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企業 の戦 略的環 境管理

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(研 究 ノ ー ト)

企業 の戦 略的環 境管理

H.Dyckhoffの 所 論 を 中 心 と し て 〜

柳 田 仁

は じ め に

企 業 の環境 保 全 は,元 来,経 営 活 動 に よっ て環 境 に負 荷 を与 えた部 分 を除 去 あ るい は軽 減 す る こ と を主 た る 目的 と して実 施 され て きた が ,最 近 で は原 価 削減 や経 営 戦 略 に役立 て る企 業 も増 加 して い る。 本 稿 で は,そ の うち戦 略

的 な環境 管 理 に焦 点 を当 て,H.Dyckhoffの 所 論 を 中心 に考 察 す る。

企 業 の戦 略 的 経 営 管 理 はs既 存 の価 値 観 に基 づ き企 業 政 策 の使 命 と行 動 規 範 か ら導 き出 され る。 関 連 グ ル0プ の た め に開 発 され た効 果 ポ テ ン シ ャル が 事 実 に即 した基 本 的意 思 決 定 と して企 業 戦 略 の 基 盤 とな る。 その 基本 的 意 思 決 定 に よ り企 業 の全 従 業 員 の行 動 は企 業 が 目指 す 目標 に合 致 した もの で な け れ ば な らな い。 その た め に は,適 切 な物 的,人 的,経 済 的 お よび そ の他 の 資 源 の準 備 と投 入 に関 して は,成 果 ポ テ ン シ ャル を つ け,育 て ,利 用 す べ きで あ る。 それ と同 様 に損 害 あ る い は不 成 果 ポ テ ン シ ャル は避 け るか,取 り除 か な けれ ば な らな い。 成 果 とは一 般 に 自己 が 掲 げ る 目標 の 実 現 で あ る とす る な らば,企 業 の成 果 ポ テ ン シ ャル は企 業 の使 命 を実 現 す る うえで ,重 要 な企 業 の 特 定 の能 力 をい う。

市 場 経 済 の 中 で活 動 す る企 業 が 生 き延 び るた め に は,経 済 的 成 果 ポ テ ン シ

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ヤル が 特 に重 要 な意 味 を持 つ 。 経 済 的 成 果 ポ テ ン シ ャル とは,そ れ を使 う こ とに よ り競 争 上 の利 点 を獲 得 で き る能 力 をい う。競 争 上 の利 点 とは,他 に比 して卓 越 した給 付 能 力 を持 って い る こ と をい う。 それ は顧 客 に とっ て重 要 な 給 付 メル クマ ー ル を備 え て お り,顧 客 に よ り実 際 に認 め られ,ま た競 争者 が 簡 単 に は追 い つ くこ とが で きな い よ うな給 付 能 力 を い う(Simon1988)。 し

たが って経 済 的動 機 を持 つ 企業 戦 略 は,で き るだ け永 続 的 な競 争 上 の利 点 を 獲 得 す る方 向 に向 け られ る。

標 準 的 管 理 の範 囲 で表 され るエ コ ロ ジー(生 態 学)的 な(社 会 的使 命 に も 類 似 した)企 業 の使 命 の た め に,戦 略 的 経 営 管 理 は,そ れ に相 応 しい エ コ ロ ジー 的成 果 ポ テ ン シ ャル を拡 大 す る もので な くて はな らな い。 その よ うに方 向 づ け られ て初 め て企 業 戦 略 は経 済 的 に動 機 づ け られ る。 それ と,自 然 環境 の保 護 に関 連 す るす べ て の側 面 で も戦 略 の 環境 関連 とは 区別 しな けれ ば な ら な い。 純 粋 に経 済 的 な動機 を持 つ 戦 略 も また(部 分 的 には)環 境 関連 で あ り

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う る とDyckhoffは 解 釈 し て い る 。

1.環 境 関連 の企 業 戦 略 の 諸 類 型

エ コ ロ ジ ー 的 か つ 社 会 的 に 競 争 と相 関 さ せ て 環 境 問 題 に対 応 す る た め に, 多 様 な 戦 略 論 が 提 唱 さ れ て き た が,社 会 関 連 型 の 区 分 の 仕 方 が 特 に 優 勢 で あ

る。 これ は 一 般 的 な5つ の 戦 略 関 連 の 特 徴 を も と に 体 系 づ け られ,「 抵 抗 」

「受 動 」 「撤 退 」 「順 応 」 お よ び 「イ ノベ ー シ ョ ン(お よ び 先 取 り〉」 とで 表 さ れ る5つ の 基 本 タ イ プ に凝 縮 さ れ る(Meffert/Kirchgeorg)。 最 初 の4つ は 防 衛 的(defensiver)環 境 政 策 で あ り,5番 目 は 攻 撃 的(offensiver)環 境 政 策 で あ る と い え る 。

以 下 に 挙 げ る論 述 の 基 礎 とな っ て い る の は,明 確 に 環 境 保 全 と関 連 させ た も うひ とつ の(Jacobが1994年 に 展 開 し た)類 型 論 で あ り,Dyckhoffは 環 境 関 連 の 企 業 戦 略 を 次 の4つ の 「環 境(基 本)戦 略 」 と して 表 して い る。

56国 際 経 営 論 集No.192000

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防衛 指 向

ア ウ トプ ッ ト指 向 プ ロ ツ ェス指 向 サ イ ク ル指 向

この 論 理 は環 境 保 全 に対 す る企 業 の積 極 性 の規 模 や 強 さ に直 接 結 び つ け る こ とが で きる。 これ に つ い て は原則 的 に 「環 境 保 全 に対 し未 処 理 」 と 「環 境 保 全 に対 し考 え うる全 処 理 を施 す」 とい う両極 端 の間 に 多数 の対 応 が存 在 す る。 こ こか ら4つ の 基 本 戦 略 を選 び 出 す と,慎 重 な段 階 で はあ るが漸 次 増 加 して きて い る環 境 保 全 へ の行 動 の全 対 応 を表 して お り,そ れ ぞ れ2つ の対 応 の 仕 方 が あ る2つ の特 徴 に従 っ て 区分 され る。

1.直 接 的vs間 接 的 環 境 保 全:前 者 は企 業 に直 接 起 因 す る環 境 悪 化 に対 す る処 理(例:生 産 に よ る大 気 汚 染 の 減 少)に 関 係 す る。 後 者 の場 合 は 間接 的 に しか 企 業 に起 因 しな い が,本 質 的 に 自身 もそ の影 響 を受 け る よ うな環 境 破 壊 か らの保 全 処 理(例:環 境 に負荷 を与 えな い利 用 法 や 廃 棄 物 処 理 法 の 開発)を い う。

2.事 後 措 置 的vs予 防 的 環 境 保 全:前 者 の 処 理 は既 存 の環 境 悪 化 に関 連 し,N的 に廃 棄 物 処 理 の 除 去行 為 や 有 効 利 用 活 動(例:排 気 ガ ス塔 に 有 害物 質 除 去 フ ィル タ ー を設 置)に 分 類 され る。 後 者 の措 置 は環境 悪 化

が発 生 す る前 に それ を避 け よ う と試 み る(例1生 産 と… 本 化 され た環 境 保 全 設 備 の 導 入)。

防衛指 向型戦略=

「で きる だ け何 も しな い」 とい うの が 根 本 思 想 と して あ る。 これ に よ り こ の 基 本 戦 略 タ イ プ は 多数 あ る対 応 の一 方 の端 にあ り,環 境 保 全 に対 す る処 理

