎日本語でしておく必要 がある。

④ 試験・調査結果の返却

今後の日本語学習の指針となるよう、予備期・前期を通しての定期試験の結果、

SPOT

3回の結果、

Can-Do-Statements

2回の結果をすべてまとめて学生一人一人 に渡した。

⑤授業評価アンケート

JPLANG

のアンケート機能を利用し、日本人教員による授業の評価を自由記述

の無記名のアンケートで行った。自由記述には来年度の授業を実施するにあたって 示唆に富む指摘がある。回答を読んで、それぞれの授業の目的を学生にはっきり説 明する必要性を感じた。そのほか、以下のように回答を集約できる。

・『中級日本語』の進度が速すぎる。また、教科書が古く、内容も現代的ではない。

・日中の教員の連携不足の指摘も見られるので、日中教員の役割分担について学生 に伝えることが必要である。文型導入については、中級段階になると、中国人の 先生が中国語で説明してもいいのではないかという意見も見られる。補習で『文 法練習帳』を使って間違ったところの解説を行った時に感じたことであるが、こ れは日本語で行うより、中国語で解説した方が効率がいいのは明らかである。補 習の時間は中国人教員と日本人教員が同じ教室に入り、合格点に達しない学生に

(13)

対しては中国語による解説を行う時間を設けてもいいように思った。

・漢字のテストについては、正確な読み方(綴り)を身につけることによって、日 本語入力の精度を向上させ、辞書が引けるようにすることを目的としていたが、

学生が気にしていたのは、むしろ書き方の方である。復習テストの採点基準のこ とを考え、厳しく指導したことが影響しているのではないかと思われる。最近は

「りゅがくせい」と入力しても「留学生」と変換されるし、辞書も手書き入力が あるため、読み方がわからなくても意味が表示されるようになった。何のための 漢字クイズなのかはっきり伝える必要がある。

・聴解については、授業で使用した教材の音声を、復習用に

mp3

ファイルで各学 生に渡るようにしてほしいという要望が多いが、問題集等を学生の人数分購入し なければ、著作権法に違反することであり、法律違反であることを明確に伝える 必要がある。その代わり

JPLANG

にある聴解問題を利用するよう伝えたが、回 線スピードの問題13があり、学生には面倒だったようである。長春市内の書店に は中国で作られた、安価な日本語能力試験対策の問題集が数多く販売されている ため、練習したい学生にはその購入を勧めてもよいと思う。

・読解の内容は易しかったとの回答が目立つ。『大学・大学院留学生の日本語 読 解編』を用いて読解のスキル(中心文の見つけ方など)を入れようとしたが、中 級の終盤であれば、もう一段階難しい『大学・大学院生の日本語 論文読解編』

を使った方がよかったのではないか。

13

2011

6

2

日東北師範大学学生寮から http://www.musen-lan.com/speed/ にアクセスして計 測したところ、

887.8Kbps

であったとの報告が学生からあった。

(14)

表8 授業評価アンケート(自由記述)のまとめ

期間、授業の進度、時 間割について-10月に 授業が始まり、3 月に 日本人教員の授業が始 まり、5 月から中級に 入って、7 月に終わる という進め方はよかっ たですか。

