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チタンの表面形状とぬれ性の相違が初期の細胞挙動 に与える影響

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

チタンの表面形状とぬれ性の相違が初期の細胞挙動 に与える影響

西村, 朋子

https://doi.org/10.15017/1931837

出版情報:Kyushu University, 2017, 博士(歯学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(様式6-2)

氏 名 西村 朋子

論 文 名 Influence of the wettability of different titanium surface topographies on initial cellular behavior

(チタンの表面形状とぬれ性の相違が初期の細胞挙動に与える影響) 論文調査委員 主 査 九州大学 教授 石川 邦夫

副 査 九州大学 教授 前田 英史 副 査 九州大学 教授 和田 尚久

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

歯科インプラントで注目されているインプラント表面の「ぬれ性」の有効性について表面形状の 異なるチタンディスクを用いて初期の細胞挙動を検証し、評価したものである。

表面形状の異なるチタンディスクとして、スムースな表面(SM 群)と異なるラフな表面形状の 3群(SA群: sandblast M群: microtopography N群: nanotopography)を用いていた。これまで に報告されている時間経過に伴ったチタン表面のぬれ性の低下を利用し、D0(作製直後)とD56 (作 製 56 日後)のディスクを準備し、まず、各チタンディスクの物理化学的特性(表面形状、粗さ、

ぬれ性)の解析を行うとともに、マウス骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)をもちいて細胞挙動(細胞 形態、RhoA(small G-protein、複数の細胞機能を制御)活性、細胞接着数)を評価していた。

表面形状、粗さはD0とD56で著明な変化を認めなかったが、ぬれ性ではD56はD0と比較して 有意な低下を確認していた。細胞形態の観察において、SM 群は、疎水性表面で細胞の伸展が抑制 されRhoA 活性の上昇を認めたが、ラフな表面ではぬれ性の変化による細胞形態、RhoA活性の変 化は確認できなかった。一方、細胞接着数は全群において疎水性表面で減少していた。これらより、

表面のぬれ性は細胞接着数に影響するものの、ラフな表面形状は細胞形態、RhoA 活性においては ぬれ性よりも優位な制御因子であるとの示唆を得ていた。

次に、疎水性のD56ディスクにタンパク(ウシ胎児血清)のコーティングを行い、同様の細胞挙 動を評価していた。細胞形態では、SM 群では細胞伸展が回復したものの、他のラフな群では著明 な変化を認めなかった。一方、RhoA 活性は全群で低下し、細胞接着数は増加した。これらより細 胞接着に促進的に作用するタンパクのコーティングは、スムースな表面形状ではぬれ性の低下によ る細胞接着の抑制作用を回復させ、ラフな表面形状でも一部細胞接着過程を促進的に作用するとの 示唆を得ていた。

本研究結果より、ぬれ性の変化による初期の細胞挙動は、表面形状によって異なるとの示唆を得 ていた。また、ラフな表面形ではスムースな表面形状よりもぬれ性の影響は少ないものの、細胞接 着数の増加から親水性が有効であるとの示唆も得ていた。

学位論文の内容、公聴会の発表および質疑応答は適切であり、博士(歯学)の学位の授与に値す ると判断した。

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