は皆 無 か,ほ とん ど何 も処 理 を講 じな い。 この タ イ プ は環 境 関 連 の道 義 的 要 求 に対 す る無 知 や 従 来 の行 動 様 式 へ の 固執 が 特 徴 で あ る。 その た め場 合 に よ っ て は法令 の遵 守 す ら不 明 確 で あ る。 その 代 わ りに,ロ ビー 活 動 や 官 庁 との 交 渉 とい った コ ミュニ ケ ー シ ョン行 動 に よ るか,あ るい は下 請 業 者 や 保 険 と

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い った他 へ責 任 転 嫁 す るか して,外 か ら提 示 され た 要求 を阻 止 す る。 それ に よ り,短 期 的 に は環 境 保 全 に起 因 す る原 価 は減 る。 しか し長 期 的 に は,正 当 性(Legitimitat)を 欠 くこ とか ら公 衆 や 市 場 の パ ー トナ ー に対 す る イ メ ー ジが 失 わ れ,あ るい は合 法 性(Legalitat)を 欠 くた め 役 所 か ら営 業 禁 止 処 分 を受 け,社 会 的 容 認 を失 い企 業 の存 続 が危 う くな る可 能 性 す らあ る。1970 年 代 まで ドイ ツで は防衛 指 向型 戦 略 が まだ 広 くい きわ た っ て い た し,経 験 か

らわ か る よ う にi今 日で も少 な くと も個 々 の ケ ー ス で は な お見 られ る。 この 戦 略 は,犯 罪 的環 境 政 策 とは いわ な い まで も,防 衛 的 な環 境 政 策 で あ る。

ア ウ トプッ ト型戦 略:

「必 要 な分 だ けす る」 とい う考 え も消 極 的 態 度 で あ る。 法 令 を遵 守 で き る よ うに この戦 略 タ イ プ は直 接 的,事 後 追 随 的 環境 保 全 処 理 に照 準 を合 わせ る。

そ の根 拠 は生 産 の際 に(場 合 に よ っ て は他 の 企 業 分 野 に お い て も)副 次 的 に 生 じ る有 害 物 質 の残 留 物 と大 気 汚 染 で あ る。 これ ら は い わ ゆ る付 加 的 技 術

(エ ン ドオ ブパ イ プ技 術)を 用 い る こ とに よ り防 止 し,規 定 通 りに除 去 で き る。 付 加 的技 術 に よる監 視 と整 備,大 気 汚 染 状 況 の検 査 と整 備 した 資 料 か ら 大 規 模 な管 理 課題 が 生 じ る。 事 後 追 随型 戦 略 は比 較 的簡 単 に素 早 く,大 きな 変 更 費 用 をか けず に実 行 で き技 術 的 リス ク もほ とん どな い ので,短 期 的 に は 有 利 で あ る。 しか し長 期 的 に は大 綱 法規 や競 争 が い っ そ う強 い環 境 保 全 努 力 を要 求 した場 合 に は競 争 上 不 利 に な る可 能性 が あ る。 お そ ら く この戦 略 タイ プ は今 日現 実 に はな お 最 も好 まれ る環 境 関 連 の企 業 戦 略 の多 数 派 的 タ イプ で あ る。

プロツ ェス指 向型戦 略=

「自分 の と ころ で で き るだ け の こ とは す る」 とい うの が 根 本 思 想 で あ る。

これ は防 衛 的 か ら攻 撃 的 環 境 政 策 へ の移 行 を暗示 して い る。 法 規 は進 んで 取 り込 む。 プ ロ ツ ェス指 向型 戦 略 は その た め に直接 的,予 防 的 環 境 保 全 処 理 を 特 に製 造 部 門 で講 じ る。 有 害残 留物 質 や 大 気 汚 染 を減 らす た め に,従 来 の作 業 行 程 はい わ ゆ る総 合 技 術(浄 化 技術)の 投 入 に よ り根 本 的 に修 正 され る。

58国 際経営論集Nol92000

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その 結 果 短 期 的 に は,包 括 的 な計 画 と実 行 の 問題 を基 に した大 々 的 な 変 更 に よ る費 用 と,高 額 な投 資 を伴 う高度 な技術 的 リス クが生 ず る。 そ れ に反 し長 期 的 に は環 境 保 全 の た め の作 業 工 程 革 新 が 競 争 上 よ り大 きなチ ャ ンス を創 り 出 す。 特 に,先 鋭 化 した 環境 保 全 へ の 要求 の 中 で 廃 棄 物 処 理 の た めの 費 用 が 少 な くて済 む た め,競 争 に際 して原 価 を低 く抑 え る利 点 が あ り,大 きな チ ャ ン ス に つ な が る。 と りわ け,大 綱 法 規 の 変 更 に よ り,特 に 環 境 責 任 法 (Umwelthaftungsgesetz)の た め に,ド イ ツ の 進 ん だ 工 企 業 の 多 くは この タイ プ の戦 略 に移 行 して い る よ うに思 わ れ る。

サ イクル指向型戦略=

「自分 の と こ ろで も他 所 で もで き る限 りの こ とを す る」 とい う考 え方 が根 底 にあ る。 攻 撃 的 環 境 政 策 とい う意 味 で は,こ の よ うな直 接 的 処理 を越 え間 接 的 予 防 活 動 を あ らか じめ組 み入 れ た企 業 戦 略 を とっ て初 め て最 大 限 の 環境 保 全 努 力 が な され る とい え る。 閉 じ られ た材 料 循 環(サ イ クル)を 実 現 す る

よ う全 関 係 当事 者 と協 力 す る こ と,そ れ が 経 済 活 動 を長 続 きす るた め の 原則 で あ る。 それ ゆ え,環 境 保 全 は企 業 が そ の 活 動 に よ り受 け る(か も しれ な い)企 業 内,企 業 間 の 全 工 程 に か か わ る真 の横 断 面 的 問 題 とな る。 サ イ クル 指 向 型 戦 略 の実 現 に は企 業 の 全 領 域 に お け る包 括 的 な計 画 と実 現 の課 題 が 伴 い,ま た 戦 略 導 入 後 もサ イ クル の パ ー トナ ー との 緊 密 な協 力 が 必 要 で あ る。 短 期 的 に は,こ の戦 略 は 多額 の 費 用 と変 更 の リス クが 生 じ,ま た長 期 的 に も 複 雑 性 が増 す こ とが 多 い。 高 度 な エ コ ロ ジ ー性 の利 点 は,そ れ が 大 きな競 争 の機 会 で最 終 的 に は経 済 的 成 功 につ な が る場 合 に限 り上 記 の短 所 を補 い,克 服 で き る。 そ うで な い場 合 は,失 業 につ い て社 会 的容 認 を得 るの に も ドイ ツ

で は困 難 で あ る。 この戦 略 タ イ プが 実 際 の個 々 の ケー スで 芽 生 えた よ うに思 えて も,将 来,適 正 な大 綱 法 規 と結 び つ い て初 め て普 及 の 見 込 みが あ る。 こ の 方 向 に一 歩 踏 み 出 した もの が,1996年 に施 行 され た ドイ ツ の 循 環 経 済 法 (Kreislaufwirtschaftsgesetz)で あ る。 これ は製 品 の 開 発,製 造,加 工,販 売 に携 わ る もの に循 環 経 済 達 成 の た め の 「製 造物 責 任 」 を課 す もの で あ る。

企業の戦略的環境管理59

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こ れ に よ れ ば,製 品 は エ コ ロ ジ ー 的 製 品 ラ イ フサ イ ク ル を顧 慮 し て 製 造 され な け れ ば な ら な い 。 そ の 結 果,製 造,使 用 の 際 に 出 る ゴ ミの 発 生 が 減 り,環