肯定的評価:49 問題点の指摘:37

・中級の進度が速く、復習する時間がとれない。

・できるだけ早く中級に入ってほしい。

・7月に日本語能力試験

N2

が受験できる進度を。

・3月から日本で勉強した方がいい。

教科書の授業につい て、意見があれば教え てください。

肯定的評価

10

問題点の指摘 ・中級の進度が速い

4

・教科書が古い、内容への不満

8

・中級の教科書の説明が少ない

2

・文型の系統的分類の提言

1

・日中の役割分担への提言

5

読解・聴解(担当:藤

村)の授業について

肯定的評価

33

問題点の指摘 ・話し方が速い

3

・練習が少ない 14

クラスの聴解の授業に ついて

肯定的評価

11

問題点の指摘 ・練習が少ない 20

・教材が難しすぎた

5

・復習用に音声ファイル等教材コピーがほしい

13

クラスの読解の授業に ついて

肯定的評価

20

問題点の指摘 ・読解は不要

2

・内容が易しすぎる 11

・読解を増やしてほしい

2

・内容が難しい

3

クラスの会話の授業に ついて

肯定的評価

27

問題点の指摘

話題が少ない

8

練習時間が少ない

7

授業方法への提言

7

-暗唱・暗記ではなくテーマを自由に決めたい、グループでの練 習を増やす、ビデオを見たい等

漢字のクイズについて 肯定的評価

27

-日中の違いに気がつく、単語が覚えられる等

問題点の指摘 書き方のチェックが厳しすぎる

7

宿題について意見があ

れば教えてください。

肯定的評価

17

問題点の指摘 ・多すぎる 12

・難しい/作文を多く

1

口頭発表について 肯定的評価

23

名 -話す力がついた

問題点の指摘-

・準備、指導方法に問題あり

6

・発表時間が短い

2

10

そのほか、基礎日本語

の授業について意見が あれば教えてくださ い。

肯定的評価

22

問題点の指摘 ・日中の連携がうまくいっていない

3

・中級日本語の進度が速い

5

・会話、聴解、作文を増やしてほしい

3

(15)

4.おわりに ―より効果的な学習に結びつけるために―

図3に示したとおり、博士班に与えられた予備期・前期の授業時間数は上級レベ ルまで達することができる時間数である。それを行うには、まずは重荷となってい る『実力日本語』の語彙14を見直さなければならない。博士班の学生に合ったコー パスを使ってふるいにかける必要があろう。

『実力日本語』『中級日本語』ともに作成から

20

年近く経過し、話題が古くな っていることは否めないが、根幹となる文法シラバスについては変える必要はない と思われる。また、『実力日本語』は中国での使用を考え、日本の習慣を会話や読 み物を通じて紹介していること、修士課程を終えた学習者の知的水準に合った内容 であることが評価できる。博士班の学生の日本留学生活の中心となる、指導教員を はじめとする研究室のメンバーとのコミュニケーションに的を絞った改訂も考え られる。

『中級日本語』については、学部進学レベルの学生を対象に作られた教材である ため、博士班の学生にとっては内容的に物足りないであろう。彼らが不得手として いる聴解と結びつけた教材で補えるといいのではないかと思う。

修士課程修了の学生を日本語予備教育で

10

か月余り縛るのであれば、

10

か月の 間にできるだけ日本語力を伸ばし、専門日本語へスムーズに移行できるようにした い。

なお、赴日予備学校の教室にはインターネット回線も引かれており、

e

ラーニン

グ教材

JPLANG

を多いに活用しようと目論んだが、回線の速度が

1Mbps

を切っ

ているため、音声の再生等がうまくいかず、主に課題の提出やアンケート調査に用 いた。これについては藤村

(2011)

で触れている。

参考文献

小林典子・フォード丹羽 順子・山元 啓史

(1995)

「日本語能力簡易試験

(SPOT)

の 得点分布傾向:中上級向けテストと初級向けテスト」『筑波大学留学生センタ ー日本語教育論集』

no.10, pp.107-119

小林典子

(2003)

SPOT

による日本語能力の測定」『日本行動計量学会大会発表論 文抄録集』

no.31, pp.110-113

14 『実力日本語』が作成された時期は、赴日予備学校で初級レベルの予備教育を受けただけで日本 に留学する「修了博士班」の学生が全体の

3

分の2を占めていた。そのため、初級段階でできる だけ多くのことを身につけさせようという意図があった。これも語彙数が多くなった理由の一つ である。2007年度より「修了博士」の制度はなくなっている。

(16)

坂本惠

(2011)

JLC

日本語スタンダーズ」の教育プログラムへの応用―中国赴日 本国留学生予備学校博士版

2010

の基礎日本語教育―『日本語・日本学研究』

東京外国語大学国際日本研究センター

[

] no.1 pp.67 -78

土屋順一・藤間貴子

(2009)

「中国赴日留学生予備学校における初級テスト項目分析 と補講実施

: 2008

年度基礎日本語教育報告」『東京外国語大学留学生日本語教 育センター論集』

no.35 p.133 -142

花薗悟

(2009)

「中国赴日本国留学生予備学校における基礎日本語教育―

2009

年度

報告―」『東京外国語大学留学生日本語教育センター論集』

no.36p.135 -146

藤村知子

(2002)

