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凍結含浸法を用いた介護食品の開発に関する研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

凍結含浸法を用いた介護食品の開発に関する研究

中曽, 沙弥香

https://doi.org/10.15017/1441309

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(農学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

氏 名 : 中 曽 沙 弥 香

論文題名: 凍結合浸法を用いた介護食品の開発に関する研究

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

凍結含浸法とは、凍結一解凍して組織間結合を弛緩させた食品素材を減圧下、含浸液中で体積膨張 させることにより、形状を維持したまま酵素やその他の物質を食材中に均等に導入する方法である。

本論文は、凍結合浸法による介護食品の開発を目的として、食材の軟化技術および軟化食材の摂食特 性に関して検討したものである。

まず、ゴボウ、ニンジン、レンコン、タケノコにペクチナーゼとセルラーゼ等を含む酵素製剤を含 浸し軟化処理を施したところ、ベクチン含量の高いゴボウやニンジンは軟化が困難で、あることが判明 した。これはペクチン鎖のカルシウムによる架橋が原因と推定した。カノレシウムとキレート生成能の 高いクエン酸を共含浸させることにより、ベクチン含量に関係なく日本介護食品協議会のカテゴリ−

II  (歯ぐきで、つぶせる)の硬さレベル(5×104N/m2以下)を達成することができた。また、含水率の 高い軟化食材の離水防止と摂食時の誤蝶を防止する方策を検討した。粘性多糖は含浸できないことか ら、デンプン粒を共含浸し、酵素失活のための熱処理中に糊化させる方法を開発した。その結果、軟 化食材に適度な粘禰性を付与することに成功し、これが離水防止と口腔内での食塊形成に寄与するこ

とを示した。

次いで、本軟化処理により食物繊維の分解、減少が危倶されたことから、軟化の程度が異なるレン コンを用いて食物繊維に及ぼす軟化処理の影響を検討した。その結果、軟化処理は食物繊維に全く影 響を及ぼさないことが判明した。一方、軟化レンコンをラット胃内投与試験に供したところ、投与 1 時間後の未消化物の大きさは対照試料(未軟化レンコン)に比べて約 1/3であり、消化性に優れるこ

とを示した。

最後に、日本介護食品協議会のカテゴリ ~n の硬さレベルに調製したタケノコ、ゴボウ、レンコン、

マダラ、シイタケの介護食としての適性を明らかにするために、ヒトを対象とした摂食時の筋電位測 定を行った。その結果、不溶性の残誼物含量と筋電位の2つの変数(口腔処理時間および口筋の全活 動時間)との聞に正の相闘が存在することを示し、残漬物含量の高い食材ほど食塊形成や嚇下に要す る時聞が長くなることを明らかにした。

以上要するに、本研究は凍結合浸法による介護食品の製造とその摂食特性について新たな知見を見 出したものであり、食品製造工学の発展に寄与する価値ある業績と認める。よって、本研究者は博士

(農学)の学位を得る資格を有するものと認める。

参照

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