境 に優 しい有効 利 用 や使 用 後 出 る ゴ ミの除 去 が製 造 業 者 に よ って保 証 され る わ けで あ る。

2,戦 略 的環 境 管理 の 諸 課題

上 述 した4つ の環 境 戦 略 は現 実 には ほ とん ど純 粋 な形 で 見 られ る こ とは な く,お そ ら く近 似 的 混 合 タ イプ と して 見 られ る。 どの戦 略 が 最 終 的 に選 択 さ れ るか は,標 準 化 レベ ル の基 準 値 だ けで は な く,そ の企 業 が 現 在 お よび将 来 身 を置 く状 況 に も左 右 され る。 これ を探 り当 て,諸 次 元 で企 業 戦 略 を さ らに 具 体 化 で き る よ うにす るた め に は3将 来 の チ ャ ンス と リス ク を早 期 認識 す る た めの 企 業 を取 り巻 く環 境 分 析 や,自 己 の 強 み と弱 み を調 査 す る た め の企 業 分 析 が 必 要 で あ る。 この よ う に して得 られ た 知識 を基 に戦 略 的 管 理 は行 動 計 画 を組 み,機 構 を設 定 し,従 業 員 の行 動 に指 導 的 影 響 を及 ぼす 。 制 度 上 これ

に対 して責 任 を負 うの は経 営 管 理 者 お よび企 業 組 織 の上 級 者 で あ る。

(1)環 境 領 域 の 開 発 と環 境 諸 関 連 の 分 析 ・形成

企 業 を取 り巻 く環 境 の分 析 に際 して は,自 然 的,技 術 的,社 会 的,政 治 的, 法 律 的 お よび経 済 的環 境 の 中 で,永 続 す る変 化 を予測 す る こ とが大 切 で あ る。

この予 測 が経 済 的成 功 に及 ぼす効 果 は,企 業 活 動 が 社 会 的 に認 め られ る こ と, す なわ ち エ コ ロ ジー 的 特性 に あ る。 積 極 的 企 業 政 策 の枠 内 で有 用 か つ不 可 欠

な の は,関 連 す る要 求 グル ー プへ の注 意 と彼 等 と どの よ うに付 き合 って い く

べ きか と い う問 題 を明 確 化 す る こ とで あ る。 別 稿 で 挙 げ た4つ の ス テ イ ク ホ ル ダ ー タ イ プ は タ イ プ ご と の 異 な っ た 対 処 方 法 が 勧 め ら れ て い る

(Groener/Zapf1998}a

Aタ イ プ(例:職 場 の 環 境 保 全 問 題 に お け る従 業 員)の 取 り込 み 。 従 業 60国 際経営論集No.192(100

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員 を企 業 の 決 定 事 項 に参 加 させ,で きる だ け協 力 意 識 を鼓 舞 す るのが 目的 Bタ イ プ(例:重 要 な環 境 関連 投 資 決 定 の際 の銀 行)と 共 同 作 業 。 この 強 い影 響 力 を行 使 で きる利 害 関 係 者 が,問 題 解 決 を共 同 で や り遂 げ る こ とに

よ り,従 来 か らの協 力 態 勢 を確 固 た る もの に し,高 め る のが 目的 一 一わ ずか な費 用 でCタ イ プ を観 察

。 利 害 関 係 者 を テー マ に即 して,ま た必 要 な場 合 は よ り詳 し く分 析 し,訴 えか け るのが 目的(例:近 隣 へ の故 障 事 故 の リス ク に関 す る説 明)

Dタ イ プ に対 して防 衛 。 論 争 対 決 の基 本 事 項 を軽 減 す る こ とに よ り,そ の活 動 に左 右 され るの を減 らす の が 目的(例=法 的 動 向 の先 取 り,ま た は メ デ ィアや 環 境 保 護 団体 に暴 露 され る前 に エ コ ロ ジー 的 問題 を解 決)

ス テ イ ク ホ ル ダ ー と う ま く付 き合 っ て い くた め,こ れ ら の 規 範 戦 略 (Normstrategien)目 的 の ひ とつ は,そ の行 動 や 影響 の可 能 性 に対 し よ り周 到 な心 構 えが で きる よ う,ス テ イ クホ ル ダー の 行 動 を予 測 し,そ れ に よ りむ し ろ管 理 し易 くす る こ とで あ る。 もうひ とつ に は協 力 態 勢 をい っそ う高 め る こ とに よ り,ス テ イ ク ホル ダ ー に よ る不 都 合 な影 響 力 行使 の危 険 を減 らす こ とで あ る。 そ の際 標 準 化 戦 略 とは個 々 の ケ ー ス で 試 され,場 合 に よ って は 修 正 され る傾 向 の み を意 味 す る。 特 に標 準 的 管 理 の枠 内 で 関 係 者 グル ー プ と 呼 ばれ る ス テ イ クホ ル ダ ー との共 同作 業 に努 力 す るべ きで あ る(例:製 薬 会

の 社 とそ の 業務 分 野 の エ コ ロ ジー 的判 断 を下 す た め の生 態 研 究 所)。

(2)計 画,構 造,行 動 様 式 の 開 発

重 要 な環 境 の動 向 に迅 速 か つ 目的 に即 して順 応 す るた め に決 定 的 な こ とは, 総 合 シ ス テ ム と して の企 業 の学 習 能 力 で あ る。 そ れ は,主 に組 織 構 造 や経 営 管 理(部 分)シ ス テ ム の基 本 的解 釈 や,企 業 の従 業 員 の 問題 を解 決 し よ う と

す る態 度 に よ り決 ま る。戦 略 的 考 察 の 中 心 は中 核 的 能 力(Kernkompeten‑

zen)を 潜 在 成功 力 へ 転 換 させ る こ とで あ る。 そ の た め に は総 合 的 な企 業 戦 略 は互 い に調 整 され た 各 部 門 戦 略 と行 動 計 画 とに方 針 が 明 示 され,さ らに企

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業 の各 部 門 また は行 動 の 担 い 手 に指 示 され る。 各 部 門 戦 略 は業 務 分 野 の戦 略 (例:部 門Xあ る い は部 門Yに 対 す る)あ る い は機 能 な い しは職 能 領 域 戦 略 (例:研 究 開 発,マ ー ケ テ ィ ング,製 造 等 に対 す る)に 示 され る。

戦 略 的 経 営 管 理 の もうひ とつ の 「企業 自身 に関 す る」 主 問題 は,企 業 の経 営 管 理 シス テ ム を,適 切 な管 理 の 各 部 分 シス テ ム とそ の相 互 作 用 を体 系化 す る こ とに よ り形 づ くる こ とに あ る。 環 境 管 理 シス テ ム もそ の一 部 で あ る。環 境 管 理 シ ス テム は環境 の側 面 に関 連 した部 分 シス テム とみ る こ とが で きる。

す なわ ち,組 織 構 造,計 画 立 案,責 任 範 囲,手 段,手 続 き,開 発 のた め の プ ロ セ ス と資 源,導 入,実 行,評 価 お よ び環境 政 策 の維 持 な どを包 括 す る決 定 的 な経 営 管 理 シス テ ム の部 分 とみ なす こ とが で き る。 環 境 政 策 の決 定 自体 は 規 範 的管 理 に属 す る。 した が っ て環 境 管 理 シ ステ ム の構 築 に先 行 す る。

「経 営 管 理 シ ス テ ム」 の 概 念 は,広 義 に はす べ て の非 公 式 の直 感 的 な管 理 行 為 も含 む企 業 の総 合 経 営 管 理 シス テ ム を表 す。 しか し実 際 に よ く知 られ て い る の は狭 義 の解 釈 で,特 定 の 「作 り上 げ られ た 」 通 例 よ り強 度 に形 式 化 さ れ た 管 理 部 分 シス テ ム,例 え ば,計 画 また は コ ン トロー ル シス テ ム,も し く は人 事 また は環 境 管 理 シ ス テム を指 す。 そ れ に よ り無 論,非 公 式 の直 感 的 な 自己決 定 とい うよ うな経 営 管 理 の仕組 み は一 般 に は考 察 され な い。 今 日す で に始 まっ て い るが,将 来 は チ ー ム とネ ッ トワー ク構 造 とい った フ ラ ッ トな組