「中国赴日本国留学生予備学校における基礎日本語教育

: 2001

派遣報告」『東京外国語大学留学生日本語教育センター論集』

no.28 p.139 -159

――――

(2011)

「中級段階における

e

ラーニングシステム

JPLANG

を利用した産 出系タスク―東北師範大学赴日本国留学生予備学校における試み―」『異文化 コミュニケーションと日本語教育』中国・天津外国語大学

pp.782-783

松岡弘

(1982)

「中国赴日留学生予備学校における日本語教育」『日本語学校論集』

東京外国語大学外国語学部附属日本語学校

no.9 p.97 -111

吉田研作・渡部良典・根岸雅史・長沼君主・ベネッセコーポレーション国際教育事

業部

(2004)

「日・韓・中の英語教育の現状と今後の課題―学生

CAN-DO/

英語

教員意識調査より―」『英語教育

2004

10

月増刊号』,

58

8

号,

pp.66-72

, 大修館書店

謝辞 今年度は日本人教員の入院に際し、最大限の支援を惜しまなかった赴日予備 学校教職員のみなさんに厚く御礼申し上げるとともに、一致協力して業務を 遂行してくださった赴日予備学校日本語教員と文部科学省派遣教員にも感 謝申し上げる。

また、筑波大学留学生センター教授酒井たか子先生、小林典子先生には

SPOT

利用のご快諾いただき、感謝申し上げる。

(17)

図4 博士班の学生による JLC スタンダーズ自己評価(3 月下旬・7月中旬)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

[1]日本語の先生の話が聞い…

(2回目)

[2]先生に質問されているの…

(2回目)

[3]先生の質問の内容がわかる。

(2回目)

[4]何について話しているかが…

(2回目)

[5]話を聞いてわからないこと…

(2回目)

[6]キーワードが聞きとれる。

(2回目)

[7]教科書にある短い話が聞…

(2回目)

[8]簡単なスピーチ、説明が聞…

(2回目)

[9]専門的なスピーチ、解説が…

(2回目)

[10]図、表、資料を見ながら説…

(2回目)

[11]アウトラインを見ながら聞…

(2回目)

[12]レジュメ(配付資料)を見な…

(2回目)

[13]文章の構成を考えながら…

(2回目)

[14]メモを取りながら聞ける。

(2回目)

[15]話の構成に沿ってメモが…

(2回目)

[16]講義のノートがとれる。

(2回目)

[17]わからないことばがあって…

(2回目)

[18]わからないことばをメモす…

(2回目)

[19]話し手の意見、評価を予…

(2回目)

[20]話し手が言った意見や評…

(2回目)

[21]背景にある事情を類推し…

(2回目)

設問

1.

聞く できる どちらとも言えない できない 無回答

0% 20% 40% 60% 80% 100%

[1]自分のことについて話せる。

(2回目)

[2]自分の身の回りの物事に…

(2回目)

[3]いつ・どこで・だれが・何を…

(2回目)

[4]人や物について簡単な説…

(2回目)

[5]日常的な場面や状況の説…

(2回目)

[6]時間の流れに注意して話…

(2回目)

[7]希望や意志について話せ…

(2回目)

[8]印象や感想について話せ…

(2回目)

[9]理由、目的について話せる。

(2回目)

[10]定義や分類、比較などの…

(2回目)

[11]具体例を挙げて説明で…

(2回目)

[12]引用や因果関係などの…

(2回目)

[13]根拠を挙げながら自分…

(2回目)

[14]ごく身近な事柄について…

(2回目)

[15]社会的、文化的なテーマ…

(2回目)

[16]文と文の関係に注意しな…

(2回目)

[17]事実と意見を分けて話…

(2回目)

[18]知っていることを整理し…

(2回目)

[19]聞いている人にわかりや…

(2回目)

[20]必要なときに写真や絵を…

(2回目)

[21]グラフや図表を活用して…

(2回目)

[22]レジュメやパワーポイント…

(2回目)

[23]アウトラインに沿って発…

(2回目)

[24]話の展開を考えながらま…

(2回目)

[25]自分の専門についてわ…

(2回目)

[26]あらたまった場、くだけた…

(2回目)

