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― ― 戦前の渋沢水産史研究室の活動に関する調査研究

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Academic year: 2021

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写真 1 大川家長屋門(沼津市内浦長浜・市指定有形文化財)

写真 2 大川家での資料調査

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戦前の民俗調査を復元する

 ― 水産史研究室の実験精神にふれて ― 

研究代表者 加藤 幸治

戦前の渋沢水産史研究室の活動に関する調査研究

国際常民文化研究機構/プロジェクト型共同研究(一般)

 アチック・ミューゼアム(以下、アチック)が文字通りの屋根裏から新館へと移り、新たに祭魚 洞文庫を拠点に水産史研究が展開していた昭和初期、日本の民俗研究の方法は極めて実験的であっ た。足半研究はその最たる例であるが、若手や種々の分野の研究者を同人として精力的に進められ た水産史研究においても、当時は顧みられることのなかった帳簿や記録などの庶民史料に着目して 実証的な社会経済史的研究を 実践したこと自体が、大いな る実験であった。鯨肉食文化 調査や筌等の調査のために行 われた、郵便によるデータ収 集もまた実験的であった。そ うしたアチックの調査を知る ことができる資料は、現在国 内各所に分散して所蔵されて いる。この共同研究は、昭和 初期の水産史研究室の活動を 知ることができる基礎資料の 掘起しと、既存の資料の再評 価、活動を推進した研究員や 同人の活動の相関関係の把握 によって、その活動の実態に ふれ、彼らの実験的な調査研 究の一端を明らかにしようと するものである。

 今年度は、まず流通経済大 学図書館所蔵の鯨肉食文化調 査の往復はがきに対し、すべ ての撮影および翻刻を行った。

伊豆川浅吉が昭和17年に日 本常民文化研究所ノート23

『澁澤水産史研究室報告 第

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写真 3 喜界島阿伝集落の岩倉市郎顕彰碑

写真 4 国立民族学博物館での標本資料熟覧

戦前の渋沢水産史研究室の活動に関する調査研究

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日本常民文化研究所年報 2015

二輯』に掲載した報告はあくまで概報であり、今回は全文の翻刻を実施して調査の全貌を把握し、

この調査には宮本常一も深く関与していることがわかった。

 次に、国立国文学研究資料館には「筌調査一件」とだけ題された、筌の方言調査と集計ノート、

手紙や地図といった雑多な資料群がある。これも全資料を撮影し、未完に終わったとされる筌調査 の内実の調査に着手した。今年度開催した合同調査と研究会によって、この資料と神奈川大学日本 常民文化研究所所蔵の資料の一部がセット関係にあること、また国立民族学博物館所蔵の筌の民具 とはまったく対応しないことなども分

かった。二年目以降も、こうした基礎 資料の地道な翻刻と検討を継続してい くことになる。

 また、水産史研究室の同人たちが フィールドとした地域での現地調査に ついては、今年度は豆州内浦、周防大島、

房総半島、喜界島等で実施し、彙報等 で報告された資料の現状把握や調査の 意図の検討、現地での協力者の把握な どを行った。初年度の調査で得られた 知見やデータをもとに、二年目以降は さらに隠岐、大三島等の瀬戸内の離島、

奥三面、四万十川、琵琶湖などでの調 査を予定している。

参照

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