織 との関 連 で 企 業 の実 践 は もっ と強 力 にな され る。

3.環 境 管 理 シ ステ ム に お け る

戦 略 上 適 正 な経 営 管 理機 能 の整 備

上 述 した 環境 管 理 シ ス テ ム で は そ の他 に経 営 管 理 プ ロセ スの 受 け入 れ に関 して,必 ず し も適 切 で は な い計 画 決 定 が な され た経 営 管理 の諸 段 階(目 的 設 定,計 画,導 入,実 行,管 理,必 要 な場 合 に は訂 正)の 目的 に 向 か っ て の方 向 づ けが な され る。 戦 略 的経 営 管理 にお い て は,経 営 管 理 プ ロセ ス や,場 合

62国 際 経 営 論 集No.1920〔 〕O

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に よっ て は(正 式 の)環 境 管 理 シス テ ム の 実 際 の経 過 とは関 係 な く,環 境 関 連 の 基 本 戦 略 と と もに個 々 の 経 営 管 理 機 能 の互 換 性 あ る方 向 づ け を考慮 しな

けれ ば な らな い。

(1)企 業 の 環 境 保 全 組織

戦 略 の 導 入 と実行 は,組 織 体 と人 事 指 導 部(Personalleitung)の 担 当 で あ る。組 織 体 とは分 業 作 業 シス テム に お け る行 動 を管 理 す る た め の一 般 的全 規 定 の総 称 とみ な され る。 組 織 体 の基 本 的構 成 要 素 は分 業 され た もの で あ る。

す な わ ち,複 合 化 した 任務 の形 成,ま た その任 務 の 組 織構 成 単 位(ポ ジ シ ョ ン ・部 門)へ の割 り当 て や そ の指 揮 権 や決 定 権 を結 合 させ る こ と,ま た適 切 な組 織 階 層 の配 列(構 築 組 織)等 に よ り分 業 され た もの で あ る。 この静 的 見 方 と並 ん で,か っ て は(Nordsiek1934ま で 遡 る)「 プ ロ セ ス 組 み立 て の 原 則 」 を掲 げ た動 的,時 空 的 形 成 が重 要 視 され て い た(経 過 組 織)。

組 織 体 が 企 業 の環 境 経 営 管 理 に お け る基 本 的 管 理 用 具 の ひ とつ を意 味 す る こ とは,多 くの法 律,条 例,国 際 規格 で明 らか で あ る(例:EMAS1993 , ISO14001)。 環 境 保 全 に責 任 が あ る企 業 の 取締 役 会 に対 す る規 定 や 特 定 の 場 合 にお け る企 業 委 託 者 の任 命 とい った例 は除 い て,一 般 に は企 業 の 環 境 保 全 組 織 の形 成 に関 す る具 体 的 な規 定 はな い 。 それ に反 して役 所 に対 して は透 明 性 や 記 録 文 書 はお そ ら く必 要 で あ ろ う。 この背 景 に は組 織 的 解 決 の 形 態 に

は大 幅 な 自 由度 が 必 要 で あ る こ とが 挙 げ られ る。 そ の効 果(Effektivitat) と効 率(Effizienz)に つ い て 重 要 な の は,環 境 政 策 に よ り努 力 が な され る 使 命 も し くは環 境 目標 が 実 現 され るた め に は その 自由度 が どの 程 度 役 立 つ か とい う疑 問 で あ る。 これ に関 して はい くつ か の構 想 に関 す る提 案 や経 験 的 知 識 が 提 示 され て お り,環 境 管 理 に関 す る組 織 標 準 規 格 は実 際 に そ の 中 か ら取 り出 され た もの で あ る。 大 まか な分類 型 とい う意 味 で基 本 的 理 解 に役 立 つ の は・Jakob(1994)に よ り展 開 され た そ の時 々 の 基本 戦 略 に適 った 三 形 態 構 想 で あ る。 事 後 戦 略 に対 して は既 存 の組 織 構 造 に単 に特 別 な 環境 保 全 ユ ニ ッ

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トを(追 加 的 に)付 け加 え る必 要 が あ るの に対 し,プ ロ ツ ェス お よび サ イ ク ル 指 向 型 戦 略 は,環 境 保 全 を製 造 ユ ニ ッ トに組 み 込 む こ と,も し くは(一 時 的 に)組 織 構 造 の 企 業 の 全 事 業 範 囲 に浸 透 す る こ と,さ らに そ れ を越 え て

6}

(二 次 的 に)業 際 的,可 変 的 チ ー ム 構 造 に まで 拡 張 さ れ る こ と を 必 要 とす る。

② 環 境 指 向 の 人 事 管 理

企 業 の基 本 姿 勢 と選 択 した戦 略 は人 事 管 理 に も反 映 され て しか るべ きで あ る。 企 業 に よ る適 法 責 任 の 実 現 は企 業 文 化 が 負 う。 環 境 保 全 を戦 略 的 に見 れ ば 「事 業 主 の 仕 事 」(Chefsache)で あ る に し て も,実 行 レベ ル で の そ の 成 功 は,基 本 的 に は環 境 目標 の達 成 に努 力 す る可能 な限 りの 従 業 員 全 体 の資 質 に か か って い る。 サ イ クル 指 向 型戦 略 の場 合 は特 に そ うい え る。 そ れ と密 に 関連 して,人 事 管 理 に は2つ の責 任 分 野 が あ る。 そ の ひ とつ は,従 業 員 を適 切 な管 理 ス タ イル と適 切 な刺 激 に よ り環 境 保 全 に動 機 づ け る人 事 指 導 責 任 で あ る。 注 意 を要 す るの は,既 存 の 内在 す る動機 は外 部 か らの刺 激 で排 除 で き な い こ とで あ る(Frey/Osterlohl977)。 も うひ とつ は,人 事 指 導 の 一 般 的 管 理機 能 を越 えた 人事 計 画 で あ る。 環 境 指 向性 が増 す につ れ て,需 要,雇 用 と解 雇,育 成 と能 力 開 発 そ れ に任 命 な どの計 画 に対 す る要 求 が 強 くな る。 消 極 的 な環 境 政 策 で は育 成 と能 力 開発 に関 して,環 境保 護 専 門 家 に必 要 な専 門 知 識 を伝 え る こ とで十 分 で あ るが,積 極 的 な環 境 政 策 で は責 任 あ る,環 境 を 損 なわ な い行 為 を顧 慮 して,極 力 全 従 業 員 の環 境 に対 す る意 識 を研 ぎ,環 境 専 門 能 力 を拡 大 す る こ とが 要 求 され る。 サ イ クル 指 向 型戦 略 の 極端 な場 合 に は こ とに,多 数 の新 課 題 が複 雑 性 を増 し,規 律 や 機 能 を決 定 す る よ うな側 面 性 を持 つ た め に,従 業 員 に高 度 な要 求 が な され る。 一 般 的 にい えば解 決 の 糸 口 とな るの は組 織 と従 業 員 とを 同時 に論 ず る学 習 組 織 の構 想 で あ る。 学 習組 織 の基 本 的 特 徴 は個 人 お よび組 織 双 方 の知 識 の蓄 積 で あ る。 エ コロ ジー 関 連 の知 識 は=複雑 な手 続 き と事 実 に関連 す る もの が 多 い。 そ の 目的 は学 際 的,環 境 指 向性 の 問題 を解 決 す るた め の能 力 を つ け る こ と,特 にそ れ に よ り環 境 関