設問2.話す できる どちらとも言えない できない 無回答

(18)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

[1]何について書かれているか…

(2回目)

[2]必要な情報や重要な情報…

(2回目)

[3]必要な情報や重要な情報…

(2回目)

[4]大意がわかる。

(2回目)

[5]キーワードがわかる。

(2回目)

[6]キーセンテンスがわかる。

(2回目)

[7]書き手が何を伝えたいのか…

(2回目)

[8]事実と意見の区別ができる。

(2回目)

[9]例の部分がわかる。

(2回目)

[10]先を予測しながら読める。

(2回目)

[11]論理の展開を予測しなが…

(2回目)

[12]わからないことばがあって…

(2回目)

[13]わからないことばでもその…

(2回目)

[14]段落ごとの内容をつかん…

(2回目)

[15]段落間の関係がわかる。

(2回目)

[16]段落に小見出しがつけら…

(2回目)

[17]文章全体の構成がわかる。

(2回目)

[18]因果関係など文と文との…

(2回目)

[19]多量の情報から、必要な…

(2回目)

[20]省略されていることを読…

(2回目)

[21]要点・論点がわかる。

(2回目)

設問

3.

読む できる どちらとも言えない できない 無回答

0% 20% 40% 60% 80% 100%

[1]ひらがな、カタカナが正確に…

(2回目)

[2]聞いた文を正確にひらがな…

(2回目)

[3]コンピュータで日本語入力…

(2回目)

[4]質問に対する答えが書ける。

(2回目)

[5]原稿用紙に書く場合の規則…

(2回目)

[6]日常的な内容の文章が書け…

(2回目)

[7]事実文が書ける(400字~…

(2回目)

[8]よく知っている事柄について…

(2回目)

[9]レポート、小論文(2000字~…

(2回目)

[10]発表のレジュメが書ける。

(2回目)

[11]研究計画書が書ける。

(2回目)

[12]導入、本文、まとめの三部…

(2回目)

[13]話し言葉を混ぜずに「であ…

(2回目)

[14]希望や意志を伝える文が…

(2回目)

[15]物事の定義が書ける。

(2回目)

[16]対比させて書ける。

(2回目)

[17]事実と考えを分けて書ける。

(2回目)

[18]適切な例を挙げて書ける。

(2回目)

[19]根拠を挙げて自分の考え…

(2回目)

[20]評価や主張の入った適切…

(2回目)

[21]引用ができる。

(2回目)

[22]図表のデータの説明が書…

(2回目)

[23]要約ができる。

(2回目)

[24]レポート作成のためのアウ…

(2回目)

[25]アウトラインに沿って、資…

(2回目)

設問

4.

書く できる どちらとも言えない できない 無回答

(19)

聞く

話す

読む

書く

[1]日本語の先生の話が聞

いてわかる。 42 50 7 1[1]自分のことについて話せる。 50 42 6 2[1]何について書かれている

かがわかる。 92 6 1 1[1]ひらがな、カタカナが正確

に書ける。 73 17 9 0

(2回目) 64 29 7 0(2回目) 75 24 1 0(2回目) 93 5 1 1(2回目) 90 8 0 2

[2]先生に質問されているの か、指示されているかがわか

る。 98 1 0 1[2]自分の身の回りの物事につ

いて話せる。 27 59 13 1[2]必要な情報や重要な情報

がわかる。 74 20 5 1[2]聞いた文を正確にひらが

なや漢字を使って書ける。 56 35 9 0

(2回目) 99 1 0 0(2回目) 63 35 2 0(2回目) 87 13 0 0(2回目) 76 20 2 2

[3]先生の質問の内容がわ

かる。 70 26 3 1

[3]いつ・どこで・だれが・何を

[する/した]かについて話せ

る。 69 28 2 1[3]必要な情報や重要な情報

がわかる。 71 23 5 1[3]コンピュータで日本語入力

ができる。 86 10 3 0

(2回目) 75 24 1 0(2回目) 82 15 3 0(2回目) 84 16 0 0(2回目) 98 0 0 2

[4]何について話しているか

がわかる。 85 13 1 1[4]人や物について簡単な説明

ができる。 84 12 3 1[4]大意がわかる。 84 15 0 1[4]質問に対する答えが書け

る。 62 36 2 0

(2回目) 89 11 0 0(2回目) 94 5 1 0(2回目) 91 8 0 1(2回目) 83 14 1 2

[5]話を聞いてわからないこと

が質問できる。 29 50 20 1[5]日常的な場面や状況の説

明ができる。 41 50 8 1[5]キーワードがわかる。 81 16 1 1[5]原稿用紙に書く場合の規

則を知っている。 93 3 3 0

(2回目) 59 36 5 0(2回目) 69 28 3 0(2回目) 95 5 0 0(2回目) 84 12 2 2

[6]キーワードが聞きとれる。 83 16 0 1[6]時間の流れに注意して話せ

る。 52 19 28 1[6]キーセンテンスがわかる。45 53 0 1[6]日常的な内容の文章が書

ける。 57 37 6 0

(2回目) 84 16 0 0(2回目) 72 16 12 0(2回目) 75 25 0 0(2回目) 82 15 1 2

[7]教科書にある短い話が聞

いてわかる。 93 5 1 1[7]希望や意志について話せ

る。 60 34 5 1[7]書き手が何を伝えたいの

かがわかる。 60 37 1 1[7]事実文が書ける(400字~

600字)。 34 42 24 0

(2回目) 90 9 1 0(2回目) 72 25 3 0(2回目) 71 27 2 0(2回目) 69 27 2 2

[8]簡単なスピーチ、説明が

聞いてわかる。 63 26 10 1[8]印象や感想について話せ

る。 30 51 17 1[8]事実と意見の区別ができ

る。 58 35 6 1

[8]よく知っている事柄につい てまとまりのある説明文が書

ける(600字~800字程度)。 8 47 45 0

(2回目) 76 22 2 0(2回目) 54 38 8 0(2回目) 80 18 2 0(2回目) 54 33 11 2

[9]専門的なスピーチ、解説

が聞いてわかる。 0 17 81 1[9]理由、目的について話せる。 57 36 6 1[9]例の部分がわかる。 71 26 2 1[9]レポート、小論文(2000字