64国 際 経 営 論 集No.192〔 〕OO

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連 の学習 プ ・セ ス自体 が騰 と人事管理 の対 象 にな るこ とで罵

(3)エ コ コ ン トロー リン グ

適 切 な諸 管 理 部 分 シ ス テ ム の形 成 とそ の相 互 作 用 の構 造 変 革 が

,(戦 略 的 か つ戦 術 的,実 践 的)経 営 管 理 の一 般 的 な課 題 で あ り

,そ の 課題 は管 理 に よ りそ の上 に専 門 的管 理 機 能 を形 成 させ る。 その 中 心 的 課 題 は,相 応 した 管 理 の 合理 性 を確保 す る こ とを 目標 に適 切 な構 造 と期 間 を設 定 す る こ とに よ り

, い ろい ろな管 理 部 分 シ ス テ ム の調 整 を図 る こ とで あ る

。 こ とに部 分 シ ス テ ム は企 業 の総 合 目標 に合 わ せ て作 られ iそ の部 分 シ ス テム の順 応 性,反 応 性, 革 新 性 が形 成 され る。 この考 察 の 中心 を 占 め る の は典 型 的計 画,制 御,情 報 管 理 の部 分 シス テ ム で あ る。 エ コ コ ン トロー リン グ は企 業 管 理 の環 境 保 全 関 連 の側 面 に集 中 す る。 そ の こ とはエ コ コ ン トロー リン グが 環 境 管 理 の下 位 体 系 で あ る と同時 に,企 業 管 理 の下 位 体 系 で あ る こ とを意 味 す る。

環 境 管 理 を 目標 指 向 的,問 題 指 向 的 に支 え るた め に,周 知 の一 般 的 な 管理 用 具 をエ コ ロ ジー 関 連 に順 応 させ た り,さ らに発 展 させ るの と並 ん で,完 全 に新 しい用 具 を創 り出 す こ とに よ り,エ コ コ ン トロー リング の適 切 な方 法 と 用 具 が 開 発 され て い る。 しか し戦 略,戦 術 あ るい は 実践 の レベ ル に一 義 的 に 配 分 で きな い こ とが 多 く,実 用 上 の重 点 に従 っ て配 分 され る こ とに な る

。 分 離 した 用 具 と決 定 的 調 整 用具 を は っ き り区別 す る こ と も難 しい。

分 離 した 用 具 は主 に特 定 の管 理 部 分 シス テ ム に関 連 す る。 す なわ ち通 常, 計 画,制 御,組 織 人 事 管 理 あ るい は情 報 管理 に関 連 す る。 した が っ て,原 価 情 報 が 計 画,制 御,管 理 目的 で使 用 され て も,原 価 お よ び給 付 計 算 は情 報 シ ス テ ム の部 分 とみ な され る。 同 じこ とが エ コ コ ン トロー リ ング用 具 と して の 環 境 原 価 計 蜘 配 分 に も当 て は ま る(Kl。 。ckの 別$)照) .そ の 発 信 人 グ ル ー プ は経 営 管 理 者,環 境 部 門 とその他 企 業 の社 員 で あ る

。 それ に対 して 環 境 通 信(Umweltberichterstattung)(Keller1996 ,Steven/Letmathe

1997)は,対 外 関 係 の環 境 情 報 シ ス テム と して,顧 客,役 所,公 衆,そ の他 企業の戦略的環境管理65

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の 第 三 者 に 向 け呼 び か け られ,し た が っ て エ コ コ ン トロ ー リ ン グ の 直 接 的 対 象 で は な い 。 しか し,情 報 が 目 的 指 向 的 知 識 で あ っ た と して も,最 終 的 に は 同 じ デ ー タ と基 本 計 算 を根 拠 に して い る の で,内 部 と外 部 に 向 け ら れ た 環 境 情 報 の 間 に は つ な が りが あ る 。 こ の よ う な 基 本 計 算 は,材 料 とエ ネ ル ギ ー の 収 支 決 算 と そ の 上 に 打 ち 立 て ら れ た エ コ収 支 決 算 と の 兼 ね 合 い を 意 味 し て い る(Schmidt/Hauslein1997,Souren/Ruediger1998)。 そ こか ら種 々 の 目 的 の た め の 情 報,特 に,決 定 的 調 整 用 具 を も引 き 出 す こ とが で き る 。 環 境 指 標 シ ス テ ム(Clausen1998),願 預 緯 お よ び 環 境 指 向 計 靴 指III格 シ

10)

ス テ ム は そ の0部 と み な さ れ て い る。

4.諸 部 門 の 戦 術 的 お よ び オ ペ レー シ ョナ ル な 環 境 管 理

戦 略 的 環 境 管 理 の範 囲 にお け るエ コ コ ン トロー リング の重 要 な調 整 用 具 の 主 目的 は,相 互 間 で調 整 され た諸 部 門 戦 略 を越 えて 目指 す全 体 的 企業 政 策 を 実現 で きる よ う,さ まざ まな管 理 シ ステ ム と企業 の諸 分 野 を環 境 関 連 の企 業 目標 に方 向 づ け る こ とにあ る。 その場 合,各 部 門 の オペ レー シ ョナ ル な環 境 管 理 で は,エ コ ロ ジー 的 潜 在 能 力 を構 築 お よび拡 張 す る こ とに よ り,当 該 部 門 戦 略 を環 境 関 連 に転 換 し,実 現 しな}ナれ ばな らな い・ そ の た め に は戦 略 よ 詳 細 な大 量 の措 置 とい う形 で部 門 特 有 な もの に具 体 化 され る。 オペ レー シ ョ ナ ル な環境 管 理 は積 極 的 に既 存 の潜 在 性 能 力 を部 門 に関連 して 発 揮 させ る力 が あ る。 そ の際 そ の時 々 の管 轄 部 門 は通 常 さ らに細 分 化 され る。 戦 術 的,か

つ オペ レー シ ョナ ル な経 営 管 理 の制 度 上 の担 い手 は,中 級 お よび 下 級 階 層 の 指 揮権 や決 定 権 を持 つ人 た ち で あ る。

戦 術 的経 営 管 理 に関連 す る企 業部 門 は,目 的 と職 務 に関連 す る組 織 か ら生 まれ う る。 大連 合 企 業 の 目的 関 連 の 区分 に関 して は地 域 と製 品 グル ー プ別 に 類 別 され た製 品 と市 場 の組 合 せ が一 般 的 に な っ て い る。 戦 略 的 業 務 単 位 の戦 術 的環 境 管 理 の た め に,さ まざ まな諸 経 営 管 理 機 能 に関 す る上述 した こ と以

66国 際経営論集No.192000

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上 の標 準 的,戦 略 的 レベ ル に至 る よ うな新 しい要 求 は生 じな い。 また,企 業 の職 務 指 向 的 組 織 に関 して は諸 業 務 機 能 に従 って諸 業 務 部 門 に な る よ うに思 わ れ る。 以 下 で は,さ ま ざ ま な業務 部 門 の戦 術 的 か つ オペ レー シ ョナ ル な環

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境 管 理 につ い て紹 介 す る。

(1)環 境 指 向 の研 究 開発(R&D)管 理

製 造 業 者 の製 造 物 責任 を認 識 す るた め の 重 要 な手 が か りは,製 造 過 程 の範 囲 で の製 造 物 を定 義 す る こ とに あ る。 新 製 品 を開発 す る と同時 に企 業 は市 場 で長 期 に生 き延 び る諸 条 件 を作 り出 す 。 エ コ ロ ジー 的 製 品 の技術 革 新 は,企 業 に適 法 責 任 を 自覚 させ る一 方 で,市 場 競 争 で の豊 か な成 果 を可 能 に す る。

そ れ に よれ ば研 究 開 発(R&D)に 積 極 的 な環境 政 策 で は,環 境 保 全 は,「 時 間 ・品質 ・原価 」 とい う伝 統 的 な 目標 と並 んで 同 ラ ンク の 目標 で な けれ ば な

らな い。

製 品 は,す で に本 来 的物 理 的 製 品 に な る前 か らその 寿命 が 尽 き る まで,異 な った さ ま ざ まな段 階 も し くは機 能 を体 験 す る。 い ろ い ろ な見 地 か ら,技 術 的,経 済 的 か つ エ コ ロ ジー 的製 品 の ラ イ フサ イ ク ル が類 別 され るが,製 品 の 誕 生 に対 す る統 一 的 見 解 に は特 別 な 意味 が あ る(Dyckhoff/Giessler1998,

Wagner1997)。 製 品 の 顧 客 か ら期 待 され る肯 定 的 な特 性 と並 ん で,製 品 の 概 念 に は,そ の全 ライ フサ イ クル を通 してi大 部 分 は否 定 的 で エ コ ロ ジー 的 に特 に望 ま し くない側 面,ま さに天 然 資 源 の 消 費 や 大 気 汚 染 とい った こ とが 厳 然 と して あ る。 エ コ ロ ジー 的 に有 害 な生 成 物 質(Ausbringungsstoffe)の

発 生 の 根 拠 として は 次 の よ うな こ とが あ りう る。

●有 害性 に対 す る不 十 分 な知 識,も し くは環 境 保 全 へ の 関 心 不 足 か ら くる産 出物 へ の無 配 慮(例=顧 慮 され な い生産 物 として のCO2)。

●生 産 物 に関 す る他 の特 に経 済 的利 益 が優 先 され る こ とに よ る直i接的 生 産 の 意 思 決 定(例:主 製 品 と して の フ ロ ンガ ス あ る い はア スベ ス ト)。

●副 次 的 で原 則 的 に は避 け られ るが,経 済 的理 由か ら特 定 の他 の 目的 を遂 行 企業の戦略的環境管理67

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す る 際 に そ の利 益 を考 え て 甘 受 し た生 産 物 へ の 非 直 接 的 生 産 意 思 決 定 (例:粗 悪 品 〔Ausschuss〕)。

●特定 の 目的 を遂 行 す る際 の不 可 避 の副 次 的 に顧 慮 され た産 出物 へ の非 直i接 的 生産 意 思 決 定(例:石 炭 発 電 所 で の不 可 避iの副 製 品 と して のCO,)。

最 初 の3つ の根 拠 は確 か に過 去 にお い て大 きな役 割 を果 た したが,環 境 と の共 存 を 目指 す循 環 経 済 で は,4番 目の 根 拠 に比 べ れ ば重 要性 を失 った。 環 境 指 向性 研 究 開発 管理 は,そ れ ゆ え製 品 の全 ラ イ フサ イ クル で必 然 的 に生 ず る主 製 品 の 製 造 だ け で な く連 結 製 品 の 発 生 に も取 り組 ん で き た(善 悪 の検 討;Dyckhoff1996)。 この 手 が か りや 転 換 の可 能 性 お よ び研 究 開 発 管 理 の 用 具 につ い て は,ま だ経 験 上 の知 識 とはい え ない が構 想 上 や 実 用 上 の提 案 が い くつ か な され て い る。 エ コ ロ ジー 的 製 品構 想 の例 として は 「LPN製 品」

が あ る(Hillemacher1998)。 そ こでLは 使 用 期 間 が 長 い製 品(例=省 エ ネ 灯),Pは 製 品 耐 久 性 の延 長(例:モ ジ ュー ル 交 換 に よ る高技 術 装 備)そ し

てNは 利 用 強化(例:分 別,蓄 積)を 意 味 す る。

(2)環 境 指 向 の マ ー ケ テ ィ ン グ 管 理

こ の種 の エ コ ロ ジ ー 製 品 の1想 は,潜 在 的 消 費 者 も し くは 利 用 者 に も受 け 入 れ ら れ て 初 め て 目標 に到 達 す る とい う問 題 が 突 きつ け ら れ て い る。 そ れ ゆ え に3リ ッ トル 車(Drei‑Liter‑Auto)の 開 発 は,も し そ れ が 買 手 が 見 つ か ら ず,そ の 利 用 で 環 境 を破 壊 す る 他 の 乗 用 車 を 市 場 か ら排 除 で き な い な ら ば, エ コ ロ ジ ー 的 に も,経 済 的 に み て も成 功 す る見 込 み が な い 。 つ ま り,環 境 に 優 しい 製 品 の供 給 に は,需 要 もな くて は な ら な い 。 そ う で な い と̀道 徳 的 革 新 者'は す ぐ に 経 済 的 紛 争 事 件'の 真 っ只 中 に い る こ と に な る か らで あ る。

こ の よ う な 需 要 を 呼 び 覚 ま し,相 応 し た 需 要 を 確 認 しi企 業 の 環 境 保 全 措 置 を顧 客 に 一 目瞭 然 に 示 す こ とが,環 境 指 向 マ ー ケ テ ィ ン グ の 本 質 的 な 問 題 で あ る。 そ れ は 「販 売 市 場 を 目 指 す,自 然 環 境 と の 直 接,間 接 的 関 係 を顧 慮 す る こ と に 焦 点 を 合 わ せ た 企 業 の 供 給 者 と し て の 行 動 を,市 場 業 務 行 為 の 枠

68国 際経営論集No.192000

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内 で の情 報 を入 手 した り,市 場 関 係 者 の確 認 分 野 や影 響 をは っ き りさせ る際 に包 括 す る」(Steffienhagen)。 環 境 に優 し い製 品 で,エ コ ロ ジ ー 的 と同 様 に経 済 的 に も潜 在 成 功 力 を開発 す るた め に は特 定 の前 提 に注 意 しな けれ ば な らな い。競 争 上 の利 点 が 長続 きす るた め の基 準 は,エ コ ロ ジー 的 製 品 の質 が 競 争 で簡 単 に模 倣 され な い とい う こ とで あ る。 さ ら にエ コ ロ ジ ー製 品 の特 性

は顧 客 に とっ て主 体 的 利 益が 増 大 す る よ うな重 要 な もの で な くて は な らな い。

この よ うに客観 性 を有 し,顧 客 に とっ て根 本 的 に重 要 な製 品 の 特性 は,対 象 とされ た利 用 者 グル ー プ に認 め られ て初 めて 購 買力 が つ く。 需 要者 が エ コロ ジー性 を見 極 め る こ とは困 難 で あ る。 その 原 因 は,市 場 サ イ ド問 の情 報 の分 配 が ア ンバ ラ ン スで あ る こ と と信 用 で き ない供 給 者 の 行 動 が 日和 見 的 な可 能 性 を秘 め て い る こ とに あ る(Kaas1993,Hueser1996)。 需 要者 はた び た び 供 給 者 の必 ず し も信 用 の お け な い情 報 を与 え られ る。 エ コ ロ ジー製 品 の ラ イ フサ イ クル で供 給 者 自身 が 関 係 して い な い段 階 に関 す る場 合 は こ とに そ うい う こ とが あ る。 信 用 の お け る供 給 者 が,情 報 と不 確 実 性 の 問 題 を克 服 し,利 益 だ け を求 め る便 乗 者 と しっか り一 線 を画 す こ とが で きる な らば,そ の とき

は環 境 指 向 の製 品政 策 に よ りエ コ ロ ジー的 利 点 を得 る こ とが で き る。 この情 報 障 害 の他 に も精 神 的 あ る い は状 況 的 要 因 が あ るの は無 論 で あ る。 例 え ば慣 行 や 時 間 的 圧 迫 が,既 存 の 環境 意識 と現 実 の環 境 行 動 の 間 に実 際 上 あ ま りに