~4000字程度)が書ける。 1 15 84 0

(2回目) 5 50 44 1(2回目) 75 23 2 0(2回目) 87 13 0 0(2回目) 25 45 29 2

[10]図、表、資料を見ながら

説明が聞ける。 41 47 12 1[10]定義や分類、比較などの

説明ができる。 15 45 38 1[10]先を予測しながら読め

る。 22 51 26 1[10]発表のレジュメが書け

る。 22 24 53 0

(2回目) 63 31 6 0(2回目) 41 50 10 0(2回目) 42 46 12 1(2回目) 80 14 4 2

[11]アウトラインを見ながら

聞ける。 33 42 24 1[11]具体例を挙げて説明でき

る。 45 37 16 1[11]論理の展開を予測しな

がら読める。 20 49 30 1[11]研究計画書が書ける。 9 24 66 0

(2回目) 53 37 10 0(2回目) 73 24 3 0(2回目) 39 46 16 0(2回目) 45 41 13 2

[12]レジュメ(配付資料)を見

ながら聞ける。 45 35 19 1[12]引用や因果関係などの説

明ができる。 37 42 20 1

[12]わからないことばがあっ ても止まってしまわずに読み

進められる。 78 15 6 1[12]導入、本文、まとめの三

部構成で書ける。 17 24 58 0

(2回目) 56 35 8 1(2回目) 62 30 8 0(2回目) 90 9 1 0(2回目) 76 17 5 2

[13]文章の構成を考えなが ら聞ける(導入、まとめな

ど)。 21 33 45 1[13]根拠を挙げながら自分の

意見が述べられる。 19 55 26 1[13]わからないことばでもそ

の意味が推測できる。 19 70 10 1[13]話し言葉を混ぜずに「で

ある体」で書ける。 12 20 69 0

(2回目) 33 40 28 0(2回目) 49 46 6 0(2回目) 38 60 2 0(2回目) 58 33 7 2

[14]メモを取りながら聞け

る。 45 31 22 1

[14]ごく身近な事柄について1

~2分程度で、まとまりのある

話ができる。 14 42 43 1[14]段落ごとの内容をつかん

で読める。 45 41 13 1[14]希望や意志を伝える文

が書ける。 37 35 28 0

(2回目) 62 26 12 0(2回目) 38 43 20 0(2回目) 75 23 2 0(2回目) 64 29 5 2

[15]話の構成に沿ってメモ

がとれる。 31 48 20 1

[15]社会的、文化的なテーマ について5分程度の発表ができ

る。 1 26 72 1[15]段落間の関係がわか

る。 52 37 9 1[15]物事の定義が書ける。 21 41 37 1

(2回目) 38 50 12 0(2回目) 15 43 43 0(2回目) 70 28 2 0(2回目) 60 31 7 2

[16]講義のノートがとれる。 77 20 2 1[16]文と文の関係に注意しな

がら、話せる。 33 40 26 2[16]段落に小見出しがつけら

れる。 22 44 31 2[16]対比させて書ける。 13 33 55 0

(2回目) 81 16 3 0(2回目) 44 41 16 0(2回目) 51 42 7 0(2回目) 36 45 18 2

[17]わからないことばがあっ

ても気にせずに聞ける。 71 20 8 1[17]事実と意見を分けて話せ

る。 35 40 23 2[17]文章全体の構成がわか

る。 38 43 17 1[17]事実と考えを分けて書け

る。 38 41 21 0

(2回目) 76 18 6 0(2回目) 58 34 8 0(2回目) 69 29 2 0(2回目) 71 23 4 2

[18]わからないことばをメモ

することができる。 40 28 31 1

[18]知っていることを整理し て、自分の言葉で他の人に伝え

られる。 31 43 24 1[18]因果関係など文と文との

関係が正しく読み取れる。 49 37 13 1[18]適切な例を挙げて書け

る。 37 36 27 0

(2回目) 42 36 23 0(2回目) 49 43 9 0(2回目) 76 23 1 0(2回目) 71 23 4 2

[19]話し手の意見、評価を

予想できる。 31 42 26 1

[19]聞いている人にわかりや すいように工夫して話すことが

できる。 45 34 20 1

[19]多量の情報から、必要な 情報を素早く探して読むことが

できる。 22 51 26 1[19]根拠を挙げて自分の考

えが書ける。 26 47 28 0

(2回目) 35 50 15 0(2回目) 73 23 4 0(2回目) 55 36 9 0(2回目) 64 30 4 2

[20]話し手が言った意見や 評価(comment)が理解でき

る。 48 44 7 1[20]必要なときに写真や絵を

使って説明できる。 77 14 8 1[20]省略されていることを読

みとることができる。 14 45 40 1

[20]評価や主張の入った適 切な結論で締めくくることがで

きる。 12 34 55 0

(2回目) 56 37 7 0(2回目) 96 2 2 0(2回目) 40 46 15 0(2回目) 46 40 13 2

[21]背景にある事情を類推

して聞ける。 55 38 6 1[21]グラフや図表を活用して説

明できる。 42 40 17 1[21]要点・論点がわかる。 53 36 9 1[21]引用ができる。 35 24 41 0

(2回目) 56 38 6 0(2回目) 68 24 8 0(2回目) 71 29 0 0(2回目) 56 30 11 3

[22]レジュメやパワーポイント (PowerPoint)を使って発表でき

る。 31 23 44 1 [22]図表のデータの説明が

書ける。 22 34 44 0

(2回目) 96 4 0 0 (2回目) 76 21 1 2

[23]アウトラインに沿って発表

できる。 34 31 34 1 [23]要約ができる。 20 45 35 0

(2回目) 82 14 4 0 (2回目) 69 27 2 2

[24]話の展開を考えながらまと

まりのある話ができる。 8 29 62 1 [24]レポート作成のためのア

ウトラインが作れる。 26 38 36 0

(2回目) 29 38 34 0 (2回目) 77 17 3 3

[25]自分の専門についてわか

りやすく説明できる。 53 27 19 1 [25]アウトラインに沿って、資

料を用いて書ける。 10 40 50 0

(2回目) 89 11 0 0 (2回目) 57 26 14 3

[26]あらたまった場、くだけた 場など場の雰囲気に合わせて

話ができる。 8 36 55 1

(2回目) 23 54 23 0

参照

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