もは っ き りした大 き な相 違 を引 き起 こす こ とが あ る。 適 切 な戦 術 的 ア プ ロー チ と用 具 の混 合 に よ り,マ ー ケ テ ィ ング は隙 間 を塞 ぎ,そ れ に よ って社 会 的 ジ レ ンマ を除 くこ とに寄 与す る こ とが で き る。 その 際 商 品 売 買 は製 造 者 と消 費 者 間 の 仲 介 者 と し て̀ド ア 自動 開 閉 装 置'の よ う な 重 要 な 役 割 を 果 た す

(Hansen1992)こ とにな る。

視 野 を広 げ て 見 れ ば,マ ー ケ テ ィ ング は販 売 市 場 の 業 務 行 為 関 係 だ けで な く,そ の他 の市 場,特 に こ こで は調 達 と廃 棄 物 処 理 の 市場 で の業 務 行 為 に も 取 り組 む。 環 境 指 向 の マ ー ケ ッテ ィ ン グ は̀市 場 指 向 の環 境 管 理'と して見

る こ とが で き る(Meffert/Kirchgeorg1998)。 そ の対 象 は材 料 循 環 を変 革 企業の戦略的環境管理69

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す る 交 点 で の さ ま ざ ま な 相 互 作 用 で あ る(販 売 時 点 情 報 管 理 〔̀Pointof sale,returnandreentry'〕)。 こ の 観 点 で 環 境 関 連 の 相 互 作 用 も し くは 業 務 行 為 関 係 の 説 明 や 形 態 が 作 られ,こ れ に 関 連 し た 市 場 関 係 者 の 考 え方 と行 動 様 式 が 探 られ,利 害 関 係 者 を 顧 慮 し た 循 環 と協 調 原 則 の 実 現 者 と し て 解 釈 さ れ る 。

(3}環 境 指 向 の 製 造 お よび 還 元 管 理

上 述 の両 原 則 を実 現 す るた め に は製造 お よ び還 元 並 び に物 流 管 理 が役 立 っ て い る。 そ れ ら は材 料 循 環 と製 品 ラ イ フサ イ クル を,そ の際 生 ず る変 形 プ ロ セ ス を顧 慮 して検 討 す る。 それ は環境 悪 化 が起 き る変 形 で あ る。 家 計 と国家 に よ る製 品 の消 費 も し くは使 用 を除 い て,企 業 は規 則 的 に製 品 ライ フサ イ ク ル,材 料 循 環 にお け る さ まざ まな段 階 また は プ ロセ ス で直 接 関与 す る。 生 産

(Erzeugung)ま た は製 造(狭 義 で)と い う言 葉 は,本 質 的 な 変 形 プ ロ セ ス の 目的 が 出 力 対 象(主 製 品)と し て の物 財(Gueter)の 産 出 で あ る とす る 場 合 に使 う こ とが で き る。 還 元 の場 合 は,そ の 主 要 目的 が 特 定 の有 害物 を入

力 対 象(還 元 物)と して 撲 滅(除 去 ・駆 除(Entleidigung)・ 変 形)す る こ と に あ るプ ロセ ス の こ と を い う(Dyckhoff1998)。 有 効 利 用 や リサ イ ク リ ン グプ ロセ スの 目的 は還 元 と生 産(再 生 産)を 同時 に行 う こ とで あ る。 そ の 際 望 ま し くない還 元 品 は望 ま しい製 品 に変 形 され る(例:何 度 も使 え る瓶 の 洗 浄 企 業 あ るい は ゴ ミ火 力 発 電)。

製 造 要 因 と して 他 の物 質 を投 入 せ ず に,あ るい は別 製 品 と して新 しい有害 物 質 を発 生 させ ず に,有 害 物 質 を完 全 に変 形 させ る に は,技 術 上 また 経 済上, 最終 的 に は 自然 法 則,こ と にエ ン トロ ピー法 則 が対 立 して い る。 す なわ ち,

それ は支 出 な し に収 穫 は得 られ な い とい う こ とで あ る。 そ の際 現 実 の利 益 と 支 出 は,積 極 的 も し くは消 極 的 として判 断 され,規 則 的 な多 次 元 の変 形 プ ロ セ ス の所 産 として表 され る。 図表 は プ ロセ ス関 連 と目的 性 と期 待 性 に関 連 し た成 果 の範 囲 を体 系 化 した もの で あ る。 主 製 品 と還 元 品 か ら主収 益 あ るい は

70国 際経営論集No.192000

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プ ロ ツ ェ ス 関 連

成 果 の カテ ゴ リー イ ン プ ツ ト ア ウ トプ ッ ト

実際の 収益

目的収益 (主)還 元 品

繊 灘 鹸 、

副収益 還元 要因

1騨・1饗 噸雪II樫,・ ・

湊 姻麟幽

実 際の費 用

識繋姻

完成 品

中立 の成 果

イ ン プ ッ トまた は ア ウ トプ ツ ト

副 次要 因 派生 品

凡例:〔=]善[=]悪[=コ 中立

出 典)Dyckhoff,H.=a.a.0.,38.

変 形 プ ロ セ ス の 成 果 カ テ ゴ リ ー

目 的 収 益 が 生 ず る。 副 収 益 は 原 料 の 製 造(Guterausbringung)(良 質 な 副 製 品)と 直 接 本 来 的 な プ ロ セ ス の 目 的 で は な い 有 害 物 質 の 撲 滅(還 元 要 因)か

ら生 ず る。 実 際 上 の 費 用 は 原 料(要 因)の 投 入 と と も に,有 害 物 質(派 生 品)の 発 生 と結 び つ く。 そ の 他,変 形 プ ロ セ ス で 生 ず る 利 益 や 費 用 に 中 立 の 変 化 も あ り う る(第2次 要 因,第2次 製 品)。 図 表 の 出 力 側 に は 行 為 の 目 標 で な い の に 生 ず る全 産 出 物,副 産 物 が 示 さ れ て い る。 動 産 の 場 合 に は,ド イ ツ 循 環 経 済 ・廃 棄 物 法(dasdeutscheKreislaufwirtschafts‑undAbfall‑

gesetz)で は そ れ ら を廃 棄 物 と呼 ん で い る 。

産 出 物 プ ロ セ ス の 形 成 と管 理 に つ い て は企 業 の 製 造 管 理 の 担 当 が これ を 行 う。 そ れ に 関 連 した 環 境 指 向 の 製 造 の 問 題 に つ い て は 経 営 学 が 比 較 的 早 くか ら(特 にStrebe11980),ま た 論 理 的 根 拠 に 基 づ き 取 り扱 っ て き た(例:

Dinkelbach/Rosenberg1997,Dyckhoff1993,Houtman1998)。 環 境 指 向 の 製 造 管 理 に つ い て の 個 々 の 問 題 に つ い て は 大 変 な 進 歩 が 見 られ る が,製 造 計 画 と製 造 管 理 シ ス テ ム の 構 想 に 包 括 的 に含 め る 点 が ま だ 欠 け て い る 。 既 存 の 提 案 は 単 に 「付 加 的 」 で あ っ て 「統 合 的 」 に は 見 られ て い な い。 特 に 連 結 製 造 の 問 題 性 に つ い て は ご くわ ず か し か 取 り上 げ られ て い な い 。 し か し な が ら,製 造 に 関 す る企 業 の 環 境 管 理 は お そ ら く非 常 な 革 新 を遂 げ た と い え る。

企業の戦略的環境管理71

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そ こ で は,廃 棄 物 処 理 範 囲 で の 有 害 物 質 の 浄 化(Aufbereitung),有 効 利 用,そ れ に 除 去 す る た め の 還 元 プ ロ セ ス に 関 し て は 主 張 さ れ て い な い 。 これ

に つ い て は 当 時 の ア メ リ カ合 衆 国 の 副 大 統 領 の 以 下 の 発 言 が,今,な おi的 を 得 て い る 。 「結 局 の と こ ろ,ゴ ミ処 理 の 技 術 は ま だ ま だ ゴ ミを 製 造 す る人 に か な わ な い 」(Gore1992)。 必 要 不 可 欠 な の は,基 本 的 特 質 を 備 え た 企 業 の 還 元 管 理 で あ る。

㈲ 環 境 指 向 の物 流 管理

一 般 的 に,製 造(生 産)と 還 元 の概 念 は狭 く解 釈 され て お り,目 的対 象物 (還 元 品 あ るい は主 製 品)の 質 的 変 化 が 起 こ る変 形 プ ロセ ス に だ け に関 連 し て扱 わ れ る。 上 記 以 外 の 変 形,つ ま り目的 が特 定 の対 象物 の空 間 的,あ る い は 時 間 的 変 化 に あ る よ う な 変 形 は,特 に 移 転 過 程 と し て 表 さ れ,物 流 (Logistik)に 分 類 され る。 そ れ に よれ ば,環 境 指 向 の物 流 管 理 の 問題 は環 境 に優 しい対 象物 の循 環 を 目指 す こ とにあ り,特 に,そ れ に よ っ て物 流 の対

象範 囲 は供 給 プ ロセ スか ら廃 棄 物 処 理 プ ロ セ ス に まで拡 張 され る(Stoelzle 1993)o

環 境 悪 化 へ の 影 響 の可 能 性 は,製 造 に伴 うだ けで な く,輸 送,倉 庫 保 管, 包 装,そ れ に委 託 処 理 の よ うな物 流 の サ ブ シス テム の 管 理 に も伴 う。 例 え ば, 輸 送 に際 して は交 通 基 盤 や 交 通 手 段 そ れ に動 力 エ ネル ギー の準備 に対 す る整 備 措 置,既 存 の輸 送 手 段 や 経 路 お よび その 最適 な利 用 の選 択 に関 す る管 理 措 置 が 関 係 す る。 物 流 独 特 な の は,分 離 した部 分 的 解 決 の代 わ りに,い ろ い ろ な物 流 サ ブ シ ス テ ム間 の相 互 依 存 を念 頭 にお く全体 的 解 決 を目指 す シス テ ム 思 考 だ とい う こ とで あ る。 そ れ に よ り統 合 的 な 在 庫 品 計 画 や輸 送 計 画 とい っ た もの に つ い て,原 価 を大 幅 に削減 で き るだ けで な く,必 要 な運 転 費 や そ れ に付 随 したエ ネル ギ ー消 費 量 や大 気 汚染 な ど も明 らか に減 少 させ る こ とが で き る。 そ の点 で こ こで は原 価 を最低 限 に抑 え る経 済 上 の 目標 と環 境 保 全 とい うエ コ ロ ジー上 の 目標 が協 調 して い る。 で き る限 り上 質 な配 達 サ ー ビス を し

72国 際経営論集N{〕,192α 〕0

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よ う とす る従 来 の達 成 目標 は,積 極 的 環 境 政 策 に お い て は エ コ ロ ジー 的 内 容 の供 給 と廃 棄 物 処 理 に あ る。 選 択 した環 境 戦 略 に応 じて,事 後 追 随 指 向 の企 業 環 境 管 理 は廃 棄物 処 理 の 物 流 に集 中 し,プ ロ ツ ェス指 向 の場 合 は社 内 の物 流(調 達 ・製 造 ・配 達 ・廃 棄 物 処 理)に 集 中す る。 一 方,サ イ クル 指 向 の企 業 環 境 管 理 の場 合 は,計 画 か ら責 任 を持 た な けれ ば な らな い製 品 の材 料 循 環

に そ っ て,す べ て の企 業 間 の移 転 プ ロ セ ス を も考 慮 にい れ て い る。

環境 指 向 の物 流 管 理 は この よ うに戦 術 的,実 践 的環 境 管 理 の他 の分 野 を補 う。 す なわ ち,製 品 製造 に関 す る研 究 開 発 費管 理 が全 体 的 な エ コ ロ ジー 的 製 品 の ラ イ フサ イ クル とそれ に つ な が るす べ て の材 料 循 環 を 間接 的 に考 え る の に対 し(た とえ,す で に十 分 に確 立 して い る と して も),マ ー ケ テ ィ ン グ, 製 造 と還 元 お よ び物 流 の管 理 は,材 料 循 環 の 特 別 な側 面 に そ の 時 々 に直 接 着 眼 す る。

お わ り に

12)

Dyckhoffは,環 境 管 理 原 則 と環 境 政 策 に つ づ けて,本 稿 の 戦 略 的 環 境 管 理 に関 して論 じて い る。 そ の 中で 特 に,環 境 戦 略 を防 衛 指 向,ア ウ トプ ッ ト 指 向,プ ロ ツ ェ ス指 向 お よび サ イ クル指 向 の4つ に分 けて説 明 して い る。 次 に戦 略 的環 境 管 理 上 の諸 課 題 に関 して 指 摘 し,企 業 戦 略 にお け る管 理機 能 の 整 備 につ い て 環境 保 全 組 織 人 事 管 理,エ コ コ ン トロー リ ング に関 して論 じ,

さ らに研 究 開 発 管 理,マ ー ケ テ ィ ング管 理,生 産 管 理,物 流 管 理 に お け る戦 術 的,オ ペ レー テ ィブ な環 境 管理 につ い て説 明 して い る の を紹 介 した。

元 来,環 境 管 理 や環 境 保 全 は,政 策 として利 用 す べ き もの で はな い が,営 利 原 則 も達 成 す る こ とを期待 され て い る企 業 にお いて 認 め ざ る を えな い。 し か し,環 境 の 問題 を 日和 見 的 な もの と し,あ くまで も利 益 第 一 主義 を標 榜 す

る政 策 とは厳 然 と区別 しな けれ ばな らない の は 当然 で あ る。

企 業 の 戦 略 的 環 境 管 理73

(20)

1}Dyckhoff,H.:Umweltmanagement,in:SpringersHandbuchderBetriebs

wirtschaftslehre,(Hrsg.)Bernd,R./Altobelli,C.F./Schuster,P.,Heidelberg 1998/99,S.25f.

2)Dyckhoff,H.,a.a.O.:S.26f.

拙 稿 「企 業 に お け る 環 境 管 理 原 則 と 環 境 政 策 」 国 際 フ ォ0ラ ム(神 奈 川 大3)

学)第11号,161頁 以 下 。

4)Dyckhoff,H.:a.a.O.:S.29f.

5)Dyckhoff,H.:a.a.O.:S.30f.

6)Dyckhoff,H.:a.a.O.:S.3Lf.

7>Dyckhoff,H.:a.a.Q.:S.32f.

拙 稿 「 ド イ ツ に お け る 環 境 原 価 計 算 の 展 開 」 企 業 会 計Vol.48(1996)No.g}

9

9)拙 稿 「環境 保全費 の経営環境 原価 計算 への算入 に関 す る一 考 察」経理研 究 (中央 大 学 経 理 研 究 所)第37号,244頁 以 下。

10) 11) 12)

Dyckhoff,H.:a.a.O.:S.33f.

Dyckhoff,H.:a.a.O.:S.34f.

拙 稿:前 掲 「企 業 に お け る 環 境 管 理 原 則 と 環 境 政 策 」161頁 以 下 。

74国 際 経 営 論 集No.192000

